シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
「くっっそ…………頂は遠かったな……」
「何がですか?」
「あぁいや気にしなくて良いよ。それでここが例の?」
「はい、ここがラビッツにおける
60…いや70ちょいか?ともかく、6、70戦挑みかかって結局ボコボコにされてからゲームをログアウト&ログインし現在俺はラビッツにいた。オルトに頼んで俺はとうとうシャングリラ・フロンティアにおけるスキル関連の施設を訪れたわけだ。いやまぁ最初から蛮族みたいなプレイしてなければこんなことにもならなかったんだけどな……まぁ、というのにも理由がある。レベリングを行った結果自分でもちょっと把握するのが面倒なくらいには大量のスキルを習得してしまいスキルの取捨選択と強化の必要性が増大してしまったのだ。ポイント振りの結果として現在のステータスはこんな感じになっている。
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PN:ビャッコ
LV:56(20)
JOB:戦士(二刀流使い)
98,600マーニ
HP(体力):30
MP(魔力):10
STM (スタミナ):60
STR(筋力):90
DEX(器用):60
AGI(敏捷):100
TEC(技量):65
VIT(耐久力):5
LUC(幸運):74
スキル
・スピンスラッシュ→大外斬狩り
・スラッシュラッシュ→斬波練気鉄
・ナックルスラッシュ→選択可能
・ジャンプレッグLv.MAX
・ロターテムーブ→ドリフティングフット
・レペルカウンター→パリングプロテクト
・クライムエッジ→
・アクセルLv.MAX
・一艘跳び→七艘跳び
・クイックムーブ→クイックターン
・ディアステップLv.5
・水斬狩りLv.8
・辻斬りLv.3
・オプレッションキックLv.2
・黒衣武装【戦角】
・ベストステップ
・バルカン・ザ・スピリットLv.4
・アンブレイカブルLv.4
・ロングランLv.5
・ネイキッドセンスLv.8
・
装備
左右:戦角武刀【黒染矛双】
頭:ジークヴルムの呪い
胴:ジークヴルムの呪い
腰: 戦士のベルト(VIT+2)
足:戦士のズボン(VIT+3)
アクセサリー:ウカの狐面
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「うーーん、致し方ないとはいえ戦士と呼べるか疑問な程の紙装甲」
紙とすら呼ばないなこれは。ティッシュ……それも超薄いやつ並みの脆さと言っても過言ではない。装備を本当に初期装備から一切新調していないことを加味しても一切振ることがなかったのでVITが圧巻の一桁だ。
まぁ上が
「ごたついてるし、そりゃ整理整頓用の施設なんてあってもおかしくないよなぁ……何で気づかなかったんだろ」
スキルが多いということはなんら悪いことではないんだ、取れる選択肢が多くなるという見方もできるしな。ただ何十個もスキルがあるとなれば把握することが難しくなり判断ミスにだって繋がるだろう。ということならば不必要な枝をぶった切って本筋を太くする剪定が必要で、その施設があることも何ら不思議ではないということだ……何が言いたいかって?それに気づくことのなかった過去の俺をぶん殴りたいんだよ。
「城下町にもあるのですがこちらの方が品揃えはいいですね……剪定士の腕も確かです。これは他言無用でお願いしますね」
「腕前とかあるんだ……良いじゃん、そういう格差好きだよ俺は」
そんな会話をしつつ俺とオルトは兎御殿内に用意された特技剪定所を訪れた。
「いらっしゃあーい、あらぁオルトと狐面の人じゃなぁい」
「その狐面の人に関して俺は一切の反応を示さないからな?」
「もう示してるじゃないですか……」
いやだってさ、兎に会う度に言われてるんだぞ……?本格的にアクセサリー変えられなくなってきた。間延びした口調の……なんというか、「おねーさん感」強めの兎が俺達2人を出迎える。耳がロップイヤーなので少しオルトに似た印象を抱かせるがどちらかといえばエムルちゃんに近い気がする。
「エルク姉さんです。ビャッコさん、エルク姉さんはエムル姉さんともう1人の姉さん……三つ子の一番上なんですよ」
「あ、そうなんだ……」
「よろしくねぇ」
はーー、ただただ上から順番ってわけでもないのね。三つ子とか双子とかもいるのか……かがみこんでオルトとエムルちゃんの姉、
「ここでスキルの合体ができるって聞いたんだけど、あってる?」
「ええーそうよぉ、ワタシぃそういうの得意だからぁ、お父さんにぃ言われてぇ私が担当しているのぉ。さっき鳥の人も来たわよぉ」
「そうなのかぁ」
「ビャッコさん、話し方が移ってますよ」
おやいけないいけない。
「んじゃま、早速頼むわ」
「はいはぁい、じゃあどのスキルを繋ぐか教えてねぇ」
エルクがそう言うのとほぼ同時に俺の目の前にウィンドウが表示される。見れば今俺が習得しているスキルが一覧として表示されているらしい。その中から2つを選ぶことでどのようなスキルが作れるかを事前に確認することも可能、と……
良かった、何ができるかわからないランダム要素的なものじゃないらしい。うーんと、これとこれでこうなって……こいつとこれでこうなるのか……
「ああそうだぁ、スキルはレベルが高いもの同士で組み合わせた方がぁ、より良いスキルになるわぁ」
「それ言われると全部レベルMAXにしたくなるなぁ……」
まぁ時間的な問題で難しいし今回は諦める他ないだろう。
「ま、こんなものよな」
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PN:ビャッコ
LV:56(20)
JOB:戦士(二刀流使い)
98,600マーニ
HP(体力):30
MP(魔力):10
STM (スタミナ):60
STR(筋力):90
DEX(器用):60
AGI(敏捷):100
TEC(技量):65
VIT(耐久力):5
LUC(幸運):74
スキル
・
・ブレイブナックル
・マッハレッグLv.1
・ドリフティングフット
・パリングプロテクト
・
・
・七艘跳び
・アサシンピアスLv.1
・オプレッションキックLv.2
・黒衣武装【戦角】
・ベストステップ
・
・オフロードLv.1
装備
左右:戦角武刀【黒染矛双】
頭:ジークヴルムの呪い
胴:ジークヴルムの呪い
腰: 戦士のベルト(VIT+2)
足:戦士のズボン(VIT+3)
アクセサリー:ウカの狐面
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よし、なかなか上手い具合に整理できたと思う。初めて使ってみた感想としては単純な足し算でスキルが作られるのではなくステータスやレベル、下手すれば出身なんかも参照してスキルが決定されてるような気がする。どうも野生的なスキルが多かったんだよな……なんというか、以前チラッと見に行った攻略サイトが重くなるわけだ。検証班殺しも良いところだろこれは。
「まぁ細かい効果は実践で確認しとけば良いとして……大雑把に効果確認していこうかな」
ブレイブナックル、なんかよくわからんが確かナックルスラッシュが単体で進化した結果何故か格闘スキルになった。どうも接近戦の時間が長いほどに与えるダメージ量が増大するらしい。インファイトするような時があればの話だがなかなか有用と言える。
アサシンピアス、相手が見てない時つまりヘイトを向けてない時に発動すると火力が上がる刺突スキル、以上。
オプレッションキックはサンラクと2人して鰻やらロブスターやらをダウン時に蹴りまくってたら習得した。どうも行動不能、状態異常時に発動すると火力が上がるらしい。……使い道あるのかさっぱり不明だが組み合わせるにあたりなかなか良いスキルが見当たらなかったので保留。
ベストステップ、オルトやエムルちゃんも使っていたスキルだな。不安定な足場でも一回限りだが確実に完璧なジャンプを成功させるらしいが……うーん悪巧みできそうだ。
オフロード、足場が不安定な場所でも平地のように動き回れるスキル。泥堀りの頭やらジークヴルムの体やらを駆け回っていたからこそ習得できたスキル感が否めない。レベル×10秒の持続時間ってとこが良いね、初期から10秒も走れる。
「ここからが問題児共なんだよなぁ……」
まず一つ目、黒衣武装【戦角】。こいつなんか戦角武刀を振り回してたら習得してたんだが……発動してみてわかった、これダメなやつだと。
冷静に考えてみてSTRとVITを参照して出てくる自動パリィ(完全自動、なんかクワッドビートルの角的なやつが突然にゅっと生えてきた)するスキルはイカれてるだろう。どうにもならない時にこのスキルを発動するだけで割とどうにかなってしまう。クールタイムも短めではっきりいって連結もクソもなかった。
二つ目、
天覇なんて名前がついてる時点で割と複雑な感情を抱くわけだがいかんせん効果が強い。「戦闘が長引き、自身の体力が少ないほどSTR、STM、AGIにバフが付与されるが、代償としてVIT、TEC、LUCが減少される」とのことだ。うーん長期決戦仕様。にしても天覇……何故俺の因縁をネチネチと抉ってくるんだこいつは。
最後三つ目、
「これもこれで
いやまぁ過去は捨ておこう。なんだかんだあの
結果としてはなかなかどうして現時点で揃えられそうなスキルとして高水準じゃないかな、すごいねここ!こんなに便利なとこを今の今まで知りもしなかった大馬鹿がいるそうですよいやぁ誰なんでしょうかねぇ!?あっ、サンラクかぁ!!!
「時にビャッコさぁん?」
「おぉわぁぁ?」
お、悪寒がする。いやまぁ特に不快感というかそういう類のものではなく、ウィスパーボイス……とでも形容するべきエルクの声に不意打ちを喰らったのが原因だな。
なんだなんだとステータスウィンドウから視線を外して下を見下ろせばオルトのキリッとした顔からは程遠いふにゃけた笑顔に似た表情をしたエルクが、何か知らんがメモ帳サイズの小さな本……いやあれ帳簿じゃね?持って……あ、これあれだ。コンビニとかでよく見る営業スマイル……
「ラビッツでしか取り扱っていないスキルの秘伝書とかぁ、いかがですかぁ? オルトのお気に入りってことでぇ、お安くしておきますよぉ〜?」
「ビャッコさん運がいいですね。エルク姉さんは基本的に超がつくほどの銭ゲ……」
ゴンッ!!ガッ、ゴンッ!!
「ばっ!!?」
「お安くしておきますよぉ〜?」
状態異常「頭にたんこぶ」(3つ)なオルトに合掌。お前が何を言おうとしたのかは確実に理解したからな……
と、それはともかく安売りだと?日本人はそういう言葉に弱いんだぞお前……ちょっと品揃えだけ見ても良いかなぁ?
「どれどれ……」
・致命剣術【半月断ち】 50,000マーニ
・致命刃術【水鏡の月】80,000マーニ(売り切れ)
・致命槍術【月光突き】70,000マーニ
・致命柔術【三日月巴】90,000マーニ
エトセトラエトセトラ………
「いや買えないことはないけどどれもこれも高いな……ん?なんかもう1個売り切れてない?」
「あぁ、それはぁ……さっきの鳥の人が買っていったわぁ」
…………恐らくこの眼力に屈したであろうサンラクに静かに合掌を捧げた。