同時投稿した話も見ると少しだけ面白いかも?
俺はみんなが思う程に強い訳でも頭が切れる訳でもない
出来る事を必死でしただけの男なんだ
『真のコーディネーター』とかコーディネーター達の希望なんて思われても、俺に出来る事なんてそんなにない
シンとマユを何とか身体を張って守れるくらいの人間なんだ
…でも、それでは済まなくなった
ヘリオポリスでのストライクとアークエンジェルとの数奇な出会い
ヘリオポリス崩壊に伴いアークエンジェルに乗り、軍人に志願した
だが、それは間違いなく俺が選んだ道だ
仮にもガンダムSEEDの知識を持っている俺だ
全てを知っている
なんて嘯くつもりはないが、それでもこれからどうなるか?についてある程度とはいえ予備知識があるというのは非常に大きなアドバンテージだろう
だからこそ、両親に言われてヘリオポリスに来たのは間違いないがそれでも逃げる方法はあった
何とかして本土に戻る方法だってあっただろう
しかし、それを俺は選ばなかった
にも関わらず、やがて高い確率で訪れるであろう『ザフトによるヘリオポリス襲撃』とそれに伴う『ヘリオポリス崩壊』
本来ならば、それに対して何らかの対処をすべきだっただろう
勿論俺はオーブの一市民に過ぎず、転生者によく言われる『不思議な力』なんてものは持ち合わせていない
俺が持っているのは少しばかりの知識と弟達から貰った勇気くらいだ
何度も思った
『逃げ出したい』
と
だが、俺は俺の意志で逃げる事をしなかったんだ
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『なんで君はそこまでやろうとするの?』
なんでったって
自分の言葉を嘘にしたくない、からかねぇ
『…その結果君は片肺を失ったばかりか、身の丈に合わない
別に君はキラ・ヤマトの様に高い能力を持っている訳でも、ラウ・ル・クルーゼの様に世界を憎んでいる訳でも、ラクス・クラインやアスラン・ザラ、カガリ・ユラ・アスハの様に親から何かを引き継いだ訳でもないんだよ?』
…そりゃそうだ
俺が凡人だって事は他ならぬ俺が1番よく知っている
もしかしたら、俺が死んでから新しい世界が出来たかもしれないし、そもそも俺の知っている知識だけが全てなんて事はありえないだろうさ
…それでも
もしかしたら俺のしている事は余計な事なのかも知れない
でもよ?世界はたった1人がどうこう出来る程軽いものでも、易いものでもないだろう?
『君は達観しているのか、それとも我儘なのか分からなくなるね』
居直る様な話だが、それが俺だ
これからも逃げたくなるだろうし、何度も誰にも知られないところで吐く事だってあるだろうさ
死ぬかもしれない
結局はやってみなきゃ分からん事だらけなんだ
『…まぁそれはそうだろうね
でも本当にその道を後悔しないのかな?』
するに決まってるよ
だからこそ、人は更なる高みへといけるんじゃないか?
後悔し、反省し
それでも戻らない
『自分で勝手に道を思い定めていた君がそれを言うのはどうかと思うけどね』
否定はしない
それすら糧にして
止まる事なんて出来るもんじゃない
人間誰もが『自分の中の理想』を持っている
それが違うから対立し、時に争う
そうやって多くの犠牲を出して、それでも人は歩み続けてきた
俺のしている事だって、間違いだらけ
『もっと楽な生き方もあると思うけどなぁ
キミ、自分が思う以上に大馬鹿者だと思うよ、僕はさ』
…だと思う
それでも歩き続けると決めたんだ
だから、ありがとう
カズイ・バスカーク
『君みたいに強くはなれない
でも臆病だからってそれを謗られる事はないんだ
臆病と言うのは慎重な事でもあるんだからさ
…頑張ってみてよ?〇〇〇〇』
ああ、
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微睡みから覚めると
「あら?お目覚めかしら
…気分はどう?」
フレイの顔がそこにあった
…いや前々から思ってたけど、距離感おかしくないか?
「ふふ、なぁにそれ
アンタでもそんな事気にするのね」
俺でもとか失礼な
んでここは何処よ?
「アンタの部屋よ
アンタが倒れてから大変だったんだからね」
「そうだよ
…マユがかなり怒ってさ」
…おう、シンもいたのか
おはよう
「僕もいるよ、カズイ
大丈夫なの?無理ならもう少し休んだ方が」
キラもいたか
どうやら色々言ってしまったみたいだな、悪い
「ううん、カズイもかなりストレスを溜め込んでいたのに色々してたから仕方ないよ
でも、今度からは僕でもフレイでも、シンやマユちゃんにでもトール達にでも良いから相談してほしい」
…そうだな、ありがとうキラ
さて、どうやら眠っていた間に色々あったみたいだけど状況を把握したいんだが
そう俺がシン達に声をかけたのだが
ピピピピ!
部屋にある通信端末が着信を知らせてきた
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「もしもし」
『その声はバスカークか?
目が覚めた様だな。これで一安心だ
…さて、目覚めたばかりのお前には悪いがこれからカガリ・ユラによる声明が出る事になっている
恐らくは』
「戦闘になりますか?」
俺達はミナさんとカズイの話を聞いていた
カズイとしても共有するべきと考えたみたいで、スピーカーに切り替えている
戦闘になる
カズイの何気ない一言で、俺やマユの知っているカズイはやっぱり変わってしまったのだと感じてしまう
でも、根っこの部分は変わらない
人の事を心配する割には自分の事には無頓着で
冷静なのかと思えば、自分をギリギリまで追い込んで溜め込む
そんなカズイだから、俺はカズイの力になりたい
そう思うんだ
既にミナさんには話をしているし、父さんと母さんにマユにも話をしている
マユもカズイの力になりたいみたいだったけど
「…マユ、貴女まで戦いの場に出てしまったらカズイ君を日常に誰が引き戻せるのかしら?
本当にカズイ君の事を想うなら、貴女はカズイ君の日常を守りなさい」
「シン、カズイ君に伝えてくれ
『私達はいつも君の帰りを待っているから』と」
「…はい」
そう俺は母さんと父さんから言われたんだ
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『真のコーディネーター』とかそんな事は知るもんか
カズイは俺にとって本当に頼れる相手で、優しい兄なんだ
今だってカズイは歯を食いしばりながら必死で歩こうとしている
いつも自分一人だけで解決しようとするカズイが俺を頼ってくれたんだ。『一緒に地獄に落ちる』くらいなんて事ない
俺もマユもカズイに持っている気持ちはそんなもんじゃないんだからな
…だから、カズイ
俺達をもっと頼ってくれよ
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カガリさんの意思表明は終わった
多分この部屋にいる私だけでなく皆こう思っただろう
『このまま終わる訳が無い』
と
そして始まったオーブ内戦
と言っても、基本
何せカズイが普通に動こうとするのだから、カズイの事を心配する2人にとって一大事だ
勿論私にとっても、だけど
「あー、国防軍のアスハ支持者の皆さんに伺いたい
何故この様な事を?」
「寝ぼけた事を言うな!そもそもサハク達がウズミ様達を無理矢理押し込めたのだろう」
あら?普通に応えが返ってくるのね
意外だわ
「そうでもしなければ、この国は過去のものとなりますが
それでもあなた方は良いと仰る?」
ただ、コイツにそれは悪手なのよね
無視してもダメ。話をしてもダメ
とんだおっかない奴よね、カズイって
…まぁそれに惚れている私が言うことでもないと思うけど
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「そうでもしなければ、この国は過去のものとなりますが
それでもあなた方は良いと仰る?」
銃声が止んだ
相手の言葉の意味が分からない訳ではない
真実かどうかも分からないその言葉に、言い知れぬ圧力を感じたからだ
「オーブを守る
有り難いことです。オーブの国民の一人として感謝します
…ですが、敢えて言わせてもらいたい
なら何故
何故あなた方はヘリオポリスが崩壊したのに何もせぬのですか?」
皆が息を呑む音が聞こえた様な気がした
「申し遅れました
私はカズイ・バスカーク。現在不本意ながら国防軍の一尉を与えられております
ですが、ほんの少し前までの私は大西洋連邦軍所属の少尉でした
所属艦は大西洋連邦軍の新鋭艦アークエンジェル
…気付かれた方もおられる様ですね
そう、ヘリオポリスから逃れたヘリオポリスの住民なんですよ、私や此処にいるキラ・ヤマトにフレイ・アルスターは」
嘘だと誰か声を上げるのかと思ったが、誰一人として声を上げない
ただ、自分達よりも明らかに年下である少年が自分達よりも上の階級である事に戸惑いを隠せなかったが
「オーブを守ると仰られるあなた方の中に
そう、これは恐らく
「守ると声をあげるだけならそこら辺の子供にも出来ましょう
…それで?あなた方はウズミ・ナラの理念を守ってどうしますか?
カーペンタリア、カオシュン、ジブラルタル、ビクトリア
何の事か分かりますか?」
実戦に出た者の凄味なのだ
「…ザフトにより制圧された拠点だろう?」
うちの隊長が口を開く
だが
「いつの話をしておいでで?
すでにそれらの殆どは
少年は首を傾げた
さも当たり前のことを知らない我々を不思議そうに見ながら
「大西洋連邦軍に属していたから情報が早かった?
そうではありませんよ
今のオーブは地球軍にとって、敵として見做されつつあるのです」
恐ろしい事を口にした
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良い歳した大人達がガキの様に喚き散らしているのは本当に情け無い光景だ
なら、事実を突きつけてやろう
子供に教える様に順序立てて分かりやすく噛み砕いて教えてやる
お前らのしている事がどれだけ恐ろしく、無意味なものなのかを
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「…なんだ、これは」
「見ての通りURLですが?」
相手の少年が投げて寄越したのは一枚の紙
其処にはいくつかのURLが記載されていた
「さ、しっかりご覧くださいよ?」
少年は無表情のままそう言った
「…なんだ、これは」
隊長がうめき声を思わず漏らす
他の者達は声も出せない。私もそうだ
紙に記載されていたURLは地球各国の主要な報道機関や政府広報のサイトのものであり、そこには絶望の光景が映し出されていた
大洋州連合の政府広報では『カーペンタリア基地だったところ』の再建計画を
大洋州のメディアはご丁寧にカーペンタリア基地があった時と現在の瓦礫しか存在しない映像を並べて報道していた
南アフリカ統一機構の政府広報は『ビクトリア基地とマスドライバー跡地』の現在を
その様なものが次々と映し出されていたのだから
そして極め付けが
赤道連合と大西洋連邦のメディアによる赤道連合のとある基地の様子
そこには明らかに出撃準備を整えているであろう混成艦隊の様子が映し出されていたのだ
それの目標が何処であるのか?
などと馬鹿な事を口にする者はいない
「それで?
あなた方はウズミ・ナラを助け出したとしましょうか?
次はどうなさいます?」
「次、だと?」
「ええ。当然ではありませんか
ウズミ・ナラの権力が戻ったとして、それが地球軍の侵攻を止める理由になるとでも?
外交でどうにかしますか?頼れるのはスカンジナビア王国のみですが」
隊長も言葉を失った
「それともプラントを頼りますか?
既にザフト地上軍は書類上の存在に成り果てていますけど」
「我等が止まれば、あの艦隊は止まるのか?」
「その様に聞いております。一応甚だ不本意ながらその辺の情報について知らされておりますので」
隊長は頭を数度振ると
「皆、武器を下ろせ
我々は今後、バスカーク一尉の指揮下に入る」
と私達に言った
異論などあろうはずもない
「はい?」
バスカーク一尉は何故か戸惑っておられたが、まだお若いのだ
これだけの人数を指揮されたことが無いのだろうと私達は思った
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胃がいてぇ
なんか口撃した相手がこっちの指揮下に入ったんだが!?
いやまぁ、確かに一尉ってのは大尉に相当する階級らしいから有り得なくはない、のか?
ホントやめてほしいんですけどぉ!
こんなガキに軽々しく命を預けんでもろて?
…とは言っても預かった以上キチンとしない訳にもいかないんだよなぁ
嗚呼、癒しが欲しい
切実に
つか、そろそろ冗談抜きでまた倒れるかもな
…胃痛で
と更に胃痛を深めていたカズイであった
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「忙しい中、態々呼び出すとはどういう事だ?」
「見張りから聞いた
私から説得しよう。それで済む話ではないか?」
コトーはウズミの言葉を聞いて
「その通りかも知れんな
が、貴様が万が一にも彼等を煽る様な事を言わぬとも限るまい」
コトー達としても本来こんな内戦じみた方法を選びたくはなかった
が目の前の男には既に2回の前科がある
各方面に根回しした上での発言ならば、それなりに対応出来よう
が、それすらせずに勝手な発言をされたばかりにオーブは今外交面で孤立しつつあるのだ
とてもではないが信用できるものではない
「…私は間違っていないと思っていた
だが、あのバスカークという少年の目を見た時衝撃を受けた
私に対する凄まじいまでの憎悪を宿していたのだからな
それでも私を殺す事はなかったし、傷付けられる事もなかった
ヘリオポリスの報告は受けていたが、それはあくまで数字の上のものでしかなかった
それをあの時私は突きつけられたのだ
だから頼む、コトー・サハク」
「監視役も付けますし、手は拘束したまま
それで宜しいですな?」
「感謝する」
----
『現在オーブにおいて剣をとっている国防軍の兵士達
私はウズミ・ナラ・アスハだ
剣を置いて欲しい。今オーブは、この国はギリギリのところにいる
その様な事態を招いたのは紛れもなく我々のせいだ
我々を助け出して復権したとなれば、最早この国に未来はない
この国を、国民を守る為の選択をしてもらいたい
我が娘カガリとサハクの共闘。それは決してこの国を悪くするものではないと今の私は確信している』
このウズミの放送が最後の決め手となり、抵抗していたオーブ国防軍の一部は投降
新代表となる事になったカガリ・ユラは直ちに大西洋連邦に連絡
赤道連合の基地に集結していた三軍混成艦隊は漸くその役目を終え、自分達の国への帰途につく事となる
カガリは即座にミナやコトー、ウナト等を集め今後の事についての話し合いの場を持つ事とした
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「先ずは今回の件、全てはアスハによるものだと私は思っている
皆には大き過ぎる負担をかけてしまった事、本当にすまない
だが、私達は休んでいる場合ではない
すまないと思うが、これからの事について話し合いたいと思う
皆の意見が聞きたい」
とまずカガリが1番初めに口を開く
「まず決めるべきは地球軍に与するべきか否かだろう
勿論我等サハクとしては現状を考えるなら、地球軍に何らかの貢献をすべきと考えている
諸兄はどう思われるだろうか?」
「外交を担当している私としても、それは避けられぬと判断します
出せる戦力は限られておりましょうが、それでも出さねばなりますまい」
ミナの言葉にウナトも賛同する
「中立を守れないのはやはり辛いものがある
だが、私達が守るべきはオーブの理念よりもオーブの国民達の生活だろう
国あっての民ではない
民あっての国なんだ
ミナ、直ぐに大西洋連邦軍とコンタクトをとってくれ
ウナトは引き続き各国との折衝を頼む
これから待つのは苦難の道だ
だが、それでも私達は歩み続けなければならない」
カガリの言葉に皆が頷いた
----
「待たせてしまってすまないな」
「別に構いません
私も貴女に謝らねばならないと思っていましたのでお時間をいただけただけでも有り難く思います」
オーブの今後の話し合いを終えたカガリはカズイ達の所へと向かった
「いや、的外れと誰かが言ったとしても私にとってアレは必要な事だった
気にしないでくれ。自覚が足りなかったのは間違いないのだからな」
「それでも貴女に八つ当たりした事実は変わりません
カガリ・ユラ・アスハ、本当にすまなかった」
カガリは苦笑するが、カズイは真剣な面持ちで謝罪する
「律儀だよなぁ
…なぁ、カズイ。お前には多分軍人は似合わないと私は思うんだ
だけど、情けない事にお前に頼み事をしなくちゃならない」
カガリはそんなカズイに頼み事にしなければならない事に心を痛めるが、それでも口にした
「…だと思いましたよ
何をすればよろしいので?」
カズイは乾いた笑みを浮かべながらそう問いかける
「本当に悪いと思っている
とりあえずムルタ・アズラエルがオーブに来る
彼と話をして欲しい」
「世間話をする相手としてはあまりにも大物ですね」
カガリの願いにカズイは苦笑するしかなかったのである
という訳でそろそろ盟主王とご対面回になります
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
-
いる
-
いらん
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それより本編でしょう?
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ifstory補完しろよ