冒険に脳を焼かれたスグリ(旧題もしも幼スグリがアデクと出会っていたら)   作:すぺしうむ

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短めです










第35話

 

パルデア地方の空港。

オモダカさんと共にチェックインを済ませる。

ピオニーさんの来襲から数日。

ボタンとデートしたりぐらいで特に大きなことはしていない。

...ここに居た期間はカロスよりも短いはずなのに、なんだかどうして、名残惜しくて仕方ない。

 

「...おや?スグリさん、あちらを」

 

オモダカさんが手を指し示す方向には。

 

「み、みんな、来てくれたんだ!?」

 

大穴を一緒に探検したみんながいた。

小走りで友達と恋人のもとに駆け寄る。

 

「そりゃあ、来るだろ」

 

「あたまえ」

 

ペパーとボタンが何を当然のことをといった風に答える。

俺はいい人に恵まれたな。

 

「ペパー。男の子の友達の一番最初がキミでよかった。おれにできることならなんでも相談してくんろ。すぐに駆け付けるから」

 

「そっちこそ、一人で抱え込むなよ!」

 

暖かく俺よりも太い腕が肩をポンポンと叩いてくる。

やばい、涙腺が崩壊しそうだ。

 

「ネモ。おれに大事なことさ気づかせてくれてありがとう。この先もあの言葉だけは絶対に忘れない」

 

「向こうで強くなったら、また戦ろうね!」

 

この子はそればっかりだな。

危ないことに首を突っ込まないか心配だ。

 

「ボタン。ボタンがいなかったら、おれはチャンピオンになれてねえ。本当にありがとう!あと、貰ったカジッチュ大切にする」

 

「ちゃんと毎日連絡しろ?」

 

「そんで...アオイ」

 

リュックから手紙を取り出し、アオイに手渡す。

 

「これ、本当は向こうに行ってから送ろうと思ったんだけど、今渡す。...見せびらかさないでね?」

 

「わかってるよ、一人で読むね。...元気でね!あと...」

 

今度はアオイが何かを差し出してきた。

これは、リストバンド?

 

「みんなからのプレゼント。これを見て、私たちを思い出して」

 

外側が黒で内側が紫のリストバンド。

高級なものと言わけではないが、嬉しくてたまらない。

気が付いた時には、目には大粒の涙があふれていた。

別れるときには泣くまいと思っていたのに、どうやっても止まらない。

 

「ご、ごめん。泣かないと思ってたのに、なんか」

 

「スグ、泣きすぎちゃんだぜ」

 

「アハハ、ペパーも目元がうるうるしてるよ」

 

前が上手く見えないが、みんなが泣き笑いしているということはわかる。

グスっと垂れてくる鼻水を鼻に戻し、俺なりの笑顔を向ける。

 

「また会おうな、みんな。そん時はわやすっげえ男になってるから!」

 

背を向け、オモダカさんの方へと向かう。

今振り返ったら、そのまま皆の元にいてしまいそうだ。

 

「...では、いきましょうか」

 

「はい」

 

飛行機に乗りこみ、イッシュ地方ブルーベリー学園へと向かう。

おれのパルデアでの冒険は一時中断。

もっと強くなってまた帰ってくる。

 

 

 

 

...

.....

.......

 

 

 

飛行機に乗って揺られること数時間。

やっとブルーベリー学園までたどり着いた。

 

「はあー結構長かったー」

 

「お疲れ様です。...では私は手続きがありますので、ここで」

 

「ありがとうございます。行きの飛行機代まで出してもらって」

 

「いえ、これも私の仕事ですので。では」

 

それだけ言うとオモダカさんは先に行ってしまった。

俺もさっさと職員室に向かおう。

ブルーベリー学園の校門の近くを懐かしい人を発見する。

ふうっと一度深呼吸し、その人に声をかけた。

 

「姉ちゃん」

 

「...スグ、その、久しぶり。...背、伸びたね」

 

なんだか2年前と違ってぎこちない。

それまで一度も里帰りしてないんだからそれもそうか。

...うだうだしてもしょうがない、自分の想いをぶつけよう。

 

「姉ちゃん、おれさ、ずっと謝りたかったんだ。...ゴメン!!おれ、姉ちゃんの苦しみとか重荷とかなんも知らなかった。両親のことも、鬼様のことも。あと、今まで心配かけたこともゴメン。それから...」

 

と続けようとしたとき、不意に抱きしめられる。

痛いが、それ以上に嬉しいし、暖かい。

 

「ほんと、バカ!!どんだけ心配したと思ってんの!?毎日毎日ケガしてないか、ご飯ちゃんと食べてるか不安だったんだから!!」

 

「...ゴメン、姉ちゃん。あと、痛いよ」

 

「うっさいわね!黙って抱きしめられてなさい!!」

 

こんなやり取りをするのも久しぶりだ。

やっぱり姉ちゃんといると安心する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スグリの手紙

 

『アオイへ

初めて会った時のことは今でも強烈に記憶に残っています。

ミライドンがお昼をたかりに来て、アオイもお腹をすかせてたから一緒にご飯食べて。なかなかの食いっぷりでした。

あの時の出会いがあったからこそ、今の君との思い出があると思う。

今だからこそ言えますが、俺にとってのアオイは、光でした。

誰かのために頑張れるキミが、ただひたすらに輝いて見えていた。

キミに置いて行かれるでもなく、追い抜くでもなく、隣を歩くことが俺の何よりの活力だった。

恋愛感情も持っていました。

でも、うすうす気が付いていた。

アオイにとって俺は友達であり仲間である。

恋とか愛とかそういう複雑なものじゃないからこそ、俺たちは繋がれていたんだ。

上手く言葉にできないけど、なんだかそんな気がする。

ずっと貴方のことが好きでいられて俺は幸せでした。本当にありがとう。

あ、もちろんボタンへの気持ちは本物ですよ。

 

手紙なんてなかなか書くことないから、ちゃんと書けてるか不安だけど、これで終わります。

ありがとう、アオイ。

キミがいたから、俺はパルデア地方を愛することができた。

また会ったときは、この手紙の事は忘れて下さい。

前と同じ、友達同士でいられるように。

 

スグリより』

 

 















次回、ゼイユ脳破壊!!ぜってえ見てくれよな!!!!

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