シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

102 / 184
なんかびっくりするくらい評価値伸びてた…と思ったら真っ当な意見貰って評価値めっちゃ下がった…で情緒がぐちゃぐちゃになった夜(暫く続いてた悪い癖、原作リスペクトのしすぎ。何なら今も普通に直せてない)。


凍付かせよ(Freeze-up)

「そういえば……俺の今のレベルってどうなってるんだ?」

 

オルトにゲートを開いてもらって全力ダッシュしながらふとそう思った。あのクソ狼共はオルトの話が正しければどいつもこいつもレベルが100を超えているらしいし例の白銀公(プラチナムロード)はどう考えてもレベルがぶっ飛んでいるはずだ、であるならば獲得している経験値も相当多いはず。というわけでダッシュしながらステータスウィンドウを開い、て……

 

「な、何じゃこりゃ…………」

 

 

 

 

 

 

 

————————————

PN:ビャッコ

LV:99 Extend(250)

JOB:戦士(二刀流使い)

159,800マーニ

HP(体力):30

MP(魔力):50

STM (スタミナ):100

STR(筋力):130

DEX(器用):60

AGI(敏捷):150

TEC(技量):115

VIT(耐久力):5

LUC(幸運):104

スキル

 

龍気練熱斬(ドラゴニック・ブースト)

・バスタードナックル

・マッハレッグLv.MAX

・ドリフティングフット→選択可能

・セツナノミキリ→選択可能

天昇の刃(バスターオブソード)→選択可能

天覇宣言(バスターコール)Lv.MAX

・遮那王憑き

・アサシンピアスLv.MAX

・オプレッションキックLv.MAX

・赫衣竜装【戦燼】→選択可能

・ムーンジャンパー→スカイウォーカー→選択可能

覇貫炎燼(バルカンエンジン)Lv.MAX

・オフロードLv.MAX

・致命剣術【半月断ち】捌式→致命秘奥【タチキリワカチ】

・リミットオーバーLv.MAX

・ゴルドフィニッシュLv.6

火薬喰らい(ガンパウドイーター)Lv.8

・アサルトセンスLv.MAX

白銀集合(プラチナムセット)

・イグニッションLv.MAX

・オーバーヒートLv.MAX

 

装備

右:覇兎【金龍】

左:覇兎【赫竜】

頭:ジークヴルムの呪い

胴:ジークヴルムの呪い

腰: 帝蜂特殊武装:腰帯(エンパイアビー:タスクフォースベルト)(VIT+23)

足:帝蜂特殊武装:脚甲(エンパイアビー:タスクフォースレッグ)(VIT+20)

アクセサリー:ウカの孤面

 

————————————

 

 

 

 

 

確かに数十時間スキルのリキャストが上がり次第ぶん回したりしていた、新しく生えてきたスキルがなぜかレベルMAXになってるがもうこの際それは気にしない方向性でいこう。大部分のスキルが選択可能になってるのも今は気にしない。そこでやっぱり1番目を引かれるのがこの現状今の俺で辿り着くことが可能な最大レベル「99」の横に追加された「Extend」の単語。確か意味は……拡張、だったか?

ウェザエモンとドンパチしていた時アップデートによってレベルキャップが開放された、というのは知っている。であればこの「Extend」というのは恐らくレベルキャップを開放することを許された証、と考えるべきか。

 

いやそれよりもレベル99、レベル99だよ。とうとう来ちゃったよ。やはりあの狼共は俺に莫大な経験値を齎してくれていたのだろう、それに加えて何だこのステータスポイントの量は……?何かしらのボーナスがあったとしか思えないがこれだけのステータスポイント、どんな風にステを振ろうか楽しみだ。

ちっ、しくじったな……これを見てしまうと先にラビッツを出たことを恨めしく感じる、エルクの所に寄っておくべきだったか。というかこれふと思ったがレベルキャップを取っ払わないと新しくスキルを覚えることも強化することも出来なくなるんじゃねぇか?

1番最初のステージの頂上まで上り詰め、次のステージの扉に手を掛けた(ビャッコ)というアバターがその扉を開き更なる強さを目指すには今のレベルの限界を越えなければならない、ということか……諸々全部終わったらレベル上限に関して調べてみるか?

 

「雑魚邪魔ッ!!」

 

お前らに構ってる暇なんて無い、ステータス画面見ながらでも回避自体は可能だが出来るだけ時間に余裕を持たせたいのでステータス画面を見るのをやめて全力ダッシュ。途中で寄って来た……何だこれ、いやマジで何だこれ?三角木馬っぽいゴーレム……ゴーレムで本当にあってるよなこれ。何だかよくわからないゴーレムを蹴り飛ばして全速力でエリアを突っ切っていく。

ステータスやスキルなんかの検証……はエリアボスあたりで試してみるか。ステ振りは……ある程度はやっておくけど一部残しておく方向性でいこう、どこかしらで欲しくなるタイミングが来るかもしれない。

今はこのエリアの性質……巨大骨格の内側にエリアがある以上直進するだけだというのが酷くありがたい、迷うことが殆どないからな。

聞けばフォスフォシエからフィフティシアへと進む「フォスフォシエルート」の他にも「ファイヴァルルート」と「シクセンブルクルート」が存在するがそちらは出口まで一直線ではないエリアが多いらしい、心の底からオルトとエムルちゃんに感謝しておこう、あの2匹がいなければ俺は「シクセンブルクルート」を辿る羽目になっていただろうからな。

 

刀を振り回す時間も惜しいのでスタミナをバカスカ使いながらパルクールしつつ今のごちゃごちゃした思考を整理しにかかる。まずはそうだな……いきなり生えてきた超重要事項、「アキツアカネ」とやらに関することから考えていこうか。現状これに関してはどうすることも出来ないというのが結論だ、何せ本人に会えていないんだから。この問題に関してはオルトからの報告待ちとしか言いようがないな。

次、今敢行中の「フィフティシア到達RTA」について。

これも簡単、最短最速でエリアをぶち抜いてフィフティシアに辿り着く、以上。欲を言うならフィフティシアに向かう前に立ちはだかる最後の関門たる無果落耀(むからくよう)古城骸(こじょうがい)でユニークシナリオEX「致命兎叙事詩(エピック・オブ・ヴォーパルバニー)」のお使いクエストをクリアする為のアイテムを入手しておきたかったが今回は諦めるしかないか。

だーくっそ、ほんとなんだって口約束なんかで現地集合にしたんだ、しかも何で死ぬほど遠い街なんだ。

何が問題かって?予定時間までに辿り着けなければ「深淵のクターニッド」に関するヒントは無くなるわ旨みがなくなった状態で特攻に引き摺り出される可能性があるんだよ。

 

「時間にゆとりを持たせる、大事なことだなやっぱり……!」

 

何事も早けりゃ良いってもんじゃないってことをよく学べるぜクソッタレ。

つい数時間前の考えが足りてなかった俺の脳天に竹刀を叩き込んでやりたいが人が過去に戻ることはできない、とはいえそれが終わった後の未来の俺だけが出来る特権である「過去を悔やむ」アクションを存分に取っていると不意に()()は現れた。

 

「よっしゃ辿り着いたぜエリアボス……オーバードレス・ゴーレム!!!」

 

俺の目線の先、開けた空間には何もない、と、見せかけて実はそこにボスはいる。去栄の残骸遺道の終着点……巨大骨格のケツの端。何か巨大なものが潰れた上に瓦礫が積もったような形でぽっかり開いた円形のフィールドこそがエリアボスの住処であり俺達開拓者がここを超えるための最後の関門になる。

 

「他のプレイヤーはいない……ラッキーだな」

 

躊躇うことなくフィールドに飛び込み()()を待つ。

睨みつけた先で瓦礫が崩落を始めた、だがそれが単なる自然現象ではないことは容易に分かる。瓦礫がボスでボスが瓦礫なのだから。下半身が溶けた上半身のみ人の形を保ったそれは泥のような体に瓦礫を幾重にも纏って鎧を形成している。そしてそれの体の動きに連動して瓦礫が蠢動していた。

 

………………でかぁぁあぁあい!説明不要!!!マジでデカい、兎にも角にもデカい。ジークヴルムも騏驎も目じゃないサイズのそれは山か何かを相手しているかのような錯覚を覚える……そしてその認識はどうやら全く間違っていなかったらしい。

 

「今からこれ登るのかぁ……」

 

こいつの攻略法は事前に調べておいた、そしてその最適解が今から俺が行う()()()なのだ。

 

確か最速記録が1分だったか……じゃあ目指せ1分切りだな!

 

「さてどんなものなのやら……イグニッション!!」

 

効果は30秒経過するまでに段階的にDEXとSTRが上昇し、その効果時間は1分。戦闘開始時点でのみ使用可能とのことらしい。

今までの俺はまともなバフスキルを積むのに最低で10分戦闘しなきゃいけなかったからな、この開幕バフスキルはありがたい。

 

「13秒、背中が昇りやすいって聞いてるんでな……!」

 

ここでちょっとした小技を挟む、アサルトセンスを起動。

アサルトセンスは直線移動するほどに速度が増す……レベルMAXだからな、加速度は今までの比じゃない。踏み込み、飛ぶ。

巨大な瓦礫で構成された掌が迫り来るよりも早く背中に回り込む、続いて遮那王憑き起動、背中部分のとっかかりに向かって全力で飛ぶ。見上げた先にある主な候補は……クレーン、何かの屋根、スクラップ、柱に壁らしきものの一部、何か恐ろしく大きい剣、恐らくここの警護に当たっていたゴーレムの装備だったであろう砲身、三角木馬ゴーレムのらしきゴーレムのパーツ……嘘じゃん同族まで取り込むのコイツ。怖っ。

 

泥に飲まれた残骸達、去栄の残骸遺道という名前の由来はもしかすると全ての残骸がいずれコイツに取り込まれる道を辿ると言う意味なのかもしれない。まぁそんなことはもう考える必要はない、素早く背中全体を確認して山頂への最短ルートを割り出す。

 

「20秒、6秒あれば登れるなぁ……!」

 

遮那王憑きの効果が切れるまでは後8秒、余裕はあるが俺が目指すのは最短タイム……早いに越したことはない。…………あっガバった必要なスキル発動に3秒もかかった。

不安定な足場?なるほどじゃあスキルでカバーしますね、オフロード。加速が足りない?カスみたいな補正だけど一応覇貫炎燼(バルカンエンジン)天覇宣言(バスターコール)あるので問題なし。飛ぶ角度とかは大体自力でどうにかなるので問題なし……足場がない?空を踏みしめましょう、大丈夫虎でも飛べるんだから人が飛べない道理なし、さっきスカイウォーカーからの選択肢にあったフリットフロートというスキルを取得した結果追加ジャンプが出来るらしいので必要があれば使います。

 

「23秒、レディーゴー!!!」

 

スタート。何かの屋根を蹴って跳躍。1秒経過、ちょっと早いがフリットフロートで諸々を短縮し目標地点2歩手前まで到達、2秒経過。クレーンのアーム部分を握りしめてバフで底上げされたSTRに任せて体を一気に跳ね上げる、3秒。チラッと見えたオーバードレス・ゴーレム自身の地肌もとい泥に向かって強化した沼潜の短刀【改五】を素早く展開して突き刺し天昇の刃(バスターオブソード)発動、加速度的に駆け上る、5秒…………目的座標到達、1秒浮いたわガバをリカバリーできたぞラッキー。

 

「28秒、こっから本番…………!」

 

見た目は鉄骨をやたらめったらに組んだクレーンにしか見えないがその先端には巨大ホイールがくっ付いている。あれなんだっけ……良いや、仮称「ハリウッドのクライマックスで良く炎上したり爆発するやつ」は数多のプレイヤーの手によって検証された結果落ちることが判明している。崩壊し落下していくホイールは何処へ行くのか、簡単である、物理法則に従い真下……つまりはオーバードレス・ゴーレムの脳天に落ちるのだ。

何ともまぁ間抜けな弱点だと思うがこの攻略法をしたいなら移動スキルと破壊スキルの両立が必要なわけで、デザインとしてはちゃんとしっかりしているのが流石は神ゲーと言わざるを得ないポイントだな。ホイールは自転車のフロントフォークみたいな形のパーツに左右から固定されてるらしいのでフォークを粉砕してやれば簡単に落ちていく訳なんだが……この攻略法、どうも前傾姿勢の時しか成功しないらしい。

じゃあどうする?ちょうど今俺を潰さんとしているのか地面に一生スタンプをかましているコイツが背中の俺に気づくまでにケリをつければ良い。

 

さてここで問題だ、俺の手元にはいままともに運用できる武器が2種類しかない。覇兎の2振りはレベル差の問題でまともな仕事をしてくれない、黒染武双君は今の環境ではあまり刺さらない、沼潜の短刀君……は今頃地面だ、オーバードレス・ゴーレム君に潰されてないと良いんだが。というか強化して片手で数えられる回数の運用がそれとか俺が言えた口ではないがあまりにも扱いがあんまりな気がする。雲斬氷刀、リーチが短い、なんだかんだ氷結の状態異常付与は強いがこいつにまともに効くかどうかわからないので除外。まぁ気を取り直して……俺が運用できる武器とは?

 

初陣だぞ白銀公(プラチナムロード)、お前の実力を見せてくれ。

 

ズルリとインベントリアから取り出したるは純白の大槍……その名も。

 

「【白雪(ブランシェス)()狼槍(ガングラスター)】!!ビィラック謹製の甦機装(リ・レガシーウェポン)だ!!」

 

取り出した瞬間辺りに冷気が立ち込める、死して尚白銀の狼公は己の存在感を周囲に撒き散らすのだと言わんばかりに銀色の刃がギラリと光り輝いた。

 

◇◇◇◇

1分切りまで残り32秒……槍の扱いは知っているので取り回しには何ら問題は無いな、ありがとう音ゲー、ありがとう龍宮院、何で剣術以外にも槍術があるのかはさっぱりわからなかったが今ほど感謝したことはない。

ヒュッと空を裂くように切先を回すと空気中の水分が凍り刃の軌跡が白く染まる……俺今までプレイしたゲームで霜の表現なんて見たことないんだけど。やっぱりこのゲームの制作者変態だよ。

 

SFチックな見た目の槍だ、純白の柄から伸びる片刃の刀身にはサイバーチックな青い光の筋が走っている。刀身と柄を繋げるコードの中はよく見るとこう……氷の欠片?のようなものが通っているんだが、どうなってんだこれ。

 

「性能もテキスト上でしか把握してなくてな……サンドバッグになりやがれ」

 

さぁチャートは決まった、時間は残り丁度30秒……脳天鉄槌の時間だ。

 

「先ずは左側から行こうかァ!!?」

 

槍用の戦闘スキルなんてないので自前の技量だけでどうにかする、現実よりも素早くそして力強い連撃を錆びた金属の塊に叩き込む。

 

 

ガガガガガガガガガガンッ!!!!

 

「っ………………錆びてる割に思いの外硬いな!?」

 

35秒経過で残り25秒……試してみるかこいつの性能!

 

「【凍付かせよ(Freeze-up)】!!」

 

白雪の狼槍……というよりどうも全ての甦機装に共通していると思しき説明文曰く。

 

───神代において、何事において掲げられた理念は「制御」と「活性」であった。旧き武器は用いられた素材の力を御し、その真の力を活性化させることで様々な力を武器という形へと収束させたという。

 

じゃあ質問だ。氷結を操る狼公の力を宿した槍が持つ力って何だ?答えはこう。

 

「周囲を凍らせて強制的に弱点を作り出す……!」

 

周囲の環境を「制御」する、これこそがこの槍に備わった1()()()の効果。

 

あれだけ俺が苦しめられた超広範囲にわたる氷の領域が周囲に展開され俺を除く範囲内のもの全てが氷に包まれた。

 

もう1度連撃を叩き込む、するとあっさりとホイールを支えるフォークを破壊……残り何秒だ?残り19秒?間に合うのか1分切り……!?走って右側のフォーク、は間に合わない……ならば!

 

「【凍付かせよ(Freeze-up)】」

 

石突で地面……もといオーバードレス・ゴーレムの凍り付いた肌を思い切り叩いた次の瞬間あの数十時間嫌と言うほど苦しめられた氷の柱が一気に生え俺を吹き飛ばしてくれる……なんて便利なんだこの氷造形、あの狼こんな便利な能力持ってたのか道理で苦戦するわけだわクソが。

 

さて甦機装というものは何なのか、まぁわかりやすく言えば用いた素材の力を増幅制御する神代の技術を用いて造られた武器のことを指すらしい。

俺をたった今吹き飛ばした氷の柱は【凍付かせよ(Freeze-up)】で生み出したもので、制限時間付き……いやそれでもよく考えたらオルトの【イノママニ】と殆ど同じことやってるんだわ、ぶっ壊れも良いところじゃないかな?

色々考えられるなぁ、罠、今使ったみたいな移動手段妨害etc etc……うん、壊れ。

 

「俺の機動力活かすには十分すぎるなぁ……!」

 

空中でバタバタと姿勢制御しつつホイールとホイールの間を飛び越えることで時短を図る……残り15秒、10秒、いや5秒で

 

「叩き壊ぁぁぁす!!」

 

空中で思い切り槍先をフォークに向けて蹴り付ける、さぁ一撃で砕いてやるよ………………!!

 

「【凍付かせよ(Freeze-up)】!!!」

 

音声認証だからこそ大声で叫べば認識自体は出来る。フォークに突き刺さった瞬間一気に凍りつくのを確認する。

 

「あの2人から話を聞いてみて、やりたいと思ってたんだよなぁ……!」

 

バスタードナックル、起動。

突き刺さった槍の石突目掛け思い切り殴りつける……鉛筆とカッツォの2人が騏驎戦でやったらしいパイルバンカー、1度やってみたかったが中々機会がなくてやれそうになかったがなるほどこれは確かに……

 

「快感だなぁ!!!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと音を立てながら侍従に耐えきれずに落下を始めるホイールを眺めていると何やら下からも振動がやってきた……大方ゴーレムが俺が潰れていないことに気づいたんだろうがもう遅すぎる。俺を振り落とそうとしてくるのは割とどうとでもなるが残りタイム的にそうだな……9秒以内に死んでくれないと困るので餌をやろう、俺なんだけどね?

 

「そぉーら目の前にいるぞおーーーーっ!!」

 

わざと落ちてやればクソ真面目に俺を追いかけ見下ろすために前傾姿勢になる……まともなAI積んでるのか少し不安になる、有志の手によってお前のゴーレムとしての核は頭にあると判明している。それでも尚背中にそのあまりにも大きすぎる弱点を背負うのか、だからお前は「自殺志願者」なんて呼ばれ方をするんだよ。

 

「趣味の良い髪型してんね、そっちの方が多分人気でるよ」

 

轟音を立てながらホイールがオーバードレス・ゴーレムの脳天に突き刺さりオーバードレス・ゴーレムが絶叫しながらまるで土下座の体制を取り損なったかのような愉快な格好で崩れ落ちている。

 

「確か……「ホイールに耐えるだけの丈夫さがないから頭に落ちたが最後重さに耐えきれずに核が潰れて即死する」だったか。後半のボスとは思えないくらい愉快な死に方するなお前」

 

着地した俺の眼前にホイールが突き刺さった頭部が体から外れて落ちてくる。重力と重量、2つの重によって地面に縫い止められたオーバードレス・ゴーレムが2、3度痙攣のような動きを見せた後ポリゴンと化して爆散した。

 

経験値が入らないと言うのが最高に残念だがまぁ仕方ない、さっさとフィフティシアへ向かうか。

 

オーバードレス・ゴーレムが爆散した後にポツンと落ちていた……なんて言えば良いんだこれ、良く分からない電子基盤が何重にも重なった塊に触れてアイテム化、インベントリアへ放り込みつつノンストップで駆け出す。

目指すはイレベンタル、そしてその先の「無果落耀(むからくよう)古城骸(こじょうがい)」を乗り越えたフィフティシアだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。