冒険に脳を焼かれたスグリ(旧題もしも幼スグリがアデクと出会っていたら) 作:すぺしうむ
パルデア地方の空港。
オモダカさんと共にチェックインを済ませる。
ピオニーさんの来襲から数日。
ボタンとデートしたりぐらいで特に大きなことはしていない。
...ここに居た期間はカロスよりも短いはずなのに、なんだかどうして、名残惜しくて仕方ない。
「...おや?スグリさん、あちらを」
オモダカさんが手を指し示す方向には。
「み、みんな、来てくれたんだ!?」
大穴を一緒に探検したみんながいた。
小走りで友達と恋人のもとに駆け寄る。
「そりゃあ、来るだろ」
「あたまえ」
ペパーとボタンが何を当然のことをといった風に答える。
俺はいい人に恵まれたな。
「ペパー。男の子の友達の一番最初がキミでよかった。おれにできることならなんでも相談してくんろ。すぐに駆け付けるから」
「そっちこそ、一人で抱え込むなよ!」
暖かく俺よりも太い腕が肩をポンポンと叩いてくる。
やばい、涙腺が崩壊しそうだ。
「ネモ。おれに大事なことさ気づかせてくれてありがとう。この先もあの言葉だけは絶対に忘れない」
「向こうで強くなったら、また戦ろうね!」
この子はそればっかりだな。
危ないことに首を突っ込まないか心配だ。
「ボタン。ボタンがいなかったら、おれはチャンピオンになれてねえ。本当にありがとう!あと、貰ったカジッチュ大切にする」
「ちゃんと毎日連絡しろ?」
「そんで...アオイ」
リュックから手紙を取り出し、アオイに手渡す。
「これ、本当は向こうに行ってから送ろうと思ったんだけど、今渡す。...見せびらかさないでね?」
「わかってるよ、一人で読むね。...元気でね!あと...」
今度はアオイが何かを差し出してきた。
これは、リストバンド?
「みんなからのプレゼント。これを見て、私たちを思い出して」
外側が黒で内側が紫のリストバンド。
高級なものと言わけではないが、嬉しくてたまらない。
気が付いた時には、目には大粒の涙があふれていた。
別れるときには泣くまいと思っていたのに、どうやっても止まらない。
「ご、ごめん。泣かないと思ってたのに、なんか」
「スグ、泣きすぎちゃんだぜ」
「アハハ、ペパーも目元がうるうるしてるよ」
前が上手く見えないが、みんなが泣き笑いしているということはわかる。
グスっと垂れてくる鼻水を鼻に戻し、俺なりの笑顔を向ける。
「また会おうな、みんな。そん時はわやすっげえ男になってるから!」
背を向け、オモダカさんの方へと向かう。
今振り返ったら、そのまま皆の元にいてしまいそうだ。
「...では、いきましょうか」
「はい」
飛行機に乗りこみ、イッシュ地方ブルーベリー学園へと向かう。
おれのパルデアでの冒険は一時中断。
もっと強くなってまた帰ってくる。
...
.....
.......
飛行機に乗って揺られること数時間。
やっとブルーベリー学園までたどり着いた。
「はあー結構長かったー」
「お疲れ様です。...では私は手続きがありますので、ここで」
「ありがとうございます。行きの飛行機代まで出してもらって」
「いえ、これも私の仕事ですので。では」
それだけ言うとオモダカさんは先に行ってしまった。
俺もさっさと職員室に向かおう。
ブルーベリー学園の校門の近くを懐かしい人を発見する。
ふうっと一度深呼吸し、その人に声をかけた。
「姉ちゃん」
「...スグ、その、久しぶり。...背、伸びたね」
なんだか2年前と違ってぎこちない。
それまで一度も里帰りしてないんだからそれもそうか。
...うだうだしてもしょうがない、自分の想いをぶつけよう。
「姉ちゃん、おれさ、ずっと謝りたかったんだ。...ゴメン!!おれ、姉ちゃんの苦しみとか重荷とかなんも知らなかった。両親のことも、鬼様のことも。あと、今まで心配かけたこともゴメン。それから...」
と続けようとしたとき、不意に抱きしめられる。
痛いが、それ以上に嬉しいし、暖かい。
「ほんと、バカ!!どんだけ心配したと思ってんの!?毎日毎日ケガしてないか、ご飯ちゃんと食べてるか不安だったんだから!!」
「...ゴメン、姉ちゃん。あと、痛いよ」
「うっさいわね!黙って抱きしめられてなさい!!」
こんなやり取りをするのも久しぶりだ。
やっぱり姉ちゃんといると安心する。
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スグリの手紙
『アオイへ
初めて会った時のことは今でも強烈に記憶に残っています。
ミライドンがお昼をたかりに来て、アオイもお腹をすかせてたから一緒にご飯食べて。なかなかの食いっぷりでした。
あの時の出会いがあったからこそ、今の君との思い出があると思う。
今だからこそ言えますが、俺にとってのアオイは、光でした。
誰かのために頑張れるキミが、ただひたすらに輝いて見えていた。
キミに置いて行かれるでもなく、追い抜くでもなく、隣を歩くことが俺の何よりの活力だった。
恋愛感情も持っていました。
でも、うすうす気が付いていた。
アオイにとって俺は友達であり仲間である。
恋とか愛とかそういう複雑なものじゃないからこそ、俺たちは繋がれていたんだ。
上手く言葉にできないけど、なんだかそんな気がする。
ずっと貴方のことが好きでいられて俺は幸せでした。本当にありがとう。
あ、もちろんボタンへの気持ちは本物ですよ。
手紙なんてなかなか書くことないから、ちゃんと書けてるか不安だけど、これで終わります。
ありがとう、アオイ。
キミがいたから、俺はパルデア地方を愛することができた。
また会ったときは、この手紙の事は忘れて下さい。
前と同じ、友達同士でいられるように。
スグリより』
次回、ゼイユ脳破壊!!ぜってえ見てくれよな!!!!
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