コードギアス 反逆のルルーシュ loyal knight 作:ボートマン
クロヴィスの死亡が報道され、カレンの歓迎会は中止となった。
流石に死亡報道の後に歓迎会を続けようと思わない。
そうして解散することになった。
それぞれが自宅へ帰り、カイルは自宅でルルーシュからの連絡を待っていた。
「こんな状況でなければ喜んでいたのにな」
シンジュクゲットーで理不尽な理由でスザクは撃たれ、あの時は自分達も命の危機に瀕していた。
そのためスザクが生きているのかもわからなかった。
本当なら生きていてくれたことを喜びたかった。
だが、スザクがクロヴィス殺害の容疑者にされている状況では喜ぶことは出来ない。
そう考えていた時、カイルの携帯に着信が入る。
『俺だ』
「ルルーシュ、ナナリーは?」
あの報道でスザクが容疑者といわれ、ナナリーは酷く動揺していた。
何しろ戦後行方がわからなかった幼馴染が生きていたのに、殺人の容疑者と報道されたのだ。
『今は寝ている。やはりスザクがクロヴィス殺害の容疑者とされたことがショックだったようだ』
「そうか………ルルーシュ」
『何だ?』
「俺はどう動けばいい?」
すでにカイルはルルーシュはスザクを助けるために動くと知っている。
大切な親友をこのまま失いたくない。
それはルルーシュも同じはずだ。
『………例の物はそろそろできてるはずだ。それを明日渡す』
この言葉からカイルはルルーシュの意思を知り、内心嬉しく思った。
「わかった。ちなみに勝算は?」
『愚問だな。計画は既に練ってある。あとは人数を集めるだけだ』
「なら、明後日だな」
『ああ、明後日だ』
そして、電話をきりカイルはベッドに横になる。
そのまま眼を閉じ、襲い来る眠気に身を任せ眠るのであった。
それから明後日、学園では全校生徒が講堂に集められた。
校長からクロヴィスへの弔辞の言葉を聞き、授業もなく解散することになった。
時刻は16時を過ぎ、俺とルルーシュは東京タワーの前に来ていた。
「やはり仲間も一緒に来たな」
「流石に一人では来ないだろう」
カレンが東京タワーに入った後に、仲間であるレジスタンスも東京タワーに入ったことは確認している。
「さて、始めるぞ」
ルルーシュは忘れ物受付センターを経由して渡した携帯に電話する。
『はい、もしもし?』
「環状5号線、外回りに乗れ。お友達も一緒だ」
『え?』
一方的に指示だけし、ルルーシュは返答を聞かずに電話を切る。
「移動するぞ」
「ああ」
ルルーシュとカイルは指示した電車に先に乗るために移動する。
カレン達は“ZERO”と表示された電話の声に従い、環状5号線の電車に乗る。
この時、カレンは何故か車内が不気味に感じていた。
車内には仲間である扇達も乗車しているが、他にも多くのブリタニア人が乗車している。
「(扇さん達を見て何も反応しない?)」
大抵のブリタニア人はイレブンを見れば、見下すか毛嫌いするなどの反応を示す。
ところが乗車しているブリタニア人達は扇達に対して何も反応しない。
そんな状況に困惑していると、持っている携帯に着信が入る。
画面を見ると、先程と同じ“ZERO”という人物からだ。
「もしもし?」
『進行方向に向かって右を見ろ。何が見える?』
声に従い右側を見る。
そこには小綺麗なビルが立ち並んだ整った街。
「ブリタニア人の街だ。私達の犠牲の上に成り立って作られた強盗の街」
『では左は?』
次に反対の左側を見る。
そこにはビルといった建物は崩れ、かつての面影すらなくした街。
「私達の街だ。ブリタニアによって吸い上げられた絞りカスの街」
『いい答えだ。では、先頭車両に来い』
再び指示だけして電話は切れた。
だが、今は声に従って戦闘の車両へ移動する。
カレンの後を追うように扇達も先頭の車両へ移動する。
最後のドアを抜き、先頭の車両に入る。
そこには二人の乗客しかいなかった。
一人はカレン達に背中を向けたまま佇み、もう一人は顔を俯かせて奥の扉にもたれかかっていた。
「お前、達……なのか……?」
カレンの問いに対し、背を向ける人物は何も答えない。
「なあ、シンジュクのあれもクロヴィスの停戦命令もお前達なのか?」
再度の問いかけに対し、何も答えない二人。
そこへ電車はトンネル内に入り、車内は暗くなる。
と同時に背を向けた人物は振り返り、もたれかかっていた人物も顔を上げて傍に立つ。
一人は黒のマントに紫色のスーツを身に纏って仮面をつけている。
もう一人は黒髪で黒いコートと黒のズボンを身に纏い、顔前面を覆う仮面をつけている。
『どうだった?租界ツアーの感想は?』
「ツアー?」
「おい、こんなふざけた奴だったか?」
これまでの移動をツアーと言う仮面の人物にカレンは苛立ちが湧き上がる。
『君達に正しい認識をしてもらいたかった。租界と、ゲットーを』
腕を左右に広げ、仮面の人物は静かに語る。
「確かに我々とブリタニアには大きな差がある。絶望的な差だ。だからこそレジスタンスとして!」
『違うな。テロではブリタニアを倒すことは不可能だ』
「倒す?」
『テロなどという行為は奴らにとっては嫌がらせに過ぎない』
「何だと!」
「俺達がガキだって言うのか!」
自分達がこれまで戦ってきたことを嫌がらせの一言で済ましたことに、杉山と吉田は憤慨する。
『相手を間違えるな!敵はブリタニア人ではない、ブリタニアだ!』
語気を強め、目の前の人物は語り続ける。
『やるなら戦争だ!関係のない民間人を巻き込むな!覚悟を決めろ、正義を行え!』
仮面の人物から放たれる言葉に、カレンを含めたメンバーは納得できなかった。
戦う力があまり状況の中で必死に戦ってきたのに、見ず知らずの赤の他人にどうこう言われる筋合いはなかった。
「ふ、ふざけるな!口だけなら何とでも言える!顔を見せられない奴の言葉なんて信用できるか!」
「そうだ!」
「その仮面をとれ!」
カレンの怒りに他のメンバーも同調して敵意を見せる。
「ああ。君たちの顔を見せてくれないか?」
『わかった、見せよう。ただし、見せるのは顔ではない。私の力だ!』
敵意を感じる中、仮面の人物は堂々と語り続ける。
『もし、不可能を可能にして見せれば、君達も少しは信じられるだろう?』
「不可能を可能に?いったい何をするつもりだ?」
『クロヴィス殺害の容疑者である枢木スザクを奪還する』
「な!?」
「馬鹿か!みすみす死にに行くようなもんだぞ!」
杉山たちの言う通りだとカレンは思った。
移送の際には当然軍が警護するはずだ。
そこへ身を投じるなど自殺行為に等しい。
そんな状況からどうやって奪還するというのだ。
『いいや、不可能ではない!この私、“ゼロ”と“ノワール”にかかれば造作もない!』
だというのにこのゼロと名乗る仮面の人物。
何処からその自信があるというのか。
それにそのゼロに付き従うノワールという仮面の人物。
『私は自身の言葉に嘘をつく気はない。信じる者はついてこい』
そこで電車はトンネル内で停車し、前方のドアが開く。
そして、ゼロとノワールは電車を降りて移動する。
「(枢木スザクを奪還する何て無理に決まってる!……でも、もし本当に不可能を可能にするなら……)」
シンジュクの戦いであの時生き残れたのはゼロがいたからなのか。
見事な戦略でブリタニアを圧倒し、KMFを入手した手腕。
そんな人物が何をするのかが気になり、カレンも電車から降りて後を追う。
「あ!おい、カレン!」
カレンの後を追い、扇も電車を降りるのであった。
ちなみにノワールのイメージはDARKER THAN BLACKの黒です。