シャングリラ・フロンティア〜音ゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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この作品がこのペースで更新されたのっていつぶりだっけ?(書いてる本人が1番驚いてる)


最前線(フロントライン)クラッシャー!

かつて遥かなる宇宙から降り注いだレコンドの内の1体が多用したとされる広域的な音を垂れ流す物質の破壊攻撃……音を垂れ流すとかいう死ぬほど曖昧な定義で放たれる攻撃は大体どんなものでも破壊するという絶死の即死攻撃となる。因みに威力自体は俺たちプレイヤーも体感済みだ、何せストーリーモードだと過去回想と書いて地獄と読むイベントが挟まるので。

その攻撃を放ってくるレコンドの名前が確か「ASTRO-Krush」。そこから今アルセリアの要塞から放たれている神々しいオーラ……もとい攻撃を行う兵器の名は「アスクラッシャー」と名付けられたらしい。レコンドとついでにプレイヤーの明日を粉砕するという想いも込めて、とのことだが……はっきり言わせてもらおう、頭おかしいのかと。

 

「敵味方の区別がつかない兵器はただの大量殺戮マシーンだろうが……っ!!!」

 

いくら破滅の調べ(デスメタルバスター)で防御機構やらが半分くらい吹き飛んでいたとしても自分の防御機構消し飛ばす攻撃をやっちゃいけないだろう、しかもあれが自衛システムってのが笑えない。大方侵攻してくる敵や攻撃をあらかたあれで消し飛ばしてから反転攻勢に移るのが基本戦術なんだろうが……貰ってて良かった「第1サーバー攻略情報」カセット、まさかと思って先ほどよりも細かく読み込んでみれば死ぬほど小さくASTRO-Krushの対応についてが書かれてあった。

 

――――――即ち、「待て」と。

 

結局音が出るならどんなものでも消し飛ばすというトンチキな効果には代償が当然ながらあるわけで、この場合だと持続時間が短いこととその効果範囲の狭さであった。まぁその神々しいオーラが効果範囲をより大きく見せるデコイの様な役割を果たしているらしいので厄介なことこの上ないものではあるが。今回は後方支援組が砲撃し範囲に大方の予想をつけてくれているので助かっている。おかげで……

 

「よっし、ここらへんが範囲のギリギリ外側だな。あとは効果が途切れるまで待つとしますか」

 

『おーいファッキンタイガー、良いお知らせと悪いお知らせあるけどどっちから聞きたい』

 

え?

 

「じゃあ悪い方で」

 

『どうもやっこさん効果範囲を拡大させたらしい、若干以前観測した効果範囲より広い。それに持続時間も伸びてやがる』

 

「じゃあ良い方は?」

 

『どうも効果範囲と時間を伸ばした代わりに威力が下がってるらしい、効果範囲でのダメージ判定は衝撃波みたいな形で視認出来るんだが……それの量が以前観測した時より明らかに少ない。突撃しようと思えば今すぐ行けるぞ?何せ以前は入った瞬間前を埋め尽くすほどの衝撃波でバラバラに消しとばされたもんでな……』

 

「ほーーん……じゃあちょっと行ってみるか?とはならないんだよ、若干「死ねば良いのに」って思ってない?」

 

『オモッテナイヨー』

 

うーん本当かどうか怪しいもんだ。というかそれ良い方のお知らせも若干トラップっぽいな、どんだけ嫌われてるんだ俺は……まぁ、ランク戦を荒らしに荒らし回って手塩にかけて育てたレコンドを修理不能レベルまで破壊すれば嫌われもするか。今度からは半壊でとどめておこう。

さてまぁそんなバカなことを思ってるうちにそろそろ効果時間が切れたらしい、怒涛の勢いで飛び出してくる小型レコンドの群れ……あれは確かNPC専用かつ群体で行動するほどバフがかかるラプトル型のレコンドだったな、NPCを当て馬にする気か?

 

対してこちらは大型レコンドによる大火力を撒き散らし轟音を響かせながら暴れ回っている。……うーん哀れなりやNPC、戦力調査の一環で消し炭にされる彼らの気持ちを考えたことがあるのかアルセリア、許せぬ。

 

「こりゃもう俺が派手に引導を渡すしかないかぁ……!行くぞ、ハクアレンコ!」

 

『GURURURURURAAAAaAAAAaA!!!!』

 

いざ駆け抜けん最前線(フロントライン)

 

◇◇◇◇

砲撃をひたすら繰り返す大型レコンド群にばかり注意を向けるアルセリア側のレコーダーもザルだとしか言えんがまぁ俺の高速移動に気付ける奴もそういないのでしゃあないか。とは言え最後の瞬間まで補足できないのはザルではなかろうか。そんなことを思いつつ手頃な位置にいた犬型レコンドの脚と兵装部分を爪で吹き飛ばして半分スクラップにまで追い込む。

これで大体えーと……85?20を超えたあたりから数を数えるのを諦めたから定かではないが多分それぐらい粉砕してきたな。というわけであそーれ。

バキャリ、と犬型レコンドの頭部ごと中にいるレコーダーを踏み潰して一瞬周りを見渡す。

 

「………………暴れられるだけ暴れるけど、正直終わりが見える気配はないな。これ本当に破滅の調べ(デスメタルバスター)で半壊したんだよな?」

 

中型小型に大型レコンド……もうこの時点でよりどりみどり、お腹いっぱいなのだが更に暴れたら増援が来るだって?何てこった、下手したら世界戦のスコアランキング上位に食い込めるんじゃないか?

 

「そんなご褒美あるなら頑張るしかないなぁ……!」

 

世界戦は1度食い込んでしまえばあとはそのまま抜けることが殆どない、何せ世界戦の基準となる国家間の戦闘が少ないからだ。そして世界戦上位入賞者には様々な特典が与えられる……これからもちょくちょくやるかもしれないゲームだ、ドヤ顔出来る要因なんてあるに越したことは無い!

 

手頃な奴を見つけてサクッと爪で胴体を両断、核を見つけて破壊するとかよりもさっさと機能停止に追い込んだ方が早いんだよなぁ、あっちょっと待てハクアレンコご主人様はさっき半壊程度で済ませると誓ったから胴体を真っ二つにしたのであって狙いを定めやすくするとかそういう意図は……あっ。

 

「しつけが悪かったかもしれん」

 

『GUUUUUURAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!』

 

ハクアレンコが雄叫びを上げ、次の瞬間上と下が泣き別れになっていた猫型レコンドの上の方が今度は粉砕骨折とも呼べないグチャグチャのスクラップミンチと化した、うーん、因みにこれって誰が悪いんだ?レコーダーの俺か?

 

『可哀想なアルセリアの奴ら……あれじゃ直すのも核の再利用も無理だな。相変わらず人の心が無い』

 

「こっちだってそんな好き好んでやってねぇよ!必要に迫られたからやってるんだよ!っつーか連絡!?何!?」

 

確か何かしら事態が変動するまで過度な連絡はしないと言っていた筈、向こうがこっちか何か動きがあったってことか?

 

『たった今お前が粉砕した猫型レコンドな、あれ向こうさんのランキング3位だと。それと……予想よりもかなり早く例の灰鴉(グレイヴン)が面を出してきそうだ、奴がいるキャンプから出撃があったらしい』

 

「了解、まぁもうちょい数を減らしておくかな」

 

っていうかさっきのランキング3位だったのか、確かにやたらカラーリングが派手だったから上位ランカーなんだろうなとは思っていたが……まぁいいか、今はそんなことより撃墜数を増やすのが先決だ。

 

「確かこのゲームサーバー移動したら出撃判定でタイムラグが発生するんだったか……妙なところでリアル準拠なのは意味わからんが今は感謝しよう、大体……5分くらいだっけ?」

 

タイムリミットはあと5分、100体くらい持っていく気持ちでいこうか!…………なーんて大口叩いても俺1人じゃ限界がある、いけて精々60体程度ってところか?うーんまぁこれは仕方ないものとして割り切っていくしか無い、本来の作戦自体は滞り進んでいる訳だし今回自分は立派な歯車と割り切っていくか――――――

 

『おぅおぅおぅおぅ!!!オイコラアルセリア覚悟しろやァァァァァ!!!!』

 

「!!?!!?!!!!?!!!!!!!?」

 

凄まじい轟音と共に土埃がアルセリアの要塞とは真反対の……つまりは、レコンガイヤ側から噴き上がる。発生源はあの丸っこい球体の……ん?あれって確かアルマジロ型レコンドの「アルミマジロ」……そういえばなんか出撃前に1人何かほざいてたな?

 

――――――総司令官殿ォ!たまたま今回自分が乗るレコンドが敵味方巻き込む範囲攻撃系の兵装を多数配備している「自爆型アルミマジロ」なんですけど範囲攻撃で味方を巻き込むのも問題ないんでしょうかぁ!?

 

で、件の総司令官殿は何と答えていたっけ?

 

――――――範囲が広ければ広いほど積極的に使っていけ、どうせ遊撃に回るのはビャッコ氏だ。あわよくば死……いや、彼の手助けになってほしい

 

「うっそだろオイマジで言ってんの!!?」

 

しっかもちゃーんと直線上に俺がいるなぁ、退避が遅れたら死ぬってか遅れずに離脱できてもワンチャン死ねる!!

考えろ考えろ、爆発オチで死ぬのは笑えん。何よりそんなフレンドリーファイアで死ぬなんて真っ平ごめんだ!!!

 

えーと周りにはオブジェクト(レコンドの群れ)、距離は大体……300メートルってところか?あの速度なら多分どんなに遅くとも10秒後にはここに辿り着く……俺の、ハクアレンコ最強の脚ならば……!!

 

「出来たぜチャート、後は駆け抜けるだけだっ!!!」

 

まずはそこら辺にいるオブジェクトをナマモノからスクラップに変える、その為に加速して適当に目についたレコンドの顔面をサクッと噛みちぎる、オッケー物言わぬ土台に早変わりした。所用時間は2秒!あれこれちょっとガバったな思ったより突っ込んでくる速度が速い……オリチャー発動スクラップ増量!近場に居た小型レコンドを2体ハンドプレスで半分くらい潰してから噛んで放り投げる、オッケーこれで準備完了……!

 

「頼んだぞハクアレンコ……!お前の脚なら空まで駆け抜けられる!!!」

 

『GUUUUURAAAAAAAAAAAAA!!!!!!』

 

音源増幅式加速装置、いつもであれば4つもしくは6つしか起動しないそれを最大値で運用する。細かい機動調整は無理でも直線移動なら何とかこなせるんだよ!意地でも生き延びてやるからなクソッタレェェェェェェェ!!!

 

「1!!!」

 

頭蓋を噛みちぎったレコンドの残骸の胴を踏み抜く、なんかバキャッて音がしたが多分核は大丈夫、多分。

 

「2ィ!!」

 

続いて半分くらいの厚みになった小型レコンドを空中で蹴って再び加速、なんかレコーダーの悲鳴が聞こえた気もするが誤差だ誤差、というか潰してんのに生きてたらどんだけ生存力高いんだって話だし。…………大方そろそろ爆発するだろ、そしてそれが俺のチャートの終着点にもなる!!

 

「ラストォォ!!!」

 

『(ビャッコと俺)諸共に死に晒せやぁぁぁぁ!!!』

 

大爆発、とほぼ同時に巻き起こる爆風。巻き込まれればただでは済まぬその一撃を……待っていたっ!!

 

「加速したハクアレンコの脚は……音すらも捉えて駆ける!!」

 

最大加速状態のみ空中を跳ねることが可能なのは実証済み!成功したことは今まで1度も無かったから自信はなかったがなるほど、ここまで条件が整っていないと不可能ってことか!実用化は無理そうだなぁクソッタレ!とはいえ……

 

「残念だったなアルミ野郎、生き延びちまったわ」

 

轟々と残骸から炎を撒き散らすアルミマジロの上に立つ。周りを見渡せばおやおや、今の自爆でかなりの数が消し飛んだらしい。ある意味で目標は達成できたな、……さて。

 

「メインがお出ましか、とはいえもう少し暴れますかね!」

 

見上げた先には輸送用特殊レコンド「渡鳥(ワタリドリ)」、そしてそこからは大量のレコンドが降って湧いてくる……そしてその中で灰色の翼を広げ大空へ羽ばたく鴉の姿も見えた。

ではもう少し大暴れして目を惹きつけておこうか、…………あのゴリラとか狙い目かな?よっしゃレッツゴー!!!

 




やっと章初めに辿り着いた…

自爆型アルミマジロ
国内戦などではまともに運用できないがこと戦争となると凄まじい威力を発揮する。とんでもない量の火薬やら炸裂火薬やらを詰め込み、爆発地点への移動をスムーズにするため直線移動のみに全てを振り切ったトンチキレコンド。爆発したが最後核から何から一切合切が使用不可となるため一撃に全てを託した特攻機でもある。
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