シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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耐久性は速度と比例しない

「無理だが?」

 

「あれはこっちの犬ころ共とはベクトルが違うな……」

 

「お前の方はまだマシだろサンラク、パターン的に」

 

「あ、やっぱり気づいてた?」

 

サンラクが6回リスポーンし、俺がたった今7回目のリスポーンを親切にも備え付けられた控え室で果たした後そう話し合う。

いや、まさか初手からあんな化け物とやり合う羽目になるとは思わなかった。あれじゃサンラクがもぐもぐされてる方がまだマシだ、数とレベルの暴力を叩きつけられるのがマシかと聞かれたら「さぁ?」と答えるしかないんだが。

 

「火力が足りない」

 

「それはそう、どう考えてもお前の場合一頭あたりの処理速度上げないと食いつかれて終わりだもんな」

 

「というわけであと少しでレベルアップだからちょっと経験値稼いでくる(死んでくる)

 

「いってらー」

 

まぁ経験値の為だ、潔くなんてことはないだろうが死んでこい。

 

「なんか流れるように死にに行くって言ってましたわ……?」

 

「おっ、正解だぞエムルちゃんや」

 

「えっ?」

 

サンラクがエントリー、犬ころどもが投入される。あ、一体倒した……ん?あぁあの様子だとちょっと足りなかったのかなあっ食べられた。

 

「はいレベルアップ」

 

「流れるように死んでましたわ!?」

 

「良い死に様だったぞ」

 

「死に様を肯定するんじゃないですわ!!?」

 

5分くらいでレベリングと行動確認を終わらせたであろうサンラクが再びリスポーンする。いやいやエムルちゃん、君たちNPCは知らないだろうからいちいち言わないでおくがこのシナリオ中の()()()()()においてデスペナはつかないんだ、いくらでも特攻できる。まぁアクセサリー効果と恐らくシナリオエネミーだからか何だか知らないが経験値アホほど少ないけどね!俺レベル上がる気しないよクソッタレ!

 

「…………っよし!見てろよエムル、ビャッコ。今からあのワンコロ共を倒してくる」

 

「ほわぁ、頑張ってですわ!」

 

「こういう時他人にカッコつけた方が引き締まるよなわかるよ」

 

「そういう事は言わんでよろしい」

 

はいはい、そうですねーっと。

取り敢えずサンラクの戦闘を流し見しつつ思考はあの金ピカ竜……名前は確か、ドラクラス・ペクニプロスだったか?との戦闘について巡らせる。

まぁまず間違いなくあれはフィジカルモンスターだ、今サンラクが叩きつけられているのが「郡」による暴力な訳だが俺の方は「個」に一点凝縮されたハイパー暴力、なまじ一撃でHPを全損まで持っていかれるから情報を得るにしてもまず最初の一撃を回避しなくてはならない……あ、サンラクが多分()()()を見つけたな。

 

「うーん、後方腕組みじゃなくて紛れ込んでるあたりにいやらしさを感じる」

 

おっと、今は自分のことを考えるか。まぁまずドラクラス・ペクニプロス……長い、ペクプロで良いや。ペクプロは肘?の部分からジェットエンジンを吹かすように加速、殴りかかってくる。そういや何回か挑戦してみて数回回避に成功した時少し減速したような……ちょっと待て、あれって本当にペクプロ自身が起こしてる加速なのか?

あれがペクプロ以外の何らかによる作用なのであれば……!

 

「攻略法思いついたかも」

 

「本当ですか?」

 

「勿論だオルト、だがまぁ検証が出来てない。数回は死ぬことを覚悟するかな」

 

「…………オルト、開拓者サン達はどうしてこうもみんなサクサク死ぬんですわ……?」

 

「エムル姉さん、あまり気にしない方が良いと思いますよ」

 

◇◇◇◇

サンラクがそこそこな時間をかけてせっせと犬ころ共を処理し切って2体目に出てきたなんか触手が生えた熊に殺された後、つまり今度は俺の攻略のお時間だ。

 

「キュルララララララララララララ」

 

「さてさて、お前の肘を見せてくれないか…?」

 

「キュルララララッ!!」

 

加速、一瞬で眼前まで迫り来る()を勘で回避する。よくよく考えてみればお前本当に爬虫類に分類されてるんだよな?よくそんなに器用に手の形をグーに出来るもんだ……!

 

「うぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

レペルカウンター起動、第二撃を弾いて……肘を確認、うわキッショ!何だそのワサワサしてるやつは!?…………蟲!!?

 

「ちょっえっキッぐへぁ」

 

3撃目は防げなかったので俺は胴体を思い切りぶん殴られて死んだ、なんかとんでもない音が最後に聞こえたんだけどもしかして内臓飛び出て弾け飛んだりしてない?

 

「はいただいま、攻略法多分見つけました」

 

「えっマジ?どう考えても無理ゲーな気がするんだが」

 

「いやあれさぁ……なんか肘に蟲だか何だかわかんないけどなんかすっげえワサワサしてるキモいのがいたんだよな」

 

「それが?」

 

「うーーん……何というか、ちょっと()()()()風に見えるんだよな」

 

そう、あの肘にいたワサワサしてるやつ……2撃目の加速は恐らくあいつが関与してるんだろうが、どうにも焦げてるというより熱量にそいつ自身が耐えきれてなさそうだったんだよな。

つまり俺の考えた攻略法は一つ、「ワサワサが焼け死ぬまでちょっと頑張ってみよう」である。

これを作戦と呼べるかは甚だ疑問だがやってみないことにはわからない。というわけでやってみよう!

 

「おっしゃ、じゃあ行ってくるわ!」

 

「骨は拾ってやるからなー」

 

「頑張ってですわ!」

 

「頑張ってください」

 

声援(一名は声援か怪しいが)を背中に受けつつコロッセオに降り立つ、ペクプロも続いて降臨と……

 

「よっしゃ見切ったぁ!」

 

まず第1撃を回避!続いて飛んでくる2撃目も回避!

そしてぇ……3撃目ぇ!

 

「…………さっきより、遅い!」

 

そう、さっき3撃目を喰らって思ったことがある。「あれやっぱりなんか遅くね?」と。いや初撃が馬鹿みたいに速かったからわかりにくいんだが本当に少し遅くなっている、何というかガソリンが尽きたとかそういうのではなく加速装置が不具合を起こしたかのような感じで。

たった今確信した、こいつは恐らく加速手段を蟲に一任してる癖に蟲自体はその加速に耐えきれていない。いや多少は耐えられているのかもしれないが完全耐性とまではいかないんだろう、現に拳を繰り出すたびにその速度が低下していってる。

 

「キュ、キュルラララララ……?」

 

「エンストかな?随分と早いっすねぇ!」

 

とうとう拳が加速しなくなった事にペクプロが疑問の鳴き声を上げる。タネが分かれば時間経過で弱体化するクソ雑魚じゃねーか!

 

 

 

 

なおクソ雑魚と言っても普通に俺とのステータス差が開きまくってるので倒し切るのに死ぬほど時間がかかった。致命の包丁がまともに通るのが関節部位だけってどうなってるんだ!

 

 

「おっしゃ、倒し切ったぞ……!」

 

「おっ、倒せたか」

 

「お疲れ様ですわ!」

 

「お疲れ様ですビャッコさん、では2体目を出しますね」

 

「次はこう、もっと手心があると嬉しいなぁ」

 

「大丈夫です、今度はちゃんと手心がありますので」

 

「へぇ、なんかあんまり信用できないけど一応期待しとこうか、な……?」

 

 

 

 

2体目、なんか……なんだ?前脚が刀か何かのように片刃で死ぬほど鋭利な刃物と化した猿……レピーバモンキー。

 

「なぁオルト、手心があるってなに?」

 

「手(刀)心がありますね」

 

とんちか何か?クソが!何か知らんがぶっ殺してや……!

 

首を落とされて死んだ。




ペクプロ君の攻略法方
・ビャッコがやった通り回避を続けてガス欠したところを叩く
・噴出口を詰まらせて肘を爆発させて自傷ダメージを狙う。

そもそもペクプロ君が何故樹海で中堅枠かと言いますと最初の一撃で仕留められなかった場合基本的におやつにされるからです。一撃で仕留められるやつにはとことん怖がられるけど仕留められないやつからすればそこそこ食べがいのあるやつにしか見えないっていう
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