魔国連邦の殉星   作:塩焼きそば啜郎

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復活の南斗聖拳の巻

あの後、俺は改めてみんなにシンの事を紹介する事にした。ベニマルを始めとした幹部達を部屋に集め、シンに挨拶させる。

 

「……紆余曲折あってこの世界にやって来た。シンという。宜しく頼む」

「俺はベニマル。順にソウエイ、シュナ、シオン、ハクロウだ」

「うむ。所でリムル、これはどういう事だ?」

「へぇ、あんた結構イケメンじゃない!髪もサラサラだし!」

「あー、えと、そいつはラミリスって奴で、一応魔王なんだけど……」

「この鬱陶しいチビがか?」

「ちょっと離しなさいよ!!アタシを誰だと思ってるのよ!!」

「ええいやかましいわ!耳元で騒ぐな!!」

 

ラミリスを捕まえたシンが怒鳴る。だがそれでも尚ラミリスは抗議を続け、それをベニマル達が呆れて見ていた。唯一トレイニーさんが心配そうな目でラミリスを見つめていたが、そんなに心配する事は無いと思う。

 

「シン、ラミリスを離してやってくれ。ラミリスも顔の周りを飛び回るのは止めておけよ?」

「そこまで言うなら……」

「仕方無い。離してやろう」

 

シンはラミリスを手から離す。そこからはガビル達やゲルド達とも挨拶を交わし、その場はお開きという事になった。……と思いきや。

 

「フハハハハ!!リムルよ、我に隠して何をしている!?」

「げぇ、ヴェルドラ!?」

「ガビルから聞いたぞ。なんでもソウエイの粘鋼糸を破る人間だそうだな!」

(ガビル、あの野郎ーッ!!)

 

俺が一番避けたいと思っていた事だ。ただでさえ単純なチョロゴン……じゃなくてドラゴンのヴェルドラと遠慮無しのシンがみんながいる場所で出会ったらどうなるか。それは俺でも予測が付いた。

 

「リムル、なんだこのうるさい奴は」

「な、何!?我こそは暴風竜ヴェルドラ!四体の竜種の内が一体であるぞ!!」

「ほう、その竜種だからなんだと言うのだ」

「そのような態度をとる人間は貴様が初めてよ!いい加減に……」

「ストーップ!!シン!この人マジの竜だから!!確かにこんなんならハッタリかと思うかも知れないけど天災級(カタストロフ)だから!!!」

「一言で表すと?」

「国が滅ぶ」

「まずいな……」

「ようやく我の凄さが分かったようだな!クァーッハッハッハ!!」

 

ヴェルドラはひとしきり笑い終わると、勝手に部屋を出て行った。シンがため息を吐く。

 

「ふぅ、終わったか」

「ヴェルドラが済まないね。あいつ、めっちゃ単純でさ……」

「お前の苦労が少し分かる気がするな」

 

くっ……魔王たる俺が人間に同情されるとは……後でヴェルドラは説教しておこう。

とりあえず、今日の所はシンを近くの宿屋に無料で宿泊させ、明日以降に色々決める事にした。一日で沢山ありすぎたからな。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

翌日。俺はシンを連れ、とある場所に来ていた。ラミリスやみんなも一緒だ。

 

「おいリムル、何をするつもりだ?」

「何、お前の力試しさ」

「……ほう、面白い。それで、この部屋でやるのか?」

 

俺達が来たのは、ラミリスの「迷宮創造(チイサナセカイ)」によって創られた巨大な部屋。

 

「そうだ。今からこの『蘇生の腕輪』を付けて魔物と戦って貰う。健闘を祈ってるぜ!」

「蘇生……まて、貴様!まさかその腕輪のテストでは……」

「よーいスタート!」

 

シンの腕に腕輪を取り付け、俺達は速攻で別室へと移動。シンの様子を見る事にした。おお、慌ててる慌ててる。

 

「チッ、まんまと嵌められたわ……ん?」

 

シンの背後から現れたのは、ランクBのブラックスパイダー。さてどうなるかな。

 

「リムル様、これは流石にあんまりなのでは……」

 

ベニマルがなんか言ってる気がするが、気にしない気にしない。一方のシンはというと。

 

「なんだこの大蜘蛛は……仕方無い、相手をしてやろう!」

 

ブラックスパイダーはシンを睨み付け、真っ直ぐ向かっていった。そして、二本の脚を振り下ろす。

 

「フンッ!」

 

同時に、シンの両腕が動いた。すると次の瞬間には、ブラックスパイダーの脚が地面に落ち、切断面からは血が吹き出た。観客からもざわつく声が聞こえる。

 

「さて、どう来るかな……?」

 

余裕たっぷりのシンを見て、ブラックスパイダーは天井に糸を吐き、天井に張り付いた。そして壁まで移動すると、そこからシンに向かって跳躍。どうやら体当たりで仕掛けるつもりらしい。確かに体は圧倒的にブラックスパイダーがデカい。直撃したら致命傷は間違い無しだ。

勢いを付けた巨体が、シンに迫る。

 

「無駄だ!如何に巨体だろうが俺の南斗聖拳の前では破壊され、崩れ落ちるのみ!」

 

シンも同じく跳躍し、ブラックスパイダーに向けて足を突き出す。

 

南斗獄屠双脚(なんとごくとそうきゃく)!!」

 

巨体と蹴りが激突する瞬間、いとも簡単に砕けたのは……ブラックスパイダーの頭部だった。シンは頭部を粉砕すると、そのまま胴体を貫いて着地する。

 

「えぇ……」

 

あまりに正面突破すぎるだろ!ガッポリと風穴を開けたブラックスパイダーは、やがて粒子となり消滅する。

 

「リムルよ、この俺にこんな物を寄越したのは失敗だったな!」

 

そう言ってドヤ顔を決めるシンに、俺は思わず唸るのだった。




南斗獄屠双脚……原作で盗賊の腹をブチ抜いたアレ
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