シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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淵下にて咲き誇りし怨華

あのポン刀カジキ、正式名称を「アトランティックス・マールィアン」と呼ぶらしい。長いのでこれまで同様ポン刀カジキと呼ぶが。で、このポン刀カジキ君の吻……まぁ俺がへし折ったやつだが。あれはどうもオスがメスへアピールするためのアピールポイントで、あれが立派なやつほどモテるらしい。そしてその吻が折れたオスは即ち「子供を残せない弱いやつ」扱いされるらしく、結果的にそいつは子供を残せないそうな。哀れな……合掌。

 

さてここからが問題、そんな可哀想なカジキ君だがその後辿る末路は何なのだろうか。ちょうど模範解答が目の前にある、体内を循環していた魔力が暴走を起こし寿命をゴリゴリと喰らい潰しながら視界に入る全てを焼き払い滅殺する破壊兵器へと変貌を遂げるのだ。

 

「「斬雷(ざんらい)轟くアトランティックス・マールィアン」……今の奴は深海の王達ですらおいそれと手を出さない、自らの力で自らを殺すまで目に映る全てを破壊し尽くす怪物だ……なのに何故お前はそんな怪物に喧嘩を売っている!?開拓者は自殺志願者の集まりなのか!?」

 

「そんな異常者集団だと思われてんのか開拓者……いや別に自殺志願者ってわけじゃないよ、というかあんなのになった原因殆ど俺だし自分でケリつけたいじゃん?というか知り合って1日そこらの人間のこと助けるためだけにそんな化け物の前通れるお前の方が異常者では」

 

「どうせ生き返れるし見捨てても良かったが寝覚が悪い、それだけだ!!」

 

「わぁーおかっこいい……って言いたいところだけどさ、ぶっちゃけ逃げれないと思うんだが」

 

「…………言ってあれだが恐らく無理だな、何よりお前が目の敵にされてる以上何があってもお前がこの世から消えて無くなるまで執拗に追いかけてくるはずだ」

 

「…………やっぱり今からでも遅くないし見捨てたら?」

 

「今更できるかそんなこと……くっ!!」

 

ナイスフライト、何もなければ楽しめたが後ろから俺達2人を確実に殺さんとする雷が襲いかかってくる以上楽しもうにも楽しめないな。

まぁあと少しで自分の吻をへし折った憎くて憎くて仕方ない輩を抹消できると思ったらなんか変な輩が現れてそれを救っていったんだ、向こうの気が触れてる以上今すぐにでも周辺一帯巻き込んで鏖殺までやってくる可能性がある。

とにかく今やるべきことはさっさとこの体勢から立て直して反撃の機会を探ることか……!!

 

「アーラム!適当なところで俺を降ろしてくれ!!」

 

「応!!」

 

今や雷が空中で炸裂して雷撃の華の雨と化し俺とアーラムを襲う。そんな地獄の様相を呈し始めた都市の上空を飛び回るアーラムにそう声を掛け可能な限り早く周囲の状況を確認し速やかに頭に叩き込む……ん?なんだ、塔があんなに近くに……思ってたより移動してたのか。にしてはなんか違和感があるというか……

 

(あぁそうか、何故か塔だけが一切なんの被害も受けてないのか)

 

今ポン刀カジキが展開している雷華の雨はかなりの広範囲のもので恐らくはあの塔周辺もその範囲内にある。だというのに……周辺地形がゴリゴリに削られているのにあの塔だけが一切なんの影響も受けていない、破壊不能オブジェクトってやつか?シャンフロが……理由もなくそんなことをやるか?

 

「攻撃の吸収……?それなら納得が……いや、待て。違う、()()……?」

 

「何を言ってるんだビャッコ!!そろそろ降ろすぞ!!」

 

「ッ、わかった!!アーラムは出来るだけポン刀カジキの注意を引かないように立ち回っててくれ!!ヘイトは俺が持つ!」

 

「ヘイトが何かは知らんが頼んだ!!!!そら行けェ!!」

 

アーラムが俺のことを落とす。つまりは雷華迸る空中に投げ出されたわけなのだが……これの攻略法は読めた。

 

「まさかこの眼がここまで有能とは……!!」

 

黒狼の眼、スキルだけじゃなく魔力の観測も可能な訳だがなるほどこれは便利だ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()。展開するほんの少し前だが赤黒い魔力が一瞬スパークする……いやこれあってもキツいがないよりマシだな?多分なかったら他に気を回す余裕なんてない。周囲の色が基本青ってのもわかりやすくていいねぇ……!!

 

(だからって俺だけで有効打を叩き込むにはあの怪物の鼻先に踊り出なきゃいけないのか……2度目の博打は成功する気がしねぇ……!!)

 

「やっぱあの塔、活用するべきか……!?」

 

あの塔のカラクリが読めた。あれは恐らくダメージを吸収するのではなく反転……つまるところ反射しているのだ。そりゃ深淵の盟主様のお住まいたるここのランドマークじみたものならそういう反転の能力は備えてるってことか?

どんな意図があったにせよそういう性質を持ったのがあの塔、そして攻撃を全部反射するのなら勝ちの目が見えてくる。

だがそれには検証が足りない、だからこうする必要がある。

 

「アーラム!!あの塔まで奴を誘導する!!!」

 

「何をやるつもりだ!?」

 

「開拓者根性見せてやるんだよ!!!!一瞬でいい!!進路を塔の方へ向けるくらいの注意を向けさせろ!!その後の誘導は俺がやる!!!!」

 

 

 

素早く白雪の狼槍を取り出し白銀集合(プラチナムセット)起動、特殊強化状態(ユニークエンチャント)狼公顕現(オーバーロード)」へ移行する。長物は今回の戦闘においてあまり使い道がないがこと誘導となると話は別だ。雷撃の予兆を黄金の瞳で観測しその一帯を避けてルートを構築、さぁポン刀カジキビーム斬撃くれないか?ちょっとした実験がしたいんだ。

 

倒壊した家屋の瓦礫を踏み締め跳躍、俺の片目から流れ込んでくるこのままいけば直撃コースの大量の魔力溜まりを【凍結せよ(Freeze-up)】で作り出した氷の踏み台を踏み締め跳躍することによって強引に突破しわざと中空に身を投げ出す。

 

さてどうだポン刀カジキ、お前が憎くて憎くて仕方ない奴がお前の目の前で呑気に飛んでやがるぞ?どうしたい?お前は俺という煩わしく、忌々しいちっさいのが逃げ場のない空中にいるんだぜ?

 

ポン刀カジキの方をじっと見つめる、そして奴と目が合った……間違いない……来る。

 

 

ポン刀カジキが振り抜いた斬撃が雷電を伴って俺めがけて突っ込んでくる、だがもう既に1度は目にした以上回避自体は容易い!!!

目では追えない、感覚……直感。今まで培ってきた経験則から振り抜かれた斬撃の軌道を予測し空中で体を1回転捻り回避する。そしてバッチリ見えたぜ今回の結果ァ!!

 

「………………検証成功、か!!?!いやあれ成功だろ!!!!鏡みたいに跳ね返してやがる!!」

 

「なんだあれは!!?!!!」

 

「ようアーラム作戦変更だ!!!!あの可哀想なポン刀カジキ君、俺達2人で鎮めてやろうぜ!!」

 

「鎮め……何を言っているんだ!?まさか倒すとでも!?」

 

「当然!!!!あいつにあいつ自身の雷撃を当てて……()()()()()!!」

 




評価値が上がっていくごとに「みんな楽しみにしてくれてる…書かねば」というモチベアップに繋がっていくので本当に皆さんには感謝しかないですね。当面の目標は総合評価2500ポイントですが皆さんと気長に目指していければ嬉しいです。

次回更新は定期テストにつき2/22を予定していますがもしかしたら速くなるかもです
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