目が醒めたら異世界?にいた、なんかそんな気がする。確か前世で異世界転生的な物がメジャーだった気がするし、多分そんな感じかな。申し訳無いけどあんまり興味は無い。それよりご飯だ、起きたばっかりだからか凄いお腹が空いた。何か食べたいね。
取り敢えず、今いる場所は森っぽいから抜けようと歩いてたら熊が出てきた。いや異世界だから熊っぽい……私が知っている熊は頭に角を生やしてないし熊もどきかな?なんかがんもどきみたいで美味しそう。まあ良いや、バッチリ目合っちゃったしどうしよう。
死んだフリしたら、めっちゃ匂い嗅がれてそのまま去っていった。空気を読んでお腹が鳴らなくて良かった。にしても惜しい気もする、って言うのも熊肉を少し食べてみたかった。でもたしか匂いがキツイって何処かで書いてあったんだよなぁ。調味料も無いし、ワイルドすぎるか。そもそも倒せないし。
諦めて森を進むと、今度は兎がいた。兎は生えていた草を食べていて、こっちには気付いてない。これはチャンスだと思って捕まえようとして思い出した。仕留める武器が何にも無い。
さて、どうしようと少し考えて思いつく。此処は異世界だ、なら魔法やそう言うファンタジー的な物が使えるんじゃないかな。確かこう言うのだとお決まりの。
「ステータス!なんちゃって……」
ブォンと音を立てて、透明な画面が出て来た。書いてあるのは日本語みたいだ。
えっと……。
『スターヴィン』性別 女
【状態】 空腹
《スキル》
・調理
ふむ。ざっくりとした事しか書いてないけど、分かりやすくて良いや。スキルは調理。何が出来るんだろう。調理と表示されている場所を長押しすると詳細が出て来た。
・調理
燃やしたり、切ったり出来る。《レベル1》
なんかざっくりしてるなぁ。レベルが上がったら何が出来る様になるんだろう気になるな。まあ良いや、取り敢えずお肉食べたいし。目の前の兎を捕まえる事にした。
「案外簡単だった」
ずっと草食べてて兎はこっちに気づかなかった。そんなに美味しいのかな。キャベツがわりに食べてみようかな。
その前に命を頂こう。
で、どうしよう。どうやって調理すれば良いのかな。
暫く試行錯誤したら、脳内でイメージをするとそれが現実になるらしい。凄い。簡単に説明すると3分クッキングの「それで出来上がった物はこちら」です。みたいな感じだ。
取り敢えず、血まみれになったから皮で血を落として綺麗にする。
「鍋とか、器も無いから丸焼きしか無いかなぁ」
木に刺して焼くしか無い。近くに転がっていた枝に肉を突き刺す。気分はバーベキューだ。
「枝もう少し集めて燃やそう」
森の中をウロウロしながら、枝を集めて戻って来ると小熊が地面に突き刺していた肉の匂いを嗅いでいた。私のご飯なのに……。
「……」
そっと近づくとビクッとした様子でこっちを見た。やっぱり角が生えてる。グルルっと小さく鳴いたので、私も「がおー」っと威嚇してみた。
まあ小熊は放って置いてお肉を焼こう。枝を適当にバラバラっと置いて目を瞑って、火が燃えてるイメージをする。
良い感じに燃えたのは良いけど、辺りも暗くなってきた。今日中に森から出るのは無理そうだ。まあ、明日頑張ろう。
手持ちの棒をクルクル回しながら、肉が焼けていく様子を小熊と一緒に見ている。いや何で見てるの。親は?
うん、良い感じに全体的に焼けたので、火から遠ざける。美味しそう。
《グゥゥゥゥ……》
鳴ったのは私じゃない、小熊だった。もしかしなくてもお腹空いてるでしょ。
「お腹空いてる?」
答えは返ってこない、でも目線は私じゃなくて兎肉だ。諺にもあった通りの事が今起きている。はぁ……しょうがないか。
「はい、半分こ」
仕方がないので調理で、半分切って分けてあげた。近くに置いてあげると、少しも疑った様子も無く兎肉に齧り付いた。
警戒心が無さ過ぎない?そう思いながら私も小さくなった肉を食べた。初めての兎肉は草ばかり食べてたからかサッパリしていた。野生感も少なかったけど、やっぱり塩胡椒とかが欲しかった。まあ贅沢はいけないね、満足です。
「ご馳走様でした」
手を合わせて兎に感謝をする。それを小熊がじっと見ていた。そしたら、ガサガサっと背後から音がした。
何だろうと思い、そっと振り返ると先程の角熊だった。私の方をチラッと見た後、小熊を背中に乗せて私をじっと見つめる。
「えっと何?」
『……』
「グオッ」
突然こっちに来た。え?何何なに?
首の所の服を噛まれて、そのままノシノシっと熊は歩いて行く。その間私は宙ぶらりんだ、何処まで行くんだろう。