ペース落ちるかもです
ズダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
「ッッ!!
吸収呪法《吸》×3《絲》!!!」
すぐに戦闘は始まった。
水神様からの攻撃は一方的で、水の槍を毎秒毎秒飛ばしてくる。
これでは防戦一方である。
「ッッッ!!
クッソ!!クソったれが!!」
攻撃密度が高く早くも右足、左脇腹、右肩を水の槍が深々と突き刺さる。
それをニコニコと笑いながらなおも攻撃の手を緩めない呪霊、もはや戦うとかではなく、おもちゃをこづいて遊んでいるとしか言いようがない。
「(攻撃の速度・密度が高すぎる!!!
このままだとやられる!)
吸収呪法《吸》×7!ッ!《絲》!!」
追加で《吸》を作るが作っている間に左太ももに水の槍が刺さる、既に体に槍が数箇所刺さっている
「クソッッ」
「(何で水の槍は《吸》の方に引っ張られない?!呪力なのだから吸収されてもおかしくないはずなのに!何でだ?!)」
秀治は焦っていた。
体に走る激痛、前の時のようにうまくいかないと攻防、そして秀治は知る事となる、圧倒的強者を前に弱者はただ蹂躙され、その命を散らせる事になると
「!!
(そうか!!
《吸》が吸うのは呪力であって、水じゃない!!)」
ここに来て秀治は気づく、《吸》の以外な弱点
秀治は知らず知らずのうちに《吸》に縛りを用いた強化をしていた、その内容は
その1
呪力のみの吸収
『吸収率の強化』
その2
その他のものを吸収不可
『吸収範囲の強化』
である。
水神が作り出した水の槍、確かに呪力で作られたものである、しかし、そこには思いがけない仕組みがある、まず秀治の考えでは呪力は電気、術式は家電と考えている。
《吸》が吸っているのは呪力=電気であって、
術式=家電で発生したドライヤーの風などではないのである。
要するに既に術式に流し込まれた場合、それは家電に流れて使われた電気と同じである、呪霊の身体は確かに呪力であるが、術式は電気によって効果を発揮した家電。
要するに呪力以外に、なってしまった物は吸収出来ないのである、ただ呪力によって作られたのは確かなので吸収呪法での稼働率は五分五分といったところである。
「相性悪すぎだろ!!
(電気=家電=発揮した効果=結果!!
なるほどな!電気だけなら吸えるが、既に発揮した物、ドライヤーの風、掃除機、部屋の明かり何かの、既に変わってしまったものに対しては《吸》の効果が著しく落ちるのか!)」
ズダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
今だに槍の雨は止まず、水神はケタケタと笑い、自身の勝利を確信していた。
「ならこれならどうだ!!
《吸》の設定を変更!!!」
『《吸》の設定を呪力限定の吸収から
水の吸収に変更』
「ゴハ!!
ッッッッ…成程な!
(水は吸収出来ても残りかすの呪力はあるから、それが飛んできたってわけか!)」
「即席で作ったがこれならいける!!
吸収呪法《変》!!」
センスの塊である秀治は、先ほどの設定変更を元に新たに《変》を作り出した、効果は単純、《吸》の設定を変更するだけである。
だが一つづつではなく纏めてできるというのが《変》のいいところである、この戦いにおいてこれほど役に立つ物はない
「対象、《吸》×4!!
《変》実施!!」
「(このままだと押し切られる!!
呪力を出し惜しみしてる暇はない!
生き残る為に自分にできる事全てをやり尽くせ!!!!)
はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
『!!』
水神は驚いていた、満身創痍ながらもまだ生にしがみつこうと自信を奮い立たせる、挑もうとする贄に、そしてここから水神すら想像も出来なかったことが起きるのだから。
秀治は今とてつもない速度で成長している。
即席で作った《変》により相手の攻撃を無力化できるように変更、相手の槍を捌く為に《絲》を駆使して高速で攻撃を捌き、なおも自分の新たな可能性を模索し、相手を打破する為に動いている。
そして今、可能性のピースが埋まりかけている。
「吸収呪法!!!《共振》!!!!」
ここで秀治が動く。
新たなピースを埋める為に、土壇場で決める為に、ここにきての《共振》である。
《共振》その効果、内蔵呪力の消費を増やすが《吸》の効果を増幅させる。
ただし、《吸》が最低でも2つ必要である。
そして今ここに、《吸》は10個、2種類存在する
呪力吸収の《吸》、水吸収の《吸》。
前方に2種類の《吸》を円状に操作し《共振》の効果で片っ端から吸収していく。
「そこ!!!」
パァン!!!
秀治の手が呪霊に触れた
『?!
ぁぁぁぁぁあ!!!』
呪霊は近づいてきた秀治を警戒している、そして何故自分に触った?何故攻撃をしてこない?と疑問に思っている。
だが、その答えはすぐに現れる。
『ぁぁぁ???
なぜゼ?我?ワレが?』
呪霊は膝を地に押し付けた、何が起こったのか分からず疑問が頭を埋め尽くす
「あは!
あはははははははははは!!!!!!
出来たよ!!オレってスゲェェェ!!!」
対象的に秀治はテンションが爆上がりである。
彼は今思っている、今なら何でもできると、痛みと閃き、そして疲労感、貧血、命を賭けた戦いにより秀治の本能が呼び出された。
呪霊にとって、水神にとっての地獄が今始まる。
「なぁなぁなぁ!!今どんな感じだよ?あ?!!
身体から力抜けてく感じはどうよ?!答えろよ!!」
『ナニナニヲ??した?シシした?』
秀治は指を刺す
「…それ」
『????』
呪霊の脇腹には《吸》がくっついていた。
だが、ただくっついているのではない、物凄い勢いで呪力を吸っているのである、まるでラジコに差し込まれた電池が物凄い勢いで無くなっていくように、そのくっついた《吸》は呪霊の体から呪力を吸い上げている。
「吸収呪法《充》名前の通り、呪力を直接充電してるようなもんだよ、そんでもって《集》《補》」
秀治が《集》でくっついてしまっている《吸》を手元まで集め、更に《補》で呪力を回復し始めたのである。
「考えたんだよ、内蔵した呪力で稼働する《吸》、内蔵した呪力は俺のだからなぁ、なら逆に内蔵したもんを俺に戻すこともできるんじゃねえかってな!!
違うところで充電した電池が、他のモンに使えるんだからよ!!なら俺にもできるってなぁ!!」
ハイになっている秀治はペラペラと自身の考えた理論を喋る、だが呪霊はそれどころではない。
『ワレ、力ハンぶぶぶンンンン、ない』
《充》、《吸》と違い出された呪力を吸収するのではなく、直接吸うので吸収率が格段に上である。
ただし、直接相手に触れて《充》をくっ付けなくてはならない。
「クフフフフ!!
今ならできるかもなぁ〜!」
五条先生も言ってたな!
頭を使えって!
「反転術式!!!」
下腹部で練り上げた呪力を頭に持っていき小さいスペースに掛け合わせた呪力を補完する。
その補完した呪力を他の呪力とぶつけないようにして傷口に向かわせる、その瞬間秀治の傷口から肉の焼けるような音が響き渡る、呪霊は怯えながらその様子を見ていた、そして確信した、自分は負ける、今この場で殺されると。
その瞬間逃げていた、この広大な生得領域の中、ひたすらに走っていた。
今の水神はせいぜいが一級に届くか届かないかである。
その相手に秀治は笑いながら感謝を述べる
「…ありがと、お前のおかげで俺は自分の可能性と、希望を見出せた。
俺はまだまだ、先生の役に立てる。
最後だし綺麗に消し飛ばしてやるよ」
秀治は右手を前に出し水神を標的にし、呪力を練り上げる
「フフ、バイバイ。
術式反転《放》」
凄まじい速度で水の槍が放出される。
その槍は綺麗に頭を打ち抜きあたり一面を綺麗な血濡れに水溜りに変え、力無く横たわった後も元気に噴水の如く湧き上がっていた。
バシュ!!
水神が死んだことにより生得領域は閉じ秀治は元の場所に帰ってきた、その顔には早く研究をしたいという表情が現れており、そしてここに5人目の特級の卵が爆誕した事を示していた。