コードギアス 反逆のルルーシュ loyal knight 作:ボートマン
「ルルーシュ。今のは、一体……?」
カイルはつい先程起こった現象に目を疑った。
こちらに銃口を向けていたブリタニア軍人達が、ルルーシュの放った言葉に従って自害したのだ。
「……わからない。ただ、この力……」
ルルーシュ自身も驚いていたようで、緑色の髪の少女の傍に近づく。
「この女が関係しているはずだが、これではな」
額を撃たれた少女を見て、カイルもこの少女が一体何者なのかと気になる。
わざわざ軍を動かしてまで確保しようとしていた少女。
「……ともかくここを離れよう」
「そうだな」
二人がこの場を離れようとした瞬間。
爆音と共に倉庫のシャッターを破壊して、1機の機動兵器が侵入してきた。
「“
KMF
ブリタニア帝国が開発した人型機動兵器。
このKMFが日本侵攻の際に投入されたことによって、日本は一月と持たずに敗れたのだ。
そして、倉庫に侵入したのはブリタニア軍の主力機である、第五世代KMF“サザーランド”。
倉庫に侵入したサザーランドは頭部のファクトスフィアを展開し、倉庫内を見渡し始める。
「面倒だな」
「ああ、だが……」
『ここで何があった!ブリタニアの学生がここで何をしている!何があったか答えろ!さもなくば……』
オープンスピーカーから女性の声が倉庫内に響く。
隣では忌々しそうにルルーシュが舌打ちをしていた。
サザーランドは構えていたアサルトライフルを発砲し、カイルとルルーシュの後ろの壁を撃ちぬく。
『さあ、答えろ!』
「そこから降りろ、今すぐにだ!」
あの軍人達と同じようにルルーシュは力を使い、サザーランドのパイロットへ命令する。
『貴様、何様のつもりだ?』
「(どういうことだ?)」
「なるほど、直接見ないと効果はないか。カイル」
ルルーシュに呼ばれたカイルは彼が何をしよと考えているのか理解する。
「私はアラン・スペイサー。父は侯爵だ。彼は私の従者だ」
両手を上げてありもしない嘘をつくルルーシュに合わせてカイルも両腕を上げる。
「私達の内ポケットにIDカードが入っている。IDを確認したのち、私達の保護を頼みたい」
「(よくもまあそんな噓を)」
高位の貴族の息子を助けることで大きな借りを作ることができるという罠。
この罠でパイロットを機体から出てこさせるつもりなのだろう。
サザーランドの後部ハッチが開き、褐色の肌の女性軍人がワイヤーを使って降りてきた。
案の定こちらを警戒してその手には銃が握られている。
だが、機体から降ろせればルルーシュにとって問題ない。
「手は上げたままでいろ。IDは私が出す」
「よこせ。お前のKMFを」
再びルルーシュは力を使い、近づいてきた女性軍人に命令する。
「わかった。ナンバーはXG2IG2D4だ」
女性軍人は命令通りに起動キーをルルーシュへと投げ渡した。
「それじゃあ操縦は頼むよ。私の頼りになる“従者”君」
そのまま起動キーをこちらに手渡すルルーシュ。
「イエス、ユア・ハイネス」
苦笑しながら起動キーを受け取り、カイルはサザーランドに乗り込む。
カイルは受け取った起動キーを差し込み機体を起動させる。
「ひとまずはここから移動するぞ」
「わかった。掴まってろよ」
片膝をついてルルーシュをサザーランドの手に乗せると、女性軍人を置いてこの場から移動する。
倉庫から移動したカイル達は戦場から少し離れた位置に待機していた。
「さて、この包囲網からどう脱出するかだな」
「ああ。シャーリーにこの虐殺に関してのニュースが流れているか聞いたが、流されていたのは交通規制のニュースだけだった」
「なるほど。全てを消した後に都合のいいニュースを流すというわけか」
「ああ。それと包囲網の戦力は?」
「確認したよ。限られているとはいえ結構な数だ」
レーダーにはこの戦場に配置されているブリタニア軍の戦力が映し出されている。
「そうだな。この包囲網を俺達だけで突破するのは危険だ」
「けど、このまま保護を求めるのはリスクが高いしな」
なにせ学生がこの戦場にうろついている事で怪しまれる。
また、ルルーシュの存在を知られるわけにはいかない。
特に指揮している人物がルルーシュの正体に気づく可能性がある。
「ん?」
近くでVTOLが撃墜され、ルルーシュはある案が思いついた。
「その顔は何か思いついたようだな?」
「なに、俺達を巻き込んだ借りを返してもらおうと思ってね」
悪い笑みを浮かべる幼馴染にカイルは肩をすくめた。
「ルルーシュ、指定ポイントに着いたぞ」
『そろそろグラスゴーがそちらに到着するはずだ。カイルは背後から追跡する敵を討て』
「わかった」
カイルはルルーシュが別のブリタニア兵士から奪ったサザーランドのコックピットの中で指定されたポイントに到着。
ルルーシュから次の指示をもらう。
そうして廃墟の中で待っていると、ルルーシュの指示で動いた赤いグラスゴーが跳躍して陸橋に着地する。
そのまま線路上のレールにランドスピナーを乗せて疾走し始める。
赤いグラスゴーの後を追うように2機のサザーランドも跳躍し、陸橋に着地すると後を追う。
そこへ赤いグラスゴーの前方から列車が汽笛を響かせながら向かってくる。
赤いグラスゴーは迫る列車に飛び移る。
対してサザーランドは1機が列車を受け止め、もう1機が赤いグラスゴーの後を追おうと列車に飛び乗ろうとしていた。
「ここだ」
そこへカイルは操縦桿を動かし、追おうとしたサザーランドへスラッシュハーケンを射出し当てる。
飛び乗ろうとしていたサザーランドはスラッシュハーケンによって陸橋から弾き飛ばされた。
『貴様何をしている!一体どこの部隊だ!』
「うるさい」
外部スピーカーから列車を受け止めるサザーランドのパイロット声が響く中、カイルのサザーランドはアサルトライフルを構えて撃つ。
『まさか、テロリストが!?』
撃たれているサザーランドは咄嗟に後退しようとするが、脚部に銃弾が命中し態勢を崩した。
『おのれ!』
態勢を崩したサザーランドはアサルトライフルを構えて撃ち返そうとする。
そこへサザーランドへ列車に飛び移った赤いグラスゴーが吶喊してくる。
咄嗟にサザーランドはコックピットを後方へと射出してこの場を離脱した。
吶喊する赤いグラスゴーに気づき、パイロットは脱出装置を作動させたのだろう。
『カイル、そこはもういい。俺と合流してくれ』
「わかった」
カイルは崩壊した廃ビルから移動をはじめ、ルルーシュとの合流するべく急ぐのであった。