シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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テストが終わったから筆を取った、いや筆を取ったからテストが終わったと言うべきか。

絶対にここで言うことじゃないけど芥見先生お疲れ様でした、平安編楽しみに待ってます


道照らす灯火抱き、我ら進まん 其の七

「えっ?何?アキツアカネが?」

 

「何故か鳥の人に会いに行くと言い出してここまで私やエムル姉さん、シークルゥ兄さんを連れて走ってきたんです……()()()()()()()

 

「おっと馬鹿の匂いがするぞ?」

 

黒い触手や鎖、氷に風に雷炎etc etc……そんな魔法の嵐を駆け抜け、時に受け流し時にオルトが同じく魔法をぶつけて相殺しながら着実に白雪(ブランシェス)()狼槍(ガングラスター)でカーケスカブに攻撃を仕掛け核の位置を一応探すと共に氷結を付与していく。2人での分担作業化したから大分楽になった、おかげでここに至るまでの経緯や現状割れてる情報を共有できる。

そんな中で齎された現状最大級と言っても過言ではなかった「アキツアカネ」問題は思っていた数十倍捻じ曲がった上で何と向こうから会いに来るという最早よく分からない事態へと発展していた……俺とサンラクがあんなに頭を悩ませていたというのにその8割が杞憂で終わったってマジ?いやそんなことよりも。

 

「サードレマから……?最短でもエリアを4つ駆け抜けないといけないんだぞ……?」

 

いや、何故そんな強行軍が出来たのかは大体察しがつく……何せウチのオルトにエムルちゃん、そしてアキツアカネにくっついてるのだろうシークルゥとやら。名前からして恐らく兄弟の3番目、間違いなくレベルは90台だろう。その上でオルトやエムルちゃんも90台……となれば最強の兎3羽による介護プレイならクラウン・スパイダーやらハミング・リッチ程度楽にぶちのめせるだろうな、究極のヌルゲー突破だ。

 

とはいえ個人的な感情としては「やってくれたなこの野郎」感の方が強い……何せオルトやエムルちゃん、シークルゥとやらというリスポーンが効かないNPC達を引き連れて来ているからだ。確かに高レベル帯の兎3羽の増援は願ったり叶ったり、というかそれが無ければ俺はあのまま死んでいた。俺とサンラク、サイガ-0で何とかかんとか成り立たせていた作戦に幅が生まれると言う特大メリットも確かにある。

なんてこったアキツアカネ……お前は俺達に活路を与えるついでに退路も丁寧に潰したんだぞ。だが、これで負けられない理由が生まれた。プレイヤー3人によるリュカオーンに勝つ為の戦いがNPCという存在により「負けられない理由」が生まれた。ここから始まるのは勝つ為の戦いじゃない、リュカオーンに絶対に負けられない戦いだ……!

意識が一気に切り替わる、元々全開に近かったエンジンが更に唸りを上げて豪炎を吐き出すイメージが脳裏に鮮明に浮かび上がる。

 

切り札はあと4枚ってところか、1枚は勝手知ったる我が相棒だが残り3枚は……どちらかといえばジョーカーだな、吉と出るか凶と出るか。確定したエースを基盤にジョーカー3枚という鉄骨と針金で組んだ突貫工事の足場を組み上げる、崩れる危険性は大いにあるが崩れる前に天辺まで駆け上ってカタをつければ成功と同義だ、その後のことなんてその時考えればいい。だからこそ今は……!

 

「お前を、さっさと、殺すッ!!!!」

 

切り替わった意識とトップギアで回転する脳細胞が迫り来る攻撃の波濤を正確に読み取り捌く必要があるもの、そうでないもの、最小限の回避行動で済むものを仕分け最高効率でそれを実行するためのプログラムを俺に入力していく。後はそれを忠実に実行するのみだ、まずは首狙いの魔法を体を捻って回避ィ……!

 

踏み込み、飛び込み、切り抜ける。

言うは易し、思うも易し、実行するのは?それも易しだ。

おまけにオルトという最高のサポートがいる、易し通り越してベリーイージーだよこの野郎。

 

そしてオルトというアシストがいるからこそジョーカーの内の1枚を切る決心がついた。であるからしてそのジョーカーを最高のコンディションで発動する為に場を整えてやらなくてはならない。

 

「オルト!魔力は!!?!!!」

 

「有り余ってるほどです……!」

 

「重畳、それじゃ今から言う通りに動いてくれ……!」

 

そうしてオルトに作戦を伝える、首元で妙に震えてる兎の抱いた感情は無謀か蛮勇かどっちなんだろうな?自分でも考えたは良いけど割と無理ゲー寄りだし。

 

「いけそうか?」

 

「正直自殺行為だと思いますが……今更ですね。承知しました」

 

「頼んだ相棒……!」

 

返答はイエス、ならば俺も作戦立案者として120点のパフォーマンスを見せてやろう……!

狐面をずらし視界を確保、いやまぁゲーム的な観点から別につけたままでも視覚的には問題ないのだが気分の問題でね?それにほら、オルトも捕まりやすい出っ張りは嬉しいだろうし。

素早く狐面を上に押し上げて走り出す目標地点はカーケスカブの懐、俺にヘイトが向くように派手に立ち回る……!

鎖が上から俺を絡め取らんと襲いかかってくる。

 

「弾いて避けて絡め取って振り切ってぶった斬ってはいオッケー!!」

 

「ノーオッケーですよ!?私に流れ弾が飛んできてるんですが!」

 

そんなこと言いながらちゃっかりオルトも弾いてるじゃねぇか、とは言わないでおこう。さぁ懐だ、俺のことをガッツリ見ててくれよ……?

 

「【凍付かせよ(Freeze-up)】ッ!!!」

 

地面に槍先を深く突き刺し機械仕掛けの狼槍を起動する為の言葉を口にした次の瞬間、周囲一帯が氷に包まれる。だがカーケスカブ自体には何の影響も齎しちゃいない。まぁ戸惑うのも無理はないよな、だって俺は今までお前そのものにこの能力を行使してきたんだから。――――――なぁカーケスカブ、お前がこれを知らないのは無理もないさ。だって初めて見るんだもんな。

 

「やれッ!オルトォォォォォォォォ!!!!!」

 

「承知しました――――――【再構築(イノママニ)】!!!」

 

凍てついた大地がオルトの想いに応えて文字通り()()……さぁ、第一段階終了だ。

 




次回次次回までにはちゃんとカーケスカブ君にケリをつけます
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