シャンフロのペンシルゴンとサンラクの絡みが描きたかった、はずだった。 作:サニハレ
あんな報酬を出されては行かなくてはならないのだが、流石に天下のTV局に入るというのは些か気が滅入る。しかも追加で俺のフェイスは南瓜頭だ。つまり通報されても驚かない、何なら妥当だ。目の前に聳え立つ巨大なビル、実際の大きさより倍ほどに感じるそれは俺の侵入を拒んでいるように感じてしまう。気圧されてても仕方ない、か。
「ええい、ままよ!」
思ってた8倍くらいすんなり入れたんだが?もっと、こう…警備員に呼び止められるくらいのイベントは覚悟して入ったんだがヒューマンパワーは機械に取って代わられたらしく、TV局の中に入る手続きの諸々は全て機械の手によって進行された。
人間的な温もりが無くなり、冷たい機械が普及するってのは一抹の寂しさを感じさせるものだ・・・・・・はー、冷房涼しぃ。こういう時こそ機械のありがたみを感じるね。
とりあえずトイレに行ってから控え室に行くか。えーと?トイレは・・・こっちか、ちゃっちゃと済ませますか。
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トイレのドアを開けると丁度出ようとしていた男性と鉢合わせる。明らかな不審者フェイスにギョッとした顔で目を見開いている。ここで下手なリアクションは逆効果だ!こういう対応を数多してきた(ゲーム内)俺が取る対応はこうだ!
「あ、どうも」
「え?は?あ、うん・・・・・・どうも?」
慌てるからこそ不審者感が増すのだ。機械によって入場が許可されたのだから堂々とすれば良いのだ。
俺の記憶の中では彼は妹が見ていたテレビ番組に出ていた若手で有名な俳優だったはず。さもなんでもないかのように挨拶をすると俺はトイレに入り用を済ませ手を洗い外に出た。
初めてリアルで会った時のペンシルゴンみたいな引きつった顔で固まっていたな。覆面レスラーとかも居るんじゃ無いのか?いや、それでも流石に控え室で被るか。
控え室は・・・こっちか。
もうやだぁ……"顔隠し"様控え室って……入りたくねぇ……この部屋に俺が入ったという事実をこの世界に残したくない………ええい、南無三!!
「ひっ・・・!ライオットブラットが全種類!?」
部屋の真ん中にある態々この為だけに用意しましたみたいなピカピカの小型冷蔵庫を好奇心で開けると手書きの紙と一緒にライオットブラットが未発売のフレーバー含め全て入っている。その紙にはこの文が
『顔隠し様へ、ガトリングドラム社日本支社より』
いや、こえーよ!!合法なのは分かってるけど、この雰囲気は外法みたいな匂いがするぞ!?いや、落ち着け。脳に直接訴えかけてくるような何かがあるが無視だ無視。しっかりリボルブランタンもある・・・非売品のはずでは?
「こんなにあってもなぁ・・・と言うか今日はゲームじゃないんだが」
とはいえ緊張であいつらに煽られても癪だしなぁ。リボルブランタンの効き目は丁度1時間くらいだ。折角だし飲んでいくか、いくまいか・・・
コンコン!
「おーい!カボチャ君!居るー?居るよね?」
うわっ!ペンシルゴンの奴もう来やがった。一旦悩むのは辞めだ。とりあえず飲み干して・・・はっ!?悩んでいたはずなのに手が勝手に封を開けていた、だと!?なんて恐ろしい魔力!何処に術者が!?
「おーい!さっさと開けてよサンラク君。不審者が居るーって警察呼んじゃうよ?」
あ、やべ。ペンシルゴンが来てるんだった。こんな所で騒がれると本格的にやばい。
扉を急いで開けるとすでに変装した
「やっと開けた。お久ーサンラク君。会いたかったヨ」
「早く入ってよ。ぺ、No name」
笑顔で突っ立って俺の顔を見ているペンシルゴンと邪魔そうにしてるカッツォの野郎。微動だにしないで笑みを浮かべているがどういう感情だ?あの顔。
「まあよく来たな、座れよ」
「相変わらず図々しいねサンラク。椅子1個しかないのに堂々と座るとは」
「うるせぇカッツォ。空気椅子でもしてろ」
「ひどいなー」
やいのやいの言いながら入ってくる怪人と両生類。お、カッツォほんとに空気椅子してやがる。ウケる。うぉっ!?
「ぺ、ペンシルゴン!?なんで俺の上に座ってるんだよ!?」
こいつ・・・!迷いなく俺の膝に座ってきやがった!?そんなに座れないのが嫌なのか!?それとも嫌がらせか!?このワンシーンを切り取られたら俺は死ぬ。ティーンに嬲り殺される!わぁ、いい匂いがするぅ・・・
「座れっていうから座れるところに座っただけだよ」
俺の上に鎮座するまま顔だけこっちに向けて来る。どういう意図だ!?目、目をよく見るんだ相手の考えを探れ・・・これ、蛇みたいな目だ。獲物狩る時の目!こ、殺される!社会的に!
「俺の言い方が悪かったから一旦どいてくれ。椅子なら譲るから!」
「ふーん?まあいいや今回は」
数秒俺の目を覗き込んでからペンシルゴンが漸くどいてくれた。い、命拾いした。心臓が爆発するんじゃないかと思った・・・社会的な死は免れたのだ!
「はいはいご馳走様。時間もそんなに無いし軽く打ち合わせするよ」
「そうだね、お互いにプライバシーもあるからね」
「俺のプライバシーを侵略してるお前らが言えることか?」
何食わぬ顔で住所を把握してるこいつらからプライバシーという言葉が出てくるとは驚いた。そこの何考えてるか分からん女には顔もバレたしな・・・
「なんの事か分からないね。まあ、お互いにプレイヤーネームとかの個人情報には気をつけようか。ゲームで粘着とかされても嫌だし」
「まあ、毎回飛び出しそうになるもんねー。1回GGCの時うっかりサンラク君って言っちゃったし」
「何やってんだアホ!?もう俺はお前らの呼び方決めることにするわカッツォはボスでペンシルゴンは・・・魔王で」
「流石に女の子を魔王呼ばわりは酷いんじゃないかな?」
「女の子って歳でもないだ・・・分かった、分かったから俺を社会的に殺そうとするのを辞めてくれ。なんて呼べば良い!条件を聞こう」
「うーん・・・確かに名前隠しの呼び方あんまり無いな、黒幕で」
「対して変わってなくないか?まあいいや、じゃあ黒幕で」
1悶着あったが、外道共も呼び方を決め、カッツォが顔隠しと名前隠し。ペンシルゴンが鉄砲玉と雇い主と言った形で収まった。
「ケッ!こう言う所でも面白くないからユニーク自発出来ないんだよ!」
「うるさいやい!もう始まるから移動するぞ!それはそれとして後で便秘な!」
「はいはい、じゃれあって無いで早く行くよ。これが終わってもカッツォ君に余裕があったら幾らでも戦ってあげな」
「え?何その不穏な言葉。もしかして爆竹でも仕掛けられてる?」