勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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断章的な話

短いけど、割と重要なもの


 ??? phase 抗う者達

「…そうですか、もうザフトには戦う力が残っていないのですね」

 

『それは些か早計と言わざるを得ないが、おおよそ間違ってはいないだろうね』

 

ラクスは自室でため息を深くつきながら、通信相手と話をしている

 

『私の友人も必死にどうにかしようとしてはいるそうだか、どうにも上手くいかないそうだ』

 

「…そうですか」

 

『君から貰ったデータと私の持っているデータを照合してみたが、決して的外れな未来ではない様に私には思えたよ』

 

「…ではやはり」

ラクスは沈んだ声で確認すると

 

『…ああ、このままでは君の次の代くらいがプラントのコーディネーターにとって最後の世代となる可能性は高いだろうね』

 

「…やはりですか」

覚悟はしていたつもりだった

だが、いざ現実としてあり得るものと突き付けられると、まだ年若いラクスの心は重く沈んだものになってしまう

 

「プラント最高評議会はまだ戦争を続けようというのでしょうか?」

 

『私は軍事の素人だからあまりよく分からない

が、私の友人が言うには『鮮やかに勝ちすぎた』との事らしい』

 

----

 

ザフトは開戦以降、ビクトリア攻略作戦以外ではさしたる被害を受ける事なく地球軍を駆逐出来ていた

 

 

それは好ましいものであったが、そうであるが故にプラント最高評議会やザフト司令部はこう考える様になった

 

ナチュラル(地球軍)などこの程度なのだ、と』

その結果、MSの開発は鈍化し、戦争というもの自体に対して甘い考えがプラント内に蔓延する事になった

 

更に言えば犠牲が出ていない訳ではないのに、それに対してプラント市民もそこに鈍感となってしまう

 

 

勝っている内はそれでも良かっただろう

だがこれはひとたび負けてしまうと最悪の方向で噛み合ってしまう

 

今のプラント最高評議会やザフト司令部は自国や自軍の状況を知りながら、それをプラント市民に伝えようとしない者達ばかりなのだ

プラント市民は今自分達の周りにある不穏な空気に気付き始めている。結果、プラント市民は何か自分達にとって好ましくない事が起きているのではないか?と最高評議会やザフト司令部に対して疑惑の目を向ける事になったのだ

 

それに対して最高評議会は『偽りの戦況』を広める事により、事態の沈静化を図った

 

 

それがラクスにとって余りにも恐ろしいものに見えるのだ

 

 

『見たいものしか見ず、聞きたいことしか耳を傾けない

そうなれば行き着くのは歪んだ世界だけだろ?そんな世界が俺は見たいとは思えんけどなぁ』

アークエンジェルで話をした彼は自分にそう言っていた

 

『現実を直視するから始めて解決策を考える事が出来る

反省しないものが、どうして次に繋げられると思うんだろうな?』

彼がそう憂鬱そうに呟いていたのをラクスは良く覚えている

 

 

彼は健康面で明らかに何かを抱えていた

本来ならば軍人になるべき人ではないのだろう

 

それでも彼は守りたいものがあるから戦おうとしたのではないだろうか?

 

 

 

そして、その決断をさせたのは恐らく自分達プラントの人間だ

本来別に気にかける必要なんてないはずの自分にすら気にかけてくれた

 

 

----

 

このままではいけない

 

プラントに戻ってからラクスはその思いに駆られていた

婚約者であるアスランに話をしようかとも思ったが、アスランは地球軍にいる友人の事で頭が一杯だった様で、文字通り『話になりそうになかった』

そもそもその友人、恐らく自分を引き渡してくれたキラという人物だと思うが、その人がザフトやプラントに反感を持つ理由についてまで考えを巡らせていると思えなかった

 

アスランはそのまま戦争に戻って行ったが、ラクスは到底キラをアスランが説得できるとは思えない

 

 

 

というか、結果的に大西洋連邦軍の船(アークエンジェル)ザフトの船(ヴェサリウス)に乗った形となった訳だが、余りにも連邦軍に比べザフトの意識の低さに驚いてしまったというのが本音だ

 

なんというか『人を殺す』という事に対しての緊張感がヴェサリウスの一般クルーやアスランから見られなかったのだ

 

 

----

 

ラクスは『プラントの歌姫』と呼ばれている

それはつまり彼女の表現能力が優れている事であり、感受性も豊かであるという事でもあるのだ

 

どうしても音楽に親しんでいる者というのはその辺りの感覚が研ぎ澄まされるものだ

どうしても大勢の前に出てライブをする彼女は『他人の視線』や『それに込められた意味』などにも敏感になってしまう

 

 

だからこそ、ヴェサリウスの空気というものは彼女にとって気持ち悪いものだった

 

艦橋にいる基幹クルーはクルーゼやアデスの指導が行き届いている為にそこまででもなかった

だが、彼等の目の届かない所で働いている者達の中には明らかに敵を殺す事をゲーム感覚で楽しんでいる者(・・・・・・・・・・・・)がいる様に彼女には見えた

アスランの同僚であるイザークやディアッカも何処か浮ついている所が見えたのだ

 

…そう言った意味で彼女と話が出来そうだったのはニコルだけだっただろう

彼はあの放送を聴いてプラントに帰還した時も顔色を青くしていた

 

 

クルーゼやアデス、ガモフの艦長であるゼルマンもそうだった

 

 

明らかに意識の差がそこにはあったのだ

 

 

----

 

「何とかしなければなりません

ですが、今の私には何も出来ない」

 

『今は少しずつ賛同者を集める他にないでしょう

このまま行けばプラントの待つ未来は決して明るいものではないのは間違いないでしょうからな

…私も叶う限り手伝わせてもらいましょう』

 

「ありがとうございます

…しかし本当に良いのですか?今なら小娘の妄言と一蹴出来るでしょう」

ラクスの言葉に

 

『私も曲がりなりにも生命工学を学んでいる人間です

…それに友人が苦しんでいるのに私だけ知らん顔は出来ませんよ』

相手は苦笑する

 

「失礼しました

では是非宜しくお願いしますわ

ギルバート・デュランダル博士」

 

『ああ、より良い未来の為に』

 

 

----

 

崩壊していく世界を守る為に懸命に抗おうとする者達

しかし、組織という歯車はその様な者達の想いすら噛み砕いて回り続ける

 

その機械が壊れるその時まで

 

 




という訳でラクスとデュランダルが共闘するという作者も割と意味不明なルートが爆誕しました


この場合、ラクスの協力者にデュランダル、タリア、クルーゼにアデスやゼルマンが入る事になるでしょうね

はてさてどうなるやら(おい)

物語が進んだので改めて、本作のヒロインは?

  • ナタル
  • マユ
  • フレイ
  • カガリ
  • ラクス
  • シン
  • キラ
  • その他
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