食欲の夏って、よく言うじゃない?
ね? 言うでしょ? ……えっ、言わない? うそでしょ。
私はずっと「夏こそモリモリ食べる季節!」って信じて疑ってなかったんだけど。
でも世の中には「夏バテ」っていう謎の現象があってさ。なんかこう、食欲がなくなって、水ばっかり飲んで、うどんとか冷奴ばっかり食べてるうちに、みるみる元気なくなっていくってやつ。あれ、本当にあるんだね。私は都市伝説だと思ってた。
……というのも、私は一度たりとも夏バテしたことがない。
毎日3合。そう、炊飯器の目盛りで言うと、きっちり「3」のところまで炊いて、それを全部、しっかり、お腹いっぱい、むしろちょっとはちきれそうなくらいに詰め込んでる。
おかずもたっぷり。肉も魚も野菜も、なんでも食べる。そう、私は食べることで夏に勝ってきたの。だから私は、夏バテとは無縁の人生を歩んできたと、自信を持って言えるわけです。
で、まぁ、なんでこんなに突然「夏バテ」なんてテーマを持ち出したかって話なんだけどね。
よく行ってるスパのお姉さんが夏バテで死にそうだから飲み込みやすいスイーツが食べたい!って訴えてきたんだよね
重たすぎるのもやだ、甘くて冷たくてさっぱりしたもの。でもゼリーは飽きた。
……なんてわがままな!
というか甘いものばかり食べてるから夏バテするんじゃない?私と一緒に激辛スタミナ料理の旅に行かない?
そう誘ってみれば『あんたの旅は世界一周するくらいの規模だから絶対やだ』と言われてしまった。くそう、絶対連れて行くから。
とにかく、スパの面倒くさ……可愛いお姉さんのリクエストに困った私は冷蔵庫を急遽買った。
というか冷蔵庫って言っても旅先で使えなきゃ困るからなんか不思議なパワーで冷やせる箱を、バイトして買ったのだ。
労働って大変だわ。
本当はピンクのマルっとしたモンスターを捉えたかったのだけど、いなかったから群生してる野生の卵を確保した。
「よーし、作っちゃうぞ」
ツルッとして、甘くて、食べやすいスイーツを。
──タマタマのプリン(4個)
卵……3個
牛乳……400cc
砂糖……60g
粉寒天……4g
水……200g
まずは卵…にしては大きいけど、タマタマ6つくらいゲットした卵(1つは割れちゃってた)をかき混ぜて砂糖を半分入れてさらに混ぜる。
「本当はカラザとかとったり濾したりしたいところだけど」
面倒なのでパス!
ちなみにカラザというのは卵黄と卵白の間にある白い筋みたいなやつの事ね。
「次は液体」
別の鍋に牛乳と水と残りの砂糖と粉寒天を入れて混ぜる。弱めの中火くらいで混ぜながら、鍋肌に細かい泡が出てくるまで加熱する。
あとは弱火にし、1分くらい混ぜ続ける。
「卵のタンパク質で固めるのが王道なプリンダケド、今回めざしてるのはちゅるんと感。よって、寒天を使っちゃう」
寒天とゼラチンの違いについてはまぁおいおい。
「粗熱を取って卵に火が入らない様にして」
卵に液体を3回くらいに分けて入れる。ダマにならないように慎重にね。
あとは容器に流し入れ、冷蔵庫に入れて1時間固める。
「あとはカラメルをかけて……」
──いただきます!
「フルーツ?卵?なんか、曖昧な感情の味」