彼等は何を選び、何を信じるのだろうか?
「ニコル・アマルフィ、具合はどうかね?」
「た、隊長」
ニコルは自分の病室に現れた上司の姿を見て、思わず居住まいを正そうとしたが
「気にする事はない。楽にしてくれて構わんよ」
「あ、はい」
クルーゼからの言葉にニコルは力を抜いてベッドに横になった
「倒れたと聞いたが、やはり調べたのかね?」
「…はい。正直怖気が走りました
父に聞いてみたところ、否定しませんでしたし
…戦うのが恐ろしくなったんです、僕は」
ニコルは暗い表情をして俯く
「それも良いと私は思う」
「…えっ?」
ニコルは思わず顔を上げて、クルーゼの方を見た
「元々我々のしている事は殺し合い以外の何物でもない。恐怖を感じて当然だ
だが、その中でも我々はギリギリの理性を残しておかねばならなかったのだがね」
クルーゼは深く深く重いため息をつく
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同じ頃、シホ・ハーネンフースは呼び出しを受けていた
「…つまりビーム兵装の実戦データが必要。そう仰られるのですね?」
「ああ。認めたくはないが、現在我々はナチュラルや我々プラントを裏切った地球軍のコーディネーターによって窮地に立たされつつある
君の機体、シグー・ディープアームズによる戦闘データの蓄積があれば我々ザフトも携行型ビーム兵装の実用化に向けて動き出せる」
「…確か、現行のビーム兵装といえばバルルスくらいでしたね?」
「うむ。流石にバルルスでは携行用としては大型に過ぎる
地球軍から強奪した新型のデータがもう少し詳しくとれていれば良かったのだが」
「…分かりました
それで実戦データを取るとしても何処で取るべきでしょうか?」
「うむ、まだ幸い宇宙は我々の勢力圏だ」
「となると地上、ですか?」
「頼めるかね?」
「お任せください!」
とシホは地上のザフトの現状を知る事なく、地球に向かう事になる
…断っておくが、彼女なりの事情もあったのだ
何せ彼女の乗機であるディープアームズはつい最近完成したばかりであり、シホはその最終調整に殆どの時間を割いていた
ザフトとしても完成や量産体制が整うか分からない新型よりも、既存の機体であり容易に増産できるジンに携行型小型ビーム兵装を持たせる事で速やかな戦力向上を図ったのである
まぁ言うまでもなく、これには絶対的条件がある
シホが無事にプラントへとそのデータを届けられるか?
というものが
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「ニコル、もし君が今のプラントに希望を持てないなら亡命も一つの選択肢だと私は思うが?」
「隊長!?」
ニコルは頭を強く殴られたような衝撃を受けた
ザフト屈指のエースであり指揮官でもある目の前の人物がプラントの敗北を示唆する様な事を口にしたのだから
「冗談で言っている訳では無いぞ?
今のプラントの上層部の中でこの破滅的な状況をしっかりと理解している者がどれくらい居ると思うかな?
私とてザフトの一員だ。勿論最後まで戦うつもりではいるが、君の様な若い者まで好き好んで死んでほしいとは思わんのだよ」
「…それは」
「忘れてくれるな、ニコル・アマルフィ。我々が守らねばならんのは確かにプラントの未来かも知れん
だが、その未来に生きる者が居なければその未来に何の価値もないのだから」
「…はい」
クルーゼはそう言うと、懐から一枚の紙を置いて病室から出ていった
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「既に開戦前の熱狂も活気も失われている
…これでまだ戦争が出来ると思っているのだからお笑い種だな」
クルーゼは既に自分の計画が果たされない事を受け入れている
であれば、せめてレイや友人であるギルバートが何とか生きていけるような状況だけでも作りたいと思っていたのだ
正直、パトリック・ザラやエザリア・ジュールに対する失望感はかなりのものだ
最初から拮抗していたとか、負けていたとかならばまだ挽回できる
だが、勝っておきながらこの有様ではどうにもならない
しかも現実を直視する事すらできず、自分達にとって都合の良い事に逃げているのだから何を期待出来ると言うのだろうか?
既にザフト宇宙軍の士気も危ないところにまで来ているとクルーゼは考えている
これで勝てるわけがない
そして更なる凶報がプラントへと舞い込む
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「ボアズが攻撃されただと!?」
彼等の困難はまだ終わらない
という訳でプラントのヤバさをクローズアップしてみた
本作のヒロインは?
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大天使ナタル
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妹系少女マユ
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フレイ
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猪突猛進娘カガリ
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キラ
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シン
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その他