冒険に脳を焼かれたスグリ(旧題もしも幼スグリがアデクと出会っていたら)   作:すぺしうむ

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第8話

 

バトルコートにつき、ネモと対峙する。

正直、別に負けてもいいかもって思った。

でも、アオイに見られてるって考えたら、やっぱダメだな。

つい勝たなきゃって。そんな風に勝利を望んでしまう。

 

「行っておいで、ルガルガン!」

 

ルガルガン。

確か岩タイプの素早さ重視のポケモンだったはず。

ちょっとばかし賭けになるけども。

 

「頼むぞ、オオタチ」

 

「オオタチ!生で見るのは初めて!」

 

じりじりとお互いの視線が交差する。

先に動いたのはネモだった。

 

「ルガルガン、ステルスロック!」

 

「...オオタチ、焦らずおかたづけ」

 

岩をまかれるが、オオタチが尻尾を使いコートの外に払う。

これでオオタチのこうげきとすばやさは一段階上昇。

 

「やるね!でもこっちのほうが速いよ!ルガルガン、ストーンエッジ!」

 

ルガルガンのストーンエッジがオオタチに直撃。

次をくらったら確実にダウンだ。

さすがアカデミーの生徒会長。

生半可な鍛えかたはしてない。

でもそれはこっちだって同じ!

 

「オオタチ、もう一度おかたづけ!」

 

痛みの残る体を起き上がらせコートを尻尾で払う。

これでこうげきとすばやさがもう一段階上昇。

これなら抜ける

 

「オオタチ、バトンタッチ!」

 

オオタチをボールで回収し、2体目を繰り出す。

俺のパーティ、最強の矛だ。

 

「行ってこい、ルカリオ!」

 

「ルカリオ!?ルガルガン、インファイト!!」

 

交換したてなこともあって、インファイトをもろにくらってしまう。

でもこの程度じゃ沈まない。

 

「うそ!?耐えた!」

 

「ルカリオ、お返しのインファイト!」

 

2段階上昇のインファイトが炸裂。

当然ルガルガンはダウン。

 

「まだまだ。お願い、パーモット!」

 

パーモットは確かでんき・かくとうタイプ。

こっちのルカリオはじしんを覚えている。

この勝負、俺の勝ちだ。

 

「パーモット、マッハパンチ!」

 

「え?」

 

ルカリオが戦闘不能に。

理解が追い付かない。

いや、俺が完全にマッハパンチを失念していた。

ただそれだけの事。

追い付かない脳を何とか動かし、オオタチを繰り出す。

 

「オオタチ!」

 

「パーモット、マッハパッチ!」

 

こうかばつぐんの技をくらいながらも、なんとか立ち上がる。

 

「オオタチ、じゃれつく!」

 

じゃれつくはフェアリータイプでパーモットにはこうかばつぐん。

だがしかし、あと一歩及ばなかった。

 

「パーモット、でんこうそうげき!」

 

立ち上がったパーモットからの一撃に、オオタチが沈む。

俺の負けである。

アオイに良いとこ見せたかったなあ。

 

 

 

...

.....

.......

 

 

 

 

 

「うあー、負けたあー」

 

ベンチに座り込み顔を抑える

マジで何もいいところを見せられなかった。

 

「でも、スグリくんだいぶ強かったよ。私、つい本気の手持ちでやっちゃった」

 

「そうそう。それにネモってチャンピオンだし」

 

「え?チャンピオン?」

 

「言ってなかったっけ?」

 

「それ、もっと早く言ってほしかったべ...」

 

チャンピオン相手に、俺の勝ちだって格好つけてんの最高にダサい。

なんか恥ずかしくなってきたな。

 

「すっごく楽しかった!またやろうね!スグリくんなら絶対まだまだ強くなれるから!」

 

隣に座ったネモが可憐な笑顔でそういう。

チャンピオンにそんなこと言われたものだから、ついうれしくなってしまった。

 

「ニヘヘ。そうかな」

 

「うん。それじゃあ、私、そろそろ帰るね」

 

「ばいばい、ネモ」

 

「ば、ばいばい」

 

ネモの背中を見送りつつ、今日のバトルを反芻する。

まだまだ見直せるところはありそうだ。

 

「ねえ、スグリ」

 

「ん?」

 

「私さ、いつかネモを倒したいなって」

 

「それは、チャンピオンだから?」

 

「それもあるんだけど。ネモってさ、バトルが強すぎてまともに戦える人がいないんだって。だから、友達としてライバルとして追い付けるようになりたいなって」

 

遠ざかるネモの背中をアオイが見つめる。

 

「だから、私もっと強くなりたい。スグリにもネモにも勝てるぐらい!」

 

「...わかった。おれでよければバトルの練習さ付き合う」

 

「ありがとう!」

 

アオイにぎゅっと抱き着かれる。

やばい女の子のからだが近くてやわらかくていい匂いで

 

「お、お、お、」

 

まともに呼吸ができず、酸欠の状態になりそうだ。

 

「それじゃあ、また明日ね。バイバイ!」

 

アオイが手を振り、去っていく。

ハグの感触が消えず、いまだに脳裏にこびりつく。

心臓の鼓動が止まらない。

女の子ってあんな距離感なんだ...

 

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