「まさか坊主がここで降りる人だったとわなぁ…」
「えぇ、言いそびれてしまいましたがそうなんです。
わざわざ止めていただきありがとうございます。」
現在電車は常紋トンネル入り口で、緊急停車をしている。
言うまでもなくこんなところで降りると言う人間がいるからである。
「…どうしてなんてきかねぇ、なまら寒いから気をつけろよ、なんかあったら直ぐに離れるんだぞ?」
子供がこんな所で降りるのは異常であるが、上からの指示なので従うしかなく心配なそぶりを見せている先輩の駅員、気をつけてと言いながら秀治が降りたのを確認すると電車はゆっくりと動き始め、トンネルの闇へと消えて行った。
「…ふぅーーーー、まず何からしようかなぁ」
秀治が現在行っている任務は、呪霊が湧きやすいポイントに吸収呪法《吸》呪力吸収限定を設置すると言うものである。
なので呪霊が出てきても基本無視でも問題ないのだ、だが、相手がもし五条の様に『何かしらの手段』で、設置していた《吸》を破壊することが可能なのであればその相手を排除しなくてはならないのである。
「……取り敢えず、入り口と、、後真ん中、出口に一個ずつでいいかな?」
「吸収呪法《吸》、よし後は2箇所だな、さてさて入りますか」
入り口に設置を完了させて、今度は中心部に向かうべくトンネルに足を踏み入れると瞬時に体が重くなったのを感じた。
「…成る程ね、相当有名みたいじゃん、、」
正直秀治は、今回の任務を引き受けたくて受けたわけではない。
そもそも、秀治にとって周りの人間がどうなろうが知ったこっちゃないのである、それでも今回の任務を受けたのは、恩師である五条の負担が少しでも減るのではないか?
学校の心優しい先輩達が少しでも生存出来るのではないか?
と言う気持ちからこの任務を受けたのである。
何より、秀治は強くなることに固執している点がある、それも踏まえてこの任務を受けたのだ。
「………おい、そこに誰かいるな?誰だ!!」
「ククク、まさかバレるとは思いもしなかったよ」
トンネルに入り歩き始めて数分、呪霊ではない、人間とのエンカウント、この状況に秀治は少し驚きつつも、相手の出方を伺う為に《吸》を5つ程出し後ろに3つ、前に2つ漂わせる。
「おっと!
まだ敵対する気はないんだ、まずは話をしようじゃないか!」
そう言いながら謎の人物は、秀治に対話の意義を申し立ててきた。
これに対して秀治は、どうするかを悩むも、現状相手が何なのか分からないので受けることにした。
「……わかった。
それでなんのようだ。」
受け入れはしたが警戒体制を一切解かず、逆に危険だと判断したのか新たな武器、『吸斬小太刀』に呪力を注ぎ込む。
「ククク、本当に警戒されてしまっているねぇ」
「さっきの言葉に、『まだ』敵対しないって言ってたろ?
だから警戒してんだよ」
「おや、私としたことが、ミスをしてしまった様だね、でも大丈夫だよ、今は何もしないから」
優しい口調、優しい言動、だが圧倒的な不気味さが漂い秀治に言い表せない様なプレッシャーがかかる
「…あんた、名前は?
対話を要求するなら自己紹介は必要だろ?」
秀治の質問に謎の人物は数秒考えるそぶりをした後に口を開いた
「……いいよ、でもその代わり私の事を他の人間に喋らないと言う《縛り》を結んで貰う」
「……(?何でそんな縛りを結ぶんだ?
知られてはまずい事でもあるのか?)
何故だ?知られるとまずい人でもいるのか?」
「……私は今、結ぶのか否かと聞いているんだよ?
それ以外の返答は受け付けていない」
少し声色が低い声で返事をした人物、ただそれだけなのに周囲の空気が数度低くなった様な錯覚を覚えてしまう。
その中で秀治は、考えを張り巡らせ返答を返した。
「…分かった、結ぼう。
ただし、結んだ後にいきなり戦闘何て野暮なことはするなよ?」
「あぁ、勿論だとも」
互いが了承した事で縛りを結んだが、秀治は相手がかなり強い事を確信していた。
先に術式を発動させていた秀治に対して、相手は何の行動も起こしていなかった、しかも呪力による強化もしていなかったのだ。
「…さて、縛りを結んだ事だし、早速話し合いをしようじゃないか。
私の名前は夏油傑。
君の名前は?」
「…(夏油?どっかで聞いた様な気がする)
仁頼秀治。」
「仁頼秀治…いい名前だね、では早速、話をしようじゃないか、単刀直入に言うと仁頼君、私と手を組まないかい?」
「…何?」
いきなり夏油と名乗った男からの提案は何と、自分と手を組まないかと言う誘いであった。
その誘いは何のためなのか分からず、少しの間フリーズするが聞かないことには理解できない。
「どう言う意味だ?」
「フフフ、君の噂は色々と聞いているよ、あの五条悟の弟子にして、齢15の少年が特級と為を張るほどの実力を持っているとね」
「…どこからそんなことがわかるんだ?
俺はそもそもまだ高専に通ってすらいないぞ」
「呪詛師御用達のネット掲示板があるのさ、そこに君は堂々と貼り出されているよ懸賞金6億でね」
「はぁ?!」
突然の事実を知り大きく反応を示す。
流石の秀治でもその金額はどう考えても異常だと言うことは理解できた。
「何で俺みたいなガキンチョに6億何だよ?
ありえねぇだろ」
「何でって、君本当に言ってるのかい?
君の術式はブラックホールみたいなものなんだろう?何でも吸収してしまう穴。
悟と同じ、恵まれた術師だよ。」
「(俺の術式は、分からないのか?)
…まぁ、そんなもんだな、それでぇ?
五条先生と同じってんなら、その俺に何で喧嘩ふっかけるんだよ?」
「ん?そんなの決まっているじゃないか、スカウトだよ。
先ほども言った通り、君と手を組みたいんだ」
「…あんた、呪詛師だろ?
呪術師を目指してる俺が、あんたの話を受けるとでも思ってんのか?」
呪力を高めあらかじめ出してあった《吸》を《操》で操り戦闘体制をとる。
「これは決別かい?
それでも私は君の力が必要だからねぇ、ならばこうしよう!
君のことを殺さないでおいてあげよう、だから期限付きでいいから手を貸せ。」
「…は!
まるで自分は俺より強いですってか?
舐め腐るのもいい加減にしろよ?
今にその顔を泣き顔に変えてやるよ」
2人共呪術界を見れば規格外、呪霊操術、呪霊を操りいくらでも戦力を増強出来る、強い呪霊を取り込めば取り込むほど、強さを増す、まさにチートに近い術式。
「君のその《吸》…だったかな?
吸い込めるものと吸い込めないものがあるのだろう?
そして、一度に吸い込む量をオーバーすると破壊される。
こんなところだったかな?」
「!!
(何でこいつ、俺の術式の弱点知ってんだよ!?
前々から色々と調べられてたってことか?いつからだ?!)
は!!そんなの知ってるからって何だってんだよ!!
破壊を目的としてるなら破壊されない様に立ち回ればいいだけだ!」
呪力を昂らせる秀治、やれやれと大人の対応を見せる夏油、2人の特級が今ぶつかる
秀治の支えになる言葉をくれる人は?
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夏油
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五条
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家入
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伊地知
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真希
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パンダ
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狗巻
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乙骨