勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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お年玉

御笑納下さい


 extra turn 温かな時間

タリアとラウにレイと共にオーブへ越してきて少し経った

 

オーブへ来た当初はこれからの事を考えて皆不安になったものだが、今となっては過去の事

タリアと私の結婚についてはオーブ法律上問題ないそうだ

 

子供が産まれない可能性についてはどうしようもないが、その事をどうやらラウはカズイ君に話したらしい

曰く

「彼の口は堅そうだったものでつい」

との事

 

…プラントからこちらに来て恐らく一番変わったのは彼だと私は勿論、タリアやレイもそう感じているだろう

 

それはさておいて、この話を聞いたカズイ君は

「子供っていうのは授かりものですからね。そういう事もあるでしょう

…因みにこのオーブの祖先にあたる国の天下人とやらはかなりの数の側室を持ちながら、たった2人しか子供を授からなかったらしいですよ?

それにデュランダルさん達にはレイくんがいるじゃないですか?」

と言ってくれたらしい

その後、カズイ君は思うところがあったらしく、オーブの法律で養子縁組が出来るかを調べてきてくれた

 

私とタリアにとってレイが息子となる

…それは素敵な事だとは思う。だが友人であるラウの事を考えると複雑でもある

 

 

のだが、これはいったいなんなのだろうか?

 

「…カズイ君

私もタリアもラウもレイも君達には感謝している

のだが、これはいったいなんなのだろう?」

 

「いや、料理教室ですけど?」

 

「料理?」

私の疑問にカズイ君は事もなげに答える

タリアも目を丸くしているし、ラウに至っては頭痛を堪える様に頭を押さえている

 

「…なるほど

それでその水槽の中にいる生き物。それを調理するのかね?」

…流石はザフトきってのエースと呼ばれていただろうラウだ

私やタリア、レイが直視したくない現実をしっかり見つめている

 

「そうですね

プラント生まれの皆さんや割と余裕のなかったクルーゼさんには少し馴染みがないものかも知れませんけど

オーブのルーツの一つである旧日本地区では割とオーソドックスな食材なんですよ、これ」

 

「た、食べるのか、そんな恐ろしい外見のものを」

レイも思わず顔を青くして戸惑っている

 

「食べるが?

日本人の食に対する熱意を甘く見ちゃいかんよ、レイ君

毒があろうと、それをどうにかして食べようとするのが日本民族。そしてその血は俺たちオーブの人間にも間違いなく受け継がれている」

 

「そうだとしても、流石にその見た目のものを食べるのは」

タリアもやはり怖気付いている様だ

無理もないだろう。私もそうなのだから

 

 

「というか、皆さん一度は食べてますけど?」

 

「「「「なにぃっ!?」」」」

 

カズイ君の言葉に私達は大声をあげることとなった

 

 

 

 

 

----

 

「あの時のレイは本当に傑作だったよな」

 

「…言うな、シン」

 

「ええっ、何があったのよシン!教えてよ」

オーブの学校の一室で俺達はいつもの様にバカ話に興じていた

 

…しかしシン、そうやって人を揶揄うのはどうかと思うが

 

「そうは言ってもなぁ

レイって結構仏頂面だろ?とっかかりがないと周りと打ち解けられないのは問題だと思うけどな?」

 

…返す言葉もないな

 

「と言うか、シン

アンタレイとの付き合い長いの?」

 

「別にルナとそこまで変わらないさ

ただカズイがラウさんと特に親しいから良く会うことが多いくらいだって」

 

「ふーん。カズイさんって確かアンタのお兄さんだったよね?血は繋がってないみたいだけど」

 

「別に血の繋がりなんて気にした事ないからな

俺が生まれた時からの付き合いだし」

 

「凄いわよね、あの人

この前少し模擬戦お願いしたんだけど全く歯が立たなかったもの」

 

「はぁ!?

ルナ、お前カズイに模擬戦挑んだのかよ?」

 

「…ルナマリア、流石に無謀が過ぎるだろう

ラウにすら時に勝てるカズイさんに挑むとか正気か?」

この少し喧しい女はルナマリア・ホーク

 

俺達がオーブに越してきて少し後にオーブへと逃れてきた奴だ

なんでもルナマリアの両親は『あの作戦』の詳細を知り、プラントに愛想を尽かしたらしい

 

言うまでもなく、オーブに越してきた当初はかなり周りからの視線がキツかったそうだが、彼女の妹であるメイリン・ホークが困っている時にシンの妹であるマユとマユの荷物持ちをしていたカズイさんが居合わせたそうだ

 

優しいマユとお人好しなカズイさんだ

当然の様にメイリンを助けて、それからルナマリア達の助けになったらしいな

 

…まぁ、らしいと言えばらしいとは思うが

 

 

----

 

「で、レイやギルバートさん達は何を調理する事になったのよ?」

…話を逸らしきれなかったか

 

「ああ、それはな」

 

「おい、シン」

シンはルナマリアの質問に笑って答えた

 

「タコだよ」

 

----

 

「タコかぁ、それなら仕方ないんじゃない?」

 

「そう言いながらたこ焼き食べてるじゃないかよ、ルナ」

 

「美味しいものはおいしいでしょ?

調理前の事なんて忘れて良いと私は思うわ!」

 

「…釈然としないが同意はしよう」

俺達はカズイさんから渡された弁当を食べながら雑談を続けていた

ルナマリアはたこ焼きがかなり気に入ったらしく、こうしてカズイさんに弁当を頼む時には出来る限り入れてもらう様に頼んでいる

だがルナマリア。そうやってお前が頼む度にお前の妹であるメイリンがいつもカズイさんに頭を下げている事について目を逸らすのは感心しないがな

 

「うっ、それはそうなんだけど」

 

「ルナマリアは不器用だからな

タコの下拵えできないんだよなぁ」

 

「う、うるさいわね

じゃあシン!アンタは出来るの?」

 

「いや出来るけど」

 

「嘘ぉ!?」

そんなに驚く事でもないだろう?

シンはマユ程では無いにせよ、カズイさんから料理の手ほどきを受けているんだ

ある程度の手伝いくらいは習得していても不思議ではないだろうに

 

「何だよ、俺が出来ないってルナに言ったことあったか?」

 

「ないけど

…なんか負けた気分ね」

 

「シンもカズイさんの力になりたいと努力しているんだ

お前もメイリンを見習ってカズイさんに料理を学んだらどうだ?」

 

「…そういうレイはどうなのよ?」

…ふっ、ルナマリア。状況を想定する能力が足りないな

こう話を振っておいて俺が出来ないとでも思っているのか?

 

「…え?

ちょっと待って、まさかアンタも?」

 

「ある程度なら出来るぞ?」

 

「嘘でしょ!?」

ルナマリアの絶叫が教室内に響き渡った

 

 

「いや、でもレイってまだ皮剥きレベルじゃなかったか?」

シンうるさいぞ

 

 

----

 

 

余談となるが、レイの料理の師は母親であるタリアだ

というのも

 

「いや俺に教わるよりも、家族を頼りなさいや」

とのカズイからのアドバイスによりそうなった

 

とは言え頼られたタリアとてまだ充分なレベルとは言えなかったので彼女は必死になってカズイから教えを受けたそうな

 

 

カズイはそんなタリアを見て

 

「何でうちの両親はああなんだろうなぁ」

と深くため息をついたそうな

 

 




という訳でIF STORYの続きでした

この後の事は書くかどうかは分かりません

物語が進んだので改めて、本作のヒロインは?

  • ナタル
  • マユ
  • フレイ
  • カガリ
  • ラクス
  • シン
  • キラ
  • その他
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