遭難をしたら、川から海に向かえば助かるというのがあると思います。
私もその節を信じて遭難していた山に流れる川をどんどん下っていたら、海に出ました。
海に着いたらもう人里までこっちのもんよ。
私の強みと言えばやはり自力で食料調達と調理が出来るところだろう。おかげで遭難がちょっとした旅と言ってもおかしくない。
「水着があったら海で泳いでみたいな〜」
海岸でキラキラ輝く海を見ながら、ふと潮だまりが目に入った。
潮が引いたときに岩礁や干潟の窪みに残った海水のことで、干潮時に岩場の凹凸にたまった海水には様々な生き物が生息する場所だ。つまり食糧の宝庫。
釣り竿がない私は、今日は海の幸を食べたい気分だったのでウッキウキで覗いてみた。
──ビチビチ
真っ赤な大きい魚が苦しそうに飛び跳ねていた。
髭が生えた真っ赤な魚。鯛?鯉?背鰭と尾鰭が大きくて王冠にも見えた。
「うーーーーん」
とりあえず、サクッと捌いちゃいますか。
──コイキングめし(2人前)
卵黄……2個
酒……大さじ2
みりん……大さじ2
甘め醤油……大さじ
出汁……カップ1/4
ご飯……2合
鯛……1さく
ごま……お好み
大葉……お好み
今回作るのはいわゆる漁師飯。
まずはご飯を炊きましょう!折角なので土鍋で作っちゃう。
始めちょろちょろ中パッパ、赤子泣いても蓋取るな。このフレーズはよく聞いたけどよく分からない。
とりあえず始めは弱火で、途中中火にして、そして絶対蓋を開けないで吹きこぼれ始めたら弱火にする。
全部感覚でやるしかないから最初は焦げるかもしれないんだけど、土鍋ご飯のおこげってそれはそれで美味しいから最高なんだよね。
さて、メインに取り掛かろう。
「まずは魚を捌いて……」
見た目から予想していたけどタンパク質な身だった。透き通るような白身を食べてみると、癖も臭みもない上品な味だった。これなら漁師飯が作れちゃうね。それにしても、海水魚?淡水魚?
潮だまりにいたってことは海水魚の気がするんだけど、この前川でも見たような……。
「鍋に火をかけて〜」
出汁、醤油、みりん、お酒。それらを混ぜ込んで火にかける。アルコールを飛ばすだけなので、最終的に冷やすよ。
ここで注意すべきなのは醤油の種類。島国とかでは特に特色があるんだけど、醤油は南の方で生産される甘めの醤油を使うことだね。
もし甘めの醤油が無ければ、砂糖を大さじ2加えて甘さを足すと理想かも。
「冷やして〜」
タレを冷やしている間に魚を切っちゃおう。
少し薄めのお刺身をつくる。
冷水で身をギュッと締めるとコリコリの美味しい食感が出来上がっちゃうのだ。
「続いてタレに卵を混ぜます!」
そう、タレをマイルドにするために卵を液ダレに混ぜちゃうのだ。
卵黄だけね。卵白は飲み込もう。
「液ダレに魚を浸して〜……んー、20分くらい」
液ダレが熱々のままだと魚に火が通っちゃうから冷えたのを確認してから入れて、と。
あとはご飯を盛り付けて。
浸した魚を盛り付けて。
「ゴマと大葉をお好みの量かけたら」
──いただきます!
「結局淡水魚なのか海水魚なのか分からないなって感じの味」