シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:トレセン暮らしのデュエリスト
なんだかんだあの後指定された集合場所に向かうことになったのだが、俺は改めてこのゲームでかなりのヘイトを買っていたことを改めて思い知ることとなった。
「それじゃあまぁ必要最低限以下の人員を第1サーバーに送るものとして……ビャッコ氏、大体第1サーバーに常駐してる向こうさんの人数は800〜1500くらいだから頑張れ。他の奴らは陽動だけでいい、撃墜は全部ビャッコ氏がやってくれるってよ」
「いやあの」
「総司令官撃破時間殿ォ!フレンドリーファイアはどういう裁定なのでしょうか!?」
「出来るだけ陽動という形で目を惹きつけてもらいたいから最悪の場合は構わないものとする、
「あの、ちょっ」
「総司令官殿ォ!たまたま今回自分が乗るレコンドが敵味方巻き込む範囲攻撃系の兵装を多数配備している「自爆型アルミマジロ」なんですけど範囲攻撃で味方を巻き込むのも問題ないんでしょうかぁ!?」
「範囲が広ければ広いほど積極的に使っていけ、どうせ遊撃に回るのはビャッコ氏だ。あわよくば死……いや、彼の手助けになってほしい」
「……………………」
凄いよ、さっきから多かれ少なかれこいつら全員俺に向かって「死ね」って感情を叩きつけてくるのは。…………有名人ってやつだよね?照れるな〜、いやそうじゃなくて。
「すいません、発言の許可を求めます」
「認めよう
志願兵と書いてスケープゴートって呼ぶのやめない?地味に殺意が滲み出てるんだけど?まぁいいや、とにかく俺が今言いたいのは。
「当初の作戦では部隊の大多数を陽動に回すと聞いたんですが……
いやぁ、理解できないよねほんと。当初の予定どこいったんだレベルで少数、分隊とも呼べないレベルの人数なんだけど?
「ちなみにお前以外の隊員は後方支援だから実質前線で暴れ回るのはお前だけだ、ワンマンアーミーだと思ってくれて構わない」
「正直なところの本音を伺ってみましょうか」
「正直作戦の成功云々よりもはるかにお前に死んでほしい」
「「「「そうだそうだ!!!!」」」」(数えるのも億劫なくらいの人数からの声)
この場にいたほぼ全員から罵倒の声を浴びせられる、今すぐ辞退してやろうか貴様ら。
というかそっちより根本の原因を何とかした方がいいかもしれん、今この場にタイムマシンがあるならば俺は今すぐ過去に飛んで当時全てを荒らしまわっていた俺の横面を全力で張り飛ばしてやりたい。お前の買いに買い込んだヘイトは今回り回って最高に最悪な形で役目を果たしているよクソッタレ……
◇◇◇◇
「はぁ……一応作戦の成功の為に多少融通してくれたのはまぁ感謝しておくとするか……いやそもそもこういうのって全員に共有されて然るべきもののはずなんだけどな?」
そう呟きながらあの後どうにかこうにか交渉して入手するに至った「第1サーバー常駐アルセリアレコーダー脅威度」と銘打たれた
……はぁ、まぁこっちはあらかた覚えたな。さて問題は
なんか数十人近くいる常駐プレイヤーのレコンドの情報やら何やらあるだけ詰め込んだ筈のクソデカカセットよりもはるかに分厚いこのカセット……いや、これ上位アイテムのCDか?何てこった、
銘打たれたタイトルは「
えーと何何?超高空から金属製の羽を機銃掃射よろしく恐ろしい高精度で撃ってくる、飛行系レコンドは熟達のランカーでもなければドッグファイトにもならず一方的にタコ殴りにされて地面に叩き落とされる。じゃあ対地性能が低いのかと言われたらそういうわけでもなく普通にインファイトも出来るし何なら格闘性能高めのゴリラ型レコンドですら蹂躙される、と……何だこりゃボスキャラの概要か?
しかもこれ対策もクソもないが結論になってんじゃねぇか、接敵次第撤退とか第二次世界大戦期の零戦とエンカウントしたアメリカ軍かな?
とは言っても戦闘能力は誇張表現なしでイカれてるらしいな、一緒に資料として収められている映像がそれを如実に示している。
「………………うわ、何だその切り返し。幾ら機動力に優れていたってその速度維持したままやったらどう考えてもコントロール失って吹き飛んでいくだろ普通」
出るわ出るわ曲芸かと思うレベルのトンデモ挙動、今からこれが出張ってくるかもしれない戦場でほぼワンマンアーミーしなければならないということに今更ながらとんでもない場所に来たもんだと軽く後悔してしまう。
「とは言ってもやらなきゃいけないことに変わりはなし、そもそも自分から言い出したのに尻尾巻いて逃げるのもダサいわけでぇ……いっちょ大暴れするとしますか!!」
さぁ気持ち切り替えていこう、任務開始だ。
◇◇◇◇
『あーー、あーーー。聞こえているかねビャッコ……もといコードネーム「ファッキンタイガー」君』
「はいはいこちらファッキンタイガー……名前もうちょいなんとかならなかった?」
『俺たちの総意だ、甘んじて受け入れろ……さて、我々も所定の位置に現着した。そちらの首尾は?』
「こちらも抜かりなく」
『よろしい、では作戦における君の任務は理解しているな?』
「そっちに敵方の視線を向けない様にするためひたすらに暴れ回る、そうだろ?」
『その通り、付け加えるなら奴等の自陣に引き篭もっているランカーたちを引き摺り出してくれると嬉しい。特にグレイヴンだ』
「了解了解……それでは作戦行動を開始する、ところで……後方支援のやつらは何が役目なんだ?」
『お前が温い戦闘をしていた場合後ろから刺す……のは冗談だ、ギリギリまでお前がいるという情報を与えない為目立つ大型レコンドで砲撃を繰り返してもらう』
「FFだけは勘弁してください」
いやほんとマジで、冗談だけで済ましてくれよ頼むから。
何やら物騒な冗談(冗談だけで済ましてほしい)を投げてきた通信を最後に
そして最も注目するべきは今から放たれる一撃だ、さぁアルセリアプレイヤーの諸君。盛大に驚いて死ね、負担が軽くなる。
「いやぁ、数ヶ月ログインしてない間にとんでもない兵器が実装されたもんだな」
大型レコンド複数機による超大音量のエネルギー供給によってやっとこさ放たれる戦略的音響破壊兵器……「
代償として供給源となったレコンドの機能がほとんど0まで低下する上にクールタイムがそこそこ長いらしいがこれだけの戦果なら十二分以上の働きじゃないだろうか。半分ほど消し飛んだアルセリア側の要塞を眺めながら抱いた率直な感想だ。
『俺達がお前に視線を向けさせない様に派手に立ち回る!お前はその隙に出てきたレコンド共を片っ端から消し飛ばしてやれ!』
「了か……なぁオイ向こうさんの要塞がやたら神々しいエフェクトに包まれてるんだがありゃ何だ」
『あーーー……あれか?レコンドの核に直接干渉して破壊する自衛装置。触れたら死ぬから気を付けてな、対処法は気合いで避けろ」
「そんなの1度も聞いてないんですが」
『聞かれなかったからな』
やっぱり殺そうとしてるだろお前ら!!!