シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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爆裂土下座ストリーム(2回目)


刹那、されど永き時の墓守に終止符を望む 其の七

「あばばばっばばば……」

 

「いや、もう元気出せよお前……」

 

ばっかやろう、お前はまだレベル50にさえなれば装備出来るじゃねぇか。俺なんて見てみろ、実質ウェザエモン戦で覇兎【赫竜】と覇兎【金龍】が使えないって宣告された様なものなんだぞ。

 

そんなふうに呪詛を頭の中で思い浮かべつつやって来たるはサードレマ。俺は化かしの枝葉であっさり脱出できたから特に思うことはないがサンラクの方はそこそこ大立ち回りの末の脱出らしい。苦心して抜け出てきたサードレマに帰ってきたこいつの心中や如何に。

まぁカッツォがシャンフロを始めたばかりでやっとこさサードレマに到達したことが今回サードレマが集合場所になった理由なのだから仕方ない部分はあるだろう。サードレマで再び白い布の未確認物体が現れても面倒なのでサンラクに化かしの枝葉を一枚渡してサクサク移動し今現在、俺達はサードレマの裏通り……まぁ、あんまりプレイヤー達が立ち入らない様な立地にひっそりと開店しているペンシルゴンイチオシのカフェ「蛇の林檎」の中でもうニッッコニコの笑顔を浮かべたペンシルゴンに出迎えられた。

 

「さてリアルじゃ間違いなく110番待ったなしのサンラク君にビャッコ君。その変態的ファッションもさることながら三時間近く待ち合わせをすっぽ抜かした事について何か言い残すことは?」

 

「「こっちのユニークでウェザエモンについての言及が」」

 

「よし許す」

 

解決したな。いやー、こう言われることを予想して何を言っておくか決めておいてよかったなサンラク。……まぁ?本当の所は別で色々と作業をお互いしていたのもあるが。そこまで掘り返すと面倒なのでユニークシナリオ関連で一括説明だ。

 

「いいなーユニークいいなー」

 

「やーい羨ましかろう……おいバカフォークはやめろフォークは!」

 

何やってんだ、明らかに喉狙う気だろお前。振り上げられたフォークに警戒を示すサンラクを眺めた後ちらっとカッツォの方を見て……ん?オイカッツオ?

 

「ん…………あー、追い鰹ってこと?」

 

「あぁうん。シャンフロの垢はこれだよ」

 

相も変わらずクソほどしょーもないネーミングセンスなことで。そもそも鰹の時点で「魚」「臣」「慧(圣)」な時点でしょーもないか。

 

「お前らが俺のプレイヤーネーム聞いて数秒くらい考え込む時は大抵「つまらんシャレだなぁ」とか考えてるんだろう?」

 

「ははは、何を馬鹿な」

 

「そうだよ、そんな訳ないよ」

 

「はいはい漫才はそこまでそこまで、とりあえずカッツォ君はそれ完食、サンラク君とビャッコ君は情報を吐いてね」

 

しばしカッツォがケーキに齧り付き俺とサンラクが情報をゲロるだけなのでイベントシーンはスキップ。

 

◇◇◇◇

 

「……と、まぁ直接攻略に役立ちそうなもんでもないが、「死に損ない」と形容されるってことは生きてたけど死んでるような状態、アンデット系のモンスターなんじゃないかってだけだ」

 

「…………そうだね、確かに思い返してみれば戦闘開始時は動きが硬かった。そうか、てっきりサイボーグ系とばかり思っていたけどアンデットなら納得できる点が……」

 

ん?考察くらいにしか使えないと思ってた情報思ってたより重要だったり?ペンシルゴンが熟考の体勢に入っていく。数分すれば思考の海から浮上してきたのかパッと顔を上げて俺とカッツォとサンラクを見てきた。

 

「私ちょっと用事ができたから夜まで別行動かも」

 

「まぁそれは構わないけど、じゃあ今日はどうするわけ?」

 

「とりあえずこれを渡しておくから、夜まで「神代の鐵遺跡」でレベリングしてて」

 

「…………んん?何だこれ……釣り竿?」

 

手渡されたのは地図と釣り竿、しくもフレーバーテキストを確認する限りマジでただの釣り竿だ。これで何をするというのか。

話を聞こうとすればもう既に店を出る気の様で席を立ち上がり足早に出口へ向かっていってしまっている。

 

「行けば分かるから! じゃあまた夜にここで!」

 

「行っちゃったな」

 

「せやな」

 

「…………マジで何するんだこれで」

 

まぁこれ以上いても仕方ない、そういう形で意見が合致したので店を出てサンラクに化かしの枝葉を一枚放ってはいドロン、堂々と表通りを歩き始める。

いやぁ、マジで素晴らしいアイテムだよこれ。だんだんサードレマにも人が増えてきているというのにこれがあるお陰で俺やサンラクがバレる心配がゼロだ。あっさりサードレマを出て、千紫万紅の樹海窟へと続く道とは別の、森の中に申し訳程度に作られた細道を俺達は進む。

 

「ふーん、どう見てもただの釣り竿なんだけど……?なぁオルト、この先で釣り竿なんて使う所あるのか?」

 

「私の記憶ではそんな所は無かったかと……」

 

「エムルは?」

 

「知らないですわサンラクサン」

 

「…………んぇ?誰今の声」

 

あぁ、そういえばカッツォは知らなかったな。

 

「オルト、そろそろ毛皮由来のマントなんて面白い宴会芸やめな」

 

「失礼ですね、これはディアレ姉さん直伝の緊急隠密技で……」

 

「うぉおマントが喋ったぁ!?」

 

「エムルもやめとけその「毛皮由来のマフラー」のふりは」

 

「失礼ですわ!!」

 

「うぇえこっちもぉ!?」

 

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