勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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後方撹乱は遅延戦術の基本


 凶刃

「さて、役にも立たないロゴスのメンバーは構うまい

私が力を持てば間違いなく擦り寄ってくるだろうからな」

 

ロゴスのメンバーとの会談を終えたジブリールはユーラシア連邦軍と交渉(圧力をかける)べくプライベートジェットで移動する事とした

 

「…アズラエルが執心しているアレの始末もせねばならない

コーディネーターは全て滅ぼさねばならないのだ。共存など有り得ない」

ジブリールは他のロゴスメンバーよりも若干発言力や影響力が弱い

それはエイプリル・フール・クライシスによる立て直しが他のメンバー達に比べて遅れてしまい、結果として彼の傘下企業ががなりの数倒産。或いはその勢力を弱体化させてしまったから

 

無論他のメンバーとて被害を受けたが、彼等はそれ(傘下企業)に対する手当て(補償)を躊躇う事なく行なった

アズラエルもそうだが、中にはエイプリル・フール・クライシス後個人資産が半分近くにまで激減した者もいる程

 

 

が、ジブリールはNジャマーを落としたプラントに対する怒りや憎悪から軍需産業への支援は行なったものの、それ以外への支援はおざなり

 

 

更に技術者として優秀なコーディネーターを採用した傘下企業に対しては一切の支援を打ち切る事などを行なった結果、ジブリールの元から離れる企業こそなかったものの多くの人材が流出する事となってしまう

 

 

それによりジブリールは自陣営の立て直しに奔走する事となり、旧世紀の兵器再評価とその量産計画に乗り遅れる

 

 

そんなジブリールだが、今となってはコーディネーター根絶を目指しているブルーコスモス凶行派(誤字ではない)最後の拠り所となっていたりする

 

 

 

 

因みにブルーコスモス過激派は彼等すら真っ青な過激な主張や行動を行おうとする『在地球コーディネーター』過激派の抑えに未だ回っていた

 

 

その為

 

「早くプラントとの抗争終わらないかな」

と彼等は現実逃避じみた考えに至っている

 

まぁ、彼らとて「プラントのコーディネーターの尽くは滅ぼすべし」との考えには一定の理解を示していたのだが、流石にコーディネーター全てを滅ぼす考え方から改めていた

 

 

「いや、アレ見て俺達と違うとは、言えんよなぁ」

 

「感情のままに暴れ回ろうとして、俺達(ナチュラル)と周りの連中同胞(在地球コーディネーター)から止められる(抑えつけられる)のを見りゃ、そりゃあ…なぁ?」

…なぁ?」

との事

 

 

更に

 

「…嘘だ」

 

「何だよこれ」

 

と地球軍(主にユーラシア連邦軍関係者)に志願している者達やごく一部ながらザフトの投降兵はとあるシミュレーター(・・・・・・・・・)による訓練(矯正)を行われるのだが、その後の彼等は自信に満ち溢れた尊大な態度など微塵も感じられないものとなる

 

その態度を見て

 

「…ああ、コイツらも人間だったか(同じなんだ)

と今までの考え方を改める者も多かったそうな

 

 

余談ではあるが、このシュミレーターは地球軍各軍に配備されナチュラルとコーディネーター問わず兵士達の精神(プライド)を粉々にする事から『兵士矯正シミュレーター』と一部から呼ばれ、親しまれる(畏れられる)事となる

 

 

----

 

 

その様な地球軍においてナチュラルとコーディネーターの共存が行われ始めている最中に『コーディネーターを根絶すべし!』と声高に叫ぶ者が現れて、しかも艦隊の指揮権を欲するとなれば軍としても決して看過できないものと見るだろう

 

そして、産業界や経済界において大きな影響力を持つロゴス

この戦争の早期集結を望むプラント理事国政府

 

彼等にとってもまた、この様な存在は邪魔でしかない

 

 

 

…故に

 

 

『ジブリールの乗った機が墜ちたか』

 

『誠、残念な事だ。戦後こそかの者も辣腕を振るえたろうに』

 

『どうだろう。ジブリールの為に黙祷を捧げるというのは』

 

『私としても異論はありませんよ(やれやれ、こうなる事くらい予想しておくものでしょうに)』

 

 

ジブリールの席は空白となったのである

 

 

 

 

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「おい、それは本当なのか?」

 

『俺は確かにそう聞いたんです。これからオーブ国防軍の官舎に向かうのでそこでも話をするつもりですけど』

 

「…分かった。俺の方でも出来る事はするつもりだ

よく知らせてくれたな。助かった」

 

『…フラガ少佐

カズイの奴、命を狙われる可能性あるんですか?』

 

「…悪い。詳しい事は俺にも言えん」

 

『……分かりました。宜しくお願いします』

 

サイからの連絡を受けた俺は内心頭を抱えた

確かにアークエンジェルはオーブの有事に備えて待機する様に命じられている

 

…いるんだが、それは前代表ホムラやその前の代表であるウズミ等を除く為の騒動についてだ

現在総司令部(ジョシュア)からは『現状維持』としか指示を受けていない

 

 

…一応アークエンジェルは地球軍の中でも最新鋭艦だから動かすべきと思わなくもないが

 

 

とにかく艦長を通じてオーブ側に連絡しないと

 

そう判断すると艦橋へと俺は急いだ

 

 

 

----

 

 

しかし他所(他国)やヘリオポリスで色々あった上につい少し前にはクーデターもあったというのにオーブの平常運転よ

 

平和なのは結構な事だし、それが日常であるならばそれ以上に素晴らしい事はないだろう

 

 

…まぁ、その結果として割と外交関係は崖っぷちだった事を知らないならそれで良いけどさ

 

現在政府間で友好関係を構築できているのは未だ北欧のスカンジナビア王国のみ

非常時であるのは理解しているし、それも恐らくあと一年位で終わる事だろう

 

……これが盛大な『フラグ』にならない事を切に願うばかりだ

 

 

赤道連合の基地に集結していた地球軍の部隊も順次原隊に復帰すべく各基地に帰投しているとはアズラエル氏の言葉

 

…正直なところとして、アルテミスのガルシア司令以上に衝撃を受けたな

 

 

「ボク達は商売人ですよ?

利益が出る事が分かって、しかもこちら側のルール(規則)に従うと言うならば宇宙人だって雇用しますよ」

との事

 

なんとも剛毅な事だ

あちらの世界ではその余裕すら無かったのか。或いはそれ以上にコーディネーター(プラント市民)に対する憎悪や不信感が(まさ)ったのかは定かではないが。とにかく経済界や政治的にも立場と発言力のあるアズラエル氏がこちら側に対してある程度好意的なのは嬉しい誤算と言えるだろう

 

楽観視し過ぎるのも問題だが、少なくともアズラエル氏がこちら側にいる現状では連合との決定的な対立は避けられたと思って良い

…良いよな?良くなかったら流石に泣くぞ、俺は

 

 

…あと気になる事と言えば、世捨て人チックな思想家が何を企んでいるのか全く不透明なところだろうか

あれで地球連合事務総長(オルバーニ)が頼りにする程度の発言力や影響力を持っていると言うのだから、困りものだ

 

 

ジャンク屋達についてもある程度動かせるみたいだし、アストレイでは態々地球軍の人間となっていたキラをあの人物の元にロウが運んだくらい

決して油断出来る人物ではないのだろう

 

 

ジェネシスはユーラシア連邦軍の報告書によると完全に破壊したのではなく、時間をかければ(・・・・・・・)修復出来るダメージに留めたらしい

 

大西洋連邦軍のハルバートン提督の報告書にはボアズ守備隊に新型機の姿は確認されたものの、その数は確認した限り3機。しかも全機捕捉した上で撃破したそう

 

 

…流石にフリーダムやジャスティスを量産する様なウルトラCをしている訳では無かったのだろうか

特筆すべきはその新型機の姿がジェネシス攻撃を行なっていたユーラシア連邦軍艦隊の報告書になかった事

 

最終防衛ラインの最重要拠点であろうヤキンとジェネシスは近いはず

となればザフトの切り札的な部隊がいるとなるとボアズではなく、ヤキンに駐留している可能性は高いはず

 

無論、ジェネシス攻撃の為の陽動作戦であるボアズ救援にそれらの部隊が動員された可能性はあるだろうが

 

 

実際こちら側にラクス・クライン等から提供された情報などからプラントにもそこまでの余力がある様に思えなかった

…勿論これが完全に信じられるものかどうかはまだ不透明。大西洋連邦軍などがプラントに送り込んだスパイ達の報告と照らし合わせるべきだろう

 

 

…仮にザフトの新型開発が遅れているとなると、色々面倒な事になりかねない

 

ザフトの宇宙戦力が地球軍のそれを上回るとの想定から現在宇宙艦隊に対する最優先の戦力補充などが行なわれていると聞く

 

 

地球軍の地上戦力は恐らくこれから減少に転じるだろう

…時期については不明だが

 

 

そりゃいつまでも戦時体制(動員)してたら産業や家庭が立ち直らない。それでも真の意味での『終戦』は訪れないだろうからなぁ

 

 

 

 

 

 

…ん?道ですか?

ええ、構いませ、んよ?

 

 

 

…あれ、なんで俺刺されてるんだ?

 

……ははっ

臆病者が表舞台に出てきたのが、そもそもの間違いだったか

 

 

…悪い、キラ

油断したわ

 

…フレイ

……ごめん

 

……シン、マユ

お前達は生き

 

 

----

 

 

トダカはバスカーク一尉の自宅へと急いで車を走らせていた

彼以外にも別経路でそれぞれバスカーク一尉の自宅へと急行している

 

 

きっかけはアークエンジェルからの緊急通信だと聞く

このオーブ国内に一尉を狙う者達がいるとの話だ

 

 

今一尉が亡くなるとどうなるのか?

そこまで情報を知らないトダカですら眩暈を覚える事になるくらいは分かる

 

 

しかし解せない事が一つ

一尉が国内のコーディネーターから注目される事となった大きな転機である『シン・アスカ襲撃事件』

この実行犯を取り逃したのはオーブ国防軍やオーブの警察関係者にとって今なお痛恨の極みとして苦い想いをしている者が多い

 

その実行犯はブルーコスモス過激派だったそうだが、その手引きをしたのは間違いなくオーブ国民

だが、このオーブ国内へと手引きしたであろう人物は全く軍も警察もその尻尾すら掴めていなかったのだ

 

 

勿論、その後東アジアのカオシュンをザフトが制圧したりヘリオポリスの件などがあった為に人手をそこまで回せなかったというのもあろうが

 

(なんなのだ、この嫌な感じは)

トダカは言いようのない不安を感じていた

 

 

 

そして

 

「っ!」

地に倒れ伏しているカズイを目にするだろう

 

そして今まさにそのカズイにトドメを刺そうとしている者達の姿も

 

「緊急!こちらトダカ!バスカーク一尉を発見した!!

住所は〇〇通りの〇〇!なお現在一尉は複数人から襲われている!

急ぎ周辺道路の封鎖を!」

トダカはそう無線で同僚達に知らせるとカズイの側にいる者達に向かってアクセルを踏み込んだ

 

 

 

----

 

 

「『真のコーディネーター』

そんなものは不要なのだ。私達にも、そしてこの世界にも」

たった1人。しかもまだ子供などに指図される謂れはない

…だが、それが成長すればどの様な脅威となるか分からない。故に今排除する

 

…幸いにも仲間達の陽動にかかったらしく、国防軍の官舎周辺は厳戒態勢との事

本人は自分が重要人物である自覚もなく自宅へと向かったとの事を確認している

 

 

 

しかし、皮肉なものだ

国外における脅威よりも寧ろ国内で奴は危険視されているとは

 

まぁそのお陰であっさりとオーブに入国できたのだから、文句を言うつもりはないが

 

 

 

 

 

 

 

苦しいだろう?

辛いだろう?

 

大丈夫だ。死ねば全てから解放される

 

倒れ伏した人物に対して銃口を向けようとする

 

 

 

しかし

 

「おい!装甲車が!」

 

…ちっ、もう少し足止め出来なかったのか?

役立たずどもが!

 

 

どうにも装甲車はこちらを確認したのか寧ろ速度を上げて突っ込んでくる

…明らかに出血量は相当なもの

 

カズイを一瞥した人物は

 

「撤収するぞ!

急げっ!!」

 

撤退の指示を出すと路地の裏へとバラバラに逃れて行った

 

 

 

----

 

トダカ等による迅速な救護により一命こそとりとめたものの、カズイは意識不明の重体となり、オーブの病院にて一年以上過ごす事となる

 

 

 

 

 

これによる混乱は殊の外大きく、特にオーブ国内のコーディネーターコミュニティは殺気立ち、オーブにいるであろう協力者を炙り出すべく動き出した

 

ラクス達との窓口となっていたカズイの負傷は彼女達との交渉の更なる延期に繋がり、彼女達と共にプラントから逃れてきたプラント市民はオーブに対して更なる悪感情を抱く事になる

 

 

言うまでもなく、同じ人物が二度にわたって襲撃されるという事態を受けてオーブ政府は緊急の会合を招集

 

 

 

 

事態は更に混迷の度合いを深めていく事となる

 

 

 

 

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

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  • いらん
  • それより本編でしょう?
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