シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
メインサーバー「リヴァイアサン」へアクセス、プレイヤー:サンラク、及びビャッコのログデータを参照。
隠しパラメータ「歴戦値」を計測、現時点でのレベルにおける基準値を大幅に満たすモンスターデータをロード。
現在サンラクとビャッコを迎撃する墓守のウェザエモンではない「
───これまでの戦闘リザルトを計測
───平均値を上回るスコアを算出
───
───MS1申請……認可
───MS2申請……認可
───MS3申請……認可
───SS1.2.3.4.6.7……決議申請
───可、可、可、否、可、可
───結論、「晴天」ロックの限定解除を実行
調律の神が世界の
その内の2つが今、人知れず緩み外れた。
己が誓いを踏み躙る
しかと見よ。此れが真なる「
◇◇◇◇
「行くぞビャッコォ!インスタント「盾・台・跳」式天誅ゥゥゥゥ!」
「任せろこの野郎!」
サンラクが吠える、俺が応える。本来であれば誰かを盾に奇襲をかけ、前の1人が刺されることを前提に2人目が追加の奇襲をかける……ことを更に予知した上で1人目を踏み台とし奇襲をかけられた3人目が2人目に対し上空奇襲式天誅を叩き込む技術ではあるのだが今回においてはそれを実行することが非常に難しいのでインスタント……研究が進んだことにより2人目が3人目を迎撃するルートを辿るインスタント「盾・台・跳」式天誅を採用した。
俺の後ろをサンラクが追走する、当然ウェザエモンが俺を迎撃する為に断風を放ってくる訳だが……残念、避けられるんだなぁこれが。
首を狙った一撃を伏せることで避け踏み台として良い感じになった俺の背中をサンラクが踏み抜き墓守のウェザエモンへ攻撃したところをウェザエモンがそれを迎撃する。
「自立型の台なんだなぁこれがぁ!!」
全てのヘイトがサンラクに向けられたタイミングで素早く体勢を立て直しアサシンピアスを発動、紅に染まった刃を装甲の間に捩じ込む。
クリティカルを示すエフェクトが示され、焔を彷彿とさせる刃紋がグツグツと煮え滾るマグマの様に更に緋く輝き、その次の瞬間俺のHPが削れていく。削られた
「おっし、【赫竜解放状態】突入……!」
ただ一つ文句を付けるとするならば【赫竜解放状態】に対した追加効果が無いことだろうか?まぁこの状態にならないと話にならないだろうから我慢するとしよう。
「体力少なめ、死にかけの火は燃え上がるもんだろ……!
体力は一桁一歩手前、レベル差は気にする必要なし。これならぶっ飛んだ出力を出すことができる。効果時間はそれなりに長めの5分となっているが……正直な話。
(こんだけ暴れ散らかしてる化け物が時間終了で大人しくくたばるとは到底思えない)
もっかい全体攻撃?断風を超える更なる超速フレームの即死技?もしくはそれらのどれにも属さない全く未知の攻撃か?少なからずこいつが大人しく時間終了でハイ終了と白旗を上げるとは思えない。蒼炎を纏った刀身が虚空に蒼い軌跡を描きながら振るってくる即死の5連撃を勘で回避しきり、振り下ろされた最後の一太刀を受け止め――――――
「ゔるぇっ?」
た瞬間に凄まじい速度で【金龍】と【赫竜】が地面に叩き伏せられた。…………不味い、何か分からんが俺の五感が全力で叫んでいる。即ち、阻止しろと。
「
「ううううううううううっ!!?」
ウェザエモンが大太刀を使って【金龍】と【赫竜】を押さえつけ、地面にめり込んだと認識しただろう瞬間に脚を振り上げる。そして振り上げた脚を両の刀が交差している一ヶ所に向かって振り下ろし全体重をかけた刹那。
ドゴン、と少なくとも刀から出てはいけない音が【金龍】と【赫竜】から放たれた。この動き、武器破壊の――――耐久値――――待って信じられないほどゴリゴリ削れてる!武器破壊技なんて搭載してんの!!?
このままじゃ確実に刀身がへし折れる、どうする?どうする――――こう、する!!
「ブレイブナックルゥゥゥゥッッ!!」
刀から手を離し、押さえつけている脚を全力で殴りつける。くっっっそ駄目か!?いや落ち着け、こうすれば良いんだ!
「力比べしようぜぇぇぇぇぇぇぇ!!」
黒衣武装【戦角】発動、ウェザエモンに向かってショルダータックルを敢行する。普通なら絶対に押し負けるだろうが……本来であればパリィに運用されるこのスキル、物体を
「そこをどけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「…………ッ!」
ウェザエモンの体躯がぐらりと揺らぐ、ほんの少し浮いたその隙を見逃さず刀を蹴り飛ばし開放する。
駄目押しにサンラクが何やら格闘系スキルを繰り出したのを確認し刀を二振りともきちんと回収する。
「てっめぇ……!よくも刀を折ろうとしやがって……!仮にも武士っぽい見た目なんだから武士道見せろよ!」
刀は武士の魂だぞお前!
「アンデッドだかサイボーグだろうが知ったこっちゃねぇ、刀へし折ろうとしたお礼参りだこの野郎自壊すら待たずに斬り殺してやんよテメェ……!」
「…………ァ、」
「!!?」
……謝罪の言葉か?いやまぁ流石に違うか。
ただ立ち尽くし、静かにその手に握りしめた大太刀を持ち直す墓守のウェザエモン。この野郎が「声」を発することは確かにこの戦闘中何度かあった。技名だったり騏驎の召喚だったりにな。だがこれは違う。明らかに明確な意思を持って発せられた言葉だ。
「……ァ、リス。………………ヴァイ、スアッ……シュ……?」
「なんだって?」
何故ここでヴァッシュが出てくるんだ……?
「そ、の、断片……アリス、は……紡が、れた、か。しかし、て、も、う一方の断片は……」
それはユニークモンスターという括りに入れられたモンスター、「墓守のウェザエモン」としてのものでは恐らく無いのだろう。これは……「シャングリラ・フロンティア」という
「アリス……?」
「……誰のことだ一体」
「悠久は、果てな、く……我が身、朽ち果、て、彼ら、の……行く、末、見ざれ、ど……確かに、「フロンティア」は、為され、成さ、れた……」
「おいおいおい、この盤面で
「ちょっと勘弁してくれ……!」
墓守のウェザエモン、お前を攻略することに全神経を向けている今の俺の脳みそが考察にまで脳のリソースを割けると本気で思ってんのか?少なからずペンシルゴンの読みは当たっていたが、多分これは俺の読みも当たっている。絶対に何かが起こる。この会話イベントが終わった直後に。間違いなく!
「行くぞ……「
ぞくり、背筋に電流が走る感覚。この感覚を体験するのはこのゲームでは2度目だな……天覇のジークヴルム、奴と相対した時以来だ。
即ち、「死ぬ」と。
「ははっ、やっば」
次の瞬間、俺達は墓守のウェザエモンという……神代における最強の英雄の本気を身を以て体感させられることとなる。
Q.斉天と晴天って何が違うの?
A.晴れるだけの
大波を砕き割るくらい強く踏み込む…要は踏ん張り技。火砕龍は本当に火砕流を耐える形で刀を突き刺し踏ん張るけどこっちは蹴りに近いスタンスだから攻めよりの守りに入る技。けど踏み込みで持続的に物体の耐久値を削り取るなんてことはウェザエモン以外不可能。