冒険に脳を焼かれたスグリ(旧題もしも幼スグリがアデクと出会っていたら)   作:すぺしうむ

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タイプ相性や技ミスなどが多発している件について、大変申し訳ございませんでした。
以降は何重にも確認し投稿いたします


第18話

 

バトルコートの反対側に、ポピーさんが移動。

お互いの視線が交差する。

 

「せっかくのにじしけんですけど、おにーちゃんはここでバイバイ!ポピーちゃんのポケモンちゃんかっちかちです。やわーいポケモンなんてペラペラにしちゃいます!」

 

情報が確かなら、この子ははがねタイプ。

シャンデラは一旦下げておいて、ヌメルゴンに先発を頼もう。

 

「おいでなさーいな。ポピーのおともだち!」

 

そう言って繰り出されたのは。

 

「ダイオウドウ」

 

はがねタイプの重量戦車ともいえるダイオウドウ。

パワーだけなら指折りだ。

だったらヌメルゴンで確実に。

 

『へへ、じゃれつくだ!!』

 

と過去の記憶がよみがえる。

ピオニーさんのダイオウドウが使ってきたじゃれつく。

フェアリーのぶつり技なのでヌメルゴンとは相性最悪だ。

このまま素直に出していたらそのまま返り討ちにされていたかもしれない。

 

「...シャンデラ。まだまだ頼むべ!」

 

確か、ぼうぎょととくぼうがそこまで高くなかったはず。

シャンデラのかえんほうしゃなら倒せる。

 

「シャンデラ、かえんほうしゃ!」

 

俺の言葉にこたえるように、いつもより熱そうな炎を放出する。

はがねタイプにはこうかばつぐん。

どんなポケモンでも丸焦げにできる火力である。

 

「外が固いなら、ドロドロにして溶かす!」

 

「わわー!!ダイオウちゃーん!」

 

ダイオウドウ、戦闘不能。

幸先は悪くない。

このまま流れをつかむ。

 

「むむむ。ドータクちゃんおねがいします」

 

じめん技を覚えるドータクンなら攻めきれると踏んだか。

ボタンが言うには、ドータクンはたいねつとふゆうによって2種類の技の選択肢を封じれる。

だからパルデアの中級者トレーナーで手持ちに採用する人も多いんだったか。

ならシャドーボールでダメージを稼ごう。

 

「シャンデラ、シャドーボール!」

 

ゴーストタイプの主流技。

ドータクンの攻撃そのものはそこまで強くないので、これが安定択だ。

 

「なんの。ドータクちゃん、じしんです」

 

さすがにじめんタイプの大技でしかもこうかばつぐん。

次食らったら確実に戦闘不能になる。

その前に決めよう。

 

「シャンデラ、もう一度シャドーボール!」

 

ドータクンの巨大な肉体がバトルコートに落ちる。

戦闘不能でいいのか。

 

「いいぞ、流れはつかんだ」

 

あと3体。

次に繰り出されたポケモンは

 

「ジバちゃん、なんとかたおしてください!」

 

でんき・はがねのジバコイル。

じめんタイプの技で攻撃したいところだが、そうもいかない。

 

「かえんほうしゃ!焼き尽くせ!」

 

めらめらと燃え滾る炎の中。

耐えきれるはずがないと踏んでいたが、ジバコイルは耐えた。

...なるほど、がんじょうか。

それでも重症まで持って行けたんだ。

重畳といえる。

 

「ほうでんです!」

 

バトルコート一面にすさまじいでんきが放出される。

思わず熱を感じそうになるほどだ。

さすがにシャンデラも戦闘不能になってしまった。

 

「お疲れ様。よく頑張ってくれたべ」

 

さて、残りのメンツを推理しよう。

パルデアのはがねタイプで最後の2体のどちらかになりえるポケモン。

それで考えるなら、デカヌチャンが有力となる。

デカヌチャンが来た場合、ヌメルゴンとの相性はこれまた最悪。

一度ルカリオで様子を見よう。

 

「ルカリオ、行ってこい!」

 

とりあえずはほとんど虫の息のジバコイルを先に倒す!

 

「ルカリオ、バレットパンチ!」

 

弾丸のような拳。

ジバコイル、戦闘不能。

さて、お次は何を出してくる。

 

「ガアちゃん、たのみます!」

 

アーマーガア!

確かにパルデアだとデカヌチャンの影響で見る数が少ないけど。

そうなるときついな。

今の俺のルカリオだと有効打が1つもない。

かといって一度下げてもぶつり方面に強いアーマーガアなら致命的なミスにつながりかねない。

 

「ルカリオ、インファイト!」

 

せめてかくとうタイプの大技で後に繋げよう。

少しは痛手になる。

 

「ブレイブバードでふっとばしちゃってください!」

 

ひこうタイプの反動ダメージがある技。

直撃したルカリオは戦闘不能になったが、大きなダメージという点においてはアーマーガアも同じ。

 

「ごめんルカリオ。次は絶対いいとこ見せてもらうから」

 

よし、これでヌメルゴンをだせば、俺の王手だ。

 

「ヌメルゴン、最後頼むべ」

 

「まだまだ。ここからぎゃくてんしちゃうのです」

 

「させねえな。ヌメルゴン、かえんほうしゃ!」

 

ヌメルゴンのすばやさならアーマーガアを余裕で抜ける。

何度もお世話になったかえんほうしゃでアーマーガアを押し込んだ。

 

「おにーちゃん、すっごくつよいのです。でもこのこでぜんいんたおしちゃいます」

 

繰り出されたのはやはりというか、デカヌチャン。

最後の1体ではなく、4体目にデカヌチャンならまずかった。

なぜならテラスタルを切る選択肢を渋ってしまうから。

 

『ヌメルゴンのテラスタルははがねでいこう。フェアリー相手に有利に出れるし、弱点も少ないからね』

 

サンキューボタン。

お前には頭が上がらねえよ。

 

「決めるぞ、ヌメルゴン!テラスタル!」

 

テラスタルオーブをヌメルゴンに投げつけ、結晶化。

中からはがねテラスタイプのヌメルゴンが見参する。

 

「デカヌちゃん、おめかししーましょ」

 

向こうもテラスタルを切ってきた。

タイプは当然はがね。

はがねテラスタル同士の対面である。

 

「かわらわりです!」

 

かくとうタイプのかわらわり!

さすがに痛いな。

だがこんな程度じゃ止まらない!

 

「ヌメルゴン、まだまだかえんほうしゃ!」

 

業火がデカヌチャンを丸焦げにする。

しかし、向こうは耐えきって見せた。

あと3割といったところだろうか。

 

「デカヌちゃん、もういちどかわらわりです」

 

「踏ん張れ!!」

 

思わず口から出てしまう。

だが、今は関係ない。

ヌメルゴンがなんとか立ち上がり、デカヌチャンをにらみつける。

 

「とどめだ、ぶっ放せ!」

 

俺が技を言うまでもなく、言葉が通じたのか、かえんほうしゃを放つ。

デカヌチャン、戦闘不能。

よって俺の勝ち。

 

「サンキュ、ヌメルゴン。まだまだ頑張ってもらうかんな」

 

ヌメルゴンをボールに戻し、大きく深呼吸する。

 

「チリちゃんのかたきとれませんでしたー」

 

「今度はちゃんと言えてえらいな。でも、ポピーちゃん負けたら次の人呼ばな」

 

「そうでした。おじちゃん。でばんですよー」

 

四天王の人たちが次を読んでいる間にポケモンを回復させておく。

さて、次に出すのは...っと。

選出を考えていると、奥の扉が開く。

出てきたのは

 

「アオキさん!なんでここに!?」

 

「えーっと、スグリくんでしたか。面倒なことに四天王も兼任なんですよ」

 

そりゃあまた、くたびれてると思ったら。

 

「それにしても恐るべきスピードですね。...ちなみ言っておくとジムとは違うタイプですので」

 

「は、はあ」

 

なんだかついていけないな。

とりあえず、両ほほをもう一度叩き、まっすぐとアオキさんを見つめる。

 

「それでは、業務開始です」

 

きれいなフォームからバトルコートに投げ入れられたのは。

 

「トロピウス」

 

やはりひこうタイプ。

それならこっちも作戦通りに行こう。

 

「ルカリオ、汚名挽回だ」

 

「名誉挽回ですね」

 

「そ、それです」

 

うごご、なんだこのやり辛さは。

すばやさもこうげきもこちらが上回っている。

だからさっさと片を付ける。

 

「ルカリオ、れいとうパンチ!」

 

こおりをまとった拳による重たいパンチ。

くさとひこうの両方ともこうかばつぐん。

まともに食らったら当然、ただではすまない。

早速トロピウスが戦闘不能。

 

「そのまま」

 

と言いかけた時にふと嫌な予感がした。

ひこうタイプのブレイブバードとインファイトの両方を覚えるポケモン。

そいつを出された瞬間、こっちの手持ちは大きく瓦解する。

 

「ぐ、いったん戻って」

 

「ムクホーク」

 

「ヌメルゴン!」

 

お互いのポケモンを繰り出す。

危なかった。

今ルカリオのままなら間違いなく、戦闘不能になっていた。

 

「ムクホーク、インファイト」

 

ひこうタイプなのにかくとうタイプの技。

なんともちぐはぐな鳥である。

しかし、ぼうぎょの弱いヌメルゴンにはなかなか痛い。

 

「お返しの10まんボルト!」

 

インファイトでとくぼうの下がっているムクホークにこれはきついだろう。

一撃でコートに落ちた。

 

「あと、3体。気張れよ、ヌメルゴン!」

 

「チルタリス」

 

ドラゴン・ひこうのチルタリス。

同速のおなじドラゴンタイプ。

テラスタルはさすがに切れない。

なら純粋に力押しで勝つ。

 

「ヌメルゴン、りゅうのはどう!」

 

口から放出されるりゅうの咆哮。

チルタリスにこうかばつぐんのダメージが入る。

しかし耐えられてしまった。

 

「マジか!」

 

「チルタリス、こちらもりゅうのはどう」

 

お返しとばかりに繰り出されるこちらと同じ技。

さしものヌメルゴンでもさすがに次で戦闘不能だ。

後ろにルカリオがいるのでなんとかカバーできないことはないんだが。

 

「チルタリス、もう一度りゅうのはどう」

 

今度こそとどめと言わんばかりの威力。

ヌメルゴンが戦闘不能。

向こうは残り3体でこっちは5体。

まだまだこっちが有利には変わりない!

 

「オオタチ、出番だ!」

 

すばやさならこいつの圧勝。

 

「オオタチ、じゃれつく!」

 

思いのほかダメージが大きかったのか、チルタリスが戦闘不能に。

 

「残り2体。いけるぞ!」

 

「オドリドリ」

 

姿によってタイプが変化するオドリドリ。

手にポンポンを持っているということは、ぱちぱちスタイルか。

だったらルカリオに託そう。

 

「オドリドリ、めざめるダンス」

 

ノーマルタイプということもあってか、そこまで大きなダメージは入らない。

あと1回は耐えきれる。

 

「オオタチ、おかたづけ」

 

フィールドを尻尾で履く。

これでこうげきとすばやさが1段階上昇。

もうあと一声...

 

「オオタチ、おかたづけ」

 

すばやさが上回ったことで、先に行動できた。

 

「オドリドリ、エアスラッシュ」

 

今度はとくしゅ技で攻めてきた。

しかし、俺のオオタチはただのオオタチじゃない。

これまで連れ添ってきた相棒だ。

 

「よくやったオオタチ、バトンタッチ!」

 

オオタチがボールに戻ってくる。

次に出すのは当然。

 

「ルカリオ、もういっちょ頼む」

 

「オドリドリ、エアスラッシュ」

 

ぼうぎょ、とくぼうが低いルカリオになかなかのダメージが入る。

しかし、こんなもんじゃ止められない。

 

「ルカリオ、反撃だべ。れいとうパンチ!」

 

2段階上昇したこうげきとすばやさによってまたもや放たれるこおりをまとった拳。

オドリドリ程度のぼうぎょなら、いともたやすく沈められる。

 

「...カラミンゴ」

 

...俺がここまでこれたのはアオキさんのおかげでもある。

あのとき、マリルリを勧めてくれて。

それを感謝した時にトップに紹介してくれた。

このバトルでその恩を返す。

 

「髪が乱れてしまいますが、風向きをかえましょう」

 

「ルカリオ、おれたちの全身全霊!」

 

「「テラスタルゥ!!(テラスタル)」」

 

お互いがテラスタルによってタイプをチェンジ。

向こうはひこうで、こちらはもちろんフェアリー。

しかし、いくら向こうがテラスタルをしようとこちらには、オオタチがつないだバトンがある。

 

「ルカリオ、決めろ!れいとうパンチ!!!」

 

カラミンゴを大きく吹っ飛ばし、アオキさんのすぐ近くにある壁までめり込んだ。

そこから結晶が粉々に砕け、もうカラミンゴが立つことができないということがわかる。

カラミンゴ、戦闘不能。

 

「よくやった。次だべ!」

 

ルカリオをボールへと戻す。

あとはドラゴンタイプの人だけだ。

 

「...驚きました。まさかここまで強いとは」

 

「あなたのおかげですよ」

 

「...ハッサクさん」

 

「アオキさん、もっと声出して」

 

「ハッサクさん...!」

 

もともとぼそぼそと喋っていた声が普通の人の日常会話レベルまで引き上げられた。

奥の扉から壮年の男性が出てきた。

 

「...もしかして呼びましたか?」

 

「ええ」

 

「久しぶりにちゃんと呼べたやん」

 

ハッサクさん、確かアカデミーで美術を教えてるんだっけか。

ボタン曰く、四天王の中で一番手ごわいはずとのこと。

 

「スグリくん、でしたかな」

 

「は、はい」

 

「いい目だ。実りある時間にしましょう」

 

「...はい」

 

四天王戦、最後の一戦。

 

「砦を守る竜、ハッサク。ドラゴンの息吹を身をもって教えます!」

 

床を軽く足で払い、胸に手を当てる。

 

「行くぞ、みんな」

 

先発はルカリオ。

まずはれいとうパンチで出鼻をくじく。

 

「ルカリオ、見せてやれ!」

 

「オンバーン!!」

 

ひこう・ドラゴンのオンバーン。

長期戦は不利だな。

 

「オンバーン、エアスラッシュ!」

 

翼から放たれるかまいたちのような風。

ひこうのとくしゅ技でひるみの危険性がある。

 

「...ルカリオ、れいとうパンチ」

 

ひるみはなし。

本日は大活躍のれいとうパンチ。

早速オンバーンを撃破。

 

「おお、これほどとは。ですがまだまだ」

 

「ルカリオ、もどれ!」

 

「出なさい、ドラミドロ!」

 

「マリルリ、かませ!」

 

どく・ドラゴンのドラミドロ。

もし技を一発でも受けようものならお陀仏だ。

悪いが先手で決めさせてもらう。

 

「じゃれつく!」

 

ちからもちで、この感じ。

きゅうしょに入ったか!

とくせいのちからもちも相まって威力は一級品。

立ち上がろうとしたが、力が出ず、そのまま戦闘不能。

 

「アップリュー!」

 

くさ・ドラゴンのアップリュー、カジッチュの進化系。

すばやさはあっちの方が上。

一発を耐えれば勝機はあるけど。

 

「アップリュー、タネばくだん!」

 

こうかばつぐん!!

 

「マリルリ!」

 

耐えきることはできなかった。

まさか、はりきりか!?

 

「くっ、さすがにそう簡単にはいかねえか」

 

アップリューが相手。

ならこっちは相棒で行く。

 

「オオタチ、行ってこい!」

 

対ひこう用に覚えさせておいたもう一つの技をここで使うことになろうとは。

 

「れいとうパンチだ!」

 

「なんと!?」

 

かわいらしい手足から放たれるかわいらしくない攻撃。

向こうはオオタチの優秀な技範囲を詳しく知らないようだ。

ここで崩した分で一気に勝ちまで持っていく!

 

「オノノクス、巻き返すのです!!」

 

大型ドラゴンのオノノクス。

さすがにオオタチじゃ厳しいか?

 

「オノノクス、ドラゴンクロー!」

 

「オオタチ!」

 

さすがに大ダメージであることは否めない。

だが、それでも、最後まで出し尽くす。

 

「じゃれつく!粉砕してやれ!」

 

オオタチが渾身の力を振り絞って発揮するじゃれつく。

倒れるまではいかないが、7割は削ったと見える。

 

「オノノクス、もう一度ドラゴンクロー!」

 

大きく吹っ飛ばされ、目を回すオオタチ。

 

「...さすがに無理か。お疲れ様」

 

ボールに戻し、次の選出を考える。

 

「ブラッキー、抑えろ!」

 

「オノノクス。ここで押し切る!ドラゴンクロー!」

 

大爪がブラッキーを襲う。

しかし、ブラッキーの硬さの前には届き切らない。

あと2発は最低でも入れなくてはならない。

無論、それまでに倒すんだが。

 

「ブラッキー、イカサマ!」

 

相手のこうげきの高さをつかって攻撃する技、イカサマ。

オノノクスの巨大な剣も、こうなってしまえばただの諸刃。

オオタチが削ってくれた分のダメージもあり、膝をつき、そのまま戦闘不能。

 

「...もう一息ですよ!」

 

「はい!!」

 

バトルのことで頭がいっぱいで返事に回りきらない。

次が最後。

泣いても笑ってもこいつを倒さなければ、俺は負ける。

ふと腰のボールが激しく揺れる。

俺を出せとのオーダーだ。

 

「ブラッキー、戻って。さて、お前の出番かな」

 

ボールを胸に当てると、カロスの洞窟での出来事、そのすべてが鮮明に思い出された。

あの時に比べて、俺もお前も比べ物にならな程強くなった。

今そのすべてをあの人にぶつけよう。

 

「セグレイブ、降臨なさい!」

 

「ヌメルゴン!」

 

「テラスタルジュエルをその冠に!大いなる竜よ、降臨なさい!」

 

「あの時のお前とは違う!ギラギラに輝け、ヌメルゴン!!!」

 

テラスタルオーブの奔流を片手で押さえ、それをそのままヌメルゴンに向かって投げつける。

結晶化したエネルギーは隆起し、ヌメルゴンに力を与える。

はがねテラスのカロスのドラゴンとドラゴンテラスのパルデアのドラゴン。

二匹がにらみをきかせ、お互いを主張する。

両雄並び立たず、この決戦をわがものにするのは自分だと。

 

「セグレイブ、きょけんとつげき!」

 

背中の大きな剣でヌメルゴンを突き刺す。

しかし、ぼうぎょが弱くとも、それをはねのける気合がある。

 

「吹っ飛ばせ、ヌメルゴン!りゅうのはどう!!」

 

口から発射されたドラゴンの息吹。

こうかばつぐんとかそういう次元じゃない。

あの時の俺たちを吹き飛ばすかのように、今までに見たことがない威力のものだ。

 

「セ、セグレイブ...!」

 

地に伏せ、動かないセグレイブ。

セグレイブ、戦闘不能。

よって、俺たちの勝利。

 

「か、勝った?勝った...?」

 

「ほんまにやってもーた」

 

「すごーい」

 

「ふむ」

 

「新芽の息吹、とくと感じさせていただきました」

 

四者四葉の反応。

力が抜け、その場にへたり込む。

 

「チャンピオンテスト、二次試験、実技テスト。合格です!」

 

「はは」

 

思わず笑みがこぼれてしまう。

どこでミスしても終わりの綱渡り。

制してのは俺。

 

「おめでとさん、って言いたいけど、チャンピオンテストはもうちょいだけ続くねん」

 

「...オモダカさんですか」

 

「せや。うちらの総大将はそこで待っとる。それをクリアしたら、晴れてチャンピオンクラスや」

 

「はい」

 

「ポピーもおうえんします!」

 

「ええ。バトルして感じました。あなたならきっと成し遂げられますとも」

 

「...」

 

「はい、行ってきま」

 

と言いかけた時、アオキさんから声をかけられた。

 

「汗、すごいですよ。どうぞ」

 

とタオルを差し出される。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「チャンピオンは逃げません。ですので、少し息を整えていかれては?」

 

「...そうします」

 

どうしたんだろう急に。

まあとりあえず、鞄の中に入れた水を飲み、呼吸を整える。

 

「アオキ、あなたがトレーナーに気を使”う”な”ど”」

 

急にハッサクさんが泣き出した。

一体何があったんだろうか。

 

「アオキさん、見直したでほんま」

 

「いいこいいこしてあげるのです」

 

そういえばチャンプルジムで言い忘れていたことを今言っておこう。

 

「あの、アオキさん。ありがとうございます。あなたがアドバイスをくれたから、オモダカさんにおれを紹介してくれたから、今のおれがいます」

 

全員マジか、という目でアオキさんを見た後。

 

「お”お”お”い”、お”い”」

 

「く、あかん。これは涙ちゃうで、青春の汗や」

 

「ポピーもないちゃいそうです」

 

ろくに会話にならなそうな空間の出来上がり。

 

「タオル、お預かりしますね」

 

「あ、はい」

 

「えっと...ご武運を」

 

「はい。行ってきます」

 

鞄を背負いなおし、奥の扉絵と歩みを進める。

いよいよ最後の関門チャンピオン戦。

 

 

 

【四天王 二、三、四人目・撃破 】

 

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