シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
俺にはあまりゲームを一緒にするフレンド、というものがいない。
いや、正確にはいるにはいるのだが音ゲーばかりをする訳ではない。と言えばいいか。
何せそのフレンド達はクソゲーばかりをプレイしているクソゲー馬鹿共であるからだ。…………そこで、俺の音ゲー(クソゲーに限る)フレンドにして時に中指を立て合う仲である親愛なるサンラク殿の事を語るのであれば外せぬクソゲーを先に紹介しておこうと思う。
そのゲームの名は「ロバリー・ミュージック」、音楽を奪われた世界を救うため「音騎士」となり他のプレイヤーと協力しつつ「
一見それはまともなゲームに見えた……見えたのだが、それはちゃーんとクソゲーだった。
まず大前提として曲の難易度がイカれている、という訳では無い。ただ…………そう、あまりにも襲いかかる音獣達が多すぎるのが問題なのだ。
例えば初心者音騎士がチュートリアルクエスト、「スライム狩り」を受けたとしようか。NPCの先輩音騎士は笑顔で送り出してくれる訳だ……「大丈夫、スライムなら数は少ないから」と。さて、音騎士君達は意気揚々と向かって行くだろうな。
次にその意気込みはあっという間に砕け散る羽目になるだろう……数十匹のスライムを見てな。
確かに「音」というものは世界中に存在するだろう、当然同時に数百、数千、下手をせずとも億……同時に響いているだろう。
それをモンスターで再現しようとするのが良くなかった、アホほど設定に忠実故に異常なほどにモンスターが湧いてくるのだ。
モンスターは曲……そして最大の「なぜこうしやがった」ポイントがある。即ち音獣が同時に襲いかかってくる……要は曲が重複するのだ。
冷静に考えてみてほしい、いくら最低難易度だとしても何重にも重なったノーツ、タイミングがずれた事で密度が上がったノーツが襲いかかってくるのだ、まともなプレイヤーなら数体目あたりで脳の処理がそもそも追いつかずに死ぬ。
さて、そこで問題である。「どうすれば出来るだけ少ないノーツ数にすることができますか?」……その問題の解はとても簡単だ、
出来るだけ少なくポップする事を祈る?馬鹿じゃないのか、そんな運に頼るくらいなら他人に押し付ければ良いのだ。
まともなMMOであればこれは俗に言う「モンスタートレイン」に当たるのであろうこれはこのゲームに限っては邪道ではなく正道となる。
だがしかしこれが最適解なのだ、攻略サイトですら「他人に押し付けてください」を大前提に据える程には。もっとハッキリ言えばこのゲームはモンスタートレインを笑顔で出来なければそもそも適正がないとも言える。さらに救いようが無いのは運営だ、意固地になったのかはたまた設定厨がいるのか「音獣のポップ率は絶対に変更しません」と言い切ってしまった。
その結果音が失われた世界は過疎り、崩壊の一途を辿り………………という流れだったはずなのだが、何故だかそうはならなかった。
大前提にモンスタートレインが必修科目となったゲームであり、ゲーム評価サイトが本当に紙一重でギリギリ星2の評価を下したものの「実際は星1です、円卓よりマシですが」と言い切り、その理由を誇張しまくって記述した為誘蛾灯に惹かれた円卓勢が「第二の世紀末」と呼称してこぞって飛び込んできたのだ。一応大前提として覚えてもらいたいのはこれは音ゲーだ、本来であれば全くの別ジャンルたる円卓勢が順応できるわけはないと思うだろうが音獣は元は単なる音……つまりはそれが曲になったとて、大して難しくは無いのだ、大量の音獣が襲いかかる事によって超難易度と化しただけで。
そんな訳で、押し付ければ押し付けるほどに難易度が下がる初心者()に優しい仕様と重度の廃人音ゲーマー達が噛み合った結果として「ロバリー・ミュージック」…………否、音が響き渡り地獄の様相を呈した通称「音響地獄」は今も食い合い食われ合いを続けている。
さて、話をサンラクに戻そう。この目の前に立っている鳥頭殿は新たに飛び込んできた新規の内、第二の世紀末とはどんなものかとやってくる所謂「
俺はあまり円卓上がりが好きではなかった……いや、正確には「ここ音ゲーなんですよ」と洗礼を叩きつけるのにハマるという少々性格の悪い事をしていた訳だがこの野郎はそれを回避、あまつさえ俺に押し付けてきやがった。
あれからなんだかんだ縁が続き、音ゲー(バカやクソに限る)をしたり向こうに誘われて時たまクソゲーをしたりもした。というかユナイト・ラウンズ……「世紀末円卓」にもお邪魔したりした。
そういえば他にもう2人いたはずなのだが、あいつらはどうしたのだろうか。
まぁ今はそれを気にするようなタイミングじゃないな、まずはこの状況から脱するに限る。
「おいおいサンラクどうした?露出趣味にでも目覚めたか?まぁ俺が言えた口じゃあんまり無いけどさぁ」
「おっま、ビャッコ……!!?シャンフロ始めてたのか……!!?」
「まぁそういうことだよ。というか状況説明してもらっていい?割と咄嗟に出てきたところあるからな」
「あれ鉛筆なんだけど、俺の隠してるユニークの情報を吐きやがれって言ってきやがった」
………………あれ鉛筆なの?なんでお前ら殺し合ってる訳?
鉛筆もクソゲーフレンド……というかユナイト・ラウンズを「世紀末円卓」に仕立て上げた張本人じゃねーか、んで俺が音響地獄で300体くらいのスライムをプレゼントしてやったやつじゃねーか。
「え、何?君、ビャッコ君?シャンフロ始めた感じかな?」
「いやまぁそうだけどさぁ……取り敢えず俺サードレマ行きたいだけだからさ、こいつ生贄に通らせてくんない?」
「邪魔した時点で無理かなー」
「おいおいサンラク信じられるか?あれが世紀末円卓に君臨した
「おいおいビャッコ、それを言ってやるなよ。というかキリングされたのエンプレスだし」
「「「あっはっはっはっはっはっ!!」」」
「それは禁句って言ってるでしょうがぁ!!」
僕たちは仲良しのフレンズなので煽り煽られは日常茶飯事!!…………さてオルトという時間制限がある以上、最悪