勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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戦争がそろそろ終わる?


そんな事を思っていた時期がありました
戦争によって何かを得たもの
失ったもの

それだけではない
何も変わらなかったものというのも存在するのです


故に彼等は


 PLANT phase 孤独な戦い

パトリックは大西洋連邦でコーディネーターとして生を受けた

 

彼の周囲にいた者はパトリックの能力を認めようとせず、『コーディネーターだから(遺伝子を弄ったから)』といつも非難してきた

 

 

最初の頃はパトリックも周りに理解者を求めようとしたが、そのうちそれは失望に変わり、絶望そして憎悪へと変わっていくのにそこまでの時間はかからなかった

 

そしてパトリックが大きくなった頃にコロニー建造が大々的に始まり、そこへの移住が進むとパトリックは自分達コーディネーターに対して無理解な地球より、コロニーの方がまだ良いと思い移住を決断する

 

 

そこで、パトリックは後に同志となるシーゲル達と出会い、政治結社『黄道同盟』を設立

コロニー、いやプラントの独立とコーディネーターの為の社会を作り出す事を目的として動き始める 

 

 

----

 

だが、プラントはその名の示す通り『生産工場』であり、その権利はプラント理事国にある

 

 

故にその様なパトリック達の動きをプラント理事国が認める事はなかった

必死でプラント理事国に抗うパトリック達

 

その中でパトリックは後に自分の妻となるレノアと出会うことになる

 

 

 

 

 

レノアはコーディネーターでありながら、かなり冷静にコーディネーターの事を見る事のできる女性だった

 

ナチュラルに対する差別意識の強いパトリックとその辺りの意識がかなり低いレノア

 

当然というべきか2人は事あるごとに反発する事になる

 

 

 

「コーディネーターは器が少し大きいだけなのよ」

後にパトリックとの間に生まれたアスランにレノアはそう諭していたらしい

 

そもそも、妻の親友にカリダ・ヤマト(ナチュラル)がいるという時点でかなり彼とは思想面において隔たりがあるのは間違いないだろう

 

 

 

夫婦仲は余り良くなかったとパトリックは今更ながらに思うが、それでもパトリックにとってレノアの存在は確かに救いだったのかも知れない

 

 

そして彼女もまたプラントの行く末を真剣に考えていたからこそ、ユニウスセブンで活動していたのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

パトリックはユニウスセブンが核攻撃されたと聞いてまず思ったのは

 

妻、レノアの安否だった

 

 

パトリックの冷静な部分はこう言っている

 

「核攻撃を受けたコロニーにいた彼女が助かるはずはない」

 

だが、それでもパトリックは妻の無事を祈っていた

 

 

 

勘違いしているプラントの人間は多いが、ユニウスセブンに対する核攻撃は月面からのプラント侵攻作戦に対してプラント側が迎撃を行ない、地球軍を壊滅状態に追いやった事も理由の一つだったのだろう

 

パトリックの冷静な部分はそう分析していた

 

だが、パトリックにとって対立する事があったとしても妻レノアはかけがえのない女性(ひと)だったのも事実

 

 

僅か四日後である2月18日に国葬を行ない、そこで地球に対する実質的な宣戦布告と積極的中立勧告を行なったプラントだったが、パトリックからすればそれよりも妻の無事を何としてでも証明したかった

 

 

 

だが、それは遂に叶う事なくレノアもまたユニウスセブンの犠牲者の一人として墓標に名を刻む事になる

 

 

パトリックはそれ以後、妻を奪ったナチュラルに対して決して消えることのない憎悪の炎を燃やし続ける事になった

 

 

 

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だが、ユニウスセブンに対する報復の作戦である『オペレーション・ウロボロス』において、実質的なザフトの総司令官であるパトリックすら予想しなかった事態が発生する

 

『地球全土に対するNジャマーの投下』であった

 

まさか予定以上のNジャマーを散布するための装置が用意されているとはパトリックも想像しておらず、プラントは底なし沼へと沈んでいく事になったと言えるだろう

 

 

 

パトリックとしては継続的にMSの技術に対する投資や戦力の増強を行なうべきと考えていた

だが、宇宙での戦闘には連戦連勝

地上においても橋頭堡となる大洋州のカーペンタリアを手に入れた事により、ザフト地上軍の優位へと変わっていった

 

だがそれでもパトリックは自身の中にある不安を打ち消せなかった

 

 

しかし、ザフト総司令部はあくまでも『現有のMSであっても地球軍打倒は可能』であるとし、パトリック以外の強硬派はそれを支持

となれば強硬派のトップである彼もまたそれを支持しなければならなくなる

 

 

パトリックはユーリによるラクス・クライン等のプラントからの離脱についてある程度察していた

だが、何もしない

 

 

既に今の最高評議会の流れはシーゲルや自分でもどうにもならないところまで進んでいたのだから

 

 

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「パトリック・ザラ元国防委員長(・・・・・・)、私達に同行願えますか?」

 

だからこそ、パトリックはこの流れを予想出来ていた

 

「嫌だ。そう言えば君達は納得するのか?」

 

「いえ」

 

「ならば今更だな

シーゲル達には手を出していないだろうな?」

 

「恐らくは」

こうして、パトリックやシーゲルは表舞台から退場する事になったのである

 

 

 

暫定的にプラントの最高評議会議長となったのはエザリア・ジュール

国防委員長にはジェレミー・マクスウェルが就任する事になった

 

更に特務部隊の隊長であったレイ・ユウキらを始めとしたザフト総司令部の要員は半数以上が捕縛ないしは射殺され、新体制が発足する事となったのである

 

 

 

 

とはいえ、エザリアは唯の傀儡であり、ダッドともども息子の命を人質に取られてしまっていた

 

ユーリは反逆罪を適応され、その場で射殺されている

 

 

このプラントによるクーデターにより、プラントは今までの消極的な軍事作戦からジェネシスや試作段階のゲイツを中心とした戦力により地球軍を撃滅せんと動き出す事になった

 

 

(アスラン

お前は帰ってくるな。シーゲルの娘共々、プラントの外にあって最後の希望となれ)

パトリックはそう願った

 

 

 




という事で、そろそろ使い道の無くなったシーゲルとパトリックは退場させられました

…このままではナチュラルに負けるからね
仕方ない


彼等はまだ諦めていません
…故にこそ、これから地獄が始まるのですが

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

  • いる
  • いらん
  • それより本編でしょう?
  • ifstory補完しろよ
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