信じたい
それはどれだけ人が進化したとしても逃れられない人としての
故に間違うのだ
「…それで?結局ラクス・クラインは処理できたのか?」
「少なくとも連絡を受けた時点では確認しておりません」
ダンッ!
「それでは意味がないではないか!
何の為にアマルフィを焚き付けてまであのような事をさせたと思っているのだ!」
プラントのとある場所にて話し合いが行われていた
「ならば行方不明のアスラン・ザラはどうか?」
「オーブ国防軍の警戒が厳しいと」
室内から溜息が漏れる
「…忌々しい事だな
シーゲルの娘を亡き者とし、奴を強硬論に向けようとするも失敗し、アスラン・ザラを戦場で始末しようとすればそれもダメ
ではエザリアとダッドの息子だけでもと思えば、それすらも」
「成功したのが1番旨味のないマクスウェルの息子とは
…笑えんな」
彼等は現在の最高評議会議長エザリアを裏から操っている者達
言い換えれば、プラントの勝利の為に『あらゆる犠牲』を肯定する者達であった
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元々、プラントがプラント理事国の要求を満たすための工場である事を理解していないプラントの人間は非常に多い
プラントに移住してきた者の多くは『第一世代コーディネーター』であり、シーゲルやパトリックなど最高評議会に所属する者はこれに該当する
またプラントの所謂『成人』とされる者の多くもまたこれに当てはまるだろう
しかし、度重なる『不当な要求』に不満を溜め込んだ結果、プラントは遂に武器を手にする事を選択する事となった
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…だが、おかしな話ではないだろうか?
プラント建造が本格的に始まったのはC.E10年
現在の様にコロニー群がプラントとして呼ばれるようになったのはC.E44年頃
プラント最高評議会のメンバーが多く所属していた政治結社『黄道同盟』が成立したのがC.E50年
現在の様な軍事組織としてのザフトが成立したのはC.E68年である
つまり、工場として機能していた時期を知らない人間よりも知っている人間の方が多い訳であり、それを知ってなおプラントは地球側との武力闘争を選んだという事だ
無論話し合いの場は幾度となく持たれたのも事実であり、その度にプラントの要求は退けられてきた
しかし、本来プラントとは『工業製品を生産するコロニー群』であり、その運転資金はプラント理事国や地球の経済界などからの出資によるもの
プラントは『プラント理事国の所有物』なのだ、本来は
故にこそ、プラント理事国はプラントでの食糧生産を認めなかったしそもそも完全自治などと言われたとしても
「あ?なら払うもん全部払ってからにしろや」
と一蹴されるのは仕方ない事ではないだろうか?
ところが、そんな考えはプラント内において殆ど出てこない
僅か30年ほど前には存在すらしていなかった所に住む者達が、だ
おかしな話ではなかろうか?
その話を意図的に話題とする事を禁忌とでもしなければ
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彼等は現在のプラントにおいて、最高評議会のメンバー程ではないにせよある程度の立場を持つ者達
故にこそ、彼等は地球側に対して膝を折る事を良しとしない
仮にプラントが元々の姿に立ち戻れば、彼等の得たものは全て無意味となるのだから
それ故に彼等はありとあらゆる方法を用いて、プラントの勝利を求めようとした
オペレーション・ウロボロスにおいて『予定よりも多いNジャマーを用意』し、それを偶々『
なんなら、ユニウスセブン方面に対する警戒を緩めさせたのも彼等のした事である
…全ては
ラクス・クライン達が率いていた者達の中に不穏分子を含めたのも彼等の仕込み
彼女の事を盲信する人間ならば、間違いなく交渉の場で頭を下げねばならない彼女の姿を見て、相手に対して憎悪を抱くだろう
…それが他ならぬ彼女の命すらも脅かすと知らずに
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シーゲルやパトリックも彼等にとっては『替えのきく駒』に過ぎない
…だが、プラント独立の為に常に先頭に立っていた彼等の影響力は決して侮れない
だからこそ、彼等には地球軍との全面対決を選択してもらいたかったのだ
だが、そんな彼等にも致命的な弱点がある事を彼等は知らない
どうしても彼等のやり方的に彼等の視線は常にプラント国内へと向いてしまう
彼等の認識は開戦当初とさして変わらないもの
…だから理解していなかった
既にザフトの戦力で互角以上に地球側と戦える時期を逃してしまった事に
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話し合いを続けていた彼等のところにも急報が飛び込んでくる
「ジェネシスが破壊されただと!?」
最悪の知らせが
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「…パトリック聞いたか?」
「…ああ、ジェネシスが潰されたそうだな」
軟禁されているシーゲルとパトリックは
彼等を監視する者とて、プラントの未来を真剣に2人が考えている事は知っている
だからつい、情報を漏らしてしまったのだ
元より外宇宙探索の為のものを軍事用に転用する
などというのはさしものプラントの技術力を持ってすれば不可能ではないものの、容易いものではない
加えて資源の不足により、その工事すら満足に進んですらいないのをパトリックは誰よりも知っている
パトリックはこの
言ってしまえば、ジェネシスは壊される事を目的として作られる予定だったもの
壊されたところでさして驚きはない
それよりも
「お前の娘は無事逃げたと思うか?」
「…ユーリには悪い事をしたと思っている
逃げていて欲しい。そう願うしかあるまい」
パトリックとシーゲルやダッド、エザリアにユーリとカナーバは黄道同盟時代からの付き合いだ
故に何をいうまでもなく、お互いのある程度考えは分かる
故にシーゲルとパトリックは悟っていた
ユーリは死ぬつもりなのだと
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だが、彼にその選択を強いたのは他ならない自分達
彼の墓前に悔いたところで、それは自己満足以上の意味を持たないだろう
彼等が今すべきことは
「…歯痒いものだな
何も出来ぬというのは」
「だが、奴等に軽々と従う連中ばかりではなかろう
待つしかない」
ただ、その牙を研ぎ続ける事だった
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「それは、本当なのですか?」
ラクスは眩暈を覚えると共に、自分達の置かれている立場が更に危ういものになった事を嫌でも理解する
「…不幸中の幸いなのが、爆発は小規模なものであり宇宙港の機能などに影響がない事だろう
…しかし」
「ですが、それでオーブ側が納得するかどうかは別です
このアメノミハシラにおいても私達を歓迎している人達ばかりでない事は明らか
…幸いというべきかは悩みますが、少なくとも先ほどの通信の中で相手側が此方を不当に扱おうという考えはなかった様に思えます」
状況を確認したデュランダルと現状の確認を行うシホ
アマルフィ夫人は心労の為に伏せっているし、ニコルは何とか動揺する市民を落ち着かせるのに手一杯
事を起こした人物についてはオーブ側が直ぐに拘束、現在事情聴取の真っ最中との連絡があった
なお、休憩であった筈の通信についてはやはりと言うべきか、オーブ側からの停止が連絡されていた
更に宇宙港内の売店などの一部施設の利用が特例で許可されていたものも全て撤回され、現在市民達は艦内にて待機する様指示が来ている
元々旧式の輸送艦の為に居住性は決して良いものとは言えず、その様な環境に無縁であった市民からは不満や不安の声が出ているともラクス達は聞いていた
が、元より差し出せるものなどそれこそ個人の身柄程度であり、そういう意味において本来ならば交渉にすらならないところをオーブ側の好意でその様な場を用意してもらっている
そんな状況でのこれとなると最早ラクス達から何も出来るものではなかった
燃料についてもギリギリであり、仮に此処を離れるとしても燃料的にも市民達の心身的な意味においても保たないだろう
加えて旧式である以上、大気圏突入能力などあろうはずもない
まぁ、ザフトの現在保有する宇宙艦艇の中に大気圏突入能力を有する艦はそもそも存在しないのだが
という訳で本作の裏側で暗躍していたプラント過激派でした
とはいえ、暗闇の中からものを見ていたのでかなり視野が狭い上に情報も古いです
こんな連中がシーゲルやパトリックよりも上手く戦争指導が出来るってマジですかねぇ
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
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いる
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いらん
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それより本編でしょう?
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ifstory補完しろよ