シャンフロのペンシルゴンとサンラクの絡みが描きたかった、はずだった。 作:サニハレ
脳みそがチカチカするような、地雷原の上を走り抜けるような。
そんなギリギリの戦い。
私達が何とか稼いだ時間で自分の胸に刃を突き立て、オレンジ色の綺麗なオーラを纏ったサンラク君。
対して、見ただけでわかるこれまでとは毛色の違う絶死を体現したような、空間を強制的に晴らしているとしか形容出来ない馬鹿げた一撃を放つウェザエモン。
ぶつかり合うオレンジと青の剣閃。
上から振り下ろすウェザエモンに対して、完璧な角度で打ち返すサンラク君。
セッちゃんの思い残しを穿つ一撃がどうしようもなく綺麗で…
とても格好よく見えたんだ…
全てが終わり見えなかったはずのセッちゃんが姿を現す。
セッちゃんの体が薄くなっていく。
現実が受け止められなくて、声が出そうな時、セッちゃんが手招きしているのが見える。
なんだろう?
「ふふ、やっぱりね、アーサー。貴女、恋してるわね。」
「えぇぇ!?セッちゃん!何を言って…」
「あら、私には分かるわよ。恋する乙女の顔をしてるもの。」
え?私が恋?だ、誰に?
いや、落ち着けスーパーカリスマモデル。
セッちゃんの最後のはずだ、こんなところで取り乱しては…
「アーサー、貴女に助言、というかお願いの方が近いかしら。なんにしても一言残すわね」
「最後!?いや…うん」
「貴女がどんな道を辿るかは、私には分からないけど。私達みたいに後悔だけはしないでね。」
「う、うん!!」
…………
セッちゃんが消えてしまった…
いや、セッちゃんの為にも泣いてる訳には行かないネ!
「なぁペンシルゴン」
「ぐす……泣いてないよ」
とっとと涙を拭ってサンラクくんの方に振り向く。
これで煽られても嫌だしね!!
「まだ何も言ってないんだが」
「それ否定になってないっていうか、ほぼ自白だよね?」
「ペンシルゴンにも暖かな涙を流す機能があったんだな」
「コノキモチ……コレガ、ココロ……?」
ああ、もう!人が感傷に浸ってる時にこいつらは!
今度こそPKしてやる!
「そのネタ天丼じゃん! もういい二人とも縊り殺す!!」
ギャーギャー言いながら騒ぐ2人、その様は疲労してるハズなのにいつも通りで。
この関係性が心地いいと思ってしまっている自分が居る。
きっとセッちゃんが言った通り私は恋をしているのだろう。
それも腐れ縁のサンラク君に。
あの一撃を格好よく思ったあたりそういうことなんだろう。
ああ、自覚してしまうと詮無い事だ。
感情が溢れてきて仕方がない。
色々と問題はある。
私は彼のリアルを知らないし、おそらく彼は未成年だ。
だが、そんな事はどうでもいい!
もう彼のことが欲しいと思ってしまったんだ、感情に栓なんてしない。
セッちゃんに後悔はするなと言われたんだ、ダメならダメで派手に散ろう!!
「魔王からは逃げられないんだよ?」
「あの目!狩人の目だ!確実に殺りに来てる!?まずいぞカッツォ!」
「ここに来てPKを食らうなんて真っ平だよ!?代わりに死んでくれサンラク!」
咄嗟に出るのがこの反応、先ずは意識させるところから初め無いとね。
逃がさないよ?サンラク君