暗澹たる戦場に旭光を 作:Zanna di Liquirizia
やはり時雨は可愛いと思うんだ。
まぁ、そんなことはどうでもいいので、私のこの独りよがりの妄想に長らく付き合ってくださいな。
それでは……
どうぞ!
―――また、
―――名も顔も知らぬ
―――あぁ、
―――もう……嫌だ。
―――僕らは何のために戦っている?
―――私利私欲に塗れた
―――違う。
――僕らはあんな奴らのために戦ってるんじゃない。
――軍艦としての誇りを――
――艦娘としての誇りを持って、
―――我が国を、国民を守るために
――その為に、生れて来たはずだ。
―――確かに、昔は物言わぬ金属の塊だったし、戦争のための道具――つまり、人殺しの道具として造られた。
―――だけど、幾ら僕たち駆逐艦が、低コストで建造できるからといって、いまの僕たちには人の心がある。
―――現に、それを無碍にするような人間がいるから、
―――人でないモノの感情なんて、どうでもいいと思っている人間がいるから、
―――だから、僕たちは道具であり、
―――いつまでも、兵器であるんだろう。
―――ごめんなさい。
全員を助け出すのは、無理だった。
遠征に出ていた娘や、出撃していた娘たちは、どうにも出来ない――というか、ずっと部屋に閉じこもってたから、今いる娘たちの顔がわからないから、もし海で会ったとしても、判別がつかない。
だから、今いる僕たちだけでもと思って、この鎮守府から逃げ出すことができた。
脱柵計画を一緒に立てた娘は、そんなに多くないけど、その程度のほうが逃げ出すときに有利だと思うし――実際そうだったけど――寝ていた娘とか、脱走を拒否した娘とか――洗脳でもされていたのか――みたいに、鎮守府内にはいたけど、連れて行くことができなかった娘たちは、仕方ないけど、置いてきた。
白露や夕立は、置いていくことに反対していたけど、いくら僕たちが艦娘だからといって、そんな超人みたいな力は持ってないから、背負っていくにしても引っ張っていくにしても限界があるし――洗脳されたような娘たちは……目に見えて拒絶されちゃったことに、ふたりともショックを受けたみたいで、最終的には、置いていくことに賛同――ほぼ一方的に――してもらった。
でなければ、
―――というか、別に軍部の人間じゃなくても良いんじゃないかな。
普通の――一般人のお家に住まわせてもらうのもいいと思う――けど、もし匿っているのが軍部、それも
ということは、やっぱり軍部の人間の、それも人権派に人間に匿ってもらったほうが良いのか。
でもそんな都合の良いことがあるのかな……佐官とか将官クラスの人って、だいたい護衛をつけているし、安々と近づくことは難しいし、森とかで暮らそうかな……。
――さいあくだ
……こんなに早く感づかれるとは思わなかった。
憲兵が住宅街に出張ってきたときは「……いやいや、ただの巡回だろう」と思っていたが、それと同時に「まさか……もう感づかれたのか」とも思っていた。
1561文字とは……少ない、少なくない?
私はそう思う。
――二番煎じだなこれ