シャンフロのペンシルゴンとサンラクの絡みが描きたかった、はずだった。   作:サニハレ

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普通にサンラクとペンシルゴンの恋愛模様を描こうと思ったらなんかクオン君が自己主張し始めました。て、天がやれって言ったから…!


足元がお留守だぜ!オルスロット!!

「おー、ペンシルゴンの予測が当たったね。アレが二人が言ってた「赤点のオルスロット」?」

 

 

「なにそのショボそうな二つ名、ウェザエモンかよ」

 

 

「あはは、ウチの愚弟にそんな仰々しい名前はいらないよ」

 

 

明らかに消耗しきった様子で、ペンシルゴンに至っては武器すら持っていない。だが三人の顔には確かな達成感が浮かんでおり、更に言えば普段はウェザエモンに敗北すればセーブ地点でリスポーンする筈が、三人がこのエリアに出てきたということはウェザエモンの討伐が事実であることを再確認させられる。

 

 

「お、おま、お前ら……!」

 

 

「なによ愚弟、文句があるなら言いなさいよ。あんたがクソつまらない方法ばっかとるから私が先に倒した、それだけよ」

 

 

「………!……っ!」

 

 

あまりに理不尽な物言いに、口から出る筈の文句も罵倒もあまりの怒りに喉に詰まってしまう。

 

 

「クラン陥れてその物言いは酷くね?」

 

 

「いやいやサンラク君、こいつらはPKの粋・を理解していないイキ・・ってるだけの三流だよ。やったらやり返される、ぶくぶく太って痩せるのが怖いからってチキンになっちゃってさぁ……だから私が腹パンして腹の中のもの全部吐かせた、それだけだよ」

 

 

「うわぁ、ガチギレペンシルゴンって割とレアじゃない……?」

 

 

「PKに一家言姉貴怖いですわぁ」

 

 

「黙って聞いてりゃクソ姉御……! もういい、この場でお前ら全員ぶっ殺してやる……ウェザエモンのドロップアイテム根こそぎ接収してやるからな…!」

 

その言葉を合図に阿修羅会の残党達は武器を構え、三人を取り囲む。しかしくだんの三人はと言えば、それは予想通りであると言わんばかりに落ち着いた様子を崩さない。

 

その一々がオルスロットの癪に触る。特にあの半裸だ、明らかにナメた格好でありながら誰も知らないユニークを持ち、さらにウェザエモン討伐のメンバーに入っている、という事実の一々が気にくわない。

 

元々数多のクランに狙われつつあった阿修羅会の戦力増強、さらに言えば初心者が廃人も知らないユニークを持っている、という事が気に食わなかった。シャンフロのシステムもろくに把握していない初心者なら少しばかり脅しつけてやればどうとでもなると思っていたが、それが間違いであったとオルスロットはようやく気づく。

 

一番の敵は身内で、水面下で広げられた蜘蛛の巣に気づいた時には何もかもが手遅れで。抜けていったメンバー達は「なんか違う」と言う意味不明な理由でクランを去って。

 

 

何もかもが思い通りにならない事実についにオルスロットがブチ切れ、オルスロットがストレージから武器を取り出した、はずだった。

 

「ちょっ!?それ私がイタズラで入れた自爆考慮しないで火力だけ跳ね上げた自爆弾+++じゃん!?まーだ気付いて無かったの!?と言うか確かそれあと数秒で爆発するようにして入れて…」

 

「は!?マジで!?」

 

メカメカしい外見の爆弾にはまるで時限爆弾のような時間が書いてある。

残り時間は…15秒。

 

「おい!?ペンシルゴン!?あれの効果範囲はどのくらいだ!?」

 

「確か範囲もめちゃくちゃに広げたから200メートルくらい…」

 

「広すぎだろ!?クソ!!エムルにあんなカッコつけてきた手前死ねるかよ!?うぉーー!!スケートフットォォ!!」

 

一目散に逃げていくあの半裸、うろたえるオイカッツォとか言うプレイヤー、まだ余裕を崩さないクソ姉御。

ああ、やっぱり癪に触る!

 

「おい!?どうすんだよ!?ペンシルゴン!?」

 

「どうせ愚弟はチキって爆発なんてさせられないんだからどんと構えてればいいんだよカッツォ君。」

 

は?俺がチキンだって?ふざけやがって!?

確かに俺がやってたのは安定を求めたプレイングだったさ。

他のプレイヤーを殺すのも楽しかったさ。

クランとしては正しかっただろ!

そんな事言われる筋合いも無いだろ!?

だがそんなことはどうでもいい。

今はただ目の前のクソ姉御が気に食わねぇ。

 

「ああ、そうかもな!!俺はチキンだったかもなぁ!?認めてやるよ!クソ姉御ォ!!もう阿修羅会も何もかも台無しだ!!だがら、ここでてめぇも含めて全て終わりだ!!」

 

もう1つ爆弾を取り出して空高く上にぶん投げる。

そして、手に持つ爆弾を地面に向かって振り被る。

 

「え?ちょっ!?マジで!?」

 

「言ってることと全然違うじゃんか!?ペンシルゴンン!!」

 

これで俺は、阿修羅会は終わりだ。

上に投げた爆弾のせいで俺の持っているアイテムも含めて全ロストするだろう。

溜め込んだ物もクラマスとしての立場も何もかも無くなる。

そんな絶望的な場面のはずなのにどこか清々しい。

 

それに…

顔を上げると見えるクソ姉御の慌てふためく顔。

この見た事もない顔だけでそんな些細なこと無視できる!!

 

 

「は!!!?あの野郎自爆するつもりか!?こうなったら一か八かあれをやるしかねぇ!!!全力疾走セルフ蘇生ィ!!」

 

足元に投げた爆弾が凄まじい爆発を起こす。

HPが0になる感覚が全身に走る。

面倒臭い借金返しから再スタートか…

そう思う気分の重さと初めてあんな顔をさせられた満足感を抱きながら体がポリゴンになって…




爆発オチなんてサイテー!!
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