冒険に脳を焼かれたスグリ(旧題もしも幼スグリがアデクと出会っていたら)   作:すぺしうむ

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ザ・ホームウェイ3

「3つ目到着ー!!」

 

ネモの元気な声が観測ユニット内に響く。

体力を温存しながら歩いているし、あんまり疲れていない。

ネモ以外は少し汗をかく程度で収まっている。

 

「歩いたり、戦ったり、みんな体調は大丈夫!?疲れてる人ー?」

 

「うーん」

 

ボタンが指で額を小突きながらうなっている。

 

「どした?頭痛えのか?」

 

「あ、いや、違くて。タイムマシンの話聞いてからずっと考えてた。エリアゼロのポケモンと一緒でミライドンも未来のポケモンだったり?」

 

「確かに。名前もそれっぽいしね」

 

そんな安直でいいんだろかと不安になるが、今はいい。

だが、共通点はおおい。

もしかするともしかするかも。

 

「確かに未来な感じするする!絶対そうだよー!っていうかそうじゃん!ペパー!ミライドンのボールもってたり、フォルムの事教えてくれたり。なんか知ってんじゃないの?」

 

ペパーはバツが悪そうに答える。

 

「うっ、記憶力さすがちゃんだな。わかったわかった。アイツ、ミライドンは、父ちゃんがタイムマシンの研究中に見つけたポケモンだ」

 

ボタンの推理は当たっていた、さすがと言わざるを得ない。

ペパーの言葉をさえぎるようにして、フトゥー博士が割り込んできた。

 

『ここからは、僕が答えよう。アオイに預けていたミライドンは、タイムマシン研究で初めて未来から転移してきたポケモンだ』

 

「やっぱりそうだったのかよ」

 

『その遺伝子データや行動パターンを分析するに、一般的なライドポケモン、モトトカゲの未来の姿ということが分かっている』

 

ということはモトトカゲは将来、バイクに変形して走り回るのか。

ロマンがある反面、生物の進化というものが怖くなる。

 

「確かに似てるっちゃ似てる?」

 

『ほかにも沢山のポケモンが時を超えてやってきたが、ミライドンの種族は2匹しか転移できなかった』

 

「...は?てことはアイツもう一匹いんの?」

 

「もしかして家族じゃない!?エリアゼロのどっかでミライドンを待ってたりして!?」

 

「感動の再開...?」

 

「いいね、それ!」

 

「うん!あの子と再開させられたら、絶対絶対幸せだよ!!」

 

そう単純な話だろうか。

未来といっても野生は野生。

ライムシティのようにポケモン同士も共存できているならまだしも。

旅で群れにはぐれたり、追い出されたりっていうのは見てきた。

俺のブラッキーだって、もとはイーブイの群れから追い出されたんだ。

ポケモンだって全員が全員いい子ってわけじゃない。

いじめっ子やずる賢い子だっている。

 

「家族か...。ああ、いいと思う!」

 

『ではアオイ、中央のパネルを操作して』

 

「はーい」

 

過去、ポケモン世界で見てきたことについて記憶を掘り返している最中。

心配してくれたのか、ボタンが声をかけてきた。

 

「スグリ、どうかした?」

 

まあ、最悪俺たちでこらしめれば無問題か。

勝手な妄想を振り払い、返答する。

 

「...なんでもねえ」

 

「そっか。言いたくなったら言ってね」

 

『その調子だ。残る観測ユニットはあと1つ。最後の観測ユニットも引き続き、よろしく頼むよ』

 

観測ユニットを出て、背中を伸ばす。

心の中のモヤモヤがどうにも晴れない。

かといって言語化しようとしても難しい。

そんなことお構いなしに、元気はつらつなネモさん。

 

「ミライドンって未来のポケモンだったんだ!どうりで見たことないはずだよ!アオイ、ミライドンとバトルさせて!?」

 

「今、モンスターボールの中にいるからあとでね」

 

「あ、そうだった」

 

「未来から来てたっていうのは、俺も初めて知ったな。アイツは昔父ちゃんが突然家に連れてきてさ。ちょっとの間は灯台の研究所で一緒に暮らしてたんだ」

 

はー、なんだか慣れ親しんだような関係だと思ったら。

 

「絶対に秘密って約束で俺も世話手伝わせてもらってた」

 

「詳しいと思ったらそういうことなんだ」

 

「でも、ある日野生のポケモン相手にミライドンが暴れてさ。近所の人に存在がバレかけたことがあってさ。...そのあとすぐに父ちゃんがエリアゼロに連れ帰っていった」

 

「違う時代のポケモンなんだ。無理もねえべ」

 

なにかしらの犯罪でしょっぴかれてもおかしくない。

時間保護法...とか?

 

「バレたら大変だもんね」

 

「ああ。それ以来父ちゃんにもミライドンにもあえなくなった。今思うとガキ臭いけど、アイツに親をとられた気分になってすげー嫌だった」

 

でもその気持ちもわかる。

俺も姉ちゃんが同じことになってたら、ミライドンに嫉妬してたと思う。

 

「だからこいつのことも嫌いだったし、言いたくもなかった。アオイ、黙っててすまん」

 

「そんなワクワク情報、もっと早く知りたかったー」

 

「ここ来る前に言えし」

 

「オ、オマエらさ...」

 

なんともひどい奴らである。

ペパーも引いてるし。

エリアゼロの奥底に進んでいくと、テラスタルのような結晶が見えた。

もう少しということだろう。

 

「大きな結晶がいっぱい!キレー!下まで続いてる!」

 

「落ちたら一巻の終わり」

 

ポケモンに着地をお願いしたら行けるかもしれないが、期待はしない方がいいな。

ミライドンもボールから出てこない以上、自力で進むしかない。

 

「そうだね、足元気をつけないと!」

 

「博士がこの奥に。もうすぐ会えるんだな。...俺は大丈夫」

 

ペパーが自分に何かを言い聞かせてる。

もう何があっても動じないといった意志が見えた。

 

「アオイ、ボタン、ネモ、スグ。用心して進もうぜ」

 

その言葉に全員がうなずいた。

俺もこっからはさらに気を引き締めないと。

 

「...不思議な景色、大穴の財宝!本当にあったりして!?」

 

「...うーん、なんか、天国、みてえな場所だよな」

 

なんか洒落にならないな。

ここで骨にならないようにしなければ。

 

「もう一匹のミライドン。...気になるべ」

 

「確かに。全然影も形もねえしな」

 

「ここらへんの結晶。テラスタルとおんなじ光?...めっちゃ気になる」

 

「奥まで行きゃあ全部わかるさ。...行くぞみんな」

 

道なき道を5人で進み、続ける。

俺とペパーは慣れてはいるんだろうけど、アオイとボタンと、あと特にネモは不安だ。

無事で帰るためにも、俺が気張らないと。

 

「ミライドンってタイムマシンで今の時代で来てからは、しばらく博士ともう一匹と暮らしてたんだよね?」

 

「そういう話だったはず」

 

「だったらここってミライドンの第2の故郷なのかな!?」

 

「まあ、なじみはあるはず」

 

「そっか。じゃあ里帰りじゃん。のんびりできるね!」

 

「にしてはビビり散らかしてたけどな」

 

「今もボールの中から出てくる気配ないしね」

 

その部分は俺も気になっていた。

なんでミライドンがあそこまで怖がるんだろう。

 

「あれ?高いところだから怖がってたんじゃなかったっけ?」

 

「いや、違うと思う。あの反応は、なんかトラウマがあるみてえだった」

 

「うちも同じこと思った。クラスで孤立してた時と一緒で。学校のこと考えたら、引きこもりたくなったし」

 

そういえばそんな話もあったな。

みんなでワイワイやっていたので、忘れていた。

 

「俺のマフィティフと同じでエリアゼロで誰かに傷つけられたり?」

 

「...わかんないけど、戦うフォルムにもならないんでしょ?」

 

「でもその可能性も大いにある。傷つけられたのがショックで戦えなくなったポケモンだっている」

 

「それが本当ならかわいそう。どうにかして元気づけられないかな?ミライドンと戦いたいっていう不純な動機じゃなくてね?」

 

「ネモー、信用薄いよー」

 

「お前、逆にすごいな」

 

どんだけ戦いに飢えているんだこの子は。

そろそろ自分より強い相手を求めてバトルファクトリーなんかにも行きかねない。

...この段差ちょっと怖いな。

ネモもちょっと息が切れてきている。

 

「ネモ、段差あるから手かすべ」

 

「助かるー、っほい」

 

あっさり飛び越えた。

いらなかったかもしれない。

杞憂で終わったならそれでいい。

今一瞬ネモの体が当たった時、すごく華奢だった。

ネモも女の子なんだなと再認識する。

自分でいうのもなんだけど気持ち悪いな。

ゲシっと脛に痛みが走る。

 

「え?」

 

足元を見てみるとボタンの靴がある。

うん、絶対蹴られた。

 

「なんで蹴ったべ!?」

 

「...うっさい。何鼻の下伸ばしてんの?」

 

本当になんなんだろうか。

なにか地雷踏んだの?

 

「の、伸ばしてねえ」

 

「あっそ」

 

さっぱり意味が分からないが、一行は歩みを進める。

そうして、第4の観測ユニットまでたどり着くことができた。

多分この次も来るんだろうな。

後ろから人工的な音声がけたたましい悲鳴を上げた。

今度は...ウルガモスのように見える。

何タイプかはわからないので、無難に相棒で行こう。

 

「絶対来ると思った。とっとと片付けるべ」

 

「私もやるよ」

 

「お、あんがと。行ってこいオオタチ!」

 

「トリトドン、お願い!」

 

うーん、てだすけで威力を支援しよう。

技も冒険のために変えてきていたりする。

 

「オオタチ、てだすけ!」

 

「トリトドン、じしん!」

 

隆起した地面によって、ウルガモス?は大きなダメージを受けた。

おそらくは両方の弱点だったんだろう。

一撃で沈み、文字通り秒殺である。

 

「いいコンビネーションだったね!」

 

ネモから称賛の声。

 

「でしょ!」

 

ちょっと、いや、すっごくうれしい。

できることなら記念撮影したい。

そんな気持ちを抑え、4つ目の観測ユニットの中へと入った。

エリアゼロの冒険も、終幕の時が近づいている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...

.....

.......

 

 

入れようと思ったけど入れられなかった会話。

 

「そういえば、ボタンとアオイってどういう関係なの?」

 

「え?んと助けてもらった。友達とか学校とかいろいろ大変だったんだけど。そんなときに頼りになってくれた恩人」

 

「へー、ジムも行きつつ。アオイもすごいな」

 

「そういうあなたは?」

 

「私、同じクラス。家もご近所なんだよ。チャンピオン目指そっていったらチャンピオンになってくれた」

 

「(おれもアカデミー入りてえべ)」

 

「何それ。やば...」

 

「お前らさあ。俺とアオイの友情物語に比べたら全然まだまだだぜ!」

 

「お、おれは...!!...特にねえ(ドラマとかねえし)」

 

「張り合わなくていいから」

 

「みんなで思い出作ろうな」

 

「...えー?ショッピングとかピクニックしたじゃん」

 

「あ、そ、そっか。...ニヘヘ」

 

「「「「(あざとかわいい)」」」」

 












シンジ、感想をかけ。
書けなければ、冬月に乗れ。
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