勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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物語は徐々に終局へと向かう





 届く(つるぎ)

「コスモグラスパーの充足と一部とは言えストライクダガー、そして無人機として改修したメビウス

艦隊の再建も叶った

漸く反撃の時がきたか」

 

「はい

更に独立部隊として地上から増援部隊も到着しております

彼等は地球で生きる事を選んだコーディネーター達。練度、戦意共に問題ないでしょう」

月面の大西洋連邦軍基地において、大西洋連邦軍宇宙艦隊総司令官となったハルバートンと副官のホフマンは眼下に広がる艦隊を見て感慨深そうに笑みをこぼした

 

 

「アルテミスのガルシア司令に連絡を

舞台はまもなく整う

最終調整を行わねばならん」

宇宙にてついに事態が大きく動こうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

----

 

「遂に動きますか」

 

「そうですな

ライセンス生産されているストライクダガーが我が軍や貴軍にも徐々にとはいえ配備されつつあります

…加えて『例のもの』も準備出来たと聞きますが?」

 

アルテミス要塞にてガルシアと東アジア宇宙艦隊司令を務める人物は打ち合わせを行なっていた

 

「些か以上にお待たせしましたが、漸くこちら側の準備も整いました

貴国のウラルや大西洋連邦のパナマによる輸送協力が無ければ此処まで円滑な準備は出来なかったでしょう

しかし、お待たせした以上しっかりと活躍する事で友軍の献身に報いたいと思ってますよ」

 

「しかし、集光ミラーによる拠点攻撃とは」

 

「巨大な虫眼鏡の様なものと認識しております

砂時計を割るのではなく、それごと溶かしてしまえと言うのが本音の様ですな」

 

「やれやれ

二足歩行の機動兵器だけでも充分SFの世界だと思うのですが、いよいよ私も時代の流れについて行けそうにありませんな」

ガルシアは苦笑する

自動制御によるメビウスやミストラルにパンジャンドラム

有人機はコスモグラスパーとストライクダガーに鹵獲したジン

 

集光ミラーを搭載した輸送艦もその多くが統制艦による無線制御

 

最早ガルシアであっても、そろそろ理解の範疇を超えつつある

 

 

 

 

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ジェネシス破壊作戦は大きく3つのフェイズに分けられている

 

第一段階としてザフトの重要拠点であるボアズに対して月面の大西洋連邦軍が大規模攻勢をかけ、ザフトとプラント本国の目を其方に向ける

仮に陥落させれると判断すれば、そのまま制圧

 

後に放棄する事となっていた

 

 

ザフトやプラントにとって、ボアズの陥落は何としても防がねばならない事態

これを放置するとすれば、それを全力で喧伝する事になろう

 

 

間違いなく、ザフトとプラントはその様な事態となる事を許容出来まい

 

 

 

その間隙をぬってガルシア率いるユーラシア宇宙艦隊がジェネシス付近に進出

『コスモパンジャンドラム』の全力投射により破壊を試みる

これが第二段階

 

当然だが、ザフトの最重要拠点であるヤキン・ドゥーエが至近にある以上激戦は避けられない

 

故にこそ、ザフトとプラントの機動戦力は底をつく事になろう

 

 

 

第三段階は東アジア宇宙艦隊による『太陽光を収束した熱線』によりジェネシスを攻撃する

 

 

仮にこれらの攻撃でジェネシスが破壊できないとしても問題ない

何せこれだけの攻撃を凌げたとしても人的被害はかなりのものになるだろう

 

今のプラントにとって、その被害は到底補填出来るものではない

勿論、失った資源も取り戻せる物ではないだろう

 

 

 

仮にハルバートン率いる第八艦隊やガルシア率いるユーラシア宇宙艦隊、東アジア宇宙艦隊が壊滅したとしても

 

消耗し切ったザフトの残存部隊で月面やアルテミス要塞を攻略出来る事はない

 

 

 

そして、禁断の第四段階を防ぐ手立てはない

 

 

この作戦が発動すれば、プラントは戦意を失うか

それとも底なし沼に完全に落ちるか?

 

そんな究極の2択を迫られる事になるだろう

 

 

----

 

 

既に大洋州やアフリカ共同体からは幾度となくプラント最高評議会から『休戦の調停役』を頼まれているとガルシア等も知らされている

 

 

が、今更なのだ

 

 

戦争とは政治の延長線と誰かは言った

 

 

 

故にこそ、戦争の止め時の判断は間違えてはならないのだ

まして仲介役の面子を潰してしまったとなれば、その国がもう一度動こうとする訳もない

 

 

仲介役や調停役のなくなった戦争

その終わりは酷いものとなる

 

 

 

 

 

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コーディネーターとはまだ確立されて100年も経たぬ人種と言えるだろう

戦争のもたらす被害や悲劇

それ等を彼等は自分達の力で乗り越えられると思っているのかも知れない

 

 

だが、彼らは知らないのだ

 

 

人類がその戦争を終わらせようと何度試みて

それ等全てに失敗したから今の世の中がある事を

 

旧石器時代から考えるならば、少なくとも一万年以上前の話となる

 

 

人は集まれば対立し、時にぶつかるだろう

 

となれば旧石器時代にすら諍いレベルのものはあっただろう

 

 

一万年もの間、遂に解決する事のなかったソレを高々100年も経たぬ

しかも過去から学ぼうともしないプラントのコーディネーター達が解決出来る筈もない

 

 

 

 

 

故に彼等はこれから高すぎる対価を支払う事になるのだ

 

 




臥薪嘗胆の時を経て

我等は我等の本懐を果たそう
仲間達の

市民の
民間人の
無垢な子供達の

命の対価を支払わせよう


嘆き、悲しむと良い
その嘆きと悲しみの倍する義憤をもって我等は平和を手にせんとす



とある地球軍士官の日記より抜粋

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

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  • いらん
  • それより本編でしょう?
  • ifstory補完しろよ
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