程度の認識でヨロシク!
息抜き回
「む」
「これは」
「なんだ」
「あらぁ?
皆様楽しそうですわね」
オーブに移住してきたパトリックとアスラン。シーゲルとラクスは目の前の光景に唖然としていた
…まぁ、約1名は独特な感想を持っていた様ではあるが
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「いやぁ、皆さん本当に容赦がないですねぇ」
「…そう言いながらも最低2つは確保してくるのだから大したものだと思いますが、アズラエルさん」
「いえいえ
なにぶん地力ではどうにもなりませんからね。となるとやり方を変えるべきかと思ったんですよ」
とホクホク顔のアズラエルと苦い顔のデュランダル
デュランダルは最近になって、遂に『魔境』とも一部から呼ばれる事のある惣菜コーナーへのデビューを果たした
元々担当であった青果コーナーについてはクロト、シャニ、オルガ、スティングにアウルがデビューしている
意外な事であるが、シャニの野菜に対する目利きはアスカ夫人やカズイとしても満足のいくものであった。その為に『チームバスカーク』(オイコラ待てぃbyカズイ)の青果部隊の実動部隊長として彼が抜擢される事となっている
製菓については引き続き、マユが部隊長としてタリア、ルナマリア、メイリン、ステラと共に確保に当たる
惣菜についてはカズイを部隊長としてクルーゼ、デュランダル、シン或いはレイにアズラエルが参加
アズラエルの妻となった元秘書と参加していないシンかレイがカートの守備に就く。これが彼等のフォーメーションだ
勿論状況によっては青果部隊から増員する手筈であったが
…なお、総司令官はアスカ夫人であり、各部隊長はそれぞれ購入予算を割り振られて内訳を考える仕事もある
シャニについてはまだ日が浅い事もあってか、カズイやアスカ夫人によるフォローが入っているが、曰く「筋が良い」との事らしい
偶にそこへホーク夫妻も参加するのだが
「お父さん、邪魔よ!」
「父さん、下がってて!」
と割と娘達から言われてしまう為に、ホークパパは妻と共に守備につく事が多いとかなんとか
「…これがナチュラル
これが彼等の真の実力だというのか?!」
と2人のパパンは戦慄していたりするが、今更な事なのでルナマリアとメイリンは
クルーゼやデュランダル、シンやレイの苦戦とは裏腹にアズラエルは割と早くに順応しており、カズイと共に必ず何かを手にして戻ってくるという抜群の安定感を持っていた
曰く
「力技で勝てないのにいつまでもそればっかりしても仕方ないでしょう?
そこら辺は臨機応変に行かないと。この辺はビジネスでも同じですからね
…そうですよね?カズイくん」
「ま、そうですね。ビジネスの事は知りませんけど
その辺の『見極め』が尋常でなく高いのが惣菜コーナーの猛者達ですから」
なお最近本土に戻ってきたキラもアズラエルの会社にアルバイトとして参加している事もあり、興味本位で参加した事がある
しかし
「キラ、悪い事は言わないからさ
やめとけって」
「いくらキラでも無茶だと思うわ」
「…キラ。お前が優秀なのは分かってる
けどな、ひとつだけ言っておく
上には上がいるんだ」
とトール達から止められている
それでも、と参加したのだが
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「坊主、見ない顔だな?
悪いがまだ坊主には早いと思うがな」
「…誰が来ようと関係ない
日替わり弁当(200アースダラー)は俺のものだ」
「あらあらあら
バスカークさんのところの息子さんの知り合いかしら?
…でも、残念。手加減はしないわよ?」
と周りの人から言われたり
「…あー、気持ちは分かるんだけどな?
すこーし早いと思うんだけどなぁ」
「…ふむ、意気込みは買う
が、果たしてそれで彼等に敵うとは思えないな」
「怪我だけはしない様にしたまえよ?」
とカズイ、クルーゼ、デュランダルからそれぞれ声をかけられていた
それでもキラはある程度ならどうにかなると思っていた
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が
「…うぅ」
現実は非情であった
何せ『もってけ、ドロボー』の中でも選りすぐりの猛者のひしめく惣菜コーナー
オーブの共働きの主婦層や
ケバブの店主などは偶にこの店に安売り用のケバブを提供したり、自身もまた青果コーナーや惣菜コーナーの戦士となる事もしばしば
…残念ながら、新人であるキラでは経験値や駆け引きなどにおいて遠く及ぶものではなかったのである
「だから言っただろ?
俺達でもまだ満足に戦えないのに」
「そうだな。恐らく青果コーナーならばある程度やれるだろうが」
何の戦果も挙げる事が出来ず落ち込むキラにシンとレイが呆れた様に話しかける
「…2人はいつもこんな事をしているの?」
「いつもではないな
俺は週に二回程度だろう」
「まぁ、レイはそうだよな。俺は週に4回だけどさ」
キラは戦慄した
一度でも体力や精神力の消費の激しいあの駆け引きだ
それを自分よりも年下である2人はいつもの様にこなしているというのだから
「しかし、お前の兄はこれに毎日の様に参加していると聞くが」
「…まぁな。少なくとも俺が幼年学校に通う頃には製菓コーナーデビューしてた筈だし」
キラはその話を聞いて思った
『カズイって本当に普通なのか?』
と
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余談ではあるが、トール達もアズラエルの会社にアルバイトで参加している関係上、プロジェクトリーダーとなるカズイとも会う機会があった
そこでトールの彼女であるミリアリアと偶々カズイの義理の妹であるステラの好きな菓子の話題で盛り上がり、その店もまた商店街の一店舗であった事から件のスーパーに月一で半額セールに商品を出す事をミリアリアは知る事となる
ヘリオポリスで学生生活を送っていたトールやミリアリアにサイ
勿論出身は本土なのだが、中々スーパーしかも安売りに興味を示す事は無かった。どちらかと言えば、色々な物が買い揃えられるショッピングモールに行く事が多い
故にカズイの言葉
「お?トールとサイもやってみる?
大丈夫、大丈夫。俺でもやれるんだからさ」
との言葉に
なお、シンやマユなどならばこう言うだろう
「
と
後にトールとサイは語る
「いや、アレどうにか出来るカズイって凄いよな」
「「慣れだよ、慣れ」って簡単に言うけど、そんな簡単に慣れるもんじゃないだろ!」
と
まぁ、まだカレッジの学生の年齢でありながら、既に一企業の共同代表となっているカズイが『普通の範疇』なのか?については大いに議論の余地があるとは思う
なのでトールとミリアリアにサイは揃ってキラを止めた訳である
なお後に某傭兵や某オーブ氏族の兄妹や『オーブの獅子姫』などもこの魔境に挑む事になる
残念ながら、初見で惣菜コーナーの猛者に敵う者はアスカ夫人やカズイも含めて誰もいなかったが
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そんな魔境にプラントから転居してきたパトリックとシーゲルにアスランが挑もうとしていたのである
「アスラン、頑張ってください」
とザフト時代の同僚であるニコルや
「ま、適当にやれば良いんじゃない?」
とディアッカはアスランに声をかける
ニコルは次回のゲーム音楽として、ニコルのピアノとラクスの歌を使うとの事でオーブに招待されている
ディアッカも彼の趣味である『日本舞踊』が今度のゲーム内容に使えるのではないか?との事からアズラエル→クルーゼ→カズイ→キラ→アスラン→ニコル→ディアッカという伝言リレー的な方法でニコルと同じく招待されていた
なお、アズラエルの伝手で東アジアの本場の日本舞踊の講師を招いておりディアッカとしても得るものはあった様で終始上機嫌であったそうな
加えて、プラントではあまり縁のない懐石料理も振る舞われる事となり
「くそっ、俺もオーブに移住したいぜ」
とぼやいている
本人としてはプラントでは全く縁のない茶道や華道などが相当気になっているらしかった
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「では、パトリックさんにシーゲルさん。それにアスラン
どれで行きますか?
…個人的には青果コーナーで慣らすべきかと思いますが」
「言うまでもないだろう
惣菜コーナーとやらで構わん」
「クルーゼ元隊長やデュランダル君でも手こずるというのだから無理だとは思うが、それでも挑戦してみたい」
「俺も惣菜コーナーでお願いします」
カズイの言葉に3人とも躊躇う事なく
「なんであんなにプラントのコーディネーターって
「本当にね?」
「やれやれ。相手の実力が分からないのだからまずは知っている人の意見を聞き入れれぼいいでしょうに」
3人の言葉にシン、マユ、アズラエルは心底呆れた様な言葉を交わす
「なあ、レイ
アイツらってクルーゼのおっさんよりも動けるの?」
「無理だろ、そんな事」
「だよなぁ」
シャニはレイに疑問をぶつけ、オルガは即座にそれを否定。クロトは苦笑いでそれに同意した
「無理だと思うが」
「無理よね。クルーゼさんザフトのトップエース間違いない実力だったんでしょ?
それでも相手にならなかったのに」
「あはは
…無理、かなぁ?」
レイは真顔で
ルナマリアとメイリンは何とも形容のしようがない様な顔でそれぞれ意見を述べる
まぁ、3人とも無理との結論だった訳であるが
「はん、そんなに簡単だったら俺達だって惣菜コーナーで活躍してるって」
「まぁいいじゃねえか
お手並み拝見といこうぜ」
アウルは不機嫌そうに
スティングはこの後の結果が分かりきっているから楽しそうに
「ラクス、これ美味しいよ?」
「あら、ありがとうございます
…まぁこれは美味しいですわ」
「…流石ステラ
『プラントの歌姫』相手でも関係ないのね」
「でも、お姉ちゃん。それがステラの凄いところで良いところだと思う」
ステラはちゃっかりと確保して購入したケーキ(250アースダラー)をラクスに渡し、彼女もそれを美味しそうに食べて笑う
元プラント市民として『プラントの歌姫』である彼女に気安く接するのが中々難しいルナマリアはステラの行動に驚き、メイリンはそれがステラの良さだと笑っている
この『もってけ、ドロボー』には店内にイートインスペースが設けられており、そこから(半額セールの戦いを)観戦するのも一つの娯楽となっていたりする
言うまでもなく、店内商品購入(1000アースダラー分)しなければならないが
因みに割引セールの時間以外ならば店内商品購入(300アースダラー)となっているので割引セールにおける駆け引きがある意味娯楽として成立しているのを店側もしっかり理解しているのだろう
アズラエルは
「…んー、これは中々良いですね
商機を逃さず、しかも近隣の商店街と提携する事で地元の固定客をしっかりと捕まえている
しかも僕が調べたところ、寧ろ郊外のショッピングモールの割引率が低いなんて言われているそうです
こう言うのを『商魂逞しい』とでも言うのでしょうか」
と感心していたりする
「…やれやれ
元議長も元国防委員長も視野の狭い事だ」
「君にとってはその程度で済む話だが、私やタリアにとっては他人事ではないのだが」
「ええ。こう何か古傷を抉られる様な痛みを感じるわね」
クルーゼは元上司達の無謀な挑戦に呆れ、ギルバートとタリアは過去の自分達を見る様な気分となり、寧ろ気恥ずかしさを覚えていたりする
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「おやおやぁ?
プラントのコーディネーターは優秀なんですよね?
おかしいですねぇ。僕はナチュラルなんですけど、2つは確保できましたよ?」
「…ぐっ」
「……返す言葉も無いな」
「そんな!」
なおパトリック達の後から参戦した筈のアズラエルはちゃっかりピザ(ハーフカット150アースダラー)ときんぴらごぼう(170アースダラー)を手にパトリック達を煽っていたりする
パトリックは悔しそうに呻き、シーゲルは肩を落とす
アスランは自分達が手に入れられなかった惣菜を手にしているアズラエルの姿に動揺していた
それをカズイとクルーゼは苦笑いし
デュランダル達『プラント組』は頭痛を堪える様な
シンを始めとした『バスカーク一家』は楽しそうに笑っていたそうな
今日もオーブは平和である
後にクルーゼやギルバートとの近接格闘訓練や息子アスランや友人であるシーゲル達との鍛錬の末に、漸く惣菜コーナーで商品を獲得した時のパトリックの顔を見た某人物は
「…ふ、パトリックの奴
随分と良い顔をする様になったものだな」
と微笑んでいたとかなんとか
なお、やはりと言うべきかアズラエルとは事あるごとに衝突する事になった為にそのうち息子アスランですら
「…いつもの事だ。放っておこう」
と流す事になるのは少し未来の話である
突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?
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いる
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いらん
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それより本編でしょう?
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ifstory補完しろよ