勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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完結まで突っ走ります


 ??? side 明日を掴む為に

「…はぁ」

シホは盛大にため息をついた

 

本来彼女と彼女の乗機であるディープアームズは『重力下でのビーム兵装の試験』の為に地上戦線に送られる

…はずだった

 

 

それがザフト司令部やザラ国防委員長の方針であったが、そこに待ったをかけたものがいた

ユーリ・アマルフィである

 

彼はザフトの兵装開発の重鎮であり、現在凍結されている『新型核動力MS』や『新型量産MS』の開発責任者

そして、地球軌道戦の少し前に行われたラクス・クライン救出作戦において多大な精神的ダメージを受けて戦線離脱したニコル・アマルフィの父親だ

 

 

ユーリは「現状において重力下でのビーム兵装の試験が必要とは兵装開発局としては判断しかねる」として、シホとディープアームズの地上投入についてザラ国防委員長に異議を唱えたのである

 

 

「ザラ国防委員長

まず我々がすべきは宇宙における優位性を確たるものとすべきではないだろうか?

開発局としては新型の量産機の早期開発が出来ない以上、現行のジンにあわせた携行ビーム兵装の開発をすべきだと思うのだが」

とパトリックの執務室を訪ねたユーリは主張

 

現在ザフトはジェネシス(逆転の為の一手)の開発を進めており、これについてはユーリ達兵装開発局の関与をパトリックは必要としなかった

穏健派よりの思想を持っているユーリがジェネシスの真の目的を知ってしまえば今後のザフトの兵装開発に悪影響が出かねないとの判断からであった

 

 

故にパトリックとしてはユーリの意見を無碍に出来なかったという部分もあったのである

 

 

 

まぁその結果シホ(現場の人間)が振り回される事になるのだが、これは旧世紀から連綿と受け継がれる悲しい組織の常であろう

 

 

----

 

それ故にシホは憂鬱な気持ちになっていた

 

 

何せ彼女の所属は兵装開発局であるが、現在はザフトでもある

指揮権があやふやな事もあってか、ザフトとしても直ぐに動かせるものではなかったのだ彼女は

 

 

そしてその様な特殊な立ち位置であるからこそ、彼女はプラント内の温度差を感じてしまっていたのである

 

 

兵装開発局の曲がりなりにも一員であるが故に、最近の兵器開発が遅れに遅れている事を知っている

だが、ザフトの者達から聞くのは威勢の良い言葉ばかり

プラントの一市民としても最高評議会の『この戦争はまもなく我々の勝利で終わる。故にこそ今は耐えねばならんのだ』との話を良く聞く

 

 

 

だが、その割には最近ザフト地上軍に送られる戦力や物資が目に見えて減っている様にシホには思えてならなかった

確かにザフト・レッド(赤服)の者達を地上に送ったとは聞くが、少なくとも地上の、重力下戦闘の煩雑さをデータ上とはいえ知っているシホからすれば不足どころの話ではない様に思えてならなかった

しかもアスラン達以前に送った戦力も地上戦に特化したバクゥやディンなどではなく、ジンばかりというのだから兵装開発局の者達がザラ国防委員長や最高評議会の方針に疑問を持つのは仕方のない事でもあろう

 

彼女達が知る事のない話だが、この『地上への増援』とされている部隊の大半はボアズやヤキン・ドゥーエなどへの増援やジェネシス建造の為の物資として転用されており、地上へ実際に送られたのはごく一部であったりする

 

息子であるニコルが精神的外傷により戦線を離れた事で父親であるユーリが穏健派としてシーゲル達に同調するのを危惧しての判断であった

 

 

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故にシホや兵装開発局の者達とザフト宇宙軍の将兵の多くの認識は異なる為に彼女達はザフトやプラントの中で孤立を深めつつあった

 

そんな中での『地上への増援の中止』である

 

言うまでもなく、一介の技官もしくは兵に過ぎないシホに決定権など存在するはずもない

これはザフト司令部やプラント最高評議会の判断

 

 

だが、戦意に溢れるザフト兵の中には

 

「ハーネンフースはナチュラルを恐れた」

という心無い、しかも根拠もない批判が流れる事となる

 

彼女が若くして、しかも女性でありながらアカデミーのエリートの証である『赤服』を纏っているのがどうやら気に入らない様にシホには思えた

 

「そんな事を気にしている場合ではないのに」

 

ザフトの、そしてプラントの窮状をおぼろげながらに理解しつつあるシホからすれば、そんな些細な事を気にしている場合ではない様に思えてならない

 

 

だが悲しい事にシホの意見はプラントにおいてごく一部の意見であり、それ故に彼女に対する風当たりは強いのも事実

 

 

兵装開発局であればある程度賛同される意見なのだが、その開発局自体が開店休業状態となりつつあり、多くの技官達は別部署へと配属されていった

 

これは開発計画の凍結や遅延といったある意味現在のザフトやプラントの状況を知り得る彼等を分散させる事でそれ等の意見を封じるという考えの元行われた人事である

 

 

 

 

 

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「どうにもならないだろうね」

 

「…やはりかね?せめてプラントが滅びるにせよレイや君くらいは逃したいものだが」

クルーゼは親しい友人であり生命工学の博士号を持つギルバート・デュランダルの所で話をしていた

 

デュランダルは最高評議会より『コーディネーターの出生率の改善』について研究する様に依頼されている

…だが、ファーストコーディネーターであるジョージ・グレンが様々な成果を出し、木星へと向かって以降も解決しなかったこの難題を直ぐに解決出来るとデュランダルは思っていない

 

「出来るとすれば、今の様な政策を更に発展させるくらいだろうと私は思うが」

 

「発展?

つまり結婚の相手のみならず、遺伝子を調査する事で適職すら決めようというのか

…それは中々皮肉の効いた事だろう

遺伝子を弄って生を受けたコーディネーターがその遺伝子に一生を縛られるのだからな」

デュランダルの言葉にクルーゼは笑った

 

「そうなれば最早個人の意思など介在する事は無くなるだろう

プラントは文字通り歯車(機構)としての意味しか持たなくなるかも知れない

…だが、私はこれくらいしか解決法が浮かばないのさ」

デュランダルは力無く(かぶり)をふる

 

「そうなれば究極の格差社会の出来上がりだろうな

金のあるものは自身の子供に『親の望む未来』を押しつけられる

子供は遺伝子という名の鎖によって、その未来を縛り付けられるだろう。そうなればその子供もまた自分の子供にそんな未来を用意するだろう」

 

「しかもそこまでしてもコーディネーターの未来が明るいとは言えない。あくまでも根本的な解決には至ると思えないのだから救えない話になる」

 

「可能性という名の未踏の地を征くか?

それとも遺伝子という道標という名の鎖に未来永劫縛られるか

…ふむ、これが人類の新たな境地というなら笑えないな」

クルーゼの言葉に

 

「さぞ窮屈な世界になるだろう

最高評議会などの役職すら不要になるな。全て遺伝子が決めるのだから」

デュランダルもそんな未来を想像し、表情を暗くした

 

 

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「どうにかしないと」

ニコル・アマルフィは焦っていた

あのラクス様救出作戦において足つきから齎された情報

イザークとディアッカは嘘と一蹴し、アスランは婚約者であるラクス様の事で頭が一杯だったのだろう、普段よりも落ち着きがなかった

 

 

だがニコルは見てしまった

父ユーリが頭を抱えていたプラントの現実を

 

このままいけばプラントは100年ももたずに終わる事を

 

 

余りにも残酷で非情な現実

しかもそれに対する有効な対策すら存在しない

 

そして何よりも恐ろしいのがその事実を知りながらも未だに戦争を止めようとしないプラント最高評議会の在り方だろう

 

加えてユニウスセブンの悲劇を嘆きながら、ヘリオポリスを崩壊に追いやった自分達の所業

『親愛なる蛮勇を愛するザフトの兵士達』

間違いなく、あの通信をした人物はザフトをプラントを憎んでいるのだろう

 

ニコル達は確かにヘリオポリスで大西洋連邦軍の兵士達と銃撃戦を行なった

だが、相手は対応出来ていなかったのではなく

対応出来なかったのではないか?

と今更ながらに思ってしまう

 

 

ヘリオポリスは『民間コロニー』

プラントやザフトにおいても民間コロニーにおける戦闘は忌むべきものとされている

言うまでもなくユニウスセブンの悲劇を想起させるからだ

 

だが、自分達はその事を知りながらも『地球軍の新型』があるからとあっさりその凶刃を振り下ろしたのだ

加えて脱出用のポッドが付近にある事を知りながらも自分達はそれすら無視して撤退した

 

宇宙において救助を待つというのがどれほど危険な状況であると知りながら

 

 

 

その時点でニコルはかなり精神的に打ちのめされていた

…だが、彼はそれでも逃げなかった

 

故にソレ(・・)を見てしまう

 

 

エイプリル・フール・クライシスにより発生した地球の被害を

 

1億もの犠牲者を出したソレ

ニコルはピアノを趣味としていた

 

 

それは創造力や表現力に富んでいるともいえるだろう

故に彼の持つ高い感受性は容易くそれに行き着いた

 

つまり

 

1億の屍のそばで嘆き悲しみ、怒りの形相を浮かべる者達の姿

を彼は想像したのだ

 

 

故に精神に多大な負荷をかけてしまい、戦場から離れねばならなくなった

 

心優しい彼にとってはそれもまた自身を責めてしまう理由となったのである

 

 

 

父と母は最近暗い表情ばかりだ

退院してからというものの、自分達とプラント市民の温度差に薄ら寒いものをどうしても感じてしまう自分をニコルは自覚していた

 

聞いた話ではイザークとディアッカはプラントに移送されてきたらしいが、どうにも会える状態ではないとの事

 

 

自分よりも優秀なあの2人ですらそうなのだ

しかも乗っていた機体も間違いなくザフトの中では最高の性能の筈

 

その事の意味を彼は嫌でも理解してしまう

 

『地球軍は反攻を始めたのだ』

 

 

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実際には地上でこそ凶鳥やcrazyなどが猛威を振るっているが宇宙においてはそこまでではない

 

まぁ、それでもスカイグラスパーの宙間戦対応型であるコスモグラスパーなどが配備されつつあった

どこぞの個性的(・・・)な所は回転式自走地雷を宇宙にすら持ち込むという狂、もとい脅威のメカニズムを発揮していたりするが幸運な事にプラント側はまだそれを把握していなかった

 

 

----

 

なので地上に比べると宇宙での地球軍の脅威度はまだ(・・)低い

 

それでもコーディネーター達の駆る鹵獲ジンやカスタムしたジンが猛威を振るっていたが

 

ユーラシア連邦軍アルテミス要塞司令ガルシアと大西洋連邦軍第八艦隊のハルバートンは遠距離通信による会談で

 

「戦力の増強を待って攻めかかるべし」

との共通の認識を持つに至った

 

 

その為両者はザフトやプラントに対するハラスメント・アタック(限定的攻勢)に留めるとし、占拠などについてはしない方向で一致している

 

「下手に崩せば処理(後始末)が面倒だ。核で吹き飛ばすのも数がかかる」

大西洋連邦軍とユーラシア連邦軍、東アジア共和国軍の首脳部による会議での発言だった

 

 

既にアフリカ共同体と大洋州連合、南アメリカ合衆国はプラントに対する支援を打ち切っており、後は『国内』で始末をつけさせる事になっている

 

「過干渉はするべきではない

彼等もれっきとした独立国なのだからな」

とは大西洋連邦大統領の発言だが、言うまでもなく本音は

 

『お前らのケツ持ちなどするか』

であった

 

オーブについては諸々の事情があったりする為にある程度手を入れる事になるのだが

 

 

 

----

 

故に宇宙において地球軍側からの本格的な攻勢はなく、あるのは散発的な攻撃のみ

 

ザフト宇宙軍が油断するのも宜なるかな、と言ったところだろうか?

 

 

 

加えてその脅威を一番知っているはずのクルーゼを白眼視しているのが最高評議会、正確にはエザリアとパトリックを中心とした強硬(凶行)派だろう

 

 

(このままでは僕達に未来はない)

ニコルの焦りは日に日に大きなものとなっていった

 

 

 

----

 

 

「…ではユーリさんも(わたくし)達と同じ考えと?」

 

「…既にプラントは戦争の出来る状況にない。私は兵器開発に携わる1人としてそう判断しています

勿論最高評議会でもそう主張したのですが」

 

「…受け入れられなかったのですね」

ラクスはプラントに戻ってきてからというもの、何とかプラントの未来を守るべく動き始めていた

それはもしかしたらプラントの市民やザフトの人間にとって許し難い裏切りになるのかも知れない。父やアスラン達を裏切る行為なのかもしれない

それでもラクスは何も知らないふりをして過ごす事をしたくはなかった。とは言え武力を使ってどうこうする訳にはいかない

 

そうなれば本格的な内乱となり、間違いなく多くの血が流れる事だろう

 

 

今のプラントをどうにかしなければならない

でもその為の具体的な方策が彼女にはなかった

 

不謹慎な話だが、仮に彼女の父シーゲルがパトリックやエザリアなどの強硬派によって排除されて(亡きものとなって)いたならば、或いは彼女にも協力者や支持者がいたかも知れない

戦争に対して割とドライな考え方をしているバルドフェルド辺りがいたならば協力者として動いてくれたかも知れないだろう

 

 

だが、そんな事はなかった

シーゲルは最高評議会議長として何とかプラントの未来を守ろうと奮闘しているし、バルドフェルド達はユーラシア連邦軍預かりの身となっている

 

 

焦燥感と無力感だけが彼女を蝕んでいた

 

 

だが、最高評議会メンバーであるユーリ・アマルフィが彼女を訪ねてきた事で光明が見えた様に思えた。…彼女にとっては、だが

 

 

----

 

「情けない事ではありますが、今のプラントで私やラクス・クライン。貴女の意見を聞き入れる者は殆どいないと思います」

彼女に賛同する市民もそれなりにはいる

だが、到底何かを出来る程のものではなかった

 

「…そう、ですね」

現実を直視せねばならないのは間違いない

だが、改めてそう口に出して言われるとあまりにも絶望的な状況である事が浮き彫りになってしまい、如何なラクスであっても辛くなる

 

「それは我々の力不足故の事

…貴女の様な若者がそれを気に病む事はありません

…ラクス・クライン。貴女はプラントから出るべきだと私は考えるが、どうかな?」

 

「それは」

ユーリの言葉にさしものラクスも絶句する

確かにプラントから逃れたならば、少なくともプラントのコーディネーターの未来は守れるのかも知れないだろう

 

考えた事がない

等と言うつもりはない

 

ラクス自身どうしてもアークエンジェルで話をしたあの人物ともっと話をすべきだったと今更ながらに後悔しているくらいなのだ

 

 

 

だが、彼女は知らない

 

ラクスに同調しているプラントの市民達

彼等が何故

 

情報統制されている筈の地球のエイプリル・フール・クライシスの被害の実態についてある程度とはいえ、知っているのか?

という事を

 

ラクスはカズイから

ユーリはその立場から

ニコルもまた悪意ある通信から

 

それぞれその情報やその断片を得る事が出来た

 

 

 

だが、カズイが求めたのは『戦争の終結(友人達が日常に帰る事)』であり、毒を流したのは

 

シーゲル(穏健派(笑))パトリック(狂人予定)をどうにかしてプラントで処理してもらおう」

というものだった

 

はっきり言えば、プラントのコーディネーターが生きようが死のうが自分の周りに被害が及ばないなら勝手にして欲しい

とすらカズイは思っている

 

 

確かにプラントに混乱を招く為にキラ(友人)に頼んでやばいデータをプラントの電子の海に放出した

だが、プラント最高評議会とてそれを即座に察知

情報の流出は最低限で終わった

 

 

…筈だった

 

だが、プラントにはプラントのコーディネーター達の勝利を願うコーディネーターばかりでない事を最高評議会のメンバーやキラにカズイすら知らなかったのである

 

 

そう『埋伏の毒』としてプラントに潜入した地球に住んでいたコーディネーター達

彼等はカズイの流した情報の断片を掴むと、自分達が死ぬ間際に自身の持つデータをプラントの電子の海に放ったのだ

 

プラントの対電子部隊や最高評議会は『地球側』からの情報という破城槌には警戒していたが、プラント内からの攻撃(裏崩れ)については全く想定していなかったのである

無論察知するなり直ぐにその情報も対処(デリート)したのだが、余りにも現実的それに一部のプラント市民は興味本位(怖いもの見たさ)で保存してしまった

 

結果、プラントにとって致命傷となり得る爆弾をプラントは自身の内側に複数所持する事になった訳である

更にこの情報を一部の者達は『危険なもの』と知りながら、それを自分達の親しい友人達に見せたのだ

 

…『出力した紙媒体』で

 

 

故にこそ一部のプラント市民はその恐ろしさと自分達の預かり知らぬところで行われた蛮行という表現すら生温いソレに恐怖した

 

 

何故か?

 

自分達(プラント)は事あるごとに血のバレンタイン(ユニウスセブン)の悲劇に対する報復を声高に叫んでいた事を彼等は良く理解していたのだから

 

 

----

 

 

どうしてもヒトという生き物は『自身の尺度』でものを考えるもの

 

だからこそ、情報を知ったプラント市民は恐怖するのだ

 

 

それだけの夥しい犠牲を出した地球からの報復がどれほどのものになるのか?それが予想できてしまうから

 

だが不幸かそれとも幸いか、彼等は比較的理性的であった為に即座の凶行に走る事はない

それすらもラクスという安全弁があるからなのだが

 

 

 

ラクスは彼女自身が思う以上に彼女が持つ影響力は大きい

 

シーゲル・クライン(プラント最高評議会議長)の娘である事よりも、市民からすればユニウスセブンへの慰霊の為のライブを行なった様にその静かな歌と裏腹に確たる思いを持って行動できる所に憧憬の念を持つ者が多い

 

歌もまた言葉を繋ぎ合わせ、それと音楽と合わせたもの

 

 

彼女の言葉には確かな力がある

それを遥かな過去からこういうのだろう

 

 

カリスマ

 

 

----

 

それは最高評議会の一員であるユーリにも分かる

 

 

…故にこそ危険なのだ

 

今の彼女を守る者は皆無

市民達は確かに彼女を守るだろう

 

が、それはラクス・クラインという個人を守るのではない

自分達に都合の良い偶像を守るだけなのだ

 

だからこそ、ラクスが自分達にとって益のあるうちは良いだろう

しかし、そうでなくなれば

 

 

 

だからこそ、ユーリはラクスをプラントから逃す事を考えている

 

今の彼女では都合の良い神輿以上のものになり得ないのだから

 

 

「ラクス・クライン

君は君が思う以上に危険な立場になりつつある。今ならばまだ間に合うだろう」

 

ユーリとて、最近のパトリックやエザリアの動きには薄々気付いている。だが既に機を逸した

まだ地球軍は宇宙での本格的な軍事攻勢に出ていない

 

パトリックやエザリアなどは『そこまでの余裕がない』と見ているが、ユーリはそう思っていない

『無理をしていないだけ』なのだろう

 

 

今はまだプラントに対する物理的な包囲網は構築されていない

だが、それも時間の問題

 

 

ユーリは妻と話をして、既に覚悟を決めている

息子のニコルも恐らく逃げられまい

 

仮に逃げたとしても、『ヘリオポリス襲撃の一員』という負の十字架は息子を一生縛りつける鎖となるだろう

 

 

…だが、それでもユーリ・アマルフィもまたプラント最高評議会の一員なのだ

プラントのコーディネーターの未来を消してしまうのが役割ではない

 

 

故に彼女に託すのだ

プラントの

宇宙に住むコーディネーターの未来を

 

 

 

 




混迷を深めていくプラント

彼等の明日はどうなるだろうか?

物語が進んだので改めて、本作のヒロインは?

  • ナタル
  • マユ
  • フレイ
  • カガリ
  • ラクス
  • シン
  • キラ
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