シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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難産()


囚われの凶星:最大出力

「クソッ…………タレがァ…!!!」

 

「ヴィランの最後の一言としては満点だねぇ……!」

 

第2ラウンド、流石にリソースの差は如何ともしがたく可能な限り溶鉄弾は吐かせたもののあえなくHPを削り切られて負けてしまった……おのれカッツォ、ファイナルラウンドは覚悟しておけよ。

 

(ゲージ……は、貯まり切ったか。とはいえ向こうもそれはほぼ似たり寄ったりの状況だと考えてもいい。まずは適当に取り込んでからカッツォを見つける?それよりも向こうが溶鉄弾のストックを貯める前に動く?)

 

非常に悩むところだ、流石に第2ラウンドでそこら辺のNPCはどこかに避難したか肉片になったかだろうから警官脅して位置把握は通用しないし……あ、そうだ。

 

徒手空拳(ステゴロ)フォームなんてものが出来るんなら……()()も出来ちゃうんじゃないか?」

 

ただアレになれるかどうかは定かじゃない、カースドプリズンを何度か試してからこれまで1度も見かけていない以上実装されていないか俺の運がシンプルに悪いだけなのかは定かではないがまぁ……チャレンジ精神は重要だ、やってみたら思わぬ成果を得ることが出来たりもするのだから。

 

さぁ、上がりまくってたテンションもやっと落ち着いてきたぞ……第3ラウンド、最後の暴君の時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

「第3ラウンドだとこれが武装として用意されてるのか……いいね、原作準拠って感じするじゃん?」

 

カースドプリズン:強襲形態(アサルトカスタム)

全身に銃火器を仕込みそれらから放たれる弾丸全てが小規模な爆発(設定的には凶星の引力らしい)を発生させる……極め付けに俺が第1ラウンドで纏っていたバイク2、3台ほどの出力をしたジェットエンジンが背中に配備されている、正直バイク1台分のエンジンだけでも結構扱いに苦労したんだがなぁ。この状態は操作難易度やまともな攻撃を叩き込むことが非常に困難ではあるのだが今回このフォームは()()なのであんまり気にしない方向でいこう。

ちなみに余談だが原作だと確かこれ、マジで追い詰められた時かどうしようも無くなった時かくらいじゃないと引っ張り出してこなかったからシリーズ通して登場は片手の指の本数で数えられる……ということはどういうことかだって?愚問だな、登場回数が少ないとはそれ即ち――――

 

「カースドプリズンというキャラの理解と解釈次第で何処までもポテンシャルを引き摺り出せる……!!」

 

取り敢えず()()が出てこないかどうか確かめる為にビル上に登りたいが……この周囲のビル、地味に高いな?普通に力技で登るのは骨か、だがまぁ関係ない、そう強襲形態(アサルトカスタム)ならね!!

上を向き、背部に仕込まれた銃火器をフルバーストして爆発により全身を浮上させて更にジェットエンジン起動。さぁ行こうか……摩天の天辺へ!!!

登り切ったビルの頂上から街を見下ろす、何ヶ所か吹き飛んでいるところもちらほら見えるがまぁご愛嬌ってやつだ、アメコミが原作なんだからそれくらい普通だろ。

 

「ハローケイオースシティ、3度目の訪問なんだが……良い加減来てくれないか?」

 

お祈り、お祈り、お祈り。このゲームでカスプリを試して数回ではあるがその全てのラウンドで俺は()()()()()()が起こらないかひたすらに祈り続けていた。調べた限りでは今までのギャラヒロにそれはなかった、まぁ十中八九技術的な問題だったんだろうが……だが、このギャラクシア・ヒーローズ:カオスならば?シャンフロの技術を流用した神ゲーならば?そう思い祈り続け……遂にそれは現れた。

 

「………………来た」

 

凄まじい速度で編隊を組みケイオースシティ上空を横切る戦闘機の一団、ついで機関銃を搭載したヘリ……俺の記憶に間違いがなければあの下には大量の戦車も配備されているだろう。あぁ、やっと来やがった、俺がどれだけ待ち望んでいたか……!

 

「来た来た来た来たァァァァァァァァァ!!!!」

 

雄叫びを上げ喜びに思わず全身の銃火器が暴発……おっとはしたない、だけどなぁ、普通にこのイベントまで実装されてるの凄い嬉しいんだよなぁ。 

 

ギャラクシア・コミックのシリーズの中でも俺の中で1、2を争うくらいに好きなシリーズ……それこそがカースドプリズンとミーティアスが登場するシリーズなのだが、その中でも特に好きな回がある。暴れまくるカースドプリズン、対してミーティアスはその数週間前のカスプリとの戦闘により弱体化し防戦一方。とうとう負け回なのかと思って次のページを巡った瞬間そこには大量の兵器群がズラリと並びカスプリに対して大量の爆弾ミサイル機関砲を喰らわせる――――そして、それにより必殺技である「ミーティアストライク」のチャージ時間を十二分に得られたミーティアスがミーティアストライクを叩き込む。そんな回だった。

 

で、ここからが本番なのだが……実は単行本の裏表紙にはあるif(もしかして)が描かれていた。

それこそが現れた大量の兵器群を取り込み自分の力に変えてしまったカースドプリズン、何と驚きその力はミーティアスを軽く凌駕しうるレベルのもの。ギャラクシア作品の中でもトップクラスの力を持つミーティアスを牢獄に囚われた状態ですらこの形態なら超えることができる、そんなはちゃめちゃな形態はファンの間では一国の軍隊の全てを取り込み全てから抜きん出たとして「エクリプスフォーム」と呼ばれた。

 

今まで実現できなかったこと全てをやり遂げた製作陣がこれをやらないわけがないとは思っていたが……まさか本当にやってくれているとは、音ゲーマニアの俺もこれは買わざるを得ないかもしれない、なぁ!!!

 

「パーーーティーーーーーーターーーイムッ!!!」

 

旋回してきた戦闘機共が俺めがけて放ってくるミサイルを掴み、投げ返し爆散させる……はっ、しまった当てるつもりはなかったのに!!あーーちくしょうせっかく取り込むつもりだった戦闘機が一機粉々になってしまった、仕方ないからまずはお前から行こうか?

 

ウェルカム(ようこそ)!!ケイオースシティ(俺様の街へ)!!!」

 

ジェットエンジン駆動、一気に加速し狙うは軍用ヘリ……さぁ俺にその装甲を寄越しやがれ。

上に着地し回転するプロペラを無理やりもぎ取って右手に握り締め、素早くそれを機内に叩き込む。グチャッと音が聞こえたな、よーしヘリジャック成功!それじゃあ頂きますっ!!

ヘリに呪われた凶星の引力を向け、鉄屑を体に纏わせる。銃火器類はもういらないか。パージで。その代わりに腰に佩くのは二振りの刀……もとい先程までプロペラだったもの。いやぁまさかこのフォームまで再現できるとは思ってなかった、これ確か1コマだけ過去回想で出てきたヘリ侍フォームだよね?なんにせよありがたい、お陰でぇ……!

 

「一気にぶった斬れる……!!」

 

このジェットエンジンが活躍するのもあと10秒そこら、と言うわけで壊しても問題ないので使い潰す勢いで噴かす。いやぁ戦闘機諸君、仲間が一機吹っ飛ばされたからってそんなにキレんなって。素早く向かってくる戦闘機共に刀を振り抜き機能停止に追い込む、一機残ったがそれはもう片方の刀で串刺しにしたのでモーマンタイだ。

 

そしてそのまま再び凶星の引力を行使する、さぁ集え国の大戦力たる戦闘機共よ。鉄屑である以上お前らは俺にひれ伏すしかないことをわからせてやる。

 

俺の身体に鉄が纏わり付く。戦闘機のジェットが俺の翼になり、音速にも耐えられる鋼鉄が皮膚となる。大量の武装は最早引力に引き寄せられても引っ付かないので空中に浮遊しているが……あぁクソ、俺はどうして今の俺自身を拝めないんだ……頼むカッツォ、殴り合う前にスクショだけ撮ってくれ。スクショがないならもうこの試合のリプレイを永久保存させてほしい。

そして……戦闘機のレーダーも取り込んじまった影響かな、さっきから近寄ってる(ヒーロー)がいることにも気づいてるんだよ。

 

「えぇ…………何それ」

 

「ギャラクシア・コミックの45巻の裏表紙見てないのか?甘っちょろいぜプロゲーマー」

 

「いや見たけどそんなのは……」

 

そうだった、あれ確か特装版の裏表紙だった。

 

 




次回更新は多分12/26です、多分。
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