シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
「ん――――……今のところは外に情報が流れてないのか。ということは俺以外のもう一人も情報を秘匿するつもりってことだ」
外部に接続して攻略サイトや掲示板を見ても一才この兎御殿に入ることのできるユニークシナリオの情報は流れていない、つまり俺の他にこのユニークシナリオを発生させたらしいもう一人はこのユニークシナリオを秘匿するつもりだということだ。
もう一つ追加で分かったことといえばユニークモンスターはこの世界において7体のみしか存在しないということ。通称「七の最強種」、そのうち判明している四種は
・夜襲のリュカオーン
・天覇のジークヴルム
・深淵のクターニッド
・冥響のオルケストラ
らしい。
さらにその内のリュカオーンと俺がエンカウントしたジークヴルムは最初の森、跳梁跋扈の森以外の全てのフィールドでエンカウントする可能性があるらしい。つまりは俺がジークヴルムにエンカウントしたのは最高の
このユニークシナリオの発生に関わったというところで感謝こそすれ、装備欄二枠も潰したのは許さんぞ。あ、あと経験値か。
そして最後に、おめでとうシャングリラ・フロンティア登録者数3000万人突破……ファステイアは人がごった返しているらしい、あの毒糞蛇の初見殺しに山ほどの初心者諸君が引っかかることを切実に祈ろう。というかモタモタしてたら本当にセカンディルもパンパンになりそうな気がするな?レベリングは充分だろう、ならば俺がやるべきことは簡単だな。ユニークシナリオの方はゆっくりと進めることにして第3の町、「サードレマ」に向かおう。
◇◇◇◇
「ビャッコさん、どうしましょうか?早速訓練を受けに行きますか?」
「ああ、それなんだがな?どうもセカンディルにそのうち大量の開拓者が押し寄せてくるらしい、オルトを見せるわけにもいかないし早めに次の街に行こうと思うんだ」
「なるほど、良い判断だと思います。恐らく
?どう言う意味だろうか、まぁとにかくさっさと次の街に向かおう、あぁその前に武器屋に寄って修理を頼まないとな。
暫くして例の魔法陣の前、オルトが【座標転移開門】を唱えると俺とオルトはあのセカンディルの裏路地に立っていた。
「よし、取り敢えず最優先で武器屋に寄ってそこからサードレマに向かおうか」
「あ、申し訳ありません。忘れておりました、これをつけろと父上が貴方に」
「は?何を…………っ!?」
オルトがいつの間にか持っていた首輪を俺に向かって投げつける、それは意志を持つかのように俺の首に正確に巻きついて縛り上げた。いってぇ、若干キツかったぞ締め方が。
『致命魂の首輪を入手しました、自動で装備されます』
速報、シャンフロにも呪いのアイテムは存在した。強制装備……まさかデバフとかそんなんじゃなかろうな?縛りを増やされるのは笑えんぞ。
・致命魂の首輪
致命兎の王が作り出した戒めの首輪、王の許可なくして外れることはない。
取得経験値が半分になる代わりにレベルアップの際に獲得するポイントが2.5倍(小数点切り捨て)になる。
弱者が強さを得るためには、尋常ならざる苦難が必要であるが故に。
「――――――ッスゥーーーーーーー」
確かにデバフは嫌だと言いましたよ?だけど別ベクトルで縛りを増やさないでくださいよ。
「いや、ここに来てこんな縛りを追加されるとか……えぇ……?マジでか……」
「残念ながら大マジですね、ヴォーパル魂を忘れるべからず。というやつです」
ヴォーパル魂の解説を誰かください、切実に。
いや、しかもこれ中々笑えないな?単純にレベルを一つ上げるのに二つレベルを上げるのと同義の労力が必要……?それも俺のレベルは現在32、もう四駆八駆の沼荒野じゃまともにレベルが上がらないと言うのにさらにそれに加えて必要経験値量倍……?
いや、冷静に考えよう。メリット効果だけを見ればぶっ壊れアクセサリーだぞこれは。レベル一つで5ポイントが何と驚き12ポイント……おや、字面に起こせば普通にぶっ壊れも良いところでは?
「…………いいや、面倒ごとは後に直送しよう。まずは武器なんとかしないと」
と、言うわけで武器屋に来てみたわけなんだが。
「…………何か俺のこと怖がってない?気のせい?」
「き、気のせいに決まってんだろ!!ほら!修理してやったぞ!!」
絶対気のせいじゃないなぁ……。どうも兎達が異常だったらしい、ついこの間まで豪快に笑ってたおっさんが震えを隠せないほどに俺に焼きついた呪いとやらはまともなNPCにとっては恐怖の対象らしいな。
少しの寂しさを感じながら振り返り、後ろに佇んでいた
「よし、行くかオルト」
「ですね、ビャッコ殿」