シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
短いです。
「………へぇ。インベントリアの中に入るのは初めてだったから知らなかったな、こんな風になってたのか」
スキルリキャストが上がるまで少し時間が空くので初めて訪れたこの奇妙な空間をしげしげと眺め回す。
ふと上を見上げればオイカッツオかペンシルゴン、サンラクが入れたんだろうモンスターの素材がふよふよと青く発光している。あんな風にアイテムは格納されてるんだな、青く発光しているのは不思議パワーで浮いていると言う表現なんだろう。
まぁ、この空間における
「あーー……ぱっと見でしかないからサイズはうろ覚えだけど騏驎がめちゃくちゃデカいだけなのか、俺達プレイヤーが扱えるのはこれくらいのサイズになるんだな」
俺もサンラクもウェザエモンにかかりきりだったから騏驎に関しては姿くらいしか見ていないんだが、ダンプカーか大型トラックに脚をつけて武装させたらあんな感じになるというぶっ飛んだ規格外サイズだけは鮮明に頭に焼き付いている。あれとウェザエモンは合体するらしいがその場合断風やら大顎門やら入道雲やらは一体どれくらいスケールアップしていたのやら、あんまり考えたくはないな。
とはいえ俺達プレイヤーが扱えるのは精々軽自動車並みのサイズ位のこいつらになるのか、まぁ西洋系の
「なんかすげぇ懐かしいものを思い出すな……」
そういえばあのゲーム最近やってなかったな、一区切りついたら久しぶりにログインするのも悪くないかもしれない。
「…………っと、今はそんなことに思いを馳せるべき時じゃないな。スキルリキャストも上がったしそろそろ出るか、【
オルトの為にと何本か買っていたMP回復ポーション、まさか自分が使うことになるとは思わなかった……一気飲みして現実世界へ帰る為の呪文、この場合はコードと言った方が適切か?まぁとにかく呪文を唱える。次の瞬間再び世界は切り替わり俺は落下し始める、いやまぁそりゃ空中でインベントリア内に行ったもんな。予想自体はできてたから然程驚くことはないが。
「スキルリキャストは上がってるんだよ、問題なく生き延びられる……!」
ムーンジャンパー及び遮那王憑き起動、両サイドの壁を斜め下に蹴りつつ安全に着地……おっしノーダメ!!
「ふぅ…………さて、無事穴の中に入ったわけだが」
モンスターの気配は今のところ感じられないが……まさか何もいない何も落ちていないなんてことはないだろう、仮にもレベル100オーバーの化け物狼の縄張りにある穴なんだからな。そして……あぁうん、見るからに「進め」って言ってる横穴が続いてるわ。
「行ってみないと始まらない、か……よし、行ってみるか!!!!」
◇◇◇◇
「――――――あーーーーーー……これは、うん。苦労して穴に飛び込んだ甲斐があったかもしれない」
目の前に広がる
明らかに異質な空間ではあるがそこにはもう1つ異質なものがある。
「…………この鉱脈的な物、掘って問題ないやつかな」
純白の野原の中心、そこに突き立つこれまた純白の鉱脈?っぽいやつ。丁度手元にはツルハシがあるわけだが………掘って良いものかこれ。なんかどちらかと言えば「駄目」に属するやつな気もするが。いや掘らねば始まらない!ゲーム故にこそチャレンジというものは必要!であれば掘らぬ理由も余地も無い!レッツゴーマイニーーング!!
ガッヅィーーーーーン…………
「…………い"ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
おいおい嘘だろ硬すぎやしないか?正直ここまで硬いと掘る気も失せてくるが……いや!めげない諦めない精神を保て!ツルハシの耐久値が今の1振りで大体3割削れていたとしても!ここは見なかったふりをしていろ!要はあと3回振ってアイテム落とさせればいいだけなんだからよぉ!!
ガキンッ!ガキンッ!
「うぉぉぉぉぉぉぉラストチャァァァァァァンス!」
――――――ポロッ、バキッ。
「うぇっ?」
硬さは身に染みて理解している。その硬さとは裏腹にあまりにもあっさりと転げ落ちた欠片に思わず目を奪われる。ごめんツルハシ君、正直折れた君よりこっちの方が興味あるんだ……。
「LUCの恩恵か……?ツルハシ折れたとは言えなんか凄そうな物ゲットしちゃったぞ………………お?」
ふと鉱脈?を見る。するとそこには傷一つ完全無欠の鉱脈?が……待て、
「まさか再生してる……?」
ま、不味い。ここにきて急激に「これ本当に鉱脈なの?」という疑念が高まってきた。フ、フレーバーテキスト!フレーバーテキスト見れば分かるはず!鉱石だよな?鉱石であってくれよ!?
・始源白片アイテルセル
白く、白く、天上は万象を内包する。
天上を恐るることなかれ、混沌に身を委ねよ。
黒は一体化を説くが白は隷属を説く、大いなる白き忠誠こそが安寧の終着点である。
白い神の細胞は始源眷属の性質を昂め、澄み渡る純色の五色はより神に近しい証となる。
――――――――――あっ、これあかんやつだ。
ところで