シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
「ふむ……にしたってこれ大当たりも大当たりでは?俺のスキルビルドと相性が噛み合いまくってる」
「ビャッコさんの歩んできた道そのものを表していると言っていいでしょうね」
「まぁ俺の
「ジークヴルムから始まってウェザエモン、リュカオーン、カーケスカブ……その他にも多くの強敵に立ち向かっていかれましたからね」
裏路地を歩きながら俺とオルトはそう話す、実際シャンフロを始めてからの俺のゲームライフはアホほど濃密だもんな……もちろん上裸でプレイしなきゃいけないことが濃密度の最大母数を占めているが。
サンラクやサイガ-0、秋津茜とは既に別れを済ませ別行動だ……なーに、どうせすぐ会えるさ。何もこのゲームは1度会ったら2度と会えないとかそういうゲームじゃない、縁があればきっとまたバッタリ遭遇するだろう。
「さぁオルト!ラビッツ戻ってやることやって、待ち合わせに向かうとしようぜ!」
「わかりました、門を開きます」
急げ急げ、あと2時間と少しだ……先にビィラックからか?
開かれた門に飛び込みながら俺はこれからの予定を全力で組み立て始めるのであった。
◇◇◇◇
「だぁぁぁ畜生!!!」
ダン!と見た目よりも実用性が重視された机が万力を込めた握り拳によって思い切り叩かれる。苛立ちを隠すことすらなく長い長いため息を吐き出した
「ジュリーはお家事情にケンは喪中、サージに至っちゃその日はデート……くっそ、どう頑張ってもメンバーが足りねぇ……!!」
パスワードを入力しメールアプリを開けばそこには彼の誘いに対して各々の理由からの断りの文言が入ったメールの数々である。
「このままじゃ……く、他のチームに頼るのも無理だし…………」
断りのメールが続く中異質な文体のメールが2通。そこには明らかに翻訳ツールを使うことで無理やりに日本語に変換したと推測できる文章が書き込まれていた。
『私はあなたとの再戦を楽しみにしています。 次のGGCでも私の "流星"があなたの "溶岩"をまたしても克服します』
『私はあなたとの戦いを心待ちにしています。次のGGCにおいて、私の“獣”があなたの“溶岩”を流星より速く落としてみせます』
「………………このままじゃ、不戦敗なんて情けなさすぎる結果になる。どうにか、どうにかあと3人メンバーを……」
そこまで口に出して彼はふと思い出した。いつの日だったか冗談半分に考えていた「マッチング」を。来たる祭りの日にて相対する
最早手段もなりも振りも構っていられない、元々今回の祭りは殆ど彼と彼女らの個人的因縁が発端となったが故にチームメンバーの殆どのスケジュールに空きがなかったというのが現状である。当てにしていたメンバーも突然生えてきた用事で不参加となり進退とプライドがかかっていた彼が今最も欲しているのは「残り3枠」の埋め合わせたりうる仲間。
「ああもう、後が怖い……」
口ではこのメールによって生じる大きな「借り」をどこまでせびられるかを嘆くが、その口元には一縷の望みがもしも叶ったら、そんな
件名:折り入って頼みが
差出人:モドルカッツォ
宛先:サンラク、鉛筆戦士、ビャッコ
本文:交通費参加費諸々を持つから、3人ともグローバル・ゲーム・コンペティションに遊びに来ませんか?
◇◇◇◇
「ところで開拓者殿、同行される方というのは……」
「心配するな、約束の時間にはつくとさっきメッセージが飛んできた」
「そうでございますか」
フィフティシアの上層部、薄暗い船の残骸により形成された結果スラム街の様相を呈する下層部……通称「
「深淵の都……いえ、ルールイアは最早あるかどうかすら解らぬ伝説の都。しかし我が一族は確かにルールイアという都があり、そここそが我が一族の故郷であると考えております。老いたこの身では到底辿り着くことなど叶いませぬが、確かにそこにあったという証明さえあれば最早この生に未練などありはしませぬ。どうか、どうか……」
「頼まれ、それを受け入れたからにはキッチリと仕事を果たすさ……行けるかどうか以前の問題としてあるかどうかすら分からんがな」
「その点に関しましてはご心配なく、一族に伝わる盟約というものがございまして……」
そんな会話を行っている最中室外からノックと共に落ち着いた男性の声が響いた。
「当主様、開拓者様のお連れの方がいらしたのですが……その……」
「何をしているんです、速く通して差し上げなさい」
「…………かしこまりました」
(………………待ち合わせ時間には間に合っているな、さてさて一体どんなやつなのや、ら……)
確か「間違えようのない見た目」をしていると事前に本人から言われた、となるとさぞかし奇妙奇天烈なネタ装備をつけているのだろうか、まさか「凝視の鳥面」や「呆然の馬面」ではないだろうな?
そんな思考を巡らせていた開拓者……もとい、撃破時間は己の思考の浅さと待ち合わせ相手の頭のイカれ具合を真剣に疑った。
「ドウモォォォォ……オハヨウゴザイマスゥゥ…………」
「…………失礼当主、頭がおかしいのは理解していたがまさかここまでとは思っていなかった」
「…………そ、そうでございますか」
そこに立っていたのは上裸の狐面である、ハイライトは完全に死んでいた。撃破時間は街中、更にゲーム設定的に貴族である老女の目の前でいくら相手が開拓者とはいえPKはアウトなのかどうかの判断を下すのに苦心することとなった。
次回はゲロだよ、取り敢えず武器だけは確定してるけど他に何かあったら教えてください