令嬢の護衛、何故か美女達に迫られている件   作:究極の闇に焼かれた男

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前回の続きとなります


胃を痛める国王/無意識の微かな嫉妬 中編

 

 

 

「──なんと言う事だ!アルガルドの奴め、一体どう言うつもりなのだ!?」

 

 

執務室に怒気を孕んだオルファンスの叫びが木霊する。

 

ユフィリアを担ぎながら王城の執務室へとやって来たアニスを見た瞬間、オルファンスは彼女を叱ろうと思った矢先、後に続くようにして現れたレオンの深刻な表情を目にし、「何か良からぬ事態が起きたのでは?」と考え、オルファンスは達は一旦事情を聞いてからにしようとレオンに何があったのか話すよう促すと、レオンはアルガルドが夜会の場でユフィリアとの婚約破棄を突如として宣言した事を説明すると、それを聞いたオルファンスは堪らず声を荒らげ叫んでいた。

 

その叫びを目の当たりにしたユフィリアの肩が小さく震えた事に咄嗟に気付いたオルファンスは、何とか冷静さを取り戻したのか胃が痛くなる思いを抱きつつもグランツとモルドへと視線を向ける。

 

グランツとモルドも同じ事を考えていたのか小さく頷くと、ユフィリアの口から話を聞くべく視線を移した。

 

 

「……ユフィリア」

 

「ッ、申し訳ありません、お父様……私が不甲斐ないばかりに、このような……」

 

 

グランツの呼び掛けに対し、酷く怯えた様子のユフィリアは体を震えさせながら声を絞り出すようにして返事を返すのを目にしたレオンは、そっと優しく語り掛ける。

 

 

「お嬢様、グランツ様は怒られている訳では御座いません。 寧ろお嬢様のことを御心配されてるのです。 ですので、どうか落ち着いてください」

 

「……ですが」

 

「大丈夫です。 もしもの時は自分にお任せ下さい」

 

 

優しさを含んだレオンの言葉に、ユフィリアは落ち着いたのかグランツへと視線を合わせると、グランツはユフィリアに娘を心配する父親としての眼差しを返した。

 

 

「……すまない、グランツ。 私の見立てが甘かったと言わざるを得ない」

 

 

頭痛と胃痛を堪える様に項垂れたオルファンスはグランツに向けて謝罪を告げると、グランツは静かに首を横に振った。

 

 

「陛下ともあろう方がそう簡単に謝罪を口にしてはなりません。 ……ユフィリア」

 

「……はい」

 

「お前とアルガルド王子の仲が進展していないと言う話は聞いていた。 この様な事になったのは残念ではある」

 

「……申し訳ありません」

 

 

グランツの言葉にユフィリアは再び震え出したのを目にしたモルドは思わず溜息をつきながらグランツに話しかける。

 

 

「ハァ……グランツ、そこは素直に優しく抱き締めるなりするところだろ。 そんなだと、怒られてるとしか感じられないだろうが」

 

「……しかし」

 

「そう言う所だぞグランツ。 流石に真面目過ぎるのは時と場合によっては良くないと何度も言っただろう?」

 

「…」

 

 

モルドの言葉にグランツが黙り込むのを目に来て、レオンはやむを得ないと感じるとともに務めて冷静な態度で話を戻すことにした。

 

 

「それよりも問題はお嬢様の今後の身の振り方です。 今回の衆目のある中での婚約破棄宣言は、もはや有耶無耶にする事は出来ないでしょう」

 

 

その言葉に一同は考え込む。 公の場での婚約破棄宣言となれば流石の国王や公爵家でも手の施しようが無い状態と化してしまったと言っても過言では無い状況を打破するには何かしらの打開策を考えなければいけなかった。

 

全員が頭を悩ませている中、レオンが再度口を開いた。

 

 

「一応ではありますが、今回の件を何とかする打開策は一つだけ考えてあります…」

 

「何?」

 

「ほぉ?」

 

「それは本当なのかレオン?」

 

 

周りの視線が集中したのを確認すると、レオンはそれに頷き返しながら答え始める。

 

 

「この状況を打開する手段は一つ──その方法は他でもないお嬢様をアニスフィア様の助手にするんです」

 

「なっ!?」

 

「ユフィリアをアニスフィアの助手にするだと!?」

 

 

その言葉に全員が動揺する中、レオンは話を続ける。

 

 

「これは考えあっての事です。 先ずアニスフィア様の提唱なされている魔学をユフィリア様を助手にする事で共同研究として行わせます。 そして魔学での研究内容をユフィリア様が表舞台に立って発表し、それによって得られる功績をユフィリア様の物にする事でこの状況を打開し、尚且つ此度の婚約破棄の話題を打ち消すのです!」

 

「……なるほど。 確かにそうすれば話題を打ち消す事は可能な上にその功績さえあればユフィリア嬢の事も何とかなると言えるだろうな。 そうは思わないだろうか、2人とも?」

 

「確かに、そうなれば後は何とかなるかもしれんな」

 

「フム、流石だなレオン。 お前の言う通りにすれば今回の件は何とかなるやもしれん」

 

 

レオンの言い分に3人は納得した様子で頷いてる中、渦中の人物であるアニスはレオンの話を聞いて何か妙案でも思いついた顔をすると、突然口を開き声を上げた。

 

 

「父上、それにグランツ公。 私からも少し提案が有るのですが宜しいでしょうか!」

 

「何だアニスフィア?」

 

 

オルファンスとグランツが視線をアニスに向けると彼女はこう告げてきた。

 

 

「単刀直入に言います────私めにレオンとユフィリア嬢を下さい!」

 

 

アニスの言葉にオルファンスとグランツにユフィリアは目を丸くし、モルドは吹き出しそうになっていた。

 

そして肝心のレオンはと言うと、アニスの思わぬ発言に目が死んでいたと言う。

 

 




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