シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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鳥を助けた、知り合いだった。

まぁまず今回のボス戦を経て分かったことが二つと分からないことが一つ出来た。

前者の二つは簡単だ、まず蛇と鮫土竜の時点でここまでの初見殺しやメタがあるというのならこれ以降のエリアボスでも似たり寄ったりなクソボスは存在しているであろうこと。

もう一つはオルトがアホほど強いってところか、俺が多少殴っていたとはいえ魔法二発でほぼ一撃圏内まで追い込めるのは強すぎる。非常に助かったのはそうなんだがどうもアクションゲームをしている気分にはならないな。というわけで暫くの間、少なくとも俺がオルトのレベルに近しくなるかそれ以上になるまではどうしてもという場面以外の戦闘は控えてもらおう。

そして分からなかったこと………いや、正確に言えば「何だ今の」現象を俺にプレゼントしてくれた【再構築】なる魔法だろう。こればかりはオルトに確認してみない限りさっぱり分からない。

 

「なぁ、オルト。さっきの【再構築】ってなんだ?」

 

「あれですか?何と言えばいいのか……マナに干渉して、元々の流れを捻じ曲げることによって環境を変化させる魔法、でしょうか。私が産まれた時から使える魔法なのですが魔力消費が凄まじくて使い勝手がいいと言えるものではありませんね」

 

「へぇ…………」

 

いやまぁそうだろうな、としか思わない。少なくとも俺なら悪い使い道が五つ六つ思い浮かぶくらいにはぶっ壊れた魔法だぞ?MPをドカ食いするくらいは欠点がないと。

 

「まぁいいや、気を取り直してサードレマに行くか」

 

「そうですね」

 

いやぁ、これで無事サードレマに行くことができるってもんだ。まぁもう問題ないだろう、今この瞬間突然上から『クハハハハ!!!』なんて笑いながら金ピカドラゴンが降りてこない限りは…………

 

「……………………」

 

「?どうしましたか?ビャッコさん」

 

「あぁいや、最近妙にクソゲー展開を強いられることが多かったからちょっとな。フラグっぽいことを考えてしまったな、と」

 

「はい?」

 

まぁまさかな?そんなホイホイ出てくるようなもんじゃないだろう、これでセカンディルに戻されるような事があれば俺は笑って中指を立ててこのゲームを封印して音ゲーに帰る。

 

「…………まぁ流石にそんなことあるわけないよな、さっさとサードレマに行くか」

 

「到着次第ラビッツに向かい本格的に訓練を始める、ということでよろしいでしょうか?」

 

「そういうことになるな」

 

レベリング……は、多分この首輪が付いている今あまり現実的ではないだろう。まぁ本当にどうしようもなくなれば先のエリアでレベリングすることも必要かもしれないが。

 

◇◇◇◇

サードレマの門にそろそろ着こうか、というタイミングでふと思い出した問題点をオルトに話す。

 

「なぁオルト、冷静に考えて上裸の狐面野郎と変身中のお前が一緒に居るって普通に考えてヤバいんじゃないのか?」

 

「それは……まぁ、否定できませんよね。それにビャッコさんは門前に立っていらっしゃる方々からも恐らく怖がられるので」

 

怖がられる……あっ、呪いの影響か。まぁまぁ、問題ないだろう。まさか「呪い持ちは出て行け!!」なんて事ないだろうし……無い、よね?多分。

 

「やばい、若干不安になってきた……」

 

「最悪私が交渉してみましょう、入れなかったらそれまでですし交渉中に変身が解けたら一巻の終わりですが」

 

「そんなリスキーな賭けはしたくないかなぁ……」

 

 

 

 

 

ファステイアは言わずもがな、セカンディルも殆どろくに見ることができなかったのでサードレマは楽しみにしていた所があった。門の先から見える活気に溢れた街並みはとても綺麗なんだろうな、遠くにいるはずなのに響く露天商たちのアピールは近づけばさぞかしうるさいんだろう、ただし彼らの熱意と活力にあてられてついうっかり物を買ってしまいそうな感じもするが。

 

セカンディルは平地に立つ小さな町、という感じだったがこちらは違う。「街」だな、中央に聳え立つ城を頂点とした丘……その斜面に家屋などが建てられているんだろう。

 

そんな景色をまともに楽しみたかったわけなんだが。

 

「どう思うオルト、あれはただの喧嘩に見えるか?」

 

「あれを喧嘩というには流石に殺意が高すぎますね、どう考えても殺しに来てます」

 

「だよなぁ…………」

 

 

目の前で大立ち回り決めてるプレイヤーがいるんだよなぁ……どう考えても片方はこの辺にくるような装備じゃない、間違いなく上位のプレイヤーだろう。

もう片方は…………ヤバいなすごい親近感を感じるぞ、まさかの()()()()だと??

 

「あれを見過ごすのは人として……というかどうにも他人事と思えねぇ…………」

 

つーかあの状態からしれっと門をくぐれる気もしない、間違いなく戦闘に巻き込まれる。

と、いう訳で。

 

「オルト、そこで待ってろ」

 

「はい?」

 

「すぅぅぅぅぅけだちするぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

今にも切り裂かれそうな鳥頭野郎の目の前に立ち塞がりレペルカウンター、マジで使い勝手がいいなこれ。

 

「は!!?誰お前!!?」

 

「え、君誰?」

 

やり合ってるのは、えーと……「サンラク」と「アーサー・ペンシルゴン」……ん?サンラク?ちょっと待て、アーサー・ペンシルゴンの方は知らんがお前の名前は聞き覚えがある、というか普通に知り合いじゃねぇか!!

 

「サンラクってお前まさか、あの「音響地獄」の………………!!?」

 

「そういうビャッコってお前、あの…………!!?」

 

わぁ驚いた、まさかのこんなところでちょっとどころじゃない知り合いに遭遇かぁ。

 

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