令嬢の護衛、何故か美女達に迫られている件 作:究極の闇に焼かれた男
IF STORY:アニス編 その1
これから語られるのは、もしもレオンが、ユフィリアではなく他の誰かの従者、或いは婚約者だったらの世界線を描いた物語の一幕である。
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パレッティア王国の離宮────朝日が差し込む寝室にて、この国の第一王女である少女、アニスフィア・ウィン・パレッティアは毛布に包まりながら眠っていた。
「ムニャムニャ……もう、その素材は私のだよ〜……」
だらしがなく緩みきった寝顔を晒しながら寝言を呟くアニスの寝室に、扉を控えめにノックする音が鳴り、外から「アニス、朝だぞ! 早く起きろ」という声とともに1人の青年が扉を開けて新室内へと入って来る。
「はぁー……思った通り、呑気に寝てたか。 アニス、もう朝だから早く起きろ!」
そう言いながら毛布に包まるアニスを揺すり起こそうとする青年の名はレオン・ハルトディーレと呼び、アニスフィアの護衛にして婚約者でもある。
「んぅー、レオン〜?」
「レオン〜? じゃないわ! ほら、早く起きろ」
レオンに揺すり起こされたアニスフィアは若干眠たげな表情を浮かべながらレオンの名を呼ぶと、レオンはアニスフィアの意識を覚醒させる為に強く揺する。
それが数分近くも行われた後、完全に目を覚ましたアニスフィアはレオンに寝顔を見られた事実に頬を赤らめながら悲鳴を上げるのだった。
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「むぅ〜///」
「頼むからそんなに頬を膨らませるな」
「だって〜///」
アニスフィアを起こす事に何とか成功した後、レオンはアニスフィアと共に食堂で朝食を摂っていた。
だが、肝心のアニスフィアと言うとレオンに寝顔を見られたのを未だに恥ずかしげな様子で頬を膨らませていた。
「そんなに寝顔を見られたのが恥ずかしがる位なら、自力で起きたられるようにすればいいだろ?」
「それはそれでなんかヤダ」
「だったら俺にどうしろと言うんだよ。 それはそうと……」
レオンは溜息を零しながら呟くと、ふと思い出したかの様に口を開いた。
「今日の予定は、魔学に使う素材を採取しに黒の森に行くんだったか?」
「そうだよ! 実は試したい物があってね♪」
「魔学に精を出すのは別に構わないけど、前回みたいな散々な事態を引き起こさないでくれよな」
「だ、大丈夫だって。 今回は上手くいくから………多分」
「そう言って、前回も前々回も危うく離宮が焼失仕掛けたのを忘れたとは言わせんぞ」
「うっ」
「はぁー……今日は特に予定も無いし、折角だから俺も採取に付き合うよ」
「本当!」
「その代わりに、変な物を拾わないようキッチリ見張らせてもらうからな」
「うん」
(何で嬉しそうにしてるんだか………まぁ、アニスが喜んでくれるなら良いか)
そう心の中で呟くレオンはアニスフィアと朝食を摂りつつ、幸せな時間を過ごすのだった。
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アニスside
私には世界で一番カッコイイ旦那様がいる。(まあ、旦那様と言っても未だ婚約者の関係だけど、将来的には婿入りする予定だから旦那様でも問題ないよね)
私の旦那様の名前は【レオン・ハルトディーレ】と言って、今から10年ほど前に国王である父上が古い友人の忘れ形見である彼を引き取り、私の執事として付けた事が彼との関係の始まりだった。
当時の私は色々とあって男性恐怖症を患っていたけど、何故かは分からないが彼に対してだけは恐怖を感じなかった。
そんな彼と婚約関係になった切っ掛けについては何れ語るとして、一先ず私がするべき事は……
「う〜ん……やっぱりレオンには大剣の方かな? それとも槍の方がいいかな?」
現在私はレオンにプレゼントする武器は何がいいかを考えている最中である。
「レオンに日頃の感謝を込めて専用の武器をプレゼントしようと思ったけど、レオンの使う武器って幅が広いから悩んむんだよな〜」
レオンは基本的に全ての武器を使えて、尚且つ実力も折り紙付きと言っても過言では無いことを鑑みても生半可な武器をプレゼントする訳にはいかない。
「どうせなら私とお揃いのマナブレイドにしても良いけど、それだと何だか味気ない気がするんだよな〜。 …………っ! そうだ、良いこと思い付いた!」
どうするか悩んでいると、ふと脳裏に一つの妙案が思い付いた私はそれを実行するべく必要な素材を設計図に書き込む。
「それでコレをこうして…アレをこうすれば……うん、これなら上手くいきそう!」
そう言いながら私は完成した設計図を見ながら、必要な素材を取りに行くべく急いで準備を済ませるのだった。
後に波乱万丈な素材集めが待ち受けているとは知らずに…。
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