シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
目下最大の問題は、オルトを連れていくことだった。
大前提としてオルトはNPCと言えどもヴォーパルバニー、つまり周囲からすればモンスターを連れ歩いているのと同義ということだ。
「こちらの方が都合が良い」との事で『魔導兎オルト』とパーティーを組んだわけだが、その最大の問題が消えたわけではない。どうするかと頭を捻らせていたところ、オルトはその問題をあっという間に解決することが出来るアイテムを持っていた。
「いや――……マジでそれ便利だな」
「人里に時たま出向くのですが重宝していますね」
そのアイテムの名は『致命兎の秘環』、と言うらしい。これを装備することで何でも【
………………それにしても周囲からの視線が凄いな、やっぱり
そして今思えば俺たち二人は当然事案だったのだろうな。あの鳥頭共々追われる羽目になるとは思っていなかった。
◇◇◇◇
「……もう流石に解いても良いだろ、オルト」
「そうですね、かなり人も少なくなってきましたし解除します」
ポフンッと何やら空気の抜けた風船のような音を立てながら煙が吹き上がる、その煙が晴れるとそこにはオルトがちょこんと立っていた。
…………にしてもMP消費が甚大だ、まさか残っていた残金がすっからかんになるとは思っていなかったぞ。
「それに…………」
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NPCN:オルト
LV:85
JOB: 魔導士
ヴォーパルバニー・ウィザード
HP(体力):100
MP(魔力):700
STM (スタミナ):125
STR(筋力):55
DEX(器用):71
AGI(敏捷):70
TEC(技量):70
VIT(耐久力):35
LUC(幸運):85
スキル
・ベストステップ
・タップステップ
・クリティカルフォーカス
魔法
・【座標転移開門】
・【座標転移「凱戦門」】
・【ランダムエンカウンターLv.5】
・【マジックエッジLv.6】
・【
・【再構築】
装備
武器:
頭:魔導の海帽子
胴:兎式魔導海服
腰:兎式魔導海服
足:兎式魔導海服
アクセサリー:致命兎の秘環
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何とも言えない悔しさが込み上げてくるね、NPCに全ステータス敗北とは。
少し凹むがまぁ良いさ、
狐面越しの俺の何とも言えない視線に気付いたのか不思議そうに小首を傾げるオルト。気にしなくて良いと伝えてみれば一応納得したのか周りを見回して一言。
「にしても、モンスターがほとんど見当たりませんね。やはりその呪いが原因でしょうか……いえ、それでも元からいないと言うのは異常ですね」
「それは本当に思った」
そう、せっかくモンスター相手に対策を講じてきたと言うのに肝心のモンスターが最初から居ないのである。俺を見て逃げたのならまだ分かるが来た時点では既にいなかった、何でだ?
仕方ないのでどこかにモンスターが居ないか注意しながら暫く進んでいるとオルトが声を上げた。
「あ、いましたよビャッコさん。マッドフロッグですね」
「よっしゃ行くぞこらァァァァァァァァァァァァァァァア!!」
獲物発見!!!
マッドフロッグことマッフロ君が俺に気づく。大方探知範囲に俺が入ったのだろう、だがもう遅い……!
泥の中に潜ろうとするマッフロ君に向かって全力で跳躍しつつゴブリンの手斧を展開、沼に入れば移動を制限されるがこの方法なら簡単に距離を詰めることが出来る!!
「頭隠して尻隠さずってなぁ!!」
「ゲロッ!!?」
マッフロ君の尻に飛び蹴りを叩き込む。正直この動きは出身を獣の子の補正込みで無いと今の俺のAGIじゃ出来ないだろうな。それに加えて物理法則がちゃんと動いて慣性が適用されてないと。
無重力空間で音ゲーをするとかいうバカゲーもあったがあれは中々酷かった。無重力の中を自在に動き回るノーツはさぞかしデバックが面倒だったのだろう、
逃走を許さず飛び蹴りを喰らってひっくり返ったマッフロ君に全力で手斧を振り下ろす。そしたら両方爆散した。あっ、もしかして俺のステータスに武器が耐えられなかったのか?
「よっし、何とかなりそうだな」
ポリゴンと化したマッフロ君と手斧君に黙祷、これぞ「逃げる前に殺れ」戦法だな。
「モンスターにでもなるつもりですかビャッコさん」
「こうでもしないとそもそも常に格上戦闘の羽目になるんだが」
装備欄二枠も潰れてるから重量とかで動きが鈍ることはないだろう、であれば現状これが最適解のはず。
敏捷とスタミナと力の暴力で最速で相手を仕留める、奇しくも若き頃の師匠に近いスタイルになってしまったな。
「さて、まぁ適度にモンスターを狩ってこの戦法に体を慣らしつつボスに向かいますか」
ある程度この戦法に慣れておかないと、予想以上にスタミナの管理が難しい。
それにさっさとサードレマに向かわないとまずい気がする。何せさっき街を出た時点で着実に人が増えていた、あと数時間もすれば初見殺しを回避した幸運な初心者諸君が確実にセカンディルに来るだろう。そうなればいくらラビッツの方に宿屋などの施設があると言っても細かな問題は確実に発生するだろう、あとオルトが露見する可能性も増す。本腰据えてユニークシナリオに手を付けたいならもっと安心できる場所がいいだろう。
「よっしゃオルト、ボスがどの辺にいるか知って……」
ドゴォォォォォォン!!!!
「あそこですね」
「あそこだな」
あんな轟音立てるなんてボスモンスターくらいなもんだろう、手間が省けたな。
オルトの人化状態はウマ娘のシュヴァルグランを想像してみてください。あれの目つきを少しだけ悪くして、髪色を真っ白にして、流星のところを真っ黒にしてみてください。後おへその露出を無くしてください。
べ、別にこの設定を語りたいが為だけに明日投稿するつもりだったこの話をこの時間に投稿したわけじゃ無いからね!!?