シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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爆裂土下座ストリーム


刹那、されど永き時の墓守に終止符を望む 其の六

  「真化」とは

極めて優れた名匠ともなれば、ただ優れた武器を製作するだけではない。ただより優れた武器に強化するだけでもない。武器に宿る()()を読み取り、より相応しい形へと……即ち「真なる姿」へと変える技術である。

 

何やら公用語と広島弁がごっちゃになった……包み隠さず言うならば「なんちゃって広島弁」を扱うビィラックの言葉を超簡単に表すと大体がそういうことらしい。

 

「ヴォーパル……「致命(ヴォーパル)」を冠する武器は、強者への挑戦をこそ記憶するけん。ワリャが今まで戦こうてきた記憶と、ワリャがオヤジに渡した強者のカケラを混ぜぇその形を変えるんじゃ」

 

「ふぅん……」

 

「なるほどねぇ……」

 

ヴァッシュが金槌を俺の致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)に叩きつけていく度に火花と魔法陣が浮かび上がり、吸い込まれていく。そしてまた火花と共に魔法陣が浮かび上がりまた吸い込まれていく。その繰り返しの最中だった。

 

「……い夜空に……の炎……」

 

「え?なん……おぐふぅ?!」

 

「サンラクサン!静かにす……きゃひう!?」

 

「うわぁ……(小声)」

 

「黙っておいて良かったですね(小声)」

 

何か言葉を発そうとしたサンラク、大方「え?なんて言ったの?」とでも言いたかったんだろうが脛に兎の脚力でローキックを喰らったことで強制的に中断されていた。

下手人の方を思わず振り向けば、そこには兎というウサギ目ウサギ科の植物食という草食系生物であるにもかかわらず、肉食獣……それもライオンもかくやと言った威圧を放つビィラックの姿が。

 頭を抑えて無言の悶絶をするエムルを背景に、肉食獣じみた……というか本当に肉食獣のような威圧感を漂わせながらビィラックはただ一言こう言った。

 

「謹聴」

 

「いや、おまえ……」

 

謹聴(謹んで聞け)

 

「「……はい」」

 

漫才じみた一連の流れを見届けたあとヴァッシュに視線を戻す。サンラクとエムル(騒音発生機)が黙ったことで聞き取りづらかったヴァッシュの声が聞き取りやすくなった。

 

 

 

 

 

「昏い夜空に、炉の炎。

 

火花は生まれ、闇が舐め取る。

 

踊る金槌、歌う鉄。

 

トンカラカンと、コンキンカン。

 

お前は刃、お前は力。

 

土より出でて、木を焚べ、火を育み、金を鍛えて、水にて冷やす。

 

世界は巡り、しかして停滞(とま)る。

 

金より鉄を、鉄より鋼を、鋼より刃を、刃より剣を。

 

明ける夜空に、剣の輝き。

 

光を映し、闇を切り裂く。

 

踊る剣に、歌えや世界…………」

 

 

 

…………音ゲーがしたくなる唄をどうもありがとう。しかも唄の長さがどう考えてもアニメのオープニングぐらいのサイズなんだよね、開発陣さん狙いましたか?ただまぁこれで感銘を受けて大粒の涙をボッタボッタと落とすビィラックもどうかと思う。お前の情緒の方がよっぽどジェットコースターしてるよ。

 

「…………で、オルト。解説頼めない?(小声)」

 

「あれは父上の「鉄打ち唄」です、ビィラック姉さんはあの唄がとても好きで……(小声)」

 

AtoZのネームド兎全ての好感度管理とかいう正気の沙汰ではないことが頭に過った。いやまさかそんな、あるわけないでしょ……?ギャルゲーはしたことないがその脅威だけはサンラクから伝え聞いた、12人でも間違いなく大変なのに26+1=27方美人はキツいものがある。

なんでもBGMのどのタイミングで話しかければ良いかなどの綿密なチャートを組む必要があり、それをミスると好感度がドミノ倒しの様に連鎖しながら落ちていくらしい、RTAかな?

 

公式SNSが派手に炎上したのは目に留まった、何せ返金騒ぎにまでなったからな。にしてもピザに関連する事柄が来たら確定でバッドエンド突入、攻略対象の全員がピザ作りの修行のためにイタリア留学か…………一体イタリアの学園にどんだけ太い繋がりがあるんだか。

 

「おうビャッコ、できたぁぜ」

 

「あ、はい。ありがとうございます師匠(せんせい)

 

脳内でサンラクの死んだ目をしながら語っていた情景を思い出していたがそれを目の前の情報が更新しにきたのでヴァッシュの方へ向き直る。

 

「そうだぁな……致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)はここに真なる名ぁと姿を得た。その名も覇兎【赫竜】と覇兎【金龍】だ」

 

◇◇◇◇

 

 

「…………これ、は……!」

 

「オヤジぃ?!!そ、その武器は……!」

 

「おいおいおい、なんだそりゃ……!?」

 

「な、なんか凄い威圧感ですわ!?」

 

「こ、これは……っ!」

 

ヴァッシュ以外の誰しもが俺に渡された武器に驚きや畏れの反応を示す。

 

調理器具を調理用途でなく敵を解体するというホラー感は一体何処へ行ったのか、ヴァッシュが俺に手渡したそれは完全に調理器具としての形を辞め()()としてその姿を変えていた。

食材を切ることに適していた刃の形状は完全に敵を斬ることに特化した形へと変化していた。そして何より……

 

「何だ、この()は……?」

 

そう、二振りからとんでもない圧を感じるのだ。しかも一振りずつ圧の感じが違う。【赫竜】の方は恐らくドゥーレッドバルカン、だがこちらの【金龍】はまさか……?

 

「武器としての形ごと変わっちまうのは久しぶりだぁが…………そいつらじゃ不思議じゃあねぇなぁ。ドゥーレッドバルカンに()()()()()()……あいつらの素材を使ってるんだからぁよう」

 

「…………はぁ!?」

 

ジークヴルムだと?何故……!?

 

「ドゥーレッドバルカンだけじゃあなぁ、あれは暴れすぎる。どうにか抑えつけなきゃあなぁ……だぁが、お前さんじゃまだちと荷が重い。だからこいつ(ジークヴルム)を使うんだぁよ。いいかビャッコ、こいつらぁ二振りで一つの刃になる……「双刃刀」ってやつよ」

 

「双刃刀……」

 

ジークヴルムの素材を使ってることはもう記憶から消し去っておこう、とにもかくにも双刃刀……少なくとも俺の攻略度合いじゃ聞いたことのない武器種だな。

 

「ビャッコさんが以前見ていた刀が双刃刀です、が……これは明らかにビャッコさんの手には……」

 

「いや、流石に分かるよオルト。これはどう考えても俺の手に余る…………少なくとも今の俺じゃ絶対に扱えない武器だ」

 

アイテムウィンドウを表示して詳細を確認する……………やっぱりだ。

 

 

 

 

 

覇兎【赫竜】

双刃刀

抑えつけられし竜の名。かの却火の竜の頭部を模した刃を持つ剣。致命兎の魔法が込められたそれは、臙脂色の溶岩に未だ眠っている。

 

・自身よりレベルの高い相手と戦闘する場合、クリティカル攻撃に成功するとHPとVITが減りAGIとSTRが上昇する。

・一定回数クリティカル攻撃を当てる事で【赫竜解放状態】へと移行する。

・必要ステータス「STR90」「AGI100」「DEX60」「TEC65」

 

 

 

覇兎【金龍】

双刃刀

抑えつけし龍王の名。かの龍王の翼の一枚を模した刃を持つ剣。致命兎の魔法が込められたそれは、未だ輝ける天空(玉座)にて鎮座している。

 

・自身よりレベルの高い相手と戦闘する場合、クリティカル攻撃に成功するとHPが回復する。

・一定回数クリティカル攻撃を当てると【金龍解放状態】へと移行する。

・【金龍解放状態】へ移行した瞬間から『龍法律(ノトーリアス):天覇(バスター)』が発動し「B.I.G」値による裁定が相手に課され、基準値より下の場合ステータスが低下、上の場合上昇される。

・【金龍解放状態】時、覇兎【赫竜】が【赫竜解放状態】である時「双刃化」が可能。

・必要ステータス「STR90」「AGI100」「DEX60」「TEC65」

 

 

 

 

 

やっぱりな。…………まぁ落ち着け、世界でまだ誰も解いたことのない様な数式を解けなんて言われてるわけじゃないさ。単純な算数の問題なんだ。必要ステータスの合算値が320で、今の俺の該当ステータスの合計が235。1レベル上がる毎に5ポイントだから5で割ることの17…ん?17?…………今の俺のレベルが35だから……レベル52から装備可能?

 

 

 

『墓守のウェザエモンは戦闘開始と同時に「自身を除く戦闘エリア内の全てのキャラクターのレベルを上限50にする」スキルを発動するため、全プレイヤーはステータスが大幅に下がった状態での戦闘を余儀なくされる。

これはレベルが下がるのと同時に「レベル51から99までの間に割り振ったステータスポイント」が戦闘の間は消失するためである。

検証の結果、NPCにもこの効果は適用されるため、高レベルNPCで固める戦法も無意味と判断せざるを得ない。』

 

 

「レベル51から99までの間に割り振ったステータスポイント」が戦闘の間は消失する。

 

 

 

えっ???

 




ジークヴルム素材の経緯?マブが素材貰うなんて当たり前だろ(原作の蠍と鳥頭感、まだこっちの方が平和的でしょ)。
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