呪いと俺と仲間達   作:馬鹿なアホ

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術式の内容考えるの滅茶苦茶大変


3話

「ふっ!!」

 

『キュラララ』

 

「はぁ!!」

 

『オオオオトオオト』

 

「っし!」

 

『ゲプラロ』

 

任務に取り掛かってからかれこれ数分経っている、最初の3体を倒した後に奥に進んでから数分、かれこれもう10体以上の呪霊を祓い続けている。

 

「はあ!はあ!…ふぅーー」

 

普段特別体を動かし続けていないので、正直キツイ、アニメや漫画みたいに永遠に戦い続けるアレって正直やばくない?え、めっちゃキツイんだけど取り敢えず見える限りの呪霊は祓った、後はまた休憩しながら奥に進むしかないよなぁ

 

「んー、もっと呪力操作の扱い方上手くなんないかな?」

 

独り言を呟いてみても誰も返事することはない、なぜなら俺は今1人なのだから、1人きりの状況になると自然と気分が落ち込んでいく気がする。

早めに終わらそう、そう思い先に進むとともに自身の残り呪力を確認し《9/10》程残っているので相手が強い場合少しずつ術式を使っていくことにしようと考えた、それに試したいこともあるしなぁ

 

「…お、早速いた」

 

考え事をしながらも周囲の警戒をしながら進むと案外時間の経過は早いもので、物の数分で呪霊を発見、ただ問題があった

 

「…6体、しかもサイズがでかいな、4体は多分3級位だと思うんだけど、多分残り2体が2級はあるな」

 

水族館の広い場所ではなく狭い通路に呪霊が密集しているのだ。

6体中2体が2級クラス、呪力による肉体強化での戦闘でも、流石に俺1人だと厳しいな、ここは実験その1!って事にしときますか。

 

先生との模擬戦後、俺の術式の事を考えて気づいたことが何個かある。

まずはその一つ目といこうか。

 

「…吸収呪法、《吸》!」

 

呪力を己が術式に流し込み、術式を発動させる、6体の呪霊の頭上にワームホールを設置すると同時に設定を付与する。

 

『ガガガガガガ!!!』

 

『ルルルエェルェル!』

 

設定を完了して《吸》が本来の働きを始めた瞬間に目の前の呪霊達は苦しみながら体を崩壊させていった。

 

「よっし!!実験その1成功!」

 

俺は1人実験が成功した事を喜び、恥ずかしげもなくガッツポーズまでしてしまった。

今回のではっきりした、アレは結局訳のわからない穴なんかじゃ無い、俺の術式が作り出した、《吸い込む物を選べる》穴なのだ。

まず、学校で、最初に先生の周りに発生させたワームホール、今後《吸》と言う事にするがあれは何も吸っていないんじゃなかった、先生の周りにある無限を吸ってたんだ、要するに俺は先生の発動させてた無限を《吸》を使って吸収させていたと言う訳だ。

その後の暴発で、咄嗟に先生が俺を気絶させたからあの程度で済んでいたというが、ちゃんと

 

[何を吸い込むのか、を選ばなければならない]

 

しなかったから地面まで吸収するという事になってしまったらしい、ちなみに今俺が作った《吸》は呪力のみの吸収を設定してある。

呪霊は一般人から漏れ出た呪力の集合体、その集合体である呪霊から呪力を吸収すればその呪霊は文字通り、死ぬのだ。

大きな前進である、このまま他のことも試しながら進んでいけば任務も無事に終わるはずだな。

 

「よし。

…《吸》は後25個くらいなら作れそうかな?」

 

しっかりと自身の確認も行い、呪霊達が塞いでいた通路を渡るついでに、《吸》を少し観察してから進んだ、ここで気になった点二つ目である術式を発動させて作った《吸》は、俺が

術式を解消しても消えない

ということである。

前に先生が『呪力は電気、術式は家電』だと言っていたが、その例えを踏まえて言うなら電池

?の様な感じなのだと思う。

部屋で何も吸わない設定で作り術式を解いた時は消えずに1日ずっと設置場所に滞在していた。

要するに俺の呪力を元に作られたこれらは俺の呪力を内包しているとともに、その内包した呪力を元に活動していると言う事になる。

何だか別の生き物を作っている様で気持ちが悪い、が何かの役に立つかもしれないのでこれはこれで覚えておこうと思う。

 

「さてさて、一番奥まで来たけど、ここってイルカショーの場所…だよな?」

 

呪霊を倒した道をまっすぐ道なりに進むと扉がありその扉を開けると大きな上に蓋のない水槽と周りを埋め尽くすほど沢山ある椅子、そして散乱したゴミに、壁に大きく描かれた殺人動物園という文字、何とも悲惨な状況である。

 

「前は人が賑やかだったろうに」

 

前の楽しげな水族館を思い出すとともに、椅子に手を触れると突然の濃い殺気に全身の毛穴がブワッと広がり緊張が体全ての筋肉を怖ら張らせた

 

『オナオナオナカ、すすすすスキマシタ』

 

「っ!

成程、恐怖がデカいほど呪霊も強くなるわな!!」

 

4人を大勢の人の前で食い散らかしたシャチ、見てた人たちからしたらとんでもねぇ悲惨な現状だったんだろうな、目の前の呪霊はどう考えても1級に限りなく近い、自然と体から汗が吹き出してくる、まるで蛇に睨まれたカエルの様に俺の体は動かない。

 

『ゴゴハンハンコランゴハン?』

 

見た目がシャチなのに子供の手の形をした物がところどころから飛び出していて、しきりに何かを掴もうとうぞうぞと動いている、まるで大量の幼虫が虫籠の中で蠢いている様に感じ、込み上げる吐き気と気持ち悪さをどうにか飲み込みすぐさま戦闘体制へと移行する。

 

「……どうする?…どうするどうするどうする?やばい、怖い、あぁ、息がしづらい勝手に手が震える、落ち着け!考えろ、落ち着け」

 

手に握った先生から貰った小太刀が、俺の手の振動でカタカタと情けなく鳴いている。

だが、やらなくてはならない、俺がピンチの時は先生が助けに来てくれる、だが、それだと何も変わらない、結局両親が事故死してから何も変わってないじゃないか

 

「っっ!

ふぅーーーー!!!」

 

緊張した気持ちを身体から吐き出す様に、俺は大きく息を吐いた。

 

「……(落ち着け、あいつは俺に気づいてるがいまだに行動を起こさない、ならこちらから仕掛けるか?

イヤ、下手に刺激して本格的な戦闘が始まるのは俺にとってデメリットだな。)」

 

戦闘体制を維持しつつ相手の出方を伺う、そして自身の今後の動きを考えつつ状況を整理する

そして思い出す、先の実験1を行った際の、呪霊の苦しみ様を、こいつも二級クラス同様に呪力の集合体、そして俺の術式《吸》で吸い込める、ただここで不安なのが、

 

『吸い込み初めてからどのくらいで消滅するのか分からない』

 

という事である、単純に力量差関係なしに吸い込むのか、あるいは相手との力量差が多いほど、吸い込む力は弱まるのか、わからないことが多いのだ。

 

「…Aからの失敗様のBってところかな、Bも失敗したら死ぬかもな」

 

頭の中で考えたプランA.B、最初の一つが失敗した時様の二つ目、正直二つ目は成功するか分からない、だけどこのまま睨めっこしててもしょうがない、なら最初に俺から仕掛けた方が有利だな、いかんせん準備に時間がかかるからな

 

「吸収呪法!《吸》!!」

 

俺は術式を発動させて今いる位置と左右の離れた位置に《吸》を設置させる、残り22個

 

『ウアルエレレレ?』

 

相手は俺が動いた事に気づき何やら動こうとしているがまずはこっちだな、

《吸》の設定を済まし、それと同時に走り出す

 

『!

ゴハン!!?』

 

呪霊は俺が動いた事に一際大きな反応を示し俺の方に向けて動き始めた、その姿はまるでジブ○の『ものの○姫』に出てくる祟り神みたいだった、身体から生えた無数の手がうぞうぞと動き俺に向かって突進してくる、正直キモい

 

「お前キモすぎ!!」

 

『マテマテマテマテマテマテマテマッテ!!?!』

 

「っ?!!」

 

突進を左に大きくジャンプし避けると同時に無数の手が俺に向かって伸びてきた、それをノックバックで回避しようとしたが、何とその手と繋がった『何か』がシャチ型呪霊の腹からズルズルと出て来たのだ、見た目は人型に近いが身体は違う、内臓がズタズタにされ赤黒い血肉が至る所から滴り落ち、まるで肉人形そのものだ

 

『ぁぁぃぁぁぃぁぃぁぃぃぁぁぁぁ』

 

『イタイイタイタイマイタイマイイマアマイマイタイ』

 

『っ!ッッッ!!』

 

3体、うち2体はまだ喉があるのか声を発しているが残り一体は喉が潰れているのか口と思われるところから肉と血がポタポタ落ちている、見ているのも辛い、恐らく食われた子供なのだろう、残りの一体は本体に残り、行動力として使われているというところだろうか、観察を済ませ更に戦闘と同時に術式運用を並行的に行わなければならない、早めに済ませなくては

 

「吸収呪法!《吸》!!」

 

俺は更にその場に最初に設置したのと同じ様に3個の《吸》を設置し、反対側へと走り出す、勿論呪霊も俺を追いかけてくる、手を伸ばし俺を捕まえようとしてくる、攻撃を躱し、小太刀でいなし、無数に伸びてくる肉塊の手を呪力を乗せた斬撃で斬り伏せながら進む、その間にシャチは小型のシャチを大量に産んでいた、その小型のシャチが俺の方へと集まっていく

 

「っっ!成程ね!それがお前の能力かよ!

反吐が出る!!」

 

荒い口調とともに相手の能力を理解した俺は悪態をつく、シャチは基本的に群で狩りをする、だか奴は単体しかいない、その結果奴が得た能力、『群れを作る術式』って訳だ、少し違うのかもしれないが、群れを作り操ると言ったところだろうか、あいつは先ほどから勝ち誇ったようにケタケタと笑っている、でも結果的にそうなる可能性が高い、急ごう

 

「吸収呪法!《吸》!!」

 

最後のポイントに術式を発動させて設置を完了させた、それと同時にいた場所に肉の槍が降って来たそれを躱し中央へ向かおうとした時不意に衝撃が走った

 

ドス

「っっっ、??

は?」

 

足を見ると右太ももに切断した筈の肉の手が、深々と刺さっていた

 

「ツッッ!

切り離しても動けるのかよっ!」

 

突然の出来事に動きが止まってしまい、その隙をつかれて俺は肉の手に捕まり中央大きな空洞へと放り出された、そこには口を大きく開け中にグチャグチャになった肉塊がウゾウゾと動いているのが見えた、どう考えても終わりだが、俺はここに来てプランAを発動させた戦闘で使った呪力と術式を発動させた事で残り呪力量は3割程度、だが間に合った

 

「吸収呪法、《吸》《共振》!!!!」

 

俺が、術式を発動させると共に設置した全ての《吸》が起動する、それと同時に俺は落下をやめその場にフワフワと浮いた状態で止まった

 

『『『アアイアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!、!!!!!!』』』

 

『『『『キィギィギキギギィィィィァァァィィィィィァァ』』』』

 

「どうよ?俺の考えた戦法は?あ?」

 

俺は考えていた、《呪力を電気、術式は家電》

という言葉に、小学生の頃理科の実験で行った並列繋ぎと直列繋ぎ、俺の考えが正しければ、設置した《吸》を円状に整え、同時に発動させれば直列繋ぎと同じ効果が得られると考えた

結果は上々、内包した呪力の消費は大きいが、出力が大きく向上し周りの呪霊を片っ端から祓っていく

 

「…やっぱお前はそう簡単には死なないよな?」

 

『ヤダヤダヤダなたダァ馬?肉肉肉肉肉肉!!!!!!!!』

 

この強い吸収反応の中苦痛に叫ぶ1級クラスの呪霊、この事からやはり吸い込む力、量は相手との力量差に大きく左右させることがわかった、だが、結果的に吸い込めるのに変わりはない、このままでもいいが、いかんせん今発動している《吸》《共振》が効果を中途半端な所で終わらせてしまえば残り呪力量3割少ししかない俺に勝ち目はないな、また群を率いて来たら終わりだ

 

「…予備作戦は、必ず用意しとくに限るね。

吸収呪法!《集》!!」

 

俺の予備の作戦、プランBそれは今起動している《吸》を全て中央に集めて集合体を作る事。

ワームホールと聞こえは良いが、設定をしなければ何でも吸い込む穴、それすなわちブラックホール、だが、聞こえは良いが危険そのもの、俺も吸われたらもともこもない、だから、条件付きでの《集》、ブラックホールは同じ大きさのもの同士がぶつかると更に大きくなる簡単に説明すると、

大きさ5のブラックホールと、大きさ5のブラックホールが衝突すると大きさ10のブラックホールができるという訳だ。

だが、片方が5、片方が10だと大きさは増えず10のままになってしまう、謎多き天体だ。

それを今《吸》に行おうとしている、

周りの《吸》が出力そのままの状態で俺のいるところまで近づいてくる、このままでは殺られると察知したのか足元から大量の肉片が飛んでくるが、全て無にかえる、全て吸収されてなすすべがない

 

「あー、お前のせいで足めっちゃ痛いわ、とりあえず責任とって、死ねよ」

 

9つある《吸》のうち一つを内部に搭載し周りを《集》で集め、更に多きな《吸》を作る、内部に一つ搭載したのは単純に呪力を内包する受け皿の代わりにだ、そうだなまだ名前考えてないから今つけるとしたら

 

「吸収呪法《黒吸》」

 

出来たバランスボールほどの多きさのそれは、同じ多きさで作った《吸》の2倍の出力、吸収力を可能としていた、それを俺は優しく下に向かって押し込み、それを見送った

 

『アアイアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!ァァァアァァァァァァァィァァァァイィィィ!!!!』

 

呪霊はそれをどうにかして破壊しようと奮闘するが攻撃全ての呪力を吸収していくため無力にも身体は崩れていく、最後の最後まで生への執着を見せたシャチ型呪霊の最後は実にあっけなく、あれだけあった強大な存在はこの世から消えてなくってしまった。

 

「……終わったっ!」

 

俺は今回の任務が終わった事を確信し一気に力を抜いた、小太刀をしまい血が滴る足を上着を破いて応急処置をして帷を抜けるために先生の元に向かう途中に前屈みに倒れそうになった。

 

「やば、思った以上に

血…ない」

 

出血が多かったのか、倒れそうになると優しくポンと受け止められた

 

「?せんせ?」

 

「あぁ、お疲れ、よく頑張ったね。

後は僕が何とかするから、今はゆっくり休みなさい」

 

「…あり…と」

 

先生がいる安心感からか俺はそのまま意識を手放し先生に身を委ねた。

こうして俺の初任務は大勝利で幕を閉じた。

 

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