シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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部活の合宿から帰ってきました、時間なかったので短いですが投下します


聖義Ⅰ=掲げしモノ

右足のハイキックを左足のハイキックで迎え撃つ。

白い装甲と黒い装甲が激突し火花が散り……拮抗した一撃はお互いの足を弾かせた。

 

「くたばりやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「それはオレの台詞だ!!!」

 

くっ、【執行】起動のためのゲージが足りない……!せめてあと2段階強化をしたいが……難しいか!?チラと周囲を見渡す、おっNPC、おあつらえ向きィ!!

 

「ぶっ飛べ!!」

 

「なっ!?」

 

俺の大義の為の犠牲となれ。素早くNPCの所まで接近し首根っこを捕まえてバッドテイルにぶん投げる。

咄嗟に奴が受け止めたところをNPCを巻き込む様に蹴りをぶち込んで吹っ飛ばし……おっ、ゲージ溜まった。今回も火力底上げ……いや、ここは速度を上げるべきか?

 

(どっちにしろ聖邪の眼(イーヴィルアイ)発動されたら振り切れるのなんかミーティアスくらいじゃないとだし……火力か!!)

 

「【正義執行:断罪(ワレツミヲタツモノ)】!」

 

これでさっきのと合わせて火力2段階上昇、これで少なくとも火力面では負けなくなった訳だが……ッ!!

 

「それが曲がりなりにも正義を謳う者のやることかぁっ!!」

 

「正義の為の尊い犠牲だ!!!」

 

あの野郎吹っ飛ばされてもNPCを地面に突っ込む衝撃からはキッチリ守りきったのか?その上で即座に反撃に移る?どういう神経構造でそんな矛盾した行動一瞬で成立させたんだよ化け物め。

 

聖邪の拳(イヴィルフィスト)ッ!!」

 

「過去の試合見てた時も思ってたけど技名叫ぶタイプなのね……っ!!」

 

「ヒーローが拳を振う時技名を叫ぶのは鉄板だろう!?」

 

わかる、超わかる。けどそれって大概必殺技とかなんだよ決して小パン中パンの時に叫ぶものじゃないしそれ前蹴りじゃない!!?!!!

 

「蹴りと拳の区別をつけてから叫べよ馬鹿が……ここ!!」

 

蹴りを捌いて逆に関節を極めにかかる、するりと抜けられて後ろ回し蹴りが飛んできた。

上体を反らして回避しそのまま手を地面に付けてバク転を4度、最後の1回転をバク宙に切り替えバッドテイルの行動を視認……おいおい冗談だろ?

 

「がぁっ!!!???」

 

目の前に車が飛んできやがった、滞空している以上踏ん張ることも叶わず俺の体が大質量の鉄の塊に吹っ飛ばされコンクリートを転がる……いってぇ、体力自体はそこまで削れていないが硬直が長い!!

 

(早く終われ早く終われ早く早く早く早く早く!!!次の瞬間には頭をかち割られることになったって不思議じゃ―――!!)

 

「終わりだジャスティスダイル!!正義の拳を喰らって沈め!!」

 

終わっ…………いや、硬直が解けた!!なら返せる!!

 

「こなくそァ!!」

 

「なぁっ!!?」

 

ほとんど勘のみで振り下ろされた拳を掴み逆に空中にぶっ飛ばす。そして即座に立ち上がって地面を踏み締め跳躍し追撃を狙いに行く。地面に叩き落として硬直を狙うべく脳天に踵落としを叩き込まんと脚を高く振り上げ……奴と目があった。

 

(眼、色、黒から白に瞳孔が変わってる――――聖邪の眼(イーヴィルアイ)発動中か!回避される!?発動から0.5秒が効果時間、なら!!)

 

「その0.5秒を()()()()()()……!!」

 

踵落としを狙っていたが急遽変更、体勢を変えて体を捻り脇腹へもう1本の足の爪先を捩じ込みに行く。おら喰らえクソッタレ、やりづらくて仕方ねぇんだよ!!

 

「ふぅんっ!!!」

 

「な"ぁッ!!??」

 

踵落としを認識した瞬間そちらばかりに意識が行っていたらしいな?綺麗に爪先がめり込んだ感触を感じた次の瞬間気持ちいい位にバッドテイルが吹き飛び高層ビルの高層部分の窓を突き破ったのが確認できた。

そこで俺の体が重力に捕まり自由落下開始、ここで追撃のチャンスを逃したくはないのだが残念なことにここから追撃に入る手段を手に入れるのはもう少し後だ、今は大人しく地上に着弾することしかできない。

 

「だがまぁ……今のうちにゲージを貯めさせてもらうとするか」

 

おっ、そこのビルに入ってる会社の社名よく見たら詐欺とか色々悪どいことやってるクソ企業の名前じゃん。原作でもジャスティスダイルが社屋ごと薙ぎ倒してたから覚えてるよ……それでは破壊させていただこう!砕けろやコラァ!!

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

「げほっ、ごほっ……やるじゃないか」

 

窓ガラスを突き破った背中に痺れが走る、HPバーを確認すると4割が削られていた。対してジャスティスダイルは2割も削れていない……ダメージレースは負けかとランファンは今の戦況を酷く冷静に分析していた。

 

(第1ラウンドかつ接敵の速さからしてまだ()()()()()はないね……少なくとも、あの状態から追撃に来ない時点でもう下でゲージ貯めに勤しんでいるところだろうね。さて、ここからどうしたものか)

 

立ち上がり、随分と風通しの良くなった部屋の縁に立って眼下を見下ろす。ビルが1本倒壊したのを見て取り敢えず目標はあそこだと認識、さらに思考を巡らせていく。

 

(正直こちらもまだ()()()()()()ではない……1度無視する?いや、どう足掻いてもゲージを貯めるならばあの近辺のNPCを助けるか直接戦闘をするべき――――まぁ)

 

「なるようになるよな、だって()()は……ヒーローなんだから!!!」

 

一切躊躇うことなく身体を中空に投げ出し落下、片膝を地面に付き更に手を地面に付ける所謂ヒーロー着地を行いすぐさまビルから確認した被害地に向かって駆け出す。

 

途中NPCを何人か救助しつつ駆け付けるは助ける際に聞き出しておいたジャスティスダイルの限りなく正確な現在地……最後に助けたNPCから聞き出した「2本向こうの通りで人を建物ごと殺してる」からもう少し移動していると踏まえ3本先の通りに到着し……はたしてそこに奴はいた。

 

「随分遅かったなヒーロー、貴様の掲げる正義とやらはあの程度の攻撃でどうにかなる程度の薄っぺらいものだったか」

 

「お前にだけは言われたくないが……まずは、その手に掴んでる民間人を離せ」

 

「断る、コイツは多くの人間を食い物にしてきた外道の1人……私の掲げる正義の下、死の裁きを与える」

 

「法の下で裁かれるべきだ、過ちを犯してもな」

 

「馬鹿か貴様は、それは俺達ヴィランにも大真面目に言うのか?」

 

「………………!!」

 

「答えられないのだろう?であるならば、もう止めてくれるな」

 

「待っ――――!!」

 

グシャリ、と。トマトか何かの様な気軽さで頭蓋を砕いたジャスティスダイルの手にこびり付いた血の赤が蠢き装甲を巡っていく。

 

「心配するな、コイツは私の正義の下力を振るう……【罪武器(ギルティウェポン):強欲の戦斧(アヴァリシア)】」

 

「出たな罪武器……!!」

 

「こいつの罪は強欲、人を食い物に己が私腹を肥やし続けたものから生まれたものだ。……当たればこいつは強欲の名の下に貴様の全てを喰らい尽くす」

 

無骨な、無遠慮なほどに赫い戦斧を突きつけジャスティスダイルは宣告を言い渡した。

 

「ゲージも、体力も、何もかもを喰らう……貴様の掲げる薄っぺらい正義もだ。さぁ……死ね」

 




【罪武器】
ジャスティスダイルのパッシブ、ジャスティスダイルピック時反映される特殊NPC「罪業背負いし者」をキルした場合「背負いし者」が背負う罪業を反映して生み出される武装シリーズ、七大罪から来ている。
武器種は大剣、槍、戦斧、弓、刀、鎌、メイス。

前作でも実装したが当初は自由に展開可能かつ時間も無制限、挙げ句の果てに中々な壊れ具合だった為苦情が寄せられナーフ、展開可能時間2分かつ1ラウンドに付き1種類という制限が付いた。なお今作では展開可能時間は据え置きだが武器種制限は撤廃された模様。
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