勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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再開


 混迷の中で

「…つまり我々はオーブ本土に向かうことになる、と?」

 

『意外かね?此方としてもそうせざるを得なくなった。と言う方が正しいだろうな。本来なら、そこである程度の身の振り方を考えてもらって希望者については本土に受け入れるつもりだったのだが』

現在心労にて休んでいるラクスの代わりにデュランダルがオーブ側からの話を聞いていた

相手もラクス・クラインが頼りとしていた人物ではなく、オーブにおいて裏の仕事を担当しているとの噂があるサハクの人間

 

現在、シホやニコル、ユミナにタリア達が何とか動揺している市民を落ち着かせようとしているが、あまり効果があるとは言えない

どうしてもプラントのコーディネーターは意識しないと高圧的になってしまう部分がある

 

それとてラクス・クラインから聞いたからこその対応

どうしても、プラントというコーディネーターが圧倒的多数を占める世界に住んでいるとその辺の感覚が鈍るのだろうとデュランダルは思っている

 

(とは言え、それは第二世代のコーディネーターに言える事。スカンジナビア生まれの議長や大西洋連邦生まれのザラ国防委員長などならばその辺りの感覚は多少なりともありそうだが

…いや、そうであるからこそ、逆なのかも知れない)

取り止めの無い話だとデュランダル自身も思わなくはないが、今の自分達はもう些細な事であっても、問題を起こす事は許されないだろう

 

間違いなく、地球にいるコーディネーター達は自分達、プラントのコーディネーターに対してそれこそブルーコスモスの過激派よりも殺意を抱いているのは間違いない

 

となれば、プラントのコーディネーターを一部なりとも受け入れるオーブに対して良い感情を持つとは考え難いのではないだろうか?

 

 

はっきり言えば、そこまでして自分達を受け入れるだけのメリットを此方側から提示出来るとは思わない

 

 

「お気持ちは有り難く思います

…ですが、今の我々にはそちら側に対して充分な対価を差し出す事すら出来ないのが実情

身内の恥を晒す事になりますが、こちらの市民達の中に今の扱いを不満に思っている者もいるほどです」

デュランダルとしても情けない限りと思いながらも、それでも偽る事は許されない事もまた理解している

自分よりも年下のラクスが倒れるくらい必死になっていたのだ

 

いつまでも友人(ラウ)の事を悔いるだけでは何も変わらないどころか事態は悪化していくだろう

だからデュランダルは必死に抗うのだ

 

 

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「どうしろって言うんだ」

 

「厄介な事になったか」

 

「プラント理事国に移住させる事も検討していたのですが、流石に国内に不穏分子を受け入れてくれとは頼めませんからね

…一応僕の方でも根回しはしてみるつもりですが」

 

「プラントのコーディネーターが割と現状を知らないとは思ってはいましたが、此処までとは思いませんでした

軽々に話に応じるべきではありませんでしたね。…申し訳」

 

「カズイ。別にお前の責任はない

あくまでラクス・クラインとの話し合いについては私達オーブ政府側からの依頼だったんだ。気にするな

…って言ってもお前は気にするよなぁ」

アメノミハシラにおける騒動の連絡を受けてカガリ、ミナ、アズラエルにカズイは集まって意見を交換しようとしていた

 

カズイの謝罪をカガリは止めた

 

「なぁミナ。カズイの奴、大丈夫なのか?顔色が真っ青だぞ」

 

「事が収まり次第、直ぐ療養させるべきだろうな。流石に日常から戦場。そしてこの様な事ともなれば思い詰めるのも仕方ないだろう」

明らかに顔色の悪いカズイにカガリとミナは小声で意見を交わす

 

軍人としての自覚があるが故にこそ、結果として自身を追い詰める様なやり方を是としたのがカズイ

褒められたものではないとカガリもミナも思う反面、その不器用さもまた彼という人物なのだ。軽々に否定するつもりはない

更に言えば、本来アラスカにアークエンジェルが到着した時点でキラにせよカズイにせよ除隊の機会はあったとも聞く

それの機会を奪った自分達が何を言わんや

 

せめて倒れない様にサポートするしか方法はないと2人は考えていたのである

 

 

 

「しかし、いつまで経っても彼等は変わりませんねぇ

相変わらず家主の事を何一つ考えようとしない」

その場に同席しているアズラエルは苦い顔でそう呟く

 

彼としてもプラントに出資した過去の事を思い出させる様な出来事であるだけに、フォローするつもりはない

 

アズラエルとて流石に今回の件を任されていると言っても限度がある

故に大西洋連邦のトップであるアーヴィングやロゴスのメンバーを通じてユーラシアと東アジアのトップにもアメノミハシラで起きた件について連絡済み

 

「プラントからの移住ならば問題はない

…が、国内でそのような事をする危険性があると言うならば、私は大西洋連邦大統領としてその者達の移住を認める訳にはいかんのだよ」

とアーヴィングから既に話をされており、恐らくはユーラシアと東アジアからも同様の答えが返ってくるだろう。そう言った予測はアズラエルも出来る

 

「オーブに受け入れるとしても問題が多いでしょうからね

…いやマジどうするんだ、これ?」

カズイとしても明らかに面倒ごとの種にしかならない状況であるだけに文字通り顔色を青褪めさせていた

 

なお、フレイからもらった東アジア製の胃薬とアズラエルから提供されている栄養ドリンクを最近常用する様になった

 

 

因みにカズイの護衛を務めるシンと補佐を務めているフレイもそれぞれこれをワンセットずつ持っていたりする

言うまでもなく、2人としてはここまで無理をしてほしいなんて思ってもいないのだが

 

 

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とは言え軌道上の拠点であるアメノミハシラからオーブ本土へと移動するとなると、ラクス達の使っている旧式の輸送艦では到底役に立たない。となればアメノミハシラにある連絡用のシャトルなり、本土から往復用の便を出さねばならなくなる

現在、ミナとコトーの指示でカグヤやモルゲンレーテの本社、行政府など主要施設に爆発物が仕掛けられていないかの確認も行われている。先の騒動の事もあってかあまりこれ以上の混乱の元を手元に置きたくない

と言うのが、カガリを始めとしたオーブ政府としての考えである

 

勿論、人道的な見地からすればラクス達の受け入れは必要なのは事実。だが、プラント理事国としてはせっかく『プラント包囲網』を構築しつつある現状、あまり(逃げ道)を与えたくない。と言うのも間違いないものでもあった

 

 

何せプラントという生産工場が軒並み自分達の手を離れた上に、エイプリル・フール・クライシスにおいての人命などの被害が出ている

 

プラントに対して同情的な意見を持っていた知識人ですらも、エイプリル・フール・クライシスによる被害やザフトのビクトリア攻略後の地球側将兵虐殺の事実を知るとプラントに対する強硬論を主張し始める始末

 

ましてや、既に地上におけるザフトの拠点というのは本当に小さな拠点くらいしか残されていない

南アメリカ合衆国としては、この様な状況になってもプラントへの支援を止めるつもりはなかったのだが、先にザフトが撤兵してしまった事でそれも困難となってしまう

 

 

既に親プラント国と呼ばれていた国家は軒並みその姿勢を改めざるを得なくなっており、加えて中立であったスカンジナビア王国は先の交渉の内容を受けて『停戦交渉の仲介』についてかなり慎重にならざるを得なくなっていた

言うまでもなく、オーブも今回の件で完全にプラントとの関係の見直しをしなければならないだろう

 

…まぁ、元々ヘリオポリス(自国のコロニー)が襲撃された時点で強い意思表明をすべきであった様な気もするが

 

 

幸か不幸か、アメノミハシラでの爆発騒動の後にサハク当主、ロンド・ギナ率いるオーブ艦隊の動きが他国にも知れる程度に活性化した為に

『自国に対する明確な敵対行為を受けての対抗措置』と各国からは受け止められている

 

 

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プラントの現指導部としては、何とかして地球側に対して強烈な一撃を与え、その事実を以て停戦或いは和睦に持ち込みたいと考えている

 

だが、その為に必要であったジェネシスはユーラシア連邦軍の誇る()兵器『パンジャンドラムC.E仕様宇宙戦対応型』により甚大な被害を受けている

完全破壊には至らなかったものの、作戦を指揮していたジェラード・ガルシアはそれで良しとした

 

「彼等がもし、この兵器を最後の頼みとしているならば修復出来る余地(・・・・・・・)があればこの修理にも力を入れるのではないだろうか?

現在の彼等の戦力で此方に対して攻撃を断念させるだけのものが他にあるとも思えぬ。となれば、彼等の物資や労力をジェネシスの修理に回させる事で戦力の回復などを抑止できるのではないかと私は考える」

 

 

ボアズにボアズ守備隊を事実上、軟禁しているハルバートンや東アジア艦隊司令とも協議した上でガルシア率いるユーラシア宇宙艦隊はジェネシスを大破させたものの、その原型は留めたままに一路アルテミス要塞へと帰還した

 

ハルバートンもまた月面プトレマイオス基地へと艦隊の大半を帰投させる事としており、大西洋艦隊の作戦は東アジア艦隊が引き継ぐ事となっている

 

プラント本土に対する攻撃については、各軍司令部は慎重な姿勢を崩しておらず、現在プラント理事国を中心とした国際会議にて今後のプラントの是非についての結論を待つ事としていた

 

 

「戦争はあくまでも政治の延長線上にある

となれば、我々は基本的に政府の意向の元に動かねばならん。…些か以上に不安ではあるがな」

とはハルバートンの言葉である

 

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一方シーゲルとパトリック等を追い落としたプラントの有力者達は愕然としていた

 

それもそうだろう

 

ザフトにとって、宇宙の防衛ラインを構築しているボアズが事実上陥落し、更に最終防衛線となるヤキンの至近に存在するジェネシスが地球軍により攻撃され、挙句甚大な被害を被ったのだから

 

 

しかも彼等にとって期待していた新型量産機『ゲイツ』の試作機まで投入しての防衛戦であったのに惨敗

 

かと言って処分しているザラ元国防委員長に近しいクルーゼ。その部下であるアデス

前政権を支持している事を隠そうともしない教導隊のサトー 

 

 

この辺りを動かすのは彼等からすれば危険極まりない事に思えてならなかったのだ

クルーゼについては隊の旗艦であるヴェサリウスを取り上げている以上そこまでの危険性はないと判断出来る

…だが、サトー率いる部隊はジンハイマニューバとその改良型のⅡ型により編成されたもの

 

 

それこそ現在のプラントにおける最精鋭部隊の一つとすら言えるものであったが、何せ現在のプラントを動かしている者達はサトー達が支持していたパトリックを排除しているのだ

如何に彼等の頭の中身がアレであったとしても、サトー達が味方になっているなどとは

 

「さて、どうしたものか」

 

「とにかく戦力の回復が急務だろう

サトー隊を動かす他あるまいよ」

 

「…それしかないか」

 

「彼等とてザフトの人間

となれば命令となれば従うだろうさ」

 

思っている様ですね(白目)

 

 

こんなザマであった

 

 

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シーゲル・クライン等を排除して出来たプラントの新体制

 

名目上はエザリア・ジュールが最高評議会議長となっているが、彼女は息子であるイザークの命を握られているが為に不本意ながらシーゲルとパトリックを排除せざるを得なかった

 

 

が、彼女とて飾り物(傀儡)であっても、最高評議会議長

彼女を操る者達は後顧の憂いを断つ為に2人を始めとした者達に対して『国家反逆罪』を適用し、即刻処断すべきと考えていたが、エザリアによる独自の行動により、シーゲルとパトリックの死は偽装される事となる

 

本来なら軟禁されている2人に外部の情報が渡る様な人事などあり得ない。が、敢えてエザリアはその様な人員を配置したのである

…とは言え、彼女に出来たのはそこまでであった。息子イザークや同僚ダッドの息子ディアッカの居場所までは特定出来ない。彼女からすれば息子や息子の友人がいなければ指示に従う理由などありはしないのだが

 

正確には、その様な動きを見せる事で子供達の身に危険が及ぶ事を彼女は許容出来なかった

とも言えるだろう

 

 

流石の彼等であっても、最高評議会議長であるエザリアに対して公的な場で何かを主張するのは出来なくはないが、周囲からの反発が予想される

 

 

 

…まぁ、有り体に言えば

 

『汚れ仕事は他人に押し付けて、利益だけ貪りたい』

というどう考えても人として『いや、それはないわー』と思われる様な事を彼等はしている訳で

 

そんな彼等に協力する者達もまた『類は友を呼ぶ』を体現した様な良くも悪くも『人間らしい』者達であった

 

 

 

 

…さて、政治の舞台はまだエザリアやダッドが奮闘している為に決定的な問題は発生していない

 

 

が、レイ・ユウキら司令部の人間を排した上に今のザフトでそれこそナスカ級よりも貴重とも言える有能な前線指揮官であるクルーゼらを事実上更迭したザフトの上層部

 

彼等がマトモであるだろうか?

 

 

 

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「徴兵制の導入と更なる年齢の引き下げだと?」

 

「はっ。それ以外に現状を打破出来るとは思えません」

 

「…それは出来ない」

エザリアの元にザフト司令部からの陳情が持ち込まれた

だが、その内容は如何に強硬派であった彼女であっても容易に頷けられるものではない

 

「今でさえ、アカデミーの入学年齢の引き下げや卒業を早める。といった事をしている

仮に徴兵制を実施するとなれば、確かに兵は増えるだろう」

 

「今のザフトは戦力不足に過ぎます

MSの増産や兵士を増やし、それで拡充された兵力とボアズ守備隊を動員すれば地球軍であっても問題なく戦えるかと」

苦い表情のエザリアに対して、淡々と自身の予測を語る人物

 

 

「軍はそれで良いのかも知れないな

…だが、そうなると民間はどうする?今口にした様にMSの増産をするにせよ人手はいる

加えて、食糧などの生産やインフラの維持。その他にも市民生活を送る為に必要なものがあると思うのだが?」

 

「全ては勝利の為

市民も分かっているはずかと」

 

「…分かった。一応議題として出しておこう」

 

「宜しくお願いします」

エザリアは相手がいくら言っても話を聞かない手合いだと判断

話を打ち切った

 

 

そもそも、おかしな話ではあるがプラント市民からすればこの戦争は勝っている筈のもの

にも関わらず、市民生活を圧迫する様な事をすればどうなると言うのか?

 

もう少し考えれば、既にプラントにいるコーディネーターの数は開戦前に比べて減少している

しかもその殆どは働き盛りの二十代から四十代までの男性であり、遺伝子の問題もあってかプラントでの出生率は改善の兆しすら見えていない

 

 

その上、その道の権威であるギルバート・デュランダルはラクス・クライン等と共にオーブの軌道上の拠点アメノミハシラにいる

 

生命工学についての情報を渡すとはある意味自分達コーディネーターの全てを委ねると言っても過言ではなく、それ故にそれ等の情報を持つ者はごく一部の人間のみ

それについての研究資料や各種データについては最高責任者であったデュランダル以外に詳細を知る者はいない

 

 

つまり、また一からのやり直しとなる

 

繰り返すが、二十代から四十代の男性の人口が明らかに減少している上に、遺伝子の問題から結婚した夫婦から必ずしも子供が産まれる訳ではない。という状況で、だ

 

 

エザリアとしても、流石にプラントの。プラントに住むコーディネーターの未来全てを賭け金(チップ)として一大反攻作戦を行えるか?と問われたならば容易に頷けるものではない

 

…そう、今更ながらに考えて動くしかなかったのだ

 

 

皮肉な事に、最高評議会議長という立場になった今となってはシーゲルやカナーバ等が推進してきた『和戦両論』という一見すると矛盾したやり方が正しかったのだと痛感したのである

 

 

 

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「面倒な事だ」

 

「実に」

 

ザフトの司令部ではエザリアの様子から恐らく自分達の陳情は通らないだろうとの結論を出すとザフトの現司令部の者達は心底不愉快そうに吐き捨てる

彼等としては偽降という手段を用いる事で、一時的に地球軍の足を止め、その間に出来る限り戦力の回復を行い、再編した戦力を以て地球軍に強烈な一撃を与える事で相手側からの和平を受け入れる事を現在の戦略目標と定めていた

 

 

となれば、当然MSの数は必要になるだろうし、足りないのであればある所から(・・・・・)調達する他に道はない

 

 

 

 

「それで奴等(・・)はどの程度集まったか?」

 

「現在それなりの数が集まっております」

 

「…ふん、薄汚いハイエナどもが

だが、まだ集めねばならんからな」

エザリア(政府)を動かすのが難しいとて、彼等も彼等なりの事は出来る

 

 

ザフト司令部は現在傭兵を高額の報酬などを餌として集めている

 

 

 

 

 

 

が、彼等は最初(はな)っからその報酬を渡すつもりなどない

 

 

ある程度傭兵が集まれば、彼等の持つMS(ほぼザフト製の機体)を接収するつもりなのだ

 

 

元々自分達の兵器であるMSや艦船を勝手に使われている事自体に不満があったのも事実

加えて、ジャンク屋などは自分達で改造した挙句それを世界に流す事すら行なっている

 

 

地球軍はどういうつもりなのかは知らないが、此方からすればふざけた話であり、そんな連中が自分達の利益を声高に主張するなど到底認められるものではない

 

 

「これはあるべき姿に戻す為のものに過ぎぬ

批判や非難される謂れなどないのだ」

 

 

 

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現ザフトの司令部の者達とて、偽降がどれだけ危険なものかくらいは理解している

 

 

だが、『時を稼ぐ』という意味においてならばこれ以上効果的なものはないとも認識していた

 

 

降伏は許されなくなるだろう

だが、相手は民主(多数)主義だ

 

ましてや、此処(プラント)はプラント理事国の為に建造されたもの

 

つまり、相手(理事国)にとって必要なものと言える

…となれば、当然それを好んで壊したいと思うはずも無い

 

 

その様な論調は間違いなく地球の、特に富裕層にあるはずだ

 

 

偽降により、軍や政府のプラントやザフトに対する心象はこれ以上なく悪化しただろうが、それでも政府間の話し合いや国内での議決などの手続きを経て動くしかない

 

そこで、影響力の大きい富裕層がプラントの破壊について異論を出したならば?

 

間違いなく話し合いは難航するだろうし、その間地球軍の大規模な攻勢は不可能となる

 

 

…事実として、地球軍はボアズやジェネシスへの攻撃を行なったにも関わらずあっさりと兵を退いている

 

戦略的に考えるならば、ボアズやジェネシス。いや、ジェネシスの至近にあるヤキン・ドゥーエの戦力すら無視して行なわれたジェネシス破壊作戦

これが通る時点でプラントの防衛力や残存戦力は予測出来るはず

 

 

 

にも関わらず、地球軍が撤退した理由など一つしかないだろう

 

 

 

 

政治側の都合

それ以外にないのだから

 

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そもそも彼等が無法とも言える行動を繰り返しているのにも理由がある

 

 

 

プラントはプラント理事国の管理物件であり、あくまでもプラント住民は『プラント理事国というオーナー』が所有しているコロニーに居住。プラント理事国向けの工業製品の生産や、プラントという一つの都市を存続させる為に必要な範囲(・・・・・)での経済活動などを認めているに過ぎない

 

仮にシーゲルやパトリックらの目指す『コーディネーターによる社会』とやらの為の組織としてプラントを求めたのであれば、それこそお門違いにも程があろう

 

確かにコロニーでの生活はコーディネーターの方が適しているのかも知れない

だが、別にナチュラルだからとてコロニーでの生活が送れない訳ではない事は他ならぬザフトが戦闘によって破壊したヘリオポリスが証明している

 

だが、平均的な能力で優れているコーディネーターの方が生産管理などに適していると考えられたが故にプラントの人口はコーディネーターの比率が多くなった

 

 

 

 

 

…などと考えるのであれば、その人物は恐らくコーディネーターかコーディネーターの優秀さを盲信する者だと思えてならない

 

成程、コーディネーターの能力は高いだろう

 

 

 

しかし、『能力が高い』だけで上手くいくほど社会は優しくない

人との接し方、所謂コミュニケーション能力と呼ばれるものが欠如していれば如何に素晴らしい人物であったとて、大成する事なくその生涯を終える事だろう

 

 

 

その能力が自分達コーディネーターに不足している

彼等はそう自己分析した

 

 

 

故にこそ、本来ならば対等な関係を結ぶ為に様々な段階を踏まなければならない筈の事をあっさりと省くのだろう

 

シーゲルやパトリックらが結成した『黄道同盟』

そもそもの話として、ようやく完成したプラント。そこから『元を取らねばならない(利益を出さねばならない)』ところにいきなり自治の話など持って行って一体誰が納得すると言うのか?

 

プラント理事国や経済界の大物などが出資して建造されたプラント

 

 

言い換えれば、プラント理事国

つまり大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国

それらの国家に住まう者達から集めた金。所謂税金によって建造費用は捻出されているのだ

 

 

公共サービスであったとしても、赤字であればある程度の路線変更なり改善をしなければならない

そうでなければ、市民からの支持を失うのだから

 

税金で作り上げたプラント。その建造中にシーゲルとパトリックが出会ったのが43年。黄道同盟を結成したのが50年

たった7年でプラントは独立や自治を求めたのだ

 

そして、プラント理事国が自分達の要求を飲まないと見ると農業用コロニーや軍事組織を作り明確に敵対した訳である

 

 

 

プラント市民はこの辺の感覚にかなり疎い、いや彼等がそう誘導したともいえるが

だからこそ、余りにも無頓着なのだ

 

プラントはプラント住民の住処であると同時に、プラント理事国に対して利益を齎さねばならないものである事に

 

 

農業用コロニーの建造や独自に貿易や経済活動を行おうとしたプラントに対してプラント理事国が武力すら用いてそれを阻止するのは寧ろ当然の事

 

誰が自分の金を出して作り上げた組織が自分の意志を全く無視した挙句、噛み付いてくるものに容赦すると言うのか?

 

 

 

 

だが、それとは別に政治形態と群集心理というものがプラント理事国を捕らえて離さない

 

故にこそ、彼等はある意味で安心して蛮行を犯す事が出来るのだ

 

 

 

 

 

 

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プラント建造に出資した経済界や財界の者達は『損切り』をすれば事足りるだろう

 

…だが、血税(国民の税金)というある意味では1番市民達が敏感に反応するモノを使って作り上げたプラント

それが自分達に利益を齎すどころか、牙を剥いてきた

 

下手をすればプラント建造費用とエイプリル・フール・クライシスや一連の武力衝突によって生じた人的、物質的、経済的被害はプラントからの利益すら帳消しにするどころか赤字である可能性もあろう

 

 

そうなると、『元すら取れない』状況でプラント破壊を決断出来るだろうか?

 

という問題が立ち塞がろう

 

 

 

政府は何とかその決断が取れるかも知れない

 

 

 

足を引っ張ろうとする者

というものは何処にでも、いつの時代にもいるものなのだ

 

 

 

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彼等はプラントでの利益を用いて、プラント理事国内にも『プラントのシンパ』を作り出していた

…いや、それは正確ではない

 

 

政権を握る(批判する)手段の一つとして、プラント破壊や捕虜を取らない軍のやり方を勝手に非主流派が批判しているだけなのだから

 

 

そして、そう言った手合いは大抵メディアを使って世論を動かそうとするだろう

 

 

「武力だけが戦争の道具ではない

…確かにその通りだろうな。……なぁ?『真のコーディネーター』とやら」

 

 

彼等は手段を選ばない様に見えて、キチンと見極めているのだ

 

 

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「…つまり君達はプラント破壊を認めない

そう言うのかね?」

 

大西洋連邦大統領アーヴィングは自身の執務室で訪問者の言葉を聞き、眉を顰めながらそう心底不快そうに確認する

 

「アレを作り上げるのにどれだけの費用や労力を費やしたとお思いですか!

確かに中身(・・)は問題かも知れません!…が、だからとて全てを破壊するなどと言うのは如何なものかと」

アーヴィングに直談判しているのは対立野党の党首であり、アーヴィングも不本意ながら完全に無視できない程度の影響力を持つ人物だ

 

 

「…では何かね?

君達はオーブのアメノミハシラで起きた様な事が何処かで起きたとして、その責任を取れるのか?

彼等は偽装降伏という戦争の根幹すら揺らがせる事をしでかしたのだぞ。何をするかなど分かったものではない

プラントを破壊するな、そう言うのは簡単だろう。が、そうなれば今戦場に立っている者達の命を更なる危険に晒す事になる。…私は大西洋連邦大統領として、大西洋連邦軍の最高指揮権を持つ人間としてその様な事をすべきでは無いと思うがね」

 

「…しかし」

 

「………とは言え、キチンと議会の承認を得ねばならんのも事実

明日の議会での審議には此方としても応ずる他ない」

アーヴィングは溜息混じりに話を締め括った

 

 

 

 

「…で、どうなのかね?」

アーヴィングは野党の党首が退室すると自身の補佐官に問いかける

 

「…残念ではありますが、プラント市民に対する同情論も少なからず存在します」

 

「…ふん、良識派気取りの連中か

気楽なものだ。民衆受けの良い事ばかり口にすれば良いのだからな

何が起きたとしても、形だけの謝罪。聞くに堪えんな」

アーヴィングはテレビを見ない

新聞も基本読もうとしない

 

 

何故か?

テレビにせよ、新聞にせよ作り手側の主観が混じっているからだ

それが少ないならばまだ良い

 

がアレらは必要ならば『自分達の都合の良い切り取り』を幾らでもする事をアーヴィングはよく知っている

彼の立場ならば報告書で事足りるのだから、必要性など全く感じないのである

 

 

 

しかし、この様な無責任極まる連中が世論形成に少なからず影響を与えていると言うのだから、アーヴィングとしては不愉快極まる話でしか無い

 

 

「…やれやれだ」

早々にプラントの件を片付けたい政府

そのプラントの事について口を挟んでくる野党や部外者(自称知識人)

 

アーヴィングの憂鬱な日々はまだ続くのだろう

 

 

 

 

 

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「…面倒な」

ウィリアム・サザーランドは面倒な事になったと吐き捨てる

 

 

サザーランドは大西洋連邦軍の大佐であり、ブルーコスモスに所属している

その関係で、アズラエルとはそれなりに良好な関係を築いていた

 

 

何せ、大西洋連邦軍の兵器開発や生産においてアズラエルの影響力は非常に高い。故にこそ親しくしておくに越した事のない人物と言えるだろう

 

それにアズラエル自身が余程の事がない限り(・・・・・・・・・)軍の方針に口を出しても、現場にまで出張ってくる事はない

 

「そりゃあ私も暇ではありませんからね

必要なら現場にも行きますが、軽々そんな事をすれば現場に余計な負担を与えるだけですし、現場からも不快に思われるだけでしょう?

何のメリットもない事を態々やる必要はないでしょうに」

 

…何はともあれ、こちら側(現場サイド)への気遣いはキチンとしていた

 

 

それに比べて

 

「…ふん。余計な手間をかけさせてくれる」

ロード・ジブリール。アズラエルと比べて余りにも(自己主張)の強過ぎる男

 

 

そんな人物がプラント攻略において、前線指揮をとりたい等と言うのだからサザーランドを始めとした軍人達からすればこの上なく迷惑な話

 

 

 

確かにサザーランドを始めとしたブルーコスモス派と呼ばれる者達とハルバートンを始めとした良識派と呼ばれる者達は反目し合っている

そう見られている

 

が、サザーランドとてブルーコスモスいや正確にはそのスポンサーであるアズラエルを始めとした者達。それらが大西洋連邦軍にとって有用だと思うからこそ、協調関係を取っているに過ぎない

ブルーコスモスは確かに取り扱いの面倒な組織ではあるが、その構成員取り分け下部構成員には根強いプラントやコーディネーターへの不審や敵意がある

 

彼等はその感情を持て余しているからこそ、テロなどに走るのだ。ならば軍としてその受け皿となり、自分の様なブルーコスモス派の将官が上手く使う事で有望な兵士となり得るだろう

 

 

戦争となると、平時の兵数では足りないところが出て来る

ましてや敵は新兵器MSによる新戦術を全面に出してきたのだ。これにより大西洋連邦軍のみならず、地球連合軍は大量の死傷者を出してしまい、兵員数が著しく減少した

その穴埋めに戦意の高いブルーコスモス支持者を受け入れる事は決しておかしな事とは言えないだろう

 

しかも、地球連合軍に加わったコーディネーターの過激な主張を抑える為にこれらの者達も自然と自重する事となったのだ

 

兵は増え、しかもその秩序も保たれるとなれば軍としてもそこまで嫌厭する必要はない

…が、今までの『やらかし』のせいで今でも色眼鏡で見られているのは間違いないだろうとサザーランド自身思っている

 

 

が、少しずつではあるがブルーコスモス内においても風向きが変わりつつあり、それに伴い反ブルーコスモス派からの反発も徐々に収まりつつあるのも事実

 

 

 

が、それに水を掛けるが如き所業をジブリールは行おうとしているのだ

 

 

サザーランドを始めとしたブルーコスモスを容認する者達にとっても、決して好ましい事ではない

 

 

サザーランドとして頼るべきアズラエルは現在オーブにで諸々の交渉などを行なっている為ブルーコスモスのスポンサーに対する連絡手段がないのも困りものである

 

 

なお、ジブリールは大西洋連邦軍にではなく、自身の影響力が強い(と本人は勘違いしている)ユーラシア連邦軍において艦隊指揮をとりたいとしている事も面倒ごとであった

 

 

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プラント側としては地球側の足並みが乱れるのは非常に好ましい事である

 

 

人間とはとかく身勝手なもの

自分が血を流さない(傷付かない)なら、容易に理想論(綺麗事)を口にする

 

 

ビクトリアなどで地球軍の投降兵を虐殺した事や宇宙で偽装降伏をした事

本来ならば、これは許されざる事でありプラントやザフトに対して温情を示す事などあり得ない事

 

 

が、それはあくまでも軍隊(遠い世界)の事である

自分達(民間人)には関係ない

 

と言った者達が声を上げる事でその無法行為よりも、プラントの完全破壊やそこに住む住民に対する非人道的行為に対する反発が生まれていく

 

エイプリル・フール・クライシスで家族を、友人を喪った者達はそんな事気にする事はない

が、往々にして知識人と呼ばれる者達というものは経済的に豊かであったり、社会的地位がある程度あるもの

 

 

だからその様な事が平気で口に出来るのだ

 

 

 

 

その辺をエザリア等を操る者達はこの事をキチンと理解している

だから、彼等は平然とルールを踏み躙れると言えるだろう

 

ナチュラル(敵である)故にその思惑を利用する事に躊躇いはないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「プラントを破壊する!?

国民の血税を使って作り上げた貴重な生産拠点ではありませんか!?」

 

大西洋連邦において緊急招集された臨時議会は野党側の批判から幕を開けた

 

ザフトによる偽装降伏、それに伴う危険性の高まりから政府としては迅速にプラントに対する処分(・・)を決めねばならない

 

ハルバートンら宇宙艦隊の各司令官からの報告書には

 

現状においては(・・・・・・・)ザフトに対する戦力的な優位を確保したと判断出来る。が、今後についてまで保証出来るものとは断言し難く、叶うならば早期のプラント攻略を前線指揮官としては強く望む

とのものがあった

 

 

既にジェネシス(終末兵器)の前例がある事からもアーヴィングやユーラシア、東アジアの各国首脳は

 

「プラントに時を与えるは彼等に利するものである」

との共通認識をホットラインにて確認

 

迅速なプラント攻略を行うべきと改めて意見の統一を行なっている

 

 

だが、大西洋連邦などは『議会制民主主義』を採用しており、故にこそ専任事項である各軍の行動についても議会からの承認を受けなければならない

 

戦地にいる軍人達の事を考えれば、軍に対する命令は迅速に行うべきとアーヴィングを始めとした政府首脳部は理解している

現在こそ軍の規模を拡大しているが、今回の件が片付き次第順次民間へと復員させる事になっていた

いつまでも戦時体制とする利点(メリット)など政府にも軍にも、そして民間にもありはしないのだから

 

 

 

が、いざ武力衝突を終わらせるとなると当然出てくるのが『どの様に終わらせるのか?』という問題だった

 

 

既に各国の経済界の重鎮と言えるロゴスについてはアズラエルが窓口となって調整を終わらせている

…というよりも、彼等としてもいつまでも犠牲の出続ける武力衝突を延々としたい訳でもない

 

 

 

早期のプラントとの武力衝突の終結は彼等にとってもまた臨むべきものだった

 

 

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が、現在地球側は圧倒的優位にある

それこそ戦闘を止めるとなるとどの様な条件をつけるのかすら悩む所だ

 

プラントは一度既に各コロニー群を勝手に運用(・・・・・)しているのだ

その上で農業用コロニーやMSの工廠などを建造し、挑んできた

 

 

その様な連中に対して一部の者達が主張する様な「今一度彼等にも機会を与えるべき」だの「今回の件で彼等も理解しただろう」などと言った楽観論に基づく戦後処理などする訳にもいかないだろう

 

さりとて、プラントの民衆を受け入れる事については彼等としても躊躇してしまう

何せオーブにおいて、既に問題を起こしているのだから

 

プラント建造もそうだが、彼等政治家の責務は『自国民を豊かにする』

事であり、時にはその為に他国に対して強硬的な態度を取る事もある

ましてや世界規模でのエイプリル・フール・クライシスを引き起こしたのは他ならぬプラントの意思

 

寧ろこの状況でプラントに対して譲歩すると言うのは、やってはならない事だろう

 

 

 

…仮に

もし仮に、だ

 

プラントと連合側で停戦や休戦が合意されるとすれば、『武力衝突を止まなければならない位に双方が消耗』しているくらいではなかろうか?

 

 

…もっとも、そうだとしてもほぼ間違いなく10年もしない内にまた武力衝突を起こすだろうが

 

 

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アーヴィングを含めた各国首脳は基本的に『性悪説』にて動かねばならない。…勿論人を信じる事も必要ではあろう

 

が、良くも悪くも彼等程の立場や彼等と交渉出来る立場ともなれば理想だけで食べていける訳でもない

 

常に『現実との折り合い(妥協する事)』も必要

 

現在ではプラントのコーディネーターと地球のコーディネーターは一般的にも分けて受け入れられている

アーヴィングやサザーランド、アズラエルなどを始めとした各界の上層部は実利を見て地球に住むコーディネーター達の覚悟を理解し、受け入れる事を選んだ

民衆もまた戦場に赴く(血を流す覚悟を示した)地球のコーディネーターを受け入れようとしている。それは『自然の摂理に反する存在』とコーディネーターを定義していたブルーコスモスや宗教界とて同じ

 

が、そうであるが故にプラントのコーディネーターに対する憎悪や隔意と言ったものは天井知らずであり、宗教界もプラントのコーディネーター排斥については助長している部分があるのだ

 

 

 

現在の情勢において、連合側から和を持ち出す理由はなく、加えて『不法占拠』などを始めとした違法行為を繰り返しているプラントの住民を受け入れるとなればまたぞろプラントのコーディネーターの為の隔離施設などを用意するしかないだろう

 

そんな無駄な事(・・・・)に予算や労力を割くくらいならば、アーヴィングを始めとした各国首脳は『虐殺者』としての汚名を着る事を覚悟してでもプラントを滅ぼすべき

それは彼等プラントのコーディネーターの個々の能力の高さが譲歩するという選択肢を奪い去っているのだから、皮肉と言わざるをえまい

 

既にロゴスを始めとした軍需産業系の企業に対してはMSや艦艇群の生産計画の見直しを求めている

時間が経てば経つほどにプラントの戦力に対する警戒を強めねばならなくなり、結果として各兵器群の生産数を増やす他に選択肢はなくなろう

 

 

「兵器なんて平時においては『金のかかる置物』になるべきですし、そうしなければならないでしょう?

プラントを放置すれば、どうしても対抗の為に軍備拡張、最悪でも現状維持をしなければならなくなりますよね?

軍需産業が活性化するよりも、僕たちとしては民需品の需要増加の方が好ましいのですがねぇ」

軍備に金を注ぎ込む事をアズラエルもアーヴィングも無駄とは思わない。が、何事にも『適度なバランス』というものがあり、余った兵器があればどうしても『それを活用』したくなるのが軍人側の思考となりがちなのだ

 

「…全くもって面倒な事だな」

現在臨時招集した議会の喧騒を見ながら、アーヴィングは人知れず深い溜息をついた

 

 

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オーブにおいては、先の政変によりウズミの娘でありサハクやセイラン達と上手く連携する事を示したカガリ・ユラがオーブの未来の為に動く事を定めている

 

突然の政変により主に軍関係者からの支持が高かったウズミの拘束はオーブ国防軍内において好ましい動きとは受け止められず、結果内戦状態一歩手前となる事態にまで発展した

 

 

今は国防軍も新政府に従う事を良しとする考えが主流となる

 

 

…が、忘れがちな事がある

 

 

オーブ連合首長国はコーディネーターとナチュラルが共存している国家だ

 

 

 

そして、プラント理事国に属する地球に住むコーディネーターは地球軍に協力する事を選んだ訳だが、反ナチュラル感情を持つ地球のコーディネーターが何も全てプラントへと移住できた訳ではない

 

それは即ち

 

その流れに不満を持つ親プラント感情を持つコーディネーターがプラントのみならず、当時中立を表明していたオーブへと逃れた者もまた存在している

 

 

…そういう事であった

 

 

 

その様な者からすれば、アメノミハシラで既に『一度やらかしている』プラントからの避難民と言うのは中々に助かる(・・・)存在

何せ彼等に注意が向くのは間違いないのだから

 

 

 

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自身の子供をコーディネーターにする者にはそれなりの理由や思惑があるのは言うまでもない

 

シンの両親の様に『子供に生きて欲しかったから』

パトリックやシーゲルの様に『自身がコーディネーターであったから』

…そして

『優秀な自分の子供(・・・・・)』という存在を求める者

 

 

 

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勿論、自分の子供に『幸せ』を望むのが間違いとは言えないだろう

 

 

誰しも『幸せ』を求めるのは道理であり、自然なのだから

それ故に人は時にぶつかり、相手を蹴落とす事すら正当化する

 

 

太古からの掟でもある『弱肉強食』

それは人類が宇宙に進出して、遺伝子という内なる神ともいえるものすら制御出来る様になった現在でも変わる事のない純粋で残酷なもの

 

こぼれ落ちるモノがある

手を伸ばせど届かぬ者もいる

 

残酷であるが、それこそが真実なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

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