勘弁して、ほんとマジで   作:鞍馬エル

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これは世間には隠されたユニウスの真実

男達の魂の輝きの記録である


 自由の意味

フレアモーターによる進路変更策が相手の執念により頓挫

既にユニウス付近にクーデター派の機体や艦艇の姿はなく、サトー隊とクルーゼのザフト

ドミニオン、イズモ、クサナギの地球軍双方がユニウスの落下を阻止せんと必死に動き回っていた

 

 

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『ロンド・ギナ

本艦とそちらの2隻によるローエングリン同時砲撃を行なったが、残念ながら目立ったダメージを与える事はできぬ様だ』

 

「最悪片方の重量を集中的に削る

…それでは間に合わんか」

 

『一応こちらで試算したが、せめてローエングリン搭載艦があと6隻は必要となるだろう

プトレマイオスの艦隊は間に合わないらしい上にボアズ包囲艦隊も身動きが取れないとの事だ』

 

「…戦力が足らんか」

ギナも必死に頭を働かすが一向に有効な解決策が見えてこない

 

 

そこへ

 

『我々が何とか時間を稼ごう』

ユーラシア連邦軍宇宙艦隊が到着した

 

 

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『張提督、貴官達は『劫火』と工作艦の準備に全力を尽くして欲しい』

 

「…だが、展開の時間がかかり過ぎる

最速でも10分…いや5分足りないだろう。工作艦もそれくらいになると思うが」

ガルシアからの通信に張は苦い顔でこう答えた

 

『時間は稼ぐ

…これより我々ユーラシア艦隊はユニウスセブン至近に進出

各艦による『体当たり(質量攻撃)』により少しでも速度を下げる

…張提督、後の事はよろしく頼む』

 

「っ!

待てガルシア司令!それは無茶だ」

ガルシアの決意を秘めた言葉に張は反論するが

 

「…通信切断されました」

 

「馬鹿な、そんな事をして時間を稼いだとして

………っ、各員友軍の献身に応えるぞ!」

張は手を握り締め、唇を強く噛み締めながらこう指示を出した

 

 

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「我が勇壮なるユーラシアの同志達

今まさに地球は危機を迎えている。我等はそれを阻止すべく各艦、全MSならび機動兵器による突撃を行なう

…君達を祖国に帰してやれぬ愚かな司令で申し訳なく思う。が、皆その命を此処で捨てて貰いたい!」

 

『我等勇者の前に勇者なく

我等の後ろに市民がいる!なれば我等のすべき事は市民の盾になってでも守り抜く事かと』

 

『軍人の本懐です

お供します、閣下!』

 

『我等の献身が地球を救えるならば、今日まで生きてきた意味もあったという事ですな!』

ガルシアの檄に各艦から通信が飛び込んでくる

 

「MS隊発進せよ

…続けてコスモグラスパー隊発艦せよ」

 

「護衛艦カレーよりパンジャンドラムの発進許可が来ております

…如何しましょう?」

通信手の言葉に

 

「全てを出し尽くせ!手を控えた結果ユニウスが落ちては何の意味もない!」

そう応えた

 

 

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「なん、で?」

キラは目の前の光景が信じられなかった

 

ユニウスの右方面から突如接近してきた艦隊は、その速度を一切落とす事なくユニウスへと体当たりを決行

それらは全て光となって消えていったのだから

 

ガルシア達には既に本国で生きる道はなく、彼に従っていた多くのコーディネーター達もまた『自らの献身を示す所』と思い定め、その命を散らしていったのである

 

 

 

そして

 

 

『各機、ユニウスセブン付近から離脱せよ』

ギナの言葉にキラは頭の中を整理できぬまま従ったのである

 

 

 

 

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「…ガルシア司令

あなた方の稼いだ時間は無駄では無かった。…『劫火』起動!

工作艦はユニウスの右方面から質量攻撃を実施せよ!」

 

 

そしてユニウスは光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…だが

 

「バカな!」

ユニウスはその姿をボロボロとしながらも地球の重力圏に向けて進んでいた

 

 

 

全ては手遅れかに見えた

 

 

 

 

その少し後、ユニウスにおいて一際大きな爆発と閃光が発生

 

遂にユニウスは地球の重力圏より逸れ、宇宙の深淵へと向かっていった

 

 

 

「何があったのだ?」

 

 

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「此処までしてもまだ落ちるか」

クルーゼは進み続けるユニウスを見ながらその頭脳を必死に回す

 

…そして

 

 

「…ふ、これもまた一つの結果か」

薄く笑うと、近くの機体に近付き話しかけた

 

 

 

 

 

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「核分裂炉搭載のMSを撃て!?」

 

『そうだ、それによりこのフリーダムを核爆発させユニウスの進路を変える

…最早躊躇う時間もないだろうさ』

 

「し、しかしそれでは貴殿はどうなる?」

 

『気にする事はない

元よりこの機体が残る方がプラント、地球側どちらにとっても不利益となるだろう。…私はヘリオポリス襲撃をした部隊の指揮官だ

これくらいやらねば部下達への扱いは変わらないだろう』

 

「……

了解した。貴殿のその献身に心より敬意を」

ドミニオン艦長はそう告げる

 

「最期に一つ伺いたい」

 

『何かね?』

 

「名を教えて貰いたい」

 

『…ラウ・ラ・フラガ

そう以前呼ばれていた男だ』

 

「貴殿のその名前、私は生涯忘れないだろう

…ラウ・.ラ・フラガ殿に敬礼!」

艦長の号令と共にドミニオンのブリッジクルー達はクルーゼへと敬礼した

 

 

 

そしてゴッドフリートの直撃を受けて、フリーダムは大爆発を起こしたのである

 

 

(本当に分からないものだ。世界を滅ぼそうと画策しようとしていた私が

どうだ、アル・ダ・フラガ

貴様に出来ない事を、私にしか出来ない事を私はやり遂げたのだ)

最期にクルーゼは愉快そうに笑って

 

 

 

…そして宇宙の光となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはあの戦場にいたものしか知らない一つの終わり

 

 

 

 

プラント降伏に伴いフリーダムの情報は抹消され、開発途中であったジャスティスとその母艦エターナルは賠償の一つとして大西洋連邦へと引き渡される

 

プラントに残されていた戦力は払底し、市民達もプラントの敗北を認めざるを得なくなったのは皮肉であろうか




という訳でクルーゼなりの復讐でした

突発アンケート 本作設定の完全なお遊び回いります?

  • いる
  • いらん
  • それより本編でしょう?
  • ifstory補完しろよ
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