ポケモンを美味しく食べよう   作:恋音

6 / 18
ヤドンのテールスープ

 

 目の前にしっぽが転がった。何を言ってるのか分からないと思うが私も何を言っているのか分からない。

 

 

 この前作った桃もどきタルトは好評で、砂糖とか調味料を専門に取り扱っている店のお姉さんにお裾分けした。

 

 食べ終わった後になんの食材をつかっているのか聞かれモンスターの特徴を言えば、彼女はとても引き攣った様に笑った。

 

 美味しかったのでヨシ。

 

 

 そういえばここ最近、モンスターに出会うと脱兎のごとく逃げ出されるんだ。

 

 それをパン屋のおばちゃんに言えば、あんたが食べるからって言ってたけど、大概の人間はお肉を食べるし私はフードロスが嫌いなので食べれる量しか狩ってないよ。

 全く失礼な。

 

 まぁ、そういうわけだから今横にいたはずのピンクのトカゲみたいなやつが、懐こうと擦り寄ってきたくせに私の顔を見た瞬間人間にも分かる驚いたなって感じの動きをしてしっぽを切り落として逃げていった。

 

 しっぽが切れるからトカゲだと思ったんだけど、サイズは牛レベルであったな。

 

 そんなことを思いながら、私は今日も包丁を構えた。

 

 

──ヤドンのテールスープ(4人分)

 

 

テール………1kg

ネギの青いところ………3本分

生姜………1片

ニンニク………1片

塩胡椒適量

 

 

「おりゃ!おりゃ!」

 

 まずはしっぽをある程度のブツ切りにし、水で晒す。要するに血抜きと一緒だね。

 焼肉屋さんのテールスープは牛なんだけど、牛のしっぽでやる場合は骨の隙間の血を押して押して抜く、って方法で血抜きをしていく。

 

 これはこの寒さの中男と女が横並びになった時に繋がれた赤い糸を無慈悲に引き裂く事とかけてある訳では無い。ないったらない。

 

 

「このピンクのしっぽ、骨が無いな……」

 

 全部地雷女の目の下に埋めてあるナメクジみたいなヒアルロン酸で出来てるのか、って感じ。

 

 

「湯攻めじゃー!」

 

 念を入れて1時間くらい水に晒した後は、下茹でを行う。

 

鍋にテール、酒、ねぎ、しょうがを入れ、テールが浸るぐらいの水を入れて強めの中火で加熱。

 

 アクを取りながら、2時間煮込むんだけど。

 

 この時の気概は子供の頃の純粋に赤い服きた不法侵入おじさんからのプレゼントを楽しむ清らかな心という名のスープの上に浮いた、ラブホに行列を成して並び乳クリ合うだけが存在意義のアクの塊をこの世から刈り取るような気概で行うこと。

 

 あとはもう簡単。

 煮込んだスープを器に盛って、サンタのヒゲをモチーフにした白髪ネギでも上にかけてあげれば完成。

 

 

──いただきます!

 

 

 

 

 

 

「憎みながらも体は砂糖を欲してるって味」




泣いてません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。